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宰相執務室の一角に設けられた、真新しいデスク。
そこが、アムリーの新しい戦場だった。
「――非効率ですね」
アムリーは着席してからわずか三分で、そう断言した。
彼女の目の前には、天井まで届きそうな未決裁書類の山が築かれている。
周囲の文官たちは、目の下にどす黒いクマを作り、死人のような顔でペンを走らせていた。
ここは国の中枢機関。
集まる情報の量も、処理すべき案件も、他部署とは桁違いだ。
「お言葉ですが、ベルンシュタイン嬢……これでも我々は不眠不休で……」
隣の席の文官が、蚊の鳴くような声で抗議する。
アムリーは書類の山を、まるでゴミを見るような目で見上げた。
「努力と成果は別物です。まず、この書類の分類がなっていません。緊急度A(国家存亡に関わる案件)と、緊急度C(地方貴族のどうでもいい陳情)が混ざっています」
彼女は手元の白い手袋をキュッと締め直す。
その瞳が、獲物を狙う狩人のように鋭く光った。
「これより、業務効率化プロセスを開始します。私の指示に従って書類を動かしてください。……いいですか、私語は禁止です。手を動かすのです!」
パチン!
アムリーが指を鳴らすと同時に、執務室は戦場と化した。
「はい、これは財務省へ差し戻し! 計算が合っていません!」
「この陳情書は却下! 前例踏襲の無駄な挨拶文が長すぎます!」
「これはギルバート様の決裁が必要。あちらのボックスへ!」
「こっちはシュレッダー! 今すぐ!」
アムリーの手元で、書類が次々と宙を舞う。
その速度は、熟練のカードディーラーも裸足で逃げ出すほどだ。
文官たちは目を白黒させながらも、アムリーの的確すぎる指示に従って走り回る。
「は、速い……!」
「中身を読んでいるのか!? いや、要点だけを瞬時に把握しているんだ!」
「すごいぞ、未決裁ボックスがどんどん減っていく……!」
一時間後。
山脈のようにそびえ立っていた書類の山は、綺麗さっぱり消滅していた。
「ふぅ」
アムリーは優雅に紅茶を一口すすった。
「これでようやく、午前の業務に取り掛かれますね」
シーン……。
執務室が静まり返る。
文官たちは、まるで奇跡を見たかのようにアムリーを拝んでいた。
「あ、ありがとうございます! 今日中に終わらないと思っていた案件が……!」
「これで……これで三日ぶりに家に帰れる!」
「女神だ! 書類整理の女神が舞い降りた!」
アムリーは不思議そうに首を傾げた。
「何を大袈裟な。これくらい、王妃教育の課題に比べれば準備運動にもなりませんわ」
「王妃教育って、そんなに過酷だったんですか……」
文官たちが戦慄していると、奥の扉が開き、ギルバートが姿を現した。
彼は片手にコーヒーカップを持ち、満足げに室内を見渡した。
「素晴らしいな」
「閣下!」
文官たちが一斉に起立する。
ギルバートはアムリーのデスクに歩み寄り、その肩に手を置いた。
「私の見込み通りだ、アムリー。君のおかげで、私の決裁待ち時間も大幅に短縮された」
「それは何よりです。……ところで閣下」
アムリーは上司の手を払い除けることなく(契約書に『適度なスキンシップは業務の一環とする』と書かれてしまったため)、事務的な笑顔を向けた。
「この職場、紙の無駄遣いが多すぎます。裏紙使用の徹底と、書類フォーマットの統一を提案します。これにより、年間予算の約一五%、金貨にして三千枚の削減が可能です」
「三千枚か。悪くない」
ギルバートは楽しそうに笑う。
「採用だ。その浮いた予算で、君の給与をアップさせてもいい」
「本当ですか!? では、ボーナスに反映をお願いします!」
アムリーの目が、金貨の形になった。
ギルバートは、そんな現金な彼女が愛おしくてたまらないといった様子で、目を細める。
「ああ、約束しよう。……君は本当に、見ていて飽きないな」
「飽きる飽きないの問題ではありません。数字は嘘をつかない、それだけです」
二人の間に流れる、奇妙な信頼関係。
周囲の文官たちは顔を見合わせた。
「おい、あの冷徹公爵がデレているぞ……」
「相手はあんなにドライなのに……」
「これが『需要と供給の一致』というやつか……」
宰相執務室には、かつてないほど爽やかで、生産性の高い風が吹いていた。
◇
一方その頃。
王太子カイルの執務室は、地獄の様相を呈していた。
「な、ない! どこだ!?」
カイルは髪を振り乱し、書類の海を泳いでいた。
床一面に散らばった羊皮紙。
インクの染み。
そして、なぜか転がっているマカロンの食べかす。
「くそっ、今日の会議で使う『隣国との通商条約草案』が見つからない! アムリーなら、『青い棚の三段目、右から二番目のファイルです』と即答したはずなのに!」
カイルは血走った目で叫んだ。
彼はようやく、自分の執務室がなぜ常に片付いていたのかを理解し始めていた。
それは魔法でも小人さんの仕業でもなく、アムリーが夜な夜な整理整頓していたからなのだ。
「カイル様ぁ~」
そこへ、のんびりとした声が響く。
ミナが、可愛らしいピンク色のバスケットを持って入ってきた。
「お仕事大変そうですので、差し入れを持ってきましたぁ。ミナの手作りクッキーです!」
「おお、ミナ! 気が利くな!」
カイルは一瞬表情を緩めたが、すぐに我に返った。
「だが今はそれどころじゃないんだ! 書類が見つからないと、父上(国王)に怒鳴られる!」
「えー? 書類なら、さっきミナが整理しておきましたよ?」
「本当か!? でかした!」
カイルは希望に満ちた顔でミナを見た。
「どこだ? 条約の草案は?」
「えっとですねぇ、字がいっぱい書いてある紙は、難しくて読めないのでぇ……」
ミナはテヘッと舌を出した。
「裏が白かったので、お絵描き帳にしました!」
「……は?」
ミナはバスケットの中から、一枚の紙を取り出した。
そこには、クレヨンで描かれた下手くそなウサギの絵があった。
そして、その裏面には。
『極秘・通商条約草案(最終版)』の文字。
カイルの顔から、サーッと血の気が引いていく。
「ぎゃああああああああ!」
「可愛く描けましたよね?」
「バカ野郎! これ重要書類! 国家機密! それをウサギって……!」
「ひどいですぅ! 一生懸命描いたのにぃ!」
ミナが泣き出し、カイルが頭を抱える。
そこへ、不運にも国王の側近が入室してきた。
「カイル殿下、陛下がお待ちです。資料は準備できましたか?」
「あ、あう、あう……」
カイルは震える手で、ウサギの絵を隠そうとした。
しかし、側近の目は誤魔化せない。
「……殿下。それは?」
「こ、これは、その……新しい国のシンボルマークの案で……」
「陛下からは『ふざけるな』との伝言を預かっております。……説教部屋へどうぞ」
「いやだあああああ! アムリー! アムリーどこだああああ!」
カイルの情けない絶叫が、王城の廊下にこだました。
◇
夕刻。
定時の鐘が鳴ると同時に、アムリーはペンを置いた。
「十七時です。これより退勤いたします」
「早いな」
ギルバートが顔を上げる。
「仕事は?」
「本日分は全て完了しました。明日の準備も万端です。これ以上ここにいても、照明代の無駄ですので」
アムリーは鞄を持って立ち上がる。
「素晴らしい。では、送ろう」
ギルバートも颯爽と立ち上がった。
「え?」
「婚約者を家まで送り届けるのは、紳士の嗜みだろう?」
「……契約書には『送迎』の項目はありませんでしたが」
「サービス残業だと思ってくれ。私からの、ね」
ギルバートは悪戯っぽくウィンクすると、アムリーの手を取った。
「それに、今日は美味しいレストランを予約してある。もちろん、経費(私の奢り)でね」
「経費! ……それなら話は別です」
アムリーの表情がパッと明るくなる。
「行きましょう、旦那様! 一番高いメニューを頼んでもよろしいですか?」
「ああ、好きなだけ頼むといい」
二人は腕を組んで(アムリーにとっては拘束具、ギルバートにとっては至福)部屋を出て行く。
残された文官たちは、涙を流しながらその背中を見送った。
「……明日も来てくれるかな、ベルンシュタイン嬢」
「来てくれなきゃ困る! 俺たちの命綱なんだ!」
アムリーの知らぬ間に、彼女は宰相府の『裏ボス』として君臨しつつあった。
しかし当の本人は、今夜のディナーの原価率を計算することに夢中で、そんなことには気づいていないのだった。
そこが、アムリーの新しい戦場だった。
「――非効率ですね」
アムリーは着席してからわずか三分で、そう断言した。
彼女の目の前には、天井まで届きそうな未決裁書類の山が築かれている。
周囲の文官たちは、目の下にどす黒いクマを作り、死人のような顔でペンを走らせていた。
ここは国の中枢機関。
集まる情報の量も、処理すべき案件も、他部署とは桁違いだ。
「お言葉ですが、ベルンシュタイン嬢……これでも我々は不眠不休で……」
隣の席の文官が、蚊の鳴くような声で抗議する。
アムリーは書類の山を、まるでゴミを見るような目で見上げた。
「努力と成果は別物です。まず、この書類の分類がなっていません。緊急度A(国家存亡に関わる案件)と、緊急度C(地方貴族のどうでもいい陳情)が混ざっています」
彼女は手元の白い手袋をキュッと締め直す。
その瞳が、獲物を狙う狩人のように鋭く光った。
「これより、業務効率化プロセスを開始します。私の指示に従って書類を動かしてください。……いいですか、私語は禁止です。手を動かすのです!」
パチン!
アムリーが指を鳴らすと同時に、執務室は戦場と化した。
「はい、これは財務省へ差し戻し! 計算が合っていません!」
「この陳情書は却下! 前例踏襲の無駄な挨拶文が長すぎます!」
「これはギルバート様の決裁が必要。あちらのボックスへ!」
「こっちはシュレッダー! 今すぐ!」
アムリーの手元で、書類が次々と宙を舞う。
その速度は、熟練のカードディーラーも裸足で逃げ出すほどだ。
文官たちは目を白黒させながらも、アムリーの的確すぎる指示に従って走り回る。
「は、速い……!」
「中身を読んでいるのか!? いや、要点だけを瞬時に把握しているんだ!」
「すごいぞ、未決裁ボックスがどんどん減っていく……!」
一時間後。
山脈のようにそびえ立っていた書類の山は、綺麗さっぱり消滅していた。
「ふぅ」
アムリーは優雅に紅茶を一口すすった。
「これでようやく、午前の業務に取り掛かれますね」
シーン……。
執務室が静まり返る。
文官たちは、まるで奇跡を見たかのようにアムリーを拝んでいた。
「あ、ありがとうございます! 今日中に終わらないと思っていた案件が……!」
「これで……これで三日ぶりに家に帰れる!」
「女神だ! 書類整理の女神が舞い降りた!」
アムリーは不思議そうに首を傾げた。
「何を大袈裟な。これくらい、王妃教育の課題に比べれば準備運動にもなりませんわ」
「王妃教育って、そんなに過酷だったんですか……」
文官たちが戦慄していると、奥の扉が開き、ギルバートが姿を現した。
彼は片手にコーヒーカップを持ち、満足げに室内を見渡した。
「素晴らしいな」
「閣下!」
文官たちが一斉に起立する。
ギルバートはアムリーのデスクに歩み寄り、その肩に手を置いた。
「私の見込み通りだ、アムリー。君のおかげで、私の決裁待ち時間も大幅に短縮された」
「それは何よりです。……ところで閣下」
アムリーは上司の手を払い除けることなく(契約書に『適度なスキンシップは業務の一環とする』と書かれてしまったため)、事務的な笑顔を向けた。
「この職場、紙の無駄遣いが多すぎます。裏紙使用の徹底と、書類フォーマットの統一を提案します。これにより、年間予算の約一五%、金貨にして三千枚の削減が可能です」
「三千枚か。悪くない」
ギルバートは楽しそうに笑う。
「採用だ。その浮いた予算で、君の給与をアップさせてもいい」
「本当ですか!? では、ボーナスに反映をお願いします!」
アムリーの目が、金貨の形になった。
ギルバートは、そんな現金な彼女が愛おしくてたまらないといった様子で、目を細める。
「ああ、約束しよう。……君は本当に、見ていて飽きないな」
「飽きる飽きないの問題ではありません。数字は嘘をつかない、それだけです」
二人の間に流れる、奇妙な信頼関係。
周囲の文官たちは顔を見合わせた。
「おい、あの冷徹公爵がデレているぞ……」
「相手はあんなにドライなのに……」
「これが『需要と供給の一致』というやつか……」
宰相執務室には、かつてないほど爽やかで、生産性の高い風が吹いていた。
◇
一方その頃。
王太子カイルの執務室は、地獄の様相を呈していた。
「な、ない! どこだ!?」
カイルは髪を振り乱し、書類の海を泳いでいた。
床一面に散らばった羊皮紙。
インクの染み。
そして、なぜか転がっているマカロンの食べかす。
「くそっ、今日の会議で使う『隣国との通商条約草案』が見つからない! アムリーなら、『青い棚の三段目、右から二番目のファイルです』と即答したはずなのに!」
カイルは血走った目で叫んだ。
彼はようやく、自分の執務室がなぜ常に片付いていたのかを理解し始めていた。
それは魔法でも小人さんの仕業でもなく、アムリーが夜な夜な整理整頓していたからなのだ。
「カイル様ぁ~」
そこへ、のんびりとした声が響く。
ミナが、可愛らしいピンク色のバスケットを持って入ってきた。
「お仕事大変そうですので、差し入れを持ってきましたぁ。ミナの手作りクッキーです!」
「おお、ミナ! 気が利くな!」
カイルは一瞬表情を緩めたが、すぐに我に返った。
「だが今はそれどころじゃないんだ! 書類が見つからないと、父上(国王)に怒鳴られる!」
「えー? 書類なら、さっきミナが整理しておきましたよ?」
「本当か!? でかした!」
カイルは希望に満ちた顔でミナを見た。
「どこだ? 条約の草案は?」
「えっとですねぇ、字がいっぱい書いてある紙は、難しくて読めないのでぇ……」
ミナはテヘッと舌を出した。
「裏が白かったので、お絵描き帳にしました!」
「……は?」
ミナはバスケットの中から、一枚の紙を取り出した。
そこには、クレヨンで描かれた下手くそなウサギの絵があった。
そして、その裏面には。
『極秘・通商条約草案(最終版)』の文字。
カイルの顔から、サーッと血の気が引いていく。
「ぎゃああああああああ!」
「可愛く描けましたよね?」
「バカ野郎! これ重要書類! 国家機密! それをウサギって……!」
「ひどいですぅ! 一生懸命描いたのにぃ!」
ミナが泣き出し、カイルが頭を抱える。
そこへ、不運にも国王の側近が入室してきた。
「カイル殿下、陛下がお待ちです。資料は準備できましたか?」
「あ、あう、あう……」
カイルは震える手で、ウサギの絵を隠そうとした。
しかし、側近の目は誤魔化せない。
「……殿下。それは?」
「こ、これは、その……新しい国のシンボルマークの案で……」
「陛下からは『ふざけるな』との伝言を預かっております。……説教部屋へどうぞ」
「いやだあああああ! アムリー! アムリーどこだああああ!」
カイルの情けない絶叫が、王城の廊下にこだました。
◇
夕刻。
定時の鐘が鳴ると同時に、アムリーはペンを置いた。
「十七時です。これより退勤いたします」
「早いな」
ギルバートが顔を上げる。
「仕事は?」
「本日分は全て完了しました。明日の準備も万端です。これ以上ここにいても、照明代の無駄ですので」
アムリーは鞄を持って立ち上がる。
「素晴らしい。では、送ろう」
ギルバートも颯爽と立ち上がった。
「え?」
「婚約者を家まで送り届けるのは、紳士の嗜みだろう?」
「……契約書には『送迎』の項目はありませんでしたが」
「サービス残業だと思ってくれ。私からの、ね」
ギルバートは悪戯っぽくウィンクすると、アムリーの手を取った。
「それに、今日は美味しいレストランを予約してある。もちろん、経費(私の奢り)でね」
「経費! ……それなら話は別です」
アムリーの表情がパッと明るくなる。
「行きましょう、旦那様! 一番高いメニューを頼んでもよろしいですか?」
「ああ、好きなだけ頼むといい」
二人は腕を組んで(アムリーにとっては拘束具、ギルバートにとっては至福)部屋を出て行く。
残された文官たちは、涙を流しながらその背中を見送った。
「……明日も来てくれるかな、ベルンシュタイン嬢」
「来てくれなきゃ困る! 俺たちの命綱なんだ!」
アムリーの知らぬ間に、彼女は宰相府の『裏ボス』として君臨しつつあった。
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