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崩れかけた石階段を、アムリーたちは降りていく。
地下深くへ続くその道は、カビと湿気、そして濃厚な魔力の気配に満ちていた。
「……足場が悪すぎます。手すりの設置と、滑り止めの施工が必要です。労働安全衛生法に違反しています」
アムリーはスカートの裾を持ち上げながら、ブツブツと文句を言う。
「魔獣の巣に建築基準法を求めても仕方ないだろう」
先頭を行くギルバートが、ランタンを掲げながら苦笑する。
彼の手には剣が握られ、背後にはロープで縛り上げた工作員と、気絶したままのカイルとミナ(ギルバートが軽々と二人抱えている)が浮遊魔法で運ばれている。
「着いたぞ」
階段の終わり。
そこには、巨大な石造りの広間があった。
天井は遥か高く、壁面には見たこともない古代文字が刻まれている。
そして、広間の中央。
魔法陣の上に、巨大な影が鎮座していた。
『――グルルルル……』
地響きのような唸り声。
全長十メートルはあろうかという、漆黒の鱗を持つ竜。
いや、よく見るとその体は生物ではなく、金属と魔石で構成された『機械仕掛けの竜(機竜)』だった。
「ひぃっ! で、出たぁぁぁ!」
目を覚ましたカイルが、ギルバートの腕の中で暴れ出す。
「おろせ! 逃げるんだ! 食べられる!」
「うるさい。黙っていろ」
ギルバートはカイルとミナを床にドサリと下ろした。
機竜の目が赤く光る。
『我ガ眠リヲ妨ゲシ者ハ誰ゾ……』
脳内に直接響く、重厚な声。
工作員が震えながら叫んだ。
「見ろ! 古代兵器『守護竜ファフニール』だ! こいつが目覚めれば、王都など一晩で火の海だ!」
「火の海……それは困りますね。不動産価値が暴落します」
アムリーは一歩前に出た。
恐怖はない。あるのは「業務遂行」の意志のみ。
『小サキ人間ヨ。我ハ飢エテイル……。長キ眠リノ間、魔力ノ供給ガ途絶エテイル……』
機竜が巨大な顎(あぎと)を開く。
そこには、全てを焼き尽くすブレスの予兆である赤い光が溜まっていた。
『対価ヲ払エ。サモナクバ、貴様ラヲ喰ライ、王都ヲ灰ニスル!』
「ひぃぃ! 対価だって!? 金か!? パンか!?」
カイルがポケットから盗んだパンを取り出し、投げつけた。
機竜の鼻先にパンが当たる。
『……舐メテイルノカ?』
「ぎゃあああ! 怒ったぁぁぁ!」
機竜の怒気が膨れ上がる。
絶体絶命の危機。
しかし、アムリーは冷静に眼鏡を光らせた。
「あの、よろしいでしょうか」
『ナンダ? 命乞イカ?』
「いいえ。契約内容の確認です」
アムリーは手帳を開き、機竜を見上げた。
「貴方は『守護竜』と名乗りましたね。つまり、この国を守るために製造され、配置された『警備システム』とお見受けします」
『イカニモ。我ハ初代国王トノ契約ニヨリ、コノ地ヲ守ル者』
「なるほど。では質問です。貴方の『給与体系』はどうなっていますか?」
広間の空気が止まった。
『……キュウヨ?』
「はい。対価を求めているということは、未払いの報酬があるということでしょう? それは魔力ですか? それともメンテナンス用のオイル?」
『……魔力ダ。毎日、王族ガ祈リト共ニ最高級ノ魔力ヲ捧ゲル。ソレガ契約ダッタ』
「毎日?」
アムリーは眉をひそめた。
「ですが、ここ百年ほど、王家がここを訪れた記録はありません」
『サヨウ! ココ百年、誰モ来ナイ! 飯(魔力)モ出ナイ! 我ハ腹ペコダ! ブラック職場ニモ程ガアル!』
機竜がバンと床を叩いた。
その悲痛な叫びは、アムリーの魂を揺さぶった。
(百年間の無賃労働……!)
アムリーの瞳に、同情と義憤の炎が宿る。
彼女は機竜に向かって深くお辞儀をした。
「申し訳ありませんでした! それは完全にこちらの『雇用主(王家)』の過失です!」
『ム? ワカルノカ?』
「わかりますとも! 契約不履行、賃金未払い、さらに放置プレイによる職場環境の悪化! これは労働基準法違反どころの話ではありません!」
アムリーはクルリと振り返り、床にへたり込んでいるカイルを指差した。
「ファフニールさん。あそこにいるのが、現在の王家代表、カイル王太子です。未払い賃金の請求先は、彼になります」
「は!? 俺!?」
カイルが目を剥く。
『ホウ……。アイツガ、今ノ雇イ主カ……』
機竜の赤い目が、カイルをロックオンした。
「ま、待てアムリー! 俺を売る気か!?」
「売るのではなく、責任の所在を明確にしただけです。……ファフニールさん、百年間分の未払い魔力、および遅延損害金を含めると、どれくらいになりますか?」
『ソウダナ……。王都ノ魔力ヲ根コソギ吸イ取ッテ、ヤットトントン、トイッタ所カ』
「それは多すぎますね。王都が滅びます」
アムリーは電卓を取り出した。
「そこで提案です。『債務整理』を行いませんか?」
『サイムセイリ?』
「はい。過去の未払い分を一括請求しても、今の王家(カイル殿下)には支払い能力がありません。スカンピンです」
アムリーはカイルの空っぽのポケットを示した。
「そこで、過去の分は『分割払い』とし、その代わりに今後、私が責任を持って『福利厚生』を充実させます」
『フクリコウセイ……。具体的ニハ?』
「1.定期的な魔力供給(美味しい魔石の支給)。2.週休二日制の導入(休日はスリープモードで省エネ)。3.鱗のブラッシングおよびオイル交換によるエステ体験」
アムリーがスラスラと条件を並べる。
機竜の目が、ピカピカと明滅した。
『エステ……。背中ノ錆ガ、気ニナッテイタ所ダ……』
「さらに! 今なら特別ボーナスとして、あちらの『聖女(自称)』によるマッサージもお付けします」
アムリーは震えるミナを指差した。
「えっ!? ミ、ミナがやるんですかぁ!?」
「当然です。貴女が起こした騒動が一因ですから、労働奉仕で償ってください」
『……悪クナイ条件ダ』
機竜の殺気が消えていく。
ギルバートは呆気にとられていた。
「……まさか、古代兵器を懐柔するとは」
「懐柔ではありません。労使交渉です。……さあ、ファフニールさん。この『再雇用契約書』にサインを。足型で構いません」
アムリーはどこからともなく巨大な羊皮紙を取り出し、広げた。
機竜はしばらく考え込んだ後、巨大な前足をインク(アムリーが持参していた業務用の朱肉)につけ、ドン! と押した。
『契約成立ダ。……デ、飯ハ?』
「カイル殿下」
アムリーは満面の笑みでカイルを見た。
「貴方の有り余る魔力を、少し分けて差し上げてください。王族の義務(ノブレス・オブリージュ)ですよ?」
「い、いやだ! 吸われる! 干からびる!」
『イタダキマス』
「ぎゃああああああ!」
機竜がカイルの頭に軽く噛み付く(甘噛み)。
チュウウウウウウ……。
「ああああ……俺の魔力がぁ……力が抜けるぅ……」
カイルが白目を剥いてぐったりとした。
機竜は満足げに離れる。
『フウ、久シブリノ飯ダ。少シ味ハ薄イガ、悪クナイ』
「よかったです。では、私たちはこれで。……あ、工作員の彼も置いていきますので、おやつにでもどうぞ」
「ひぃっ! 助けてくれ!」
縛られた工作員が悲鳴を上げる。
『オオ、デザートマデ。気ガ利クナ』
こうして。
王都を滅ぼすはずだった古代の脅威は、アムリーの手腕によって「福利厚生の行き届いた優良ホワイト職場」へと生まれ変わった。
◇
地上へ戻った一行。
朝日はすでに昇っていた。
「……終わったな」
ギルバートが伸びをする。
「ああ、長い夜勤でした。これで特別手当が出なければ、労基署に駆け込むところです」
アムリーも疲れた顔で眼鏡を外した。
足元には、魔力を吸われてミイラのようになったカイルと、恐怖で腰が抜けて動けないミナ、そして憲兵に引き渡される工作員の姿があった。
「アムリー」
ギルバートがアムリーの肩を抱いた。
「君は、国を救った英雄だ」
「違います。私はただ、職場の安全管理を行っただけです」
「ふっ。……君には敵わないな」
ギルバートはアムリーの額にキスを落とした。
「帰ろう。美味しい朝食と、君が望む最高級の羽毛布団が待っている」
「……羽毛布団!」
アムリーの瞳が輝いた。
「最高です。それこそが、私が求めていた真の報酬です!」
カイルとミナのうめき声をBGMに、二人は清々しい朝の光の中を歩き出した。
だが、物語はまだ終わらない。
この一件でアムリーの評価が「国の救世主」にまで爆上がりし、国王陛下から「直接お礼が言いたい」という呼び出しがかかるのは、また別のお話。
地下深くへ続くその道は、カビと湿気、そして濃厚な魔力の気配に満ちていた。
「……足場が悪すぎます。手すりの設置と、滑り止めの施工が必要です。労働安全衛生法に違反しています」
アムリーはスカートの裾を持ち上げながら、ブツブツと文句を言う。
「魔獣の巣に建築基準法を求めても仕方ないだろう」
先頭を行くギルバートが、ランタンを掲げながら苦笑する。
彼の手には剣が握られ、背後にはロープで縛り上げた工作員と、気絶したままのカイルとミナ(ギルバートが軽々と二人抱えている)が浮遊魔法で運ばれている。
「着いたぞ」
階段の終わり。
そこには、巨大な石造りの広間があった。
天井は遥か高く、壁面には見たこともない古代文字が刻まれている。
そして、広間の中央。
魔法陣の上に、巨大な影が鎮座していた。
『――グルルルル……』
地響きのような唸り声。
全長十メートルはあろうかという、漆黒の鱗を持つ竜。
いや、よく見るとその体は生物ではなく、金属と魔石で構成された『機械仕掛けの竜(機竜)』だった。
「ひぃっ! で、出たぁぁぁ!」
目を覚ましたカイルが、ギルバートの腕の中で暴れ出す。
「おろせ! 逃げるんだ! 食べられる!」
「うるさい。黙っていろ」
ギルバートはカイルとミナを床にドサリと下ろした。
機竜の目が赤く光る。
『我ガ眠リヲ妨ゲシ者ハ誰ゾ……』
脳内に直接響く、重厚な声。
工作員が震えながら叫んだ。
「見ろ! 古代兵器『守護竜ファフニール』だ! こいつが目覚めれば、王都など一晩で火の海だ!」
「火の海……それは困りますね。不動産価値が暴落します」
アムリーは一歩前に出た。
恐怖はない。あるのは「業務遂行」の意志のみ。
『小サキ人間ヨ。我ハ飢エテイル……。長キ眠リノ間、魔力ノ供給ガ途絶エテイル……』
機竜が巨大な顎(あぎと)を開く。
そこには、全てを焼き尽くすブレスの予兆である赤い光が溜まっていた。
『対価ヲ払エ。サモナクバ、貴様ラヲ喰ライ、王都ヲ灰ニスル!』
「ひぃぃ! 対価だって!? 金か!? パンか!?」
カイルがポケットから盗んだパンを取り出し、投げつけた。
機竜の鼻先にパンが当たる。
『……舐メテイルノカ?』
「ぎゃあああ! 怒ったぁぁぁ!」
機竜の怒気が膨れ上がる。
絶体絶命の危機。
しかし、アムリーは冷静に眼鏡を光らせた。
「あの、よろしいでしょうか」
『ナンダ? 命乞イカ?』
「いいえ。契約内容の確認です」
アムリーは手帳を開き、機竜を見上げた。
「貴方は『守護竜』と名乗りましたね。つまり、この国を守るために製造され、配置された『警備システム』とお見受けします」
『イカニモ。我ハ初代国王トノ契約ニヨリ、コノ地ヲ守ル者』
「なるほど。では質問です。貴方の『給与体系』はどうなっていますか?」
広間の空気が止まった。
『……キュウヨ?』
「はい。対価を求めているということは、未払いの報酬があるということでしょう? それは魔力ですか? それともメンテナンス用のオイル?」
『……魔力ダ。毎日、王族ガ祈リト共ニ最高級ノ魔力ヲ捧ゲル。ソレガ契約ダッタ』
「毎日?」
アムリーは眉をひそめた。
「ですが、ここ百年ほど、王家がここを訪れた記録はありません」
『サヨウ! ココ百年、誰モ来ナイ! 飯(魔力)モ出ナイ! 我ハ腹ペコダ! ブラック職場ニモ程ガアル!』
機竜がバンと床を叩いた。
その悲痛な叫びは、アムリーの魂を揺さぶった。
(百年間の無賃労働……!)
アムリーの瞳に、同情と義憤の炎が宿る。
彼女は機竜に向かって深くお辞儀をした。
「申し訳ありませんでした! それは完全にこちらの『雇用主(王家)』の過失です!」
『ム? ワカルノカ?』
「わかりますとも! 契約不履行、賃金未払い、さらに放置プレイによる職場環境の悪化! これは労働基準法違反どころの話ではありません!」
アムリーはクルリと振り返り、床にへたり込んでいるカイルを指差した。
「ファフニールさん。あそこにいるのが、現在の王家代表、カイル王太子です。未払い賃金の請求先は、彼になります」
「は!? 俺!?」
カイルが目を剥く。
『ホウ……。アイツガ、今ノ雇イ主カ……』
機竜の赤い目が、カイルをロックオンした。
「ま、待てアムリー! 俺を売る気か!?」
「売るのではなく、責任の所在を明確にしただけです。……ファフニールさん、百年間分の未払い魔力、および遅延損害金を含めると、どれくらいになりますか?」
『ソウダナ……。王都ノ魔力ヲ根コソギ吸イ取ッテ、ヤットトントン、トイッタ所カ』
「それは多すぎますね。王都が滅びます」
アムリーは電卓を取り出した。
「そこで提案です。『債務整理』を行いませんか?」
『サイムセイリ?』
「はい。過去の未払い分を一括請求しても、今の王家(カイル殿下)には支払い能力がありません。スカンピンです」
アムリーはカイルの空っぽのポケットを示した。
「そこで、過去の分は『分割払い』とし、その代わりに今後、私が責任を持って『福利厚生』を充実させます」
『フクリコウセイ……。具体的ニハ?』
「1.定期的な魔力供給(美味しい魔石の支給)。2.週休二日制の導入(休日はスリープモードで省エネ)。3.鱗のブラッシングおよびオイル交換によるエステ体験」
アムリーがスラスラと条件を並べる。
機竜の目が、ピカピカと明滅した。
『エステ……。背中ノ錆ガ、気ニナッテイタ所ダ……』
「さらに! 今なら特別ボーナスとして、あちらの『聖女(自称)』によるマッサージもお付けします」
アムリーは震えるミナを指差した。
「えっ!? ミ、ミナがやるんですかぁ!?」
「当然です。貴女が起こした騒動が一因ですから、労働奉仕で償ってください」
『……悪クナイ条件ダ』
機竜の殺気が消えていく。
ギルバートは呆気にとられていた。
「……まさか、古代兵器を懐柔するとは」
「懐柔ではありません。労使交渉です。……さあ、ファフニールさん。この『再雇用契約書』にサインを。足型で構いません」
アムリーはどこからともなく巨大な羊皮紙を取り出し、広げた。
機竜はしばらく考え込んだ後、巨大な前足をインク(アムリーが持参していた業務用の朱肉)につけ、ドン! と押した。
『契約成立ダ。……デ、飯ハ?』
「カイル殿下」
アムリーは満面の笑みでカイルを見た。
「貴方の有り余る魔力を、少し分けて差し上げてください。王族の義務(ノブレス・オブリージュ)ですよ?」
「い、いやだ! 吸われる! 干からびる!」
『イタダキマス』
「ぎゃああああああ!」
機竜がカイルの頭に軽く噛み付く(甘噛み)。
チュウウウウウウ……。
「ああああ……俺の魔力がぁ……力が抜けるぅ……」
カイルが白目を剥いてぐったりとした。
機竜は満足げに離れる。
『フウ、久シブリノ飯ダ。少シ味ハ薄イガ、悪クナイ』
「よかったです。では、私たちはこれで。……あ、工作員の彼も置いていきますので、おやつにでもどうぞ」
「ひぃっ! 助けてくれ!」
縛られた工作員が悲鳴を上げる。
『オオ、デザートマデ。気ガ利クナ』
こうして。
王都を滅ぼすはずだった古代の脅威は、アムリーの手腕によって「福利厚生の行き届いた優良ホワイト職場」へと生まれ変わった。
◇
地上へ戻った一行。
朝日はすでに昇っていた。
「……終わったな」
ギルバートが伸びをする。
「ああ、長い夜勤でした。これで特別手当が出なければ、労基署に駆け込むところです」
アムリーも疲れた顔で眼鏡を外した。
足元には、魔力を吸われてミイラのようになったカイルと、恐怖で腰が抜けて動けないミナ、そして憲兵に引き渡される工作員の姿があった。
「アムリー」
ギルバートがアムリーの肩を抱いた。
「君は、国を救った英雄だ」
「違います。私はただ、職場の安全管理を行っただけです」
「ふっ。……君には敵わないな」
ギルバートはアムリーの額にキスを落とした。
「帰ろう。美味しい朝食と、君が望む最高級の羽毛布団が待っている」
「……羽毛布団!」
アムリーの瞳が輝いた。
「最高です。それこそが、私が求めていた真の報酬です!」
カイルとミナのうめき声をBGMに、二人は清々しい朝の光の中を歩き出した。
だが、物語はまだ終わらない。
この一件でアムリーの評価が「国の救世主」にまで爆上がりし、国王陛下から「直接お礼が言いたい」という呼び出しがかかるのは、また別のお話。
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