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王城、謁見の間。
朱色の絨毯が敷かれた広い空間に、重苦しい空気が漂っていた。
玉座には、この国の頂点に立つ国王、そして王妃。
その御前には、四人の人物が跪いていた。
一組は、優雅に礼を執るアムリーとギルバート。
もう一組は、縄で縛られ、やつれ果てたカイルとミナである。
「――面を上げよ」
国王の厳格な声が響く。
アムリーたちは顔を上げた。
国王は、まずカイルを見た。
我が息子ながら、情けない姿だ。魔力を吸われてゲッソリし、服はボロボロ。威厳の欠片もない。
「カイルよ。……貴様の愚行には、言葉もない」
「ち、父上! 違うのです! 俺は騙されたのです!」
カイルが必死に叫ぶ。
「あのフードの男が、俺を唆したのです! 俺は被害者だ!」
「黙れ!」
国王の一喝が雷のように轟いた。
「唆されただと? 王家の宝物を持ち出し、敵国の工作員を招き入れ、あまつさえ古代の封印を解いた。その結果、王都を滅亡の危機に晒したのだぞ! これを大逆罪と言わずして何と言う!」
「ヒィッ……」
カイルが縮こまる。
隣でミナも震えていた。
「ミナは……ミナは悪くありませんぅ……。ただ、可愛いドレスが欲しかっただけでぇ……」
「その欲望が国を滅ぼしかけたのだ、愚か者め」
王妃が冷ややかな視線を送る。
「貴女の実家である男爵家には、すでに沙汰を出しました。家は取り潰し、貴女の両親は鉱山送りです」
「そ、そんなぁ! パパとママがぁ!」
ミナが泣き崩れるが、誰も同情しない。
国王は大きなため息をつき、視線をアムリーたちへ移した。
その瞬間、表情が和らいだ。
「ギルバート、そしてベルンシュタイン嬢。……よくぞ国を救ってくれた」
「勿体なきお言葉です」
ギルバートが恭しく頭を下げる。
「ですが、最大の功労者はアムリーです。彼女の機転と交渉術がなければ、今頃王都は火の海でした」
「うむ。聞いているぞ。『機竜ファフニール』を手懐けたそうだな?」
「手懐けたのではありません、陛下」
アムリーがスッと眼鏡の位置を直した。
「労働条件の改善による『和解』です。彼(機竜)は不当な扱いを受けていた被害者でしたので」
「……う、うむ。そうか」
国王は少し引きつった笑みを浮かべた。
宰相補佐が「古代兵器と労使協定を結んだ」という報告書を読んだ時は、老眼が進んだのかと思ったほどだ。
「ベルンシュタイン嬢よ。貴殿の働きに報いたい。望みの褒美を取らせよう」
その言葉を、アムリーは待っていた。
彼女の目が、チャリンという音と共に金貨の形に変わる。
「ありがとうございます。では、こちらをご確認ください」
アムリーは懐から分厚い封筒を取り出し、侍従に渡した。
侍従が恐る恐る国王に手渡す。
「……なんだ、これは?」
「請求書一式でございます」
謁見の間が静まり返った。
国王が震える手で書類を開く。
「えー、なになに……。『機竜鎮圧特別報酬』『深夜労働割増賃金』『危険手当』『精神的苦痛への慰謝料』……そして『モンブラン代(全損)』?」
「はい。特にモンブランに関しては、私が一週間楽しみにして取っておいた限定品ですので、時価の十倍で請求させていただいております」
アムリーは真顔で説明した。
「また、機竜との契約に基づき、今後の維持管理費(カイル殿下の魔力供給は除く)も国家予算から捻出する必要があります。その見積もりも添付しておきました」
「……」
国王は書類とアムリーの顔を交互に見た。
普通、王への褒美の要求といえば「領地」や「名誉」、あるいは「宝石」などを願うものだ。
ここまで詳細な「経費精算」をしてくる令嬢は、建国以来初めてである。
「……ギルバートよ」
「はい」
「そなたの婚約者は、実に……頼もしいな」
「ええ。私の自慢です」
ギルバートは誇らしげに胸を張った。
国王は苦笑し、書類に署名をした。
「よかろう。財務大臣に回して、即時決済させる。……ベルンシュタイン嬢、貴殿の計算高さ、いや、実務能力は我が国にとって得難い財産だ」
「光栄です。入金確認後、領収書を発行いたします」
事務的すぎる対応に、周囲の貴族たちは呆気に取られていた。
しかし、これで「報酬」の話は終わりだ。
次は「処分」の時間である。
国王の表情が再び厳しくなった。
「さて、カイル、そしてミナよ」
「ち、父上……! 慈悲を! 改心しますから!」
カイルが額を床に擦り付ける。
「アムリーとの婚約破棄も撤回します! やはり俺には彼女が必要なのです! アムリー、戻ってきてくれ!」
往生際が悪すぎる。
アムリーは冷ややかな目で元婚約者を見下ろした。
「謹んでお断りします。私はすでに優良企業(ギルバート様)に就職しましたので、ブラック企業(殿下)への出戻りはあり得ません」
「そ、そんな言い方……!」
「カイル」
国王が静かに告げた。
「本日をもって、貴様を廃嫡とする」
「は……?」
「王位継承権を剥奪し、王籍から除名する。……貴様はもはや王子ではない」
カイルの顔から色が消えた。
「う、嘘だ……。じゃあ、俺はどうなるんだ? ただの平民か?」
「いいや。平民として生きる自由など与えん」
国王は、アムリーが作成した『機竜再雇用契約書』を持ち上げた。
「貴様には、機竜ファフニールの『専属魔力供給係(生体バッテリー)』として、地下で一生働いてもらう」
「え?」
「機竜は常に魔力を求めている。貴様の無駄に多い魔力は、そのためだけに使うのだ。……死ぬまでな」
「い、嫌だぁぁぁ! 吸われる! 毎日吸われるのは嫌だぁぁ!」
カイルが絶叫する。
「そしてミナ。貴女は機竜の『専属清掃員』だ」
「せ、清掃員?」
「鱗の間に入り込んだゴミを取り除く仕事だ。巨大な竜だ、一日中磨いても終わらんぞ。……休みはないと思え」
「嫌ですぅ! 手が荒れちゃいますぅ! ドレス着てお茶会したいですぅ!」
「連れて行け」
国王が無慈悲に手を振った。
衛兵たちが二人を抱え上げる。
「父上ぇぇ! アムリー! 助けてくれぇぇ!」
「ママー! パパー! おうち帰りたいぃぃ!」
二人の絶叫が遠ざかり、扉の向こうへと消えていった。
謁見の間に、清々しい静寂が戻る。
「……ふぅ」
国王は肩の荷が下りたように息を吐いた。
「これで、国も少しは静かになるだろう」
「英断でございます、陛下」
アムリーが深く頭を下げる。
「これで私の業務(カイル殿下の尻拭い)も完全になくなりました。業務効率が一二〇%向上する見込みです」
「それは何よりだ。……して、ギルバートよ」
国王がニヤリと笑った。
「身内(カイル)の不始末を片付けてくれた礼だ。そなたたちの結婚式、王家主催で盛大に執り行おうではないか」
「おお! それはありがたき幸せ!」
ギルバートが顔を輝かせる。
しかし、アムリーの手がスッと挙がった。
「陛下、お待ちください」
「ん? 不服か?」
「いえ。ただ、『王家主催』となりますと、予算の出処は国庫ですよね?」
「当然だ」
「ならば、無駄な装飾や演出はカットし、コストパフォーマンスを重視した式にすべきです。浮いた予算は、私の退職金……いえ、新生活の準備金に充てていただければと」
アムリーの提案に、国王と王妃、そしてギルバートが同時に吹き出した。
「ぶっ……! はははは!」
「あはは! そなた、どこまでもブレないな!」
「最高だ、アムリー。君らしい」
会場中が笑いに包まれる。
アムリーだけが、「なぜ笑うのですか? 節税対策は重要ですよ?」と不思議そうな顔をしていた。
こうして。
国の癌(カイルとミナ)は排除され、アムリーの手元には莫大な報奨金が転がり込んだ。
彼女の「慰謝料請求物語」は、これ以上ないハッピーエンド……の入り口へとたどり着いたのである。
◇
謁見の後。
廊下を歩く二人の姿があった。
「よかったな、アムリー。念願の入金だ」
「はい! 通帳の桁が増えるのを見るのが、何よりの癒やしです!」
アムリーは小切手をうっとりと眺めている。
「で、その金で何を買うんだ? やはり羽毛布団か?」
「それもありますが……まずは投資です」
「投資?」
「ギルバート様の健康管理への投資です。最高級の食材、サプリメント、そしてストレスケア用品。貴方には長生きして稼ぎ続けてもらわないと困りますから」
アムリーが真剣な眼差しで言う。
ギルバートは一瞬目を丸くし、そして愛おしそうに微笑んだ。
「……それは、『ずっと一緒にいたい』という愛の言葉と受け取っていいのかな?」
「違います。リスクヘッジです」
「素直じゃないな」
ギルバートはアムリーの手を取り、その甲に口付けた。
「だが、そんな君だからこそ、私は生涯をかけて愛し抜くと決めたんだ」
「……っ」
アムリーの顔が赤くなる。
計算高い彼女も、この男のストレートな愛の言葉だけは、いつまで経っても計算外(予測不能)なのだった。
「さあ、帰ろう。……今夜は、お祝いのディナーだ」
「経費ですね?」
「ああ、もちろん」
二人の幸せな足音が、王城の廊下に響いていった。
朱色の絨毯が敷かれた広い空間に、重苦しい空気が漂っていた。
玉座には、この国の頂点に立つ国王、そして王妃。
その御前には、四人の人物が跪いていた。
一組は、優雅に礼を執るアムリーとギルバート。
もう一組は、縄で縛られ、やつれ果てたカイルとミナである。
「――面を上げよ」
国王の厳格な声が響く。
アムリーたちは顔を上げた。
国王は、まずカイルを見た。
我が息子ながら、情けない姿だ。魔力を吸われてゲッソリし、服はボロボロ。威厳の欠片もない。
「カイルよ。……貴様の愚行には、言葉もない」
「ち、父上! 違うのです! 俺は騙されたのです!」
カイルが必死に叫ぶ。
「あのフードの男が、俺を唆したのです! 俺は被害者だ!」
「黙れ!」
国王の一喝が雷のように轟いた。
「唆されただと? 王家の宝物を持ち出し、敵国の工作員を招き入れ、あまつさえ古代の封印を解いた。その結果、王都を滅亡の危機に晒したのだぞ! これを大逆罪と言わずして何と言う!」
「ヒィッ……」
カイルが縮こまる。
隣でミナも震えていた。
「ミナは……ミナは悪くありませんぅ……。ただ、可愛いドレスが欲しかっただけでぇ……」
「その欲望が国を滅ぼしかけたのだ、愚か者め」
王妃が冷ややかな視線を送る。
「貴女の実家である男爵家には、すでに沙汰を出しました。家は取り潰し、貴女の両親は鉱山送りです」
「そ、そんなぁ! パパとママがぁ!」
ミナが泣き崩れるが、誰も同情しない。
国王は大きなため息をつき、視線をアムリーたちへ移した。
その瞬間、表情が和らいだ。
「ギルバート、そしてベルンシュタイン嬢。……よくぞ国を救ってくれた」
「勿体なきお言葉です」
ギルバートが恭しく頭を下げる。
「ですが、最大の功労者はアムリーです。彼女の機転と交渉術がなければ、今頃王都は火の海でした」
「うむ。聞いているぞ。『機竜ファフニール』を手懐けたそうだな?」
「手懐けたのではありません、陛下」
アムリーがスッと眼鏡の位置を直した。
「労働条件の改善による『和解』です。彼(機竜)は不当な扱いを受けていた被害者でしたので」
「……う、うむ。そうか」
国王は少し引きつった笑みを浮かべた。
宰相補佐が「古代兵器と労使協定を結んだ」という報告書を読んだ時は、老眼が進んだのかと思ったほどだ。
「ベルンシュタイン嬢よ。貴殿の働きに報いたい。望みの褒美を取らせよう」
その言葉を、アムリーは待っていた。
彼女の目が、チャリンという音と共に金貨の形に変わる。
「ありがとうございます。では、こちらをご確認ください」
アムリーは懐から分厚い封筒を取り出し、侍従に渡した。
侍従が恐る恐る国王に手渡す。
「……なんだ、これは?」
「請求書一式でございます」
謁見の間が静まり返った。
国王が震える手で書類を開く。
「えー、なになに……。『機竜鎮圧特別報酬』『深夜労働割増賃金』『危険手当』『精神的苦痛への慰謝料』……そして『モンブラン代(全損)』?」
「はい。特にモンブランに関しては、私が一週間楽しみにして取っておいた限定品ですので、時価の十倍で請求させていただいております」
アムリーは真顔で説明した。
「また、機竜との契約に基づき、今後の維持管理費(カイル殿下の魔力供給は除く)も国家予算から捻出する必要があります。その見積もりも添付しておきました」
「……」
国王は書類とアムリーの顔を交互に見た。
普通、王への褒美の要求といえば「領地」や「名誉」、あるいは「宝石」などを願うものだ。
ここまで詳細な「経費精算」をしてくる令嬢は、建国以来初めてである。
「……ギルバートよ」
「はい」
「そなたの婚約者は、実に……頼もしいな」
「ええ。私の自慢です」
ギルバートは誇らしげに胸を張った。
国王は苦笑し、書類に署名をした。
「よかろう。財務大臣に回して、即時決済させる。……ベルンシュタイン嬢、貴殿の計算高さ、いや、実務能力は我が国にとって得難い財産だ」
「光栄です。入金確認後、領収書を発行いたします」
事務的すぎる対応に、周囲の貴族たちは呆気に取られていた。
しかし、これで「報酬」の話は終わりだ。
次は「処分」の時間である。
国王の表情が再び厳しくなった。
「さて、カイル、そしてミナよ」
「ち、父上……! 慈悲を! 改心しますから!」
カイルが額を床に擦り付ける。
「アムリーとの婚約破棄も撤回します! やはり俺には彼女が必要なのです! アムリー、戻ってきてくれ!」
往生際が悪すぎる。
アムリーは冷ややかな目で元婚約者を見下ろした。
「謹んでお断りします。私はすでに優良企業(ギルバート様)に就職しましたので、ブラック企業(殿下)への出戻りはあり得ません」
「そ、そんな言い方……!」
「カイル」
国王が静かに告げた。
「本日をもって、貴様を廃嫡とする」
「は……?」
「王位継承権を剥奪し、王籍から除名する。……貴様はもはや王子ではない」
カイルの顔から色が消えた。
「う、嘘だ……。じゃあ、俺はどうなるんだ? ただの平民か?」
「いいや。平民として生きる自由など与えん」
国王は、アムリーが作成した『機竜再雇用契約書』を持ち上げた。
「貴様には、機竜ファフニールの『専属魔力供給係(生体バッテリー)』として、地下で一生働いてもらう」
「え?」
「機竜は常に魔力を求めている。貴様の無駄に多い魔力は、そのためだけに使うのだ。……死ぬまでな」
「い、嫌だぁぁぁ! 吸われる! 毎日吸われるのは嫌だぁぁ!」
カイルが絶叫する。
「そしてミナ。貴女は機竜の『専属清掃員』だ」
「せ、清掃員?」
「鱗の間に入り込んだゴミを取り除く仕事だ。巨大な竜だ、一日中磨いても終わらんぞ。……休みはないと思え」
「嫌ですぅ! 手が荒れちゃいますぅ! ドレス着てお茶会したいですぅ!」
「連れて行け」
国王が無慈悲に手を振った。
衛兵たちが二人を抱え上げる。
「父上ぇぇ! アムリー! 助けてくれぇぇ!」
「ママー! パパー! おうち帰りたいぃぃ!」
二人の絶叫が遠ざかり、扉の向こうへと消えていった。
謁見の間に、清々しい静寂が戻る。
「……ふぅ」
国王は肩の荷が下りたように息を吐いた。
「これで、国も少しは静かになるだろう」
「英断でございます、陛下」
アムリーが深く頭を下げる。
「これで私の業務(カイル殿下の尻拭い)も完全になくなりました。業務効率が一二〇%向上する見込みです」
「それは何よりだ。……して、ギルバートよ」
国王がニヤリと笑った。
「身内(カイル)の不始末を片付けてくれた礼だ。そなたたちの結婚式、王家主催で盛大に執り行おうではないか」
「おお! それはありがたき幸せ!」
ギルバートが顔を輝かせる。
しかし、アムリーの手がスッと挙がった。
「陛下、お待ちください」
「ん? 不服か?」
「いえ。ただ、『王家主催』となりますと、予算の出処は国庫ですよね?」
「当然だ」
「ならば、無駄な装飾や演出はカットし、コストパフォーマンスを重視した式にすべきです。浮いた予算は、私の退職金……いえ、新生活の準備金に充てていただければと」
アムリーの提案に、国王と王妃、そしてギルバートが同時に吹き出した。
「ぶっ……! はははは!」
「あはは! そなた、どこまでもブレないな!」
「最高だ、アムリー。君らしい」
会場中が笑いに包まれる。
アムリーだけが、「なぜ笑うのですか? 節税対策は重要ですよ?」と不思議そうな顔をしていた。
こうして。
国の癌(カイルとミナ)は排除され、アムリーの手元には莫大な報奨金が転がり込んだ。
彼女の「慰謝料請求物語」は、これ以上ないハッピーエンド……の入り口へとたどり着いたのである。
◇
謁見の後。
廊下を歩く二人の姿があった。
「よかったな、アムリー。念願の入金だ」
「はい! 通帳の桁が増えるのを見るのが、何よりの癒やしです!」
アムリーは小切手をうっとりと眺めている。
「で、その金で何を買うんだ? やはり羽毛布団か?」
「それもありますが……まずは投資です」
「投資?」
「ギルバート様の健康管理への投資です。最高級の食材、サプリメント、そしてストレスケア用品。貴方には長生きして稼ぎ続けてもらわないと困りますから」
アムリーが真剣な眼差しで言う。
ギルバートは一瞬目を丸くし、そして愛おしそうに微笑んだ。
「……それは、『ずっと一緒にいたい』という愛の言葉と受け取っていいのかな?」
「違います。リスクヘッジです」
「素直じゃないな」
ギルバートはアムリーの手を取り、その甲に口付けた。
「だが、そんな君だからこそ、私は生涯をかけて愛し抜くと決めたんだ」
「……っ」
アムリーの顔が赤くなる。
計算高い彼女も、この男のストレートな愛の言葉だけは、いつまで経っても計算外(予測不能)なのだった。
「さあ、帰ろう。……今夜は、お祝いのディナーだ」
「経費ですね?」
「ああ、もちろん」
二人の幸せな足音が、王城の廊下に響いていった。
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