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「招待状?」
私は粉まみれの手で、セバスから渡された封筒を受け取ろうとして止められた。
「お嬢様、手を拭いてからにしてください。これは隣国リ・ブレの王家からの直書(じきしょ)ですぞ」
「王家?」
手を拭いて封筒を開ける。
中には、金箔で縁取られた豪華なカードが入っていた。
『親愛なるシナモン・クラスツ嬢へ。
貴殿の焼くパンの噂は、我が国にも届いております。
つきましては、来週開催される「王宮大舞踏会」にご招待いたします。
当日は、我が甥(おい)であるクラウスと共に参列されたし。
リ・ブレ国王 アルフレッド』
読み終えた私は、パァァッ! と顔を輝かせた。
「すごいわ、クラウスさん! 隣国の国王様から『出店依頼』が来たわよ!」
「……どこをどう読んだらそうなる」
横でジャガイモの皮を剥いていたクラウスが、呆れたように言った。
「『舞踏会』と書いてあるだろう。ダンスパーティーだ」
「違いますよ。貴族社会において『舞踏会』とは、建前上の名称。その実態は『立食パーティー』であり、つまりは『美味しいパンを配る絶好のチャンス』のことです!」
私の論理展開に、クラウスは頭を抱えた。
「曲解がすぎる……。だが、叔父上(国王)が俺を指名しているのが気になるな」
「クラウスさんの叔父様なんですか?」
「ああ。母上(大公妃)の兄だ。陽気な人だが、悪戯好きでな……。俺たちが辺境でパン屋をしていることを面白がって、呼び出したに違いない」
「宣伝のチャンスですね! 行きましょう!」
私は即決した。
「当日は500人規模の集客が見込めます。試供品を1000個用意して、新規顧客を一網打尽にしますわ!」
「……俺は、お前と踊りたかったんだが」
クラウスのボソッとした呟きは、私の「新作パンの構想」にかき消された。
***
数日後。
私たちは王都の服屋にいた。
舞踏会に出るには、ドレスコードという壁がある。
いつものエプロン姿では、さすがに入場を断られる(衛兵にパンを投げつけて強行突破する手もあるが、招待主に失礼だ)。
「シナモン様、こちらはいかがです? 今流行りのマーメイドラインですわ」
店員さんが持ってきたのは、体のラインがくっきり出る美しいドレスだ。
私は鏡の前で合わせてみて、眉をひそめた。
「動きにくいですね」
「は?」
「これじゃあ、不測の事態が起きた時に、全速力でパンを守れません。あと、ポケットがないのが致命的です」
「ド、ドレスにポケットですか?」
「ええ。最低でも、麺棒とイースト菌の小瓶が入るポケットが必要です。できれば内側に、焼き立てのバゲットを保温できる断熱スペースも欲しいですね」
店員さんが助けを求めるようにクラウスを見た。
クラウスは試着室のカーテンを開けて、ため息をついた。
「シナモン。今回は諦めてくれ。……パンはセバスに持たせればいい」
「えーっ。自分の武器は自分で持ちたいのに」
「それに……」
クラウスは私を見て、少し顔を赤らめた。
「その、淡いピンク色のドレス……。桜の塩漬けパンみたいで、似合っているぞ」
「……!」
私はハッとした。
「桜の塩漬けパン! 確かに、春の限定メニューにぴったりの色合いですね! 採用です!」
「……褒め言葉の受け取り方が独特すぎる」
結局、私は「桜色のドレス(パン色)」を選び、クラウスは「濃紺の礼服(制服ではない)」を仕立てた。
見慣れない正装姿のクラウスは、悔しいけれど直視できないほど格好良かった。
銀髪を後ろに流し、長身にフィットしたタキシード。
これなら、黙っていれば「伝説の公爵様」に見える。
(口を開けば「今日のパンの焼き加減が……」とか言う残念な人だけど)
***
そして、舞踏会当日。
私たちは隣国リ・ブレの王宮へ向かう馬車の中にいた。
馬車の荷台には、私が徹夜で焼き上げた『祝いの飾りパン(一畳サイズ)』と、大量の試食用パンが積まれている。
「緊張するな……」
クラウスが襟元を直しながら呟く。
「大丈夫ですよ。いざとなったら、飾りパンを盾にして戦えばいいんです」
「そういう物理的な緊張じゃない。……社交界に戻るのが久しぶりでな」
彼は窓の外を見た。
「俺は『行方不明』扱いだったからな。今日、公の場に出れば、もう逃げ隠れはできない。……ライ麦公爵としての責務が復活する」
「……パン屋を辞めなきゃいけないんですか?」
私が不安げに尋ねると、彼はフッと笑って私の手を握った。
「まさか。俺の責務とは『シナモンのパンを世界に広めること』だと、腹を決めたからな。今日はそのための外交活動だ」
「クラウスさん……!」
頼もしい。
完全に私の「パンの騎士」に染まっている。
馬車が王宮のゲートをくぐる。
煌(きら)びやかな城。
着飾った貴族たちが続々と会場へ入っていく。
「さあ、行くぞシナモン。……俺のパートナーとして」
クラウスが手を差し出した。
私はその手を取り、馬車を降りた。
「はい! 戦場(マーケット)へ!」
私たちが会場に入ると、一瞬で視線が集中した。
「あれは……ライ麦公爵?」
「生きていたのか!」
「隣にいるのは誰だ? あの噂の『パンの魔女』か?」
ざわめきの中、私たちは堂々とレッドカーペットを歩く。
クラウスは優雅に微笑み、周囲に会釈をしている。
その完璧な貴族ムーブに、私は小声で話しかけた。
「すごいですね、クラウスさん。皆さんが見惚れていますよ」
「いや、彼らが見ているのは俺じゃない」
クラウスは引きつった笑顔で答えた。
「お前が背中に背負っている『巨大なフランスパン』を見ているんだ」
「えっ? これですか? 正装用のバッグ代わりですけど」
私は背中の『中をくり抜いて空洞にした特大バゲット(ショルダー紐付き)』をポンと叩いた。
中には名刺と、緊急用の小麦粉が入っている。
「……まあいい。シナモンらしくて安心する」
私たちがホールの中心に進むと、ファンファーレが鳴り響いた。
「国王陛下のおなりー!」
壇上に現れたのは、立派な髭を蓄えた恰幅の良い男性――アルフレッド国王だ。
彼は会場を見渡し、私たちを見つけると、ニカっと笑った。
「おお! 戻ったか、我が甥クラウスよ! そして、そちらが噂のシナモン嬢か!」
国王は大股で階段を降りてきた。
「よ、よくぞ参った! 手紙の返事が『出店スペースは3メートル四方で足りますか?』だった時はどうしようかと思ったが!」
「お初にお目にかかります、陛下」
私はパンのバッグを背負ったまま、完璧なカーテシーをした。
「本日はこのような素晴らしい『商談会』にお招きいただき、光栄です」
「ぶはは! 商談会か! 面白い!」
国王は豪快に笑い、私の背中のフランスパンをコンコンと叩いた。
「いい焼き音だ。……で、中身は何だ?」
「当店のパンフレットと、割引クーポン券です」
「くくっ、最高だ! 気に入った!」
国王は私たちの肩を抱いた。
「堅苦しい挨拶は抜きだ。今宵は、我が国の『美食家』たちが集まっている。シナモン嬢、存分にその腕(パン)を自慢してくれ!」
「お任せください!」
私は合図を送った。
待機していたセバスたちが、荷台からパンを運び込んでくる。
会場の一角が、あっという間に『即席ベーカリー』へと変貌した。
「さあ皆様! ダンスの前に腹ごしらえはいかがですか! ドレスが汚れない『一口サイズのピンチョス・パン』もございますよ!」
貴族たちが恐る恐る近づいてくる。
「これが噂の……」
「いい香りだ……」
一人が手を伸ばし、口に入れる。
その瞬間。
「!!」
雷に打たれたような顔をする貴族。
「う、美味い! なんだこの生地の弾力は!」
「バターの風味が、口の中でワルツを踊っているようだ!」
「私にも! 私にもくれ!」
たちまち大行列ができた。
優雅な舞踏会は、一瞬にして『パン争奪戦会場』と化した。
音楽隊が演奏するワルツに合わせて、貴族たちがパンを求めて回転(ターン)している。
「大盛況ですね!」
私がパンを配りまくっていると、人混みをかき分けて、一人の少女が近づいてきた。
ピンク色のフリルのドレスを着た、お人形のように可愛い令嬢だ。
しかし、その目は敵意に燃えている。
「……あなたが、お兄様をたぶらかしたパン屋の女ね!」
「はい?」
少女は私をビシッと指差した。
「私はミント! クラウスお兄様の婚約者(自称)よ! そんな粉っぽい女にお兄様は渡さないわ!」
「ミント?」
私は首をかしげた。
「爽やかそうな名前ですね。ハーブパンの材料に良さそうです」
「材料にするな! 勝負よ! 私とダンスで勝負して、勝った方がお兄様と踊るのよ!」
新たなライバル(?)登場。
しかし、私はパン作り以外の勝負には興味がない。
「ダンス対決ですか? いいでしょう。ただし、種目は『パン生地こねダンス』でお願いします」
「は?」
「リズムに合わせて、どれだけグルテンを形成できるか競いましょう」
舞踏会の夜は、まだまだカオスになりそうだった。
私は粉まみれの手で、セバスから渡された封筒を受け取ろうとして止められた。
「お嬢様、手を拭いてからにしてください。これは隣国リ・ブレの王家からの直書(じきしょ)ですぞ」
「王家?」
手を拭いて封筒を開ける。
中には、金箔で縁取られた豪華なカードが入っていた。
『親愛なるシナモン・クラスツ嬢へ。
貴殿の焼くパンの噂は、我が国にも届いております。
つきましては、来週開催される「王宮大舞踏会」にご招待いたします。
当日は、我が甥(おい)であるクラウスと共に参列されたし。
リ・ブレ国王 アルフレッド』
読み終えた私は、パァァッ! と顔を輝かせた。
「すごいわ、クラウスさん! 隣国の国王様から『出店依頼』が来たわよ!」
「……どこをどう読んだらそうなる」
横でジャガイモの皮を剥いていたクラウスが、呆れたように言った。
「『舞踏会』と書いてあるだろう。ダンスパーティーだ」
「違いますよ。貴族社会において『舞踏会』とは、建前上の名称。その実態は『立食パーティー』であり、つまりは『美味しいパンを配る絶好のチャンス』のことです!」
私の論理展開に、クラウスは頭を抱えた。
「曲解がすぎる……。だが、叔父上(国王)が俺を指名しているのが気になるな」
「クラウスさんの叔父様なんですか?」
「ああ。母上(大公妃)の兄だ。陽気な人だが、悪戯好きでな……。俺たちが辺境でパン屋をしていることを面白がって、呼び出したに違いない」
「宣伝のチャンスですね! 行きましょう!」
私は即決した。
「当日は500人規模の集客が見込めます。試供品を1000個用意して、新規顧客を一網打尽にしますわ!」
「……俺は、お前と踊りたかったんだが」
クラウスのボソッとした呟きは、私の「新作パンの構想」にかき消された。
***
数日後。
私たちは王都の服屋にいた。
舞踏会に出るには、ドレスコードという壁がある。
いつものエプロン姿では、さすがに入場を断られる(衛兵にパンを投げつけて強行突破する手もあるが、招待主に失礼だ)。
「シナモン様、こちらはいかがです? 今流行りのマーメイドラインですわ」
店員さんが持ってきたのは、体のラインがくっきり出る美しいドレスだ。
私は鏡の前で合わせてみて、眉をひそめた。
「動きにくいですね」
「は?」
「これじゃあ、不測の事態が起きた時に、全速力でパンを守れません。あと、ポケットがないのが致命的です」
「ド、ドレスにポケットですか?」
「ええ。最低でも、麺棒とイースト菌の小瓶が入るポケットが必要です。できれば内側に、焼き立てのバゲットを保温できる断熱スペースも欲しいですね」
店員さんが助けを求めるようにクラウスを見た。
クラウスは試着室のカーテンを開けて、ため息をついた。
「シナモン。今回は諦めてくれ。……パンはセバスに持たせればいい」
「えーっ。自分の武器は自分で持ちたいのに」
「それに……」
クラウスは私を見て、少し顔を赤らめた。
「その、淡いピンク色のドレス……。桜の塩漬けパンみたいで、似合っているぞ」
「……!」
私はハッとした。
「桜の塩漬けパン! 確かに、春の限定メニューにぴったりの色合いですね! 採用です!」
「……褒め言葉の受け取り方が独特すぎる」
結局、私は「桜色のドレス(パン色)」を選び、クラウスは「濃紺の礼服(制服ではない)」を仕立てた。
見慣れない正装姿のクラウスは、悔しいけれど直視できないほど格好良かった。
銀髪を後ろに流し、長身にフィットしたタキシード。
これなら、黙っていれば「伝説の公爵様」に見える。
(口を開けば「今日のパンの焼き加減が……」とか言う残念な人だけど)
***
そして、舞踏会当日。
私たちは隣国リ・ブレの王宮へ向かう馬車の中にいた。
馬車の荷台には、私が徹夜で焼き上げた『祝いの飾りパン(一畳サイズ)』と、大量の試食用パンが積まれている。
「緊張するな……」
クラウスが襟元を直しながら呟く。
「大丈夫ですよ。いざとなったら、飾りパンを盾にして戦えばいいんです」
「そういう物理的な緊張じゃない。……社交界に戻るのが久しぶりでな」
彼は窓の外を見た。
「俺は『行方不明』扱いだったからな。今日、公の場に出れば、もう逃げ隠れはできない。……ライ麦公爵としての責務が復活する」
「……パン屋を辞めなきゃいけないんですか?」
私が不安げに尋ねると、彼はフッと笑って私の手を握った。
「まさか。俺の責務とは『シナモンのパンを世界に広めること』だと、腹を決めたからな。今日はそのための外交活動だ」
「クラウスさん……!」
頼もしい。
完全に私の「パンの騎士」に染まっている。
馬車が王宮のゲートをくぐる。
煌(きら)びやかな城。
着飾った貴族たちが続々と会場へ入っていく。
「さあ、行くぞシナモン。……俺のパートナーとして」
クラウスが手を差し出した。
私はその手を取り、馬車を降りた。
「はい! 戦場(マーケット)へ!」
私たちが会場に入ると、一瞬で視線が集中した。
「あれは……ライ麦公爵?」
「生きていたのか!」
「隣にいるのは誰だ? あの噂の『パンの魔女』か?」
ざわめきの中、私たちは堂々とレッドカーペットを歩く。
クラウスは優雅に微笑み、周囲に会釈をしている。
その完璧な貴族ムーブに、私は小声で話しかけた。
「すごいですね、クラウスさん。皆さんが見惚れていますよ」
「いや、彼らが見ているのは俺じゃない」
クラウスは引きつった笑顔で答えた。
「お前が背中に背負っている『巨大なフランスパン』を見ているんだ」
「えっ? これですか? 正装用のバッグ代わりですけど」
私は背中の『中をくり抜いて空洞にした特大バゲット(ショルダー紐付き)』をポンと叩いた。
中には名刺と、緊急用の小麦粉が入っている。
「……まあいい。シナモンらしくて安心する」
私たちがホールの中心に進むと、ファンファーレが鳴り響いた。
「国王陛下のおなりー!」
壇上に現れたのは、立派な髭を蓄えた恰幅の良い男性――アルフレッド国王だ。
彼は会場を見渡し、私たちを見つけると、ニカっと笑った。
「おお! 戻ったか、我が甥クラウスよ! そして、そちらが噂のシナモン嬢か!」
国王は大股で階段を降りてきた。
「よ、よくぞ参った! 手紙の返事が『出店スペースは3メートル四方で足りますか?』だった時はどうしようかと思ったが!」
「お初にお目にかかります、陛下」
私はパンのバッグを背負ったまま、完璧なカーテシーをした。
「本日はこのような素晴らしい『商談会』にお招きいただき、光栄です」
「ぶはは! 商談会か! 面白い!」
国王は豪快に笑い、私の背中のフランスパンをコンコンと叩いた。
「いい焼き音だ。……で、中身は何だ?」
「当店のパンフレットと、割引クーポン券です」
「くくっ、最高だ! 気に入った!」
国王は私たちの肩を抱いた。
「堅苦しい挨拶は抜きだ。今宵は、我が国の『美食家』たちが集まっている。シナモン嬢、存分にその腕(パン)を自慢してくれ!」
「お任せください!」
私は合図を送った。
待機していたセバスたちが、荷台からパンを運び込んでくる。
会場の一角が、あっという間に『即席ベーカリー』へと変貌した。
「さあ皆様! ダンスの前に腹ごしらえはいかがですか! ドレスが汚れない『一口サイズのピンチョス・パン』もございますよ!」
貴族たちが恐る恐る近づいてくる。
「これが噂の……」
「いい香りだ……」
一人が手を伸ばし、口に入れる。
その瞬間。
「!!」
雷に打たれたような顔をする貴族。
「う、美味い! なんだこの生地の弾力は!」
「バターの風味が、口の中でワルツを踊っているようだ!」
「私にも! 私にもくれ!」
たちまち大行列ができた。
優雅な舞踏会は、一瞬にして『パン争奪戦会場』と化した。
音楽隊が演奏するワルツに合わせて、貴族たちがパンを求めて回転(ターン)している。
「大盛況ですね!」
私がパンを配りまくっていると、人混みをかき分けて、一人の少女が近づいてきた。
ピンク色のフリルのドレスを着た、お人形のように可愛い令嬢だ。
しかし、その目は敵意に燃えている。
「……あなたが、お兄様をたぶらかしたパン屋の女ね!」
「はい?」
少女は私をビシッと指差した。
「私はミント! クラウスお兄様の婚約者(自称)よ! そんな粉っぽい女にお兄様は渡さないわ!」
「ミント?」
私は首をかしげた。
「爽やかそうな名前ですね。ハーブパンの材料に良さそうです」
「材料にするな! 勝負よ! 私とダンスで勝負して、勝った方がお兄様と踊るのよ!」
新たなライバル(?)登場。
しかし、私はパン作り以外の勝負には興味がない。
「ダンス対決ですか? いいでしょう。ただし、種目は『パン生地こねダンス』でお願いします」
「は?」
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