Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

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初めての行為

それは突然に…

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ーside 理ー

翌朝、昨日の舞の話が気になって早めに真琴の部屋を訪ねた俺。
発情ヒートの際に出るΩ特有のフェロモンの強い香りはしないものの、仄かに甘いバニラの様な香りが玄関を開けただけで匂ってきた。

部屋の造りは、俺の部屋と対になっているのでリビングに行けば、床に近い距離でゆったりと寛ぐことのできる大きなリクライニング機能のついたカウチソファに猫の様に丸まって薄手の綿毛布を掛けただけの姿で眠っている真琴を見つけた。
頸部分からは微かにだが以前嗅いだ甘いバニラの様な香りが漂っていた。
近付かなければ、微かな匂いにも気づかない程度なので安心していた。

俺は念の為に、舞から渡されていた殺精剤と真琴のマンションのカードキーのスペアを常に持ち歩く様にしていた。
1週間ほど前に、初回の採血結果から真琴がオメガ性の序列の中でもかなり高い位置にいることが分かった。殺精剤の効果も予測より短くなると舞に言われ、追加の殺精剤を手渡されていた。

一度自分の部屋に戻り、出勤の準備をしてもう一度真琴の部屋を訪ねた。
チャイムを鳴らせば、室内からガタガタと音がしてインターホンから

「理先生、おはようございます。朝早くからどうしたんですか?」

と声が聞こえてきた。
調子が悪く気になっていたので、心配で声をかけた事を伝え、もし良ければ病院側のコーヒーチェーン店でモーニングでもどうかと誘った。

「すぐ準備します。」

と返事があり一緒に車で出勤し、コーヒーチェーン店に向かった。

真琴は、イートイン用にムースフォームのキャラメルマキアートと根菜とチキンのサラダラップ、ハムとチーズのフィローネを頼み、テイクアウトにバターミルクビスケットを3つとニューヨークチーズケーキを2切れ頼んでいた。
俺は、エスプレッソとツナとチーズのチェダーチーズサンドとフォカッチャを頼んだ。

「僕、ここのムースフォームのキャラメルマキアートと今日頼んだのが大好きなんです。週5でもイケますよ!」

なんて言ってた。
早い朝食を済ませ、好物が入ったテイクアウトの袋を手にしてウキウキした様子で病院に向かっている真琴の後ろ姿は、OLの様にも見えた…。

いつもの様に部長室の仮眠室で着替えを済ませた真琴に、朝早くに起こしたので暫く仮眠でも取って入ればいい、と言えば、朝ごはんも食べたから少しだけ寝てもいいですか?と甘えた様な声で返してきたので、仮眠室のベッドで寝る様に言い、時間になったら起こしに来る事を伝えた。

朝よりもΩ特有のフェロモンの強い香りが漂い始め、とうとう時が来たのだと感じた。

まず永瀬くんの所に行き、急遽真琴と俺がこれから出張で1週間程不在にする事になったと伝えた。
場所は海外と伝え、真琴の恩師の先生の所で珍しい症例の手術があるのでその見学をする為と話し、その手術の手法の一部が永瀬くんの手術でも行われる予定である為、第一助手を務める俺が未経験な事もある手技なので恩師の先生の下で少し学んで来る機会が得られる事になったとも伝えた。
自分の手術に関わる内容を聞いた永瀬くんは疑う事もなく、気をつけて行って来てください、とまで言ってくれた。
不在中の事は、奏に任せる事を伝えると、奏先生なら安心ですね、と信頼している様な言葉が帰って来た。
準備がある事を伝え、部屋を出る際、行ってらっしゃい、と笑顔で言われ後ろめたさを思い切り感じていた俺だった。
部屋の帰りながら、奏に連絡を取る。

「真琴の発情ヒート状態が多分だが来ている。今は仮眠室で寝ていると思うが、このまま引きこもる様になると思う。悪いがフォローを頼めるか?」

と事前に相談しておいたフォローについて頼んだ。
奏は、思ったよりも早かったね、なんて言ってたけど、仕事びょういんの事は安心して任せとけ、と心強い返事をくれた。
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