【完結】悪役令嬢なのに、冷酷王太子に愛されすぎています

22時完結

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冷酷王太子の突然の提案

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追放の道中での再会

「お前はここで終わるべき人間ではない。」
冷酷な声音が私の耳に響いた。振り返ると、そこに立っていたのはリオネル殿下だった。

「なぜ、殿下がここに?」
追放される身の私に、彼が現れる理由など考えられない。それでも、彼の存在が場の空気を一変させた。侍女たちは遠巻きに震え、衛兵ですら緊張した面持ちだ。

「俺の許可なしにお前を追放できる者などいない。」
リオネル殿下は言い放ち、冷たい目で私を見下ろした。その視線に、私は反論する気力を失う。

「だが、私は罪人です。これ以上、ここに留まる理由など――」
言葉を遮るように彼は一歩近づき、低い声で囁いた。

「お前が罪人かどうかは、俺が決める。」

その言葉の意味を問おうとした瞬間、彼は私に背を向けた。そして、一言だけ告げる。

「――俺について来い。」

王宮への帰還

王宮に戻る道中、馬車の中は静まり返っていた。私の隣に座るリオネル殿下は、一度も私に目を向けない。けれど、その存在感は圧倒的で、息をするだけで精一杯だった。

「なぜ、私を連れ戻したのですか?」
勇気を振り絞って問うと、彼は少しだけ視線を向けた。その瞳には、冷たい光と、どこか計り知れない感情が宿っていた。

「お前に、ある提案をするためだ。」
「提案…?」

彼はそれ以上何も言わず、無言で窓の外を見つめた。その沈黙が恐ろしく、私はそれ以上問いただすことができなかった。

突然の提案

王宮に戻った私を待ち受けていたのは、信じがたい言葉だった。

「お前は俺の婚約者であり続ける。ただし、条件がある。」

リオネル殿下の冷淡な声が広間に響く。彼が告げたその条件は、まるで私の心を試すかのようだった。

「条件、とは?」
震える声で尋ねると、彼はわずかに唇を歪めた。それは微笑みとも嘲笑とも取れる表情だった。

「俺の命令には絶対服従すること。そして、お前が王太子妃としてふさわしいと俺が認めるまで、全ての疑念に耐える覚悟を持つこと。」

その条件は、私にとって屈辱的なものだった。だが、婚約解消や追放よりも、彼に完全に捨てられる恐怖のほうが大きかった。

「……わかりました。」
私は頷くしかなかった。

「いいだろう。」
リオネル殿下は満足げに頷くと、私に向き直り、低く囁いた。

「これでお前は、俺だけのものだ。」

新たな試練

翌日から、リオネル殿下の言葉通り、私には厳しい試練が待ち受けていた。

「エリナ様、次はこの書類に目を通してください。」
「こちらは宮廷行事の準備をお願いします。」

山のような書類と膨大な仕事が次々と押し寄せる。それは王妃教育の一環だと侍女たちは説明したが、実際には明らかに過酷すぎる内容だった。

「これが、リオネル殿下の言う『疑念に耐える』ということなのね。」
誰もいない部屋で一人呟いた。

だが、彼は時折様子を見に現れ、私が手を止めているときには冷ややかな言葉を投げかけてきた。

「そんな程度で諦めるのか?」
「お前の努力が見えないなら、結果など期待できない。」

そのたびに心は折れそうになったが、彼の言葉の奥に微かに感じる期待が私を支えていた。

揺れる心

ある夜、私は彼の部屋に呼び出された。

「殿下、何かご用でしょうか?」
緊張しながら部屋に入ると、彼は書類を手にして椅子に座っていた。その姿は堂々としており、まるで全てを見透かしているかのようだった。

「エリナ、お前は何故俺に従うのか。」
突然の問いに、私は動揺を隠せなかった。

「それは…私は殿下の婚約者ですから。」
「それだけか?」

彼の瞳が鋭く私を捉えた。その視線に逃げ場を失い、私は正直な気持ちを口にするしかなかった。

「私は…殿下に見捨てられるのが怖いのです。」

彼はしばらく黙り込んだ。だが、その後ゆっくりと立ち上がり、私の前に立つと言った。

「そうか。だが、お前が恐れる必要はない。俺はお前を見捨てない。」

その言葉がどこまで本心なのか、私には分からなかった。けれど、彼の声には不思議な温かさが感じられた。

突然の優しさ

翌日から、彼の態度が少しだけ柔らかくなったように感じた。
仕事の合間に彼が顔を見せるとき、その瞳にはかすかな笑みが浮かんでいた。

「無理はするな。」
「お前の努力は認めている。」

そんな言葉をかけられるたびに、私の心は揺れた。冷酷で無関心だった彼が、少しずつ変わっていくように思えたからだ。

提案の真意

数週間後、私は再びリオネル殿下に呼び出された。

「お前に新たな提案がある。」
「新たな提案…?」

彼は私に近づき、静かに言った。

「俺の隣に立ち続ける覚悟があるなら、お前を本当の意味で俺の妃にする。」

その言葉が何を意味するのか、私はすぐには理解できなかった。だが、その瞳の奥に宿る真剣な光に、心が動かされた。

「私に…その資格があるのでしょうか?」
彼は微かに微笑み、答えた。

「お前は、俺が選んだ唯一の人間だ。」

その瞬間、私の中で何かが変わった。
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