生き残りBAD END

とぅるすけ

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第1章 犯罪制裁 編

戦律!!

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「いよーーっし! 私からだぁ!!」

 小雨はマイクの電源をいれ、送信用の端末を操作する。

「小雨って何を歌うの?」
「天気女!」
「?」
「まぁ、聞いてみれば分かるよ」
「そう」

そして、スピーカーから前奏が流れ始める。

「こ、これって」

 ゆったりとした美しい感じのメロディ。

「♪~♪~♪~」
「「「「演歌!!」」」」

そして、5分弱に及ぶ年齢の温度差が終わると

「ふぅー、気持ちよかったー、さあ、点数はーー?」

画面の数字がめまぐるしく変わると、86点で止まる。

「おぉ、滑り出しはなかなかいいんじゃない?」
「小雨さんお上手です!!」

 と、あまりの衝撃に楓彩以外は拍手することも無く絶句していた。

「いやー(楓彩ちゃん可愛い!!)」

 すると、ショウは咳払いをして

「んじゃ次私行こうかな?」

 と小雨と同様、端末を操作する。
そして、小雨とは違い、テンポの早い前奏が流れる。

「♪っ♪~♪~♪っ♪」
「おお、ショウさん可愛い!!」
「シ、ショウがこんな曲歌うなんて……」
「ショウちゃん、若い!!」
「………」

 ショウは『恋する乙女』がテーマの若々しい曲を歌った。……その時、その場にいた楓彩以外の皆はこう思った

──こいつ!恋する乙女の感じ、ゼロだろ!!

 そして、ショウは歌い終わると

「いやーいいねぇ! 久しぶりに歌ったよ!」

 そして、画面のなかで数字がめまぐるしく変わる。

「んー88点かー、落ちたな。」
「くっ!ま、負けた!!」

 小雨は悔しそうな顔をする。

「よーし、じゃあ俺が歌おう!」

 立ち上がったのは剣得だった。

「♪っ♪~♪っ♪っ♪っ♪」

 剣得が歌ったのは巷で有名な若者に人気バンドの曲。

「これまたロッキーですね」
「男子高校生か、お前は」
「は、剣得さん、か、カッコイイ……!!」

 臨は見とれていたが

「剣得くん…若いね。」

 その他の人は剣得を見る目で見ていた。
 その時、楓彩は端末と睨めっこをしていた。

「楓彩ちゃん? 何か歌いたいの?」
「ひぇ!?え、べ別に……」 

 と笑顔を浮かべるが

「楽しんだもん勝ちだぞ?」

 と小雨に言われてしまい。

「は、はい……」

 そして、剣得の点数は86点と小雨と同点で終わった。

「じ、じゃあ……」

 楓彩は剣得からマイクを受け取ると深呼吸をして

「♪~♪♪~♪~♪」

 とても穏やかなバラードを歌い。

「「「「な、何この天使!!」」」」

 これまでのショウ、剣得、小雨の衝撃をかき消すほどの衝撃的な美声で場を湧かせた。
 そして、点数もそれなりに

「「「きゅ、96点!?」」」
「えへへ…緊張しました」
「か、楓彩、おま、お前いつ歌の練習してたんだよ」

 と剣得は焦っている様子だった。

「楓彩上手いねぇ、凄いよ!」

 ショウは1人で絶賛の嵐を浴びせていた。
 小雨に至っては魂がここではない何処かへ飛び去っていた。

「さぁて、オレもまけてられないなぁー」

 一巡目の最後を飾るのは臨だった。
 そして歌い始めると、この場にいた全員の口が開き、閉じることは無かった。

「♪♪~♪♪~♪」

「「「「───っ!!(な、何この女神!!)」」」」

 皆の目には臨の周りが輝いて見えていた。

「……ふぅ、さぁて、点数はどうだか」

 画面にはファンファーレの音と共に100の文字がうかんでいた。

「へぇ、結構簡単に取れるもんだね?」

 クールな臨。
 そして、小雨以外の意識が戻り

「り、臨、お前、か、歌手かなんか?」
「へ?何言ってんのショウ」
「臨さん、マジヤバイです……」
「そう?ありがとう、楓彩」
「り、臨! 今度俺だけのために歌ってく───っぶはっ!!」

 最後まで言わせる前にショウの重い一撃と楓彩の鋭利な視線が剣得を襲う。

「っ!! は、剣得さん、オ、オレなんかで良ければいつでも……///」

 すると小雨は意識を取り戻し、何事も無かったようにテンションを上げていく。

「さぁ、時間はまだまだ、たっぷりあるぞー!! 歌え歌え!!」

 その後、楓彩と誰がデュエットするかで奪い合いになったり、臨があまりにも100点を連発するので採点機能を停止させたり、剣得に童謡を歌わせたりして、5人の休日は大いに盛り上がった。
 そして、時間はあっという間に過ぎ、昼頃に歌い始めたが、当たりはすっかり夜になっていた。

「ふぅー歌ったー!!」
「あぁ、歌わされましたぁー」

 楓彩、剣得、ショウは完全に疲れきっている様子だった。

「わ、私これから仕事なんだけど……?」

 疲れ切っているショウに対し

「「「頑張れ!ショウ!!」」」「頑張ってください! ショウさん!」

なんとも心のこもってない応援だった。

「みんな大っ嫌いだ……(ボソッ」

その後、皆、それぞれの帰路につく。

「じゃあねー」

ショウは本部がある都心へ。

「またねー」「剣得さん、失礼します」

 小雨と臨は自宅がある西側へ。

「よし、帰るか、楓彩」
「はい!」

 そして剣得と楓彩は東にあるマンションへ。


「いやー! 楓彩ちゃんの歌声やばいねー!録音しとけばよかった!」

 帰り道、小雨と臨は先ほどのカラオケについて話していた。

「つーか、臨! 何あんた! そんなに歌上手いなんて聞いてないけど!?」
「いってなかったし、言いたくもなかったからね」
「なんだよそれ」

 そして、臨は曲がり角で止まり

「じゃあね小雨、また明日」
「うん、臨も気を付けてねー」

 とお互いに手を振り別れた。
 そして、誰も予想出来なかった自体が

「はぁ、演歌以外も歌わないとマズいなぁ」

 小雨を襲う。

「っ!?」

 建物と建物の小道、横目に人影が見える。
 小雨は怪しく思い、その人影が見えた路地に駆け込む。

「あ、兄貴……っ!!」

その影から月明かりに姿を晒したのは

「よぉ、小雨……」

 雨地 晴雲、小雨の実兄。
 小雨は咄嗟に臨戦状態に入る。

 ──刹那

「───悪いな、小雨」
「────ひっ!」



「あっ、そーいえば……」

 臨は自宅のアパートに着く直前に小雨への用事を思い出し、ポケットから携帯を取り出し、小雨の携帯に電話をかける。

『♪~』
「んー……あれ? 出ない」

 電話ではなく、メッセージで伝えることに。

『小雨?』
『今日は色々あたっちゃってごめんね?』

 臨は文字を打っていると段々気恥ずかしくなって。

「既読つかないからいっか」
とやめてしまった。


 翌日
 臨は集中治療室の窓ガラス越しに小雨を見て、立ち尽くしていた。

「こ、小雨? は、剣得さん、こ、これはいったい……」

 その場にいた、剣得、楓彩、ショウに戦慄がはしった。

 それは普段は無表情で感情が読み取りずらい臨の顔に憎悪と涙がうかんでいたから───


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