生き残りBAD END

とぅるすけ

文字の大きさ
17 / 159
第1章 犯罪制裁 編

意識

しおりを挟む
 楓彩とショウは今日も島中をパトロールしていた。

「始めて一週間経つけど、慣れた?」
「はい、ショウさんのおかげで!」

 楓彩は始めた時よりも活き活きとしていた。

「今日も何も無ければいいですけど…」
「そうだねぇ…(島を楓彩と散歩してるだけでお金もらえる!!なんて、楽な仕事!)」
「ショウさん?何にやけてるんですか?」

どうやらショウは顔に出してしまったらしい。

「いや、何でもない…」

 その時

「わぁ、綺麗…!」

 住宅街を抜け、大通りに出ると、道路の向こうに水平線まで望める海が広がっていた。

「すごいね…」

 夕日が沈む時間帯なので、青い海が真っ赤に染まる。

「ちょっと見ていこうか」
「はい」

 パトロール開始30分、2人は早くも足を止め、海に見とれていた。


  一方その頃本部では

「総と…は、剣得さん…入ります」

 臨は総督室の扉をノックし、入室する。

「おう、臨、どうした?モジモジして…」

 臨は俯いてモジモジしていた。

「そ、その…」
「?」
「き、昨日の事なんですけど…」
「あぁ、なんか忘れ物したのか?」
「いえ、は剣得さんって…その…童貞ですか……?」
「………………」

 その衝撃的な質問に剣得は固まる。 

「り、臨? ……喧嘩売ってんの?」
「いいいいえ!!ちちちち違います!!」
「んじゃなんだよ…」
「……えっと……その……」
「そーだよ、童貞だよ…もうすぐ魔法使いですよ」
「そ、そうですか…………良かった……(ボソッ」
「?」
「き、昨日襲われるかと思ったので……。」
「誰に」
「剣得さんに」
「なんで」
「雰囲気的に」

 剣得は頭をかくと

「また、ショウの奴か」


 一方その頃ショウたちは

「今度、剣得さんや臨さん、小雨さんも一緒に来たいです」
「そうだねー」

 2人は海に沈みゆく夕日を見て休憩していた。

「さぁ、再開しようか」
「はい」

 2人は立ち上がると再び歩き始めた。
 その後、本日も大事になるような出来事は無く、仕事は終了した。
 そして、それから3週間ほど経ってもSABERは姿を表すことなく、より、混乱が強まった。


 別の日


「あいつら姿を現さないな」
「そうね」

 剣得は総督室のソファの前に机を置き、何やら勉強をしている楓彩の横に座り、ショウと話していた。

「おい、楓彩、その問題答え違うぞ、これは多分Aだな」

 と紙を指を指す剣得。

「え? そうですか?」

 そう、パトロールの仕方を覚えたはいいが、試験は残り2週間と迫っていて、楓彩は必死になって勉強をしていた。

「ショウ、高校生レベルの問題分かるか?」
「余裕、でも今は教えられない」
「なんだよ」
「もうそろそろ、例の偵察機が完成するから、こっちも色々準備しないとね」
「そうか、頼んだぞ?」
「言われなくとも」

 そしてショウは総督室を後にした。

「剣得さんはこの問題分かるんですか?」
「まぁ大体な、ショウほど確実じゃないが」
「ショウさんってそんなに凄いんですか?」
「…あぁ、特別枠の入隊だったけど、筆記は満点だったな」
「ま、満点!?凄いですね…」
「楓彩もやれば出来るんだから、頑張ろうな」
「はーい」

  そして楓彩は再び机に向かった。


ショウちゃんの工房
男性隊員が1人、ショウの元へ訪れた。

「ショウさん、例の偵察機、完成しました」
「はいよー」

 ショウはダラーっとしていたが、立ち上がり、白衣を着て、工房を後にする。
 その後、兵器貯蔵庫に到着すると自家用飛行機並みの大きさの偵察機が出来上がっていた。

「ほほー、上出来じゃん」
「ありがとうございます」

 生産者はショウに向けて頭を下げる。
 すると、ショウは白衣のポケットから携帯を取り出し、操作すると、耳元へ近づける。

「おーい剣得ー」
『……ん?』
「来い」
『は?』
「いいから来いよ、見せるもんがある」

 その後、剣得は倉庫に到着する。

「来たぞー」

「ここ、もうちょっと長く出来ない?」
「どうでしょう、バランス崩れませんか?」
「いや、この際、長時間飛べればいいよ」

「あのー来ましたよー」

「ちょっと、うるさい……で、助走距離だけど、50m位で足りるよね。」
「あ、はい、充分です」

「あ、あの…………」

「なに!? うるさいな!!」

「あ、はい、すいません」

「って、剣得か……」
「そうだよ……で? これか? 見せたい物って」
「うん、これを飛ばそうと思って」
「は?」「え?」

 剣得と生産者は唖然とした。

「テストなんかしなくても、後は微調整で飛ばす、私はいつもそうやってる」
「大丈夫なのか?」
「テストもしないで本番なんて、危険すぎます!」
「いーや、飛ばす、何があろうと」

 すると、剣得は心配そうな顔をしている生産者の方に手を置き

「任せてみようぜ? 天才に」
「……はい」

 そして、先ほど話し合っていた箇所いくつかを修正した後、いよいよ本番飛行が始まる。
 剣得は一旦総督室に戻り、楓彩の様子を確認すると、机に伏せて寝てしまっていた。

「……あいつ…」

 剣得は起こそうと思ったが、楓彩の寝顔を見て、起こす気が無くなってしまった。

「……まぁ、頑張ってるもんな」

 楓彩は静かに退室する。

 そして

「3…2…1!」
「発射ーー!!!」

 ショウは役員のカウントに合わせテンションを上げて合図すると偵察機は爆音とともに空の彼方へ飛び去って行った。

「ショウ、良かったのか?」

 と剣得がショウの方を見ると

「無事に…帰ってくるんだよ…」

 ショウはもう姿が見えなくなってしまったが飛び去った偵察機の方向を向いてうるうるしていた。

「ショウ?」
「グスッ……なに?」
「泣いてるの?」
「泣いてねぇよ!」
「いやでも、目が潤ってますけど?」
「だって、一応“あの子”私の子供みたいな物だし……」

 子供とはあの偵察機の事だろうか。

「まぁ、お前の設計なら帰ってくるだろ」
「だといいけど……ママの所に帰ってこいよ……」
「マ、ママ………?」

 剣得はショウがいい年になって恋愛の一つもしない理由が分かった気がした。


 その後、ショウと剣得はショウちゃんの工房へ行き、偵察機から届く映像を見ることに。

「これが、外か……久しぶりに見た」

 今のところ、モニターには海の映像が広がっている。

「にしても画質が綺麗だな」
「まぁね、ショウちゃんに抜かりは無いよ」

 確かに、すぐ目の前にあるような映像が流れていた。

「お?」

 その時、モニターに写ったのは巨大な白い鳥、生存者サバイバーだ。

「来たね」

 すると、画面から生産者が姿を消す。

「!?」
「ヤツら生存者サバイバーって生物にしか興味を示さないから、あとはこっちからかわすことが出来ればヤツらと衝突することは無いかな」
「ほほー」
「ま、あとは生存者サバイバー以外の生命反応を感知するように設計してあるから、それから───」
「わ、分かったから、すごいことは!」
「?」
「その…難しい話はよく分からん」
「ふっ、情けない……ところで楓彩ちゃんの勉強はどうなの?」

とショウはパソコンの前で頬杖をついて尋ねる。

「ん?あいつ今は寝落ちしてる」
「そうか……あの子、合格できそう?」
「身体能力は合格基準を遥かに超えているけど、学力はボーダーギリギリ」
「ありゃ」
「だから、教えてやってくれないか? ショウ。」
「構わないが、金取るよ?」
「うっ!」 
「授業1回で8000くらいで。」
「わ、分かったよ……そのかわり、絶対に合格させてくれるか?」
「そこはあの子とあんた次第」
「そ、そうだよな。」

 剣得はショウにあいさつをして工房を後にした。


 総督室

「おーい、楓彩ー起きろー」
「……? あれ……? ……寝ちゃいましたか……」

楓彩は目を覚ますと周りを見渡す。

「剣得……さん?」
「飯にしよう」
「ん…んーー……」

 楓彩はソファに座ったまま伸びをすると

「今日のご飯は何ですか?」
「まず、材料調達からだな………なんかリクエストあるか?」 
「んーーーピ────」
「ピザは無しだ」
「……えーー! 聞いておいてそれは無いですよーーっ!」

 と口を尖らせる。
 すると剣得は楓彩の両頬に手を伸ばし引っ張ると

「お前一度食出すと止まらないだろうが」
「ひぃ、ひだい!ごめんなひゃいぃ……!」

 その後、剣得と楓彩は帰り道にスーパーマーケットに寄り、材料を買った。

「今日はカレーですか!?」
「あぁ」

 楓彩はカートを押している剣得の隣に顔を出す。

「やったぁ!」
「さっきはピザがいいって言ってたのに。」
「カレーとしって気が変わりました!」
「やっぱピザにすっか」
「ピザ!!!!」

 先程より目を輝かせる楓彩。

「嘘だよ」
「むぅー……いじわる……まぁ、カレーも好きですけど……」
「ならいいだろう」

 結局2人は色々話している内にオムライスを食べていた。

「なぁ、楓彩…」
「おいしい!……なんですか? 剣得さん」
「カレーじゃなかったか?」
「明日にしましょう!明日!」
「はは(最近意志が弱いなぁ俺)」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

転生令嬢はやんちゃする

ナギ
恋愛
【完結しました!】 猫を助けてぐしゃっといって。 そして私はどこぞのファンタジー世界の令嬢でした。 木登り落下事件から蘇えった前世の記憶。 でも私は私、まいぺぇす。 2017年5月18日 完結しました。 わぁいながい! お付き合いいただきありがとうございました! でもまだちょっとばかり、与太話でおまけを書くと思います。 いえ、やっぱりちょっとじゃないかもしれない。 【感謝】 感想ありがとうございます! 楽しんでいただけてたんだなぁとほっこり。 完結後に頂いた感想は、全部ネタバリ有りにさせていただいてます。 与太話、中身なくて、楽しい。 最近息子ちゃんをいじってます。 息子ちゃん編は、まとめてちゃんと書くことにしました。 が、大まかな、美味しいとこどりの流れはこちらにひとまず。 ひとくぎりがつくまでは。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

追放悪役令嬢、辺境の荒れ地を楽園に!元夫の求婚?ざまぁ、今更遅いです!

黒崎隼人
ファンタジー
皇太子カイルから「政治的理由」で離婚を宣告され、辺境へ追放された悪役令嬢レイナ。しかし彼女は、前世の農業知識と、偶然出会った神獣フェンリルの力を得て、荒れ地を豊かな楽園へと変えていく。 そんな彼女の元に現れたのは、離婚したはずの元夫。「離婚は君を守るためだった」と告白し、復縁を迫るカイルだが、レイナの答えは「ノー」。 「離婚したからこそ、本当の幸せが見つかった」 これは、悪女のレッテルを貼られた令嬢が、自らの手で未来を切り拓き、元夫と「夫婦ではない」最高のパートナーシップを築く、成り上がりと新しい絆の物語。

貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~

みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。 何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。 第一部(領地でスローライフ) 5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。 お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。 しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。 貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。 第二部(学園無双) 貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。 貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。 だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。 そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。 ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・ 学園無双の痛快コメディ カクヨムで240万PV頂いています。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

商人の男と貴族の女~婚約破棄から始まる成り上がり~

葉月奈津・男
恋愛
「あなたとの婚約、破棄させていただきます!」 王立学院の舞踏会。 全校生徒が見守る中、商家の三男カロスタークは、貴族令嬢セザールから一方的に婚約破棄を突きつけられる。 努力も誠意も、すべて「退屈だった」の一言で切り捨てられ、彼女は王子様気取りの子爵家の三男と新たな婚約を宣言する。 だが、カロスタークは折れなかった。 「商人の子せがれにだって、意地はあるんだ!」 怒りと屈辱を胸に、彼は商人としての才覚を武器に、静かなる反撃を開始する。 舞踏会の翌日、元婚約者の実家に突如として訪れる債権者たち。 差し押さえ、債権買収、そして“後ろ盾”の意味を思い知らせる逆襲劇が幕を開ける! これは、貴族社会の常識を覆す、ひとりの青年の成り上がりの物語。 誇りを踏みにじられた男が、金と知恵で世界を変える――!

ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます

黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。 だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ! 捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……? 無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!

処理中です...