生き残りBAD END

とぅるすけ

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第2章 「征」編

まぁ、全部やる気の問題ですよね……

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「私に……人を傷つけることが……出来ない……」

 楓彩は唖然としていた。

「まぁ、楓彩は乱暴なことしなさそうだよね……」

 と気を使った笑を見せるショウ。

「確かに……動物は大切にする、人助け上等、その他、優しい言動………挙げてったらキリがないな……」
  
 剣得は腕を組んで、楓彩の普段を思い浮かべながら楓彩の優しい箇所を挙げていく。

「………うぅ」

 楓彩は割とショックを受けているようだ。

「まぁ、楓彩? 人を傷つけることはいい事では無いから、喜ばしい事じゃない?その丸い刀なら、見栄えはともかく、峰打ちはしやすそうだし」

 と慰めの言葉。

「楓彩、一回試してみろよ頑丈さを」
「は、はい」

 と、その時。

「まって」

 ショウは刀を両手で上段に構えている楓彩を呼び止める。

「? どうしたんですか?」
「心鉄器って心を表してるから………言いたいことわかる?」

 とショウは恐る恐る楓彩の顔を見上げる。

「心が弱いと、鉄自身も弱くなる、つまり折れやすくなるってことだな」

 ポカンとしている楓彩の代わりにショウの隣にいた剣得が答える。

「そう、裏を返せば心が強ければ絶対に折れないし、刃こぼれもしない無敵の武器になる訳だ」

とショウ。

「す、すごいですね……」 

 と刀を見つめながら息を呑む楓彩。

「「まぁ、まずは心を鍛えようか」」

 とショウと剣得からのダブルパンチ。

「うぅっ」

 楓彩の剣術は剣得からのお墨付き。
 だが、楓彩の心は意外と弱いところもある。
 これも剣得が全部知っている事だ。

「………心……ですか……」

 楓彩は近くに落ちていた鞘を拾い上げ、納刀する。

「具体的にどんなことをすればいいんですか?」

 と首を傾げる。

「そうさなぁ、まぁ、一つ提案がある」

 と人差し指を立てる剣得。


 剣得は楓彩とショウを引き連れて談話室に入る。

「お、やってるな?」

 そこには携帯ゲームを手にソファで仲良く座っている臨と、そして、退院したばかりの小雨だった。

「ん? 剣得さん?」
「おっ、剣得くんじゃん……」

 2人はゲーム機から目線をあげて剣得を見る。

「お前らいっつもここで“ミューハン”してるだろ?」

 ミューハンとは、今、流行りのハンティングゲームの“ミュータントハンター”の略。
 指定されたミュータントと呼ばれるモンスターを倒して、物語を勧めたり、そのモンスターを倒すことで手に入るアイテムで自身のアバターを強化していくゲーム。
 通信機能も協力が可能で、近々、若者への人気を誇っているゲームだ。

「早速で悪いんだけど、楓彩にそれを貸してやってくれないか?」

 剣得は臨と小雨の前で軽く頭を下げる。

「いいけど? なんで?」

小雨の頭の上にハテナマークが浮かぶ。

「やって見ればわかる。」


 その後、楓彩は小雨のゲーム機を借りてミューハンをプレイすることに。

「Xボタンで攻撃ですね…」

 楓彩はソファに小さく座って、小雨の説明を聞きながらプレイしていた。

「わぉ、剣出しましたね」
そして、ゲーム内で切りつけたミュータントから血潮が吹き出す。

「ひぇっ!」

 楓彩はさっと小雨にゲーム機を返す。

「罪の無い動物に暴力なんか振れません!!」

 と若干涙目で剣得の袖にしがみつく。

「いやいや、ゲーム内だし……ね?」

と剣得。

「ゲーム内でもなんでも! 命を奪うのは嫌です!!」

 どうやら本気のようだ。
その時、ショウと剣得の頭に浮かんだのは

「「(あっ、こいつ人切れねぇな……)」」


「んーー心を鍛えるか………」

 剣得はショウの車椅子を押している楓彩と並んで廊下を頭を捻りながら、歩いていた。

「挫けない心って言うことでもあるでしょ……」

ショウも考えているようだ。

「「ふむーーーー………」」

 剣得とショウは二人してオヤジのような渋い声を出す。

「あ、あのー…」
「「ん?」」
「諦めなければいいんですよね?」
「そうだけど?」
「なら私自信あります」

 と誇らしげに胸に拳を当てる楓彩。

 楓彩は2人を「ショウちゃんの工房」へ連れていく。
 すると楓彩が取り出したのは

「ジェンガ……ウノ……トランプ……」

 どれもテーブルゲームだった。

「まずはジェンガですね!」

 と言って、楓彩はジェンガの木を積み上げ始めた。

「何がしたいんだ?」

 その後、3分。

「ぬわぁ!」
 剣得は塔を倒してしまった。
 それから1時間。

「あっ!」

 ショウは塔を倒してしまった。
 結果は楓彩の1人勝ち。

「ふふーん♪私に勝とうなって3年くらい早いです!」

 楓彩は剣得とショウが引くほどの集中力を見せる。
 その後、トランプとウノをするも、楓彩の運がいいのか、感がいいのか、ババ抜きの場合、一度も楓彩にジョーカーが回ることは無かった。
 ウノの場合は圧倒的ポーカーフェイスで楓彩が何をもっているのか分からなかった。
 結果はどれも楓彩の1人勝ち。

「「…………」」

 ショウと剣得は唖然としていた。
 普段は子供っぽく、こういった心理ゲームは得意ではなさそうな楓彩だが、結果はどれも自分たちの惨敗。
 しかも、途中、協力関係にあったにもかかわらず、楓彩には勝てなかった。

「た、確かにこれだけ、心が強かったら折れることはないか……な……?」

 ショウの顔は青ざめていた。

「まぁ、楓彩……座禅は日課にしような?」

 と剣得は楓彩の頭を撫でる。

「むぅー、撫でないでくださいよぉ!」

 とムスッとした顔をする。

「なんでだよ? いつもは許してくれるのに」
「子供扱いしないでくださいぃ!」

と剣得の腕を払う。 

「……なんだよ……」

 少し寂しい気持ちになる剣得。
 すると剣得はショウの耳元に顔を近づけ

「これが年頃の乙女心ってやつか?」

 と髪型を整えている楓彩に聞こえないように耳うちをする。

「さぁ? 刀はどんな形になるんだろうね?」

 と冗談を言うショウ。


 その後、ショウは工房で仕事を、楓彩は連休最後の日なので、剣得の近くにずっといることにした。

「楓彩、家帰って寝てていいんだぞ? 明日は絶対疲れるだろうし」

その質問に楓彩は首を横に振って

「剣得さんのお手伝いをします」

 とニッコリ笑う。

「そうか、なら、俺のところはあんまりやることないから、日本刀の重さに耐えるため、素振りでもしてきな?」
「はーい……」

 楓彩は剣得の言うことを聞くと戦闘実演室へ1人で向かった。

「素振りですか……まぁ、やらないよりはましですけど、対人戦訓練したいですねぇ」

 楓彩がその言葉を発した次の瞬間。

「いいだろう、相手になるぞ。」
「っ!!!」

 楓彩の目の前に現れたのは、先日、ショウと戦い、ショウに怪我を負わせた男性なのだが、楓彩はそれを知る由もなく

「えっと…えへへ…誰だか分かりませんけどいいんですか?」

 優しい微笑みを向けて、男に注意を促す。

「構わん、俺も少し運動したかったところだ…」

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