生き残りBAD END

とぅるすけ

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第3章「奪還」編

行動

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「誰かいる…」

 その言葉に、その場にいた、楓彩、小雨、臨、ショウ、 いろは に戦慄が走る。

「…」

 ショウは無言で、リビングの扉を開け、玄関まで続く廊下に向かって拳銃を構える。

「(迂闊だった…ここはG,S,Aの総督の家だ…追手が来ない訳が無い…)」

 ショウの後に、銀の銃槍を構えた臨と、鞘に収められた刀を右手に左手で柄を持つ楓彩も続く。

「(楓彩がドアを開けて、臨と私で迎え撃つ…)」

 ショウはそう、アイコンタクトした。
 楓彩は理解したのか不安だが、理解した様子でドアに近づく。
 そして、3人は息を呑む。

「……」

 楓彩はドアを勢いよく押し開き、現れた人影の首元に刀を鞘に収めたまま押し当てる。
 ショウと臨はそれに合わせて拳銃と銃槍の銃口をその人影に向ける。

「くっ!!」
「っ!! って…え、瑛太さん!?」

 そこに立っていたのは、両手を上げて楓彩が持っている刀を凝視する、黒髪の真面目なイメージの男性、神ヶ丘 瑛太 だった。
 それを見た臨とショウは銃口を下ろす。

「な、何やってるんですか…? こんな所で……」

 楓彩は刀を下ろす。

「い、いや、鬼月さんこそ、なにやってんの? 最近仕事に顔出さないから……」
「え?あ、いや、色々ありまして……」

 楓彩は笑って誤魔化す。

「まぁ、なんでもいいけどさ…瑛太、中に入りな…」

 ショウはアパートの周囲を確認しながら瑛太を家の中に入れる。

 瑛太は、ショウに招かれるままにリビングに入る。
 そこには、体に包帯を巻いてソファに座っている見慣れない男性と、銀の銃槍を手に瑛太を警戒している二つ結びの女性、そして、金髪で、エプロン姿の自然と胸に目線がいってしまう女性がいた。

「あ、ええっと、か、神ヶ丘 瑛太です……」

 なんだか分からない圧にとりあえず自己紹介をする瑛太。

「え? 誰? ショウちゃんの知り合い?」

 エプロン姿の小雨は瑛太に近づくことなく警戒した様子で瑛太を睨む。

「あっ、わ、私の同僚? です…」

 楓彩は右手を小さくあげる。

「あぁ、楓彩ちゃんの知り合いね…てことは東区の人なんだ…何でここに?」
「え? 代表朝日の命令で、この住所に行って様子を見てこいと……」

 と、住所が書かれた小さい紙を小雨と臨に提示する。

「へぇ、じゃあ、東区はまだ生きてるんだ…」
「え? どういう事ですか!?」

 瑛太は臨の発言に疑問を抱き、聞き返す。

「瑛太は東区からここに来るまでどのくらいかかった?」

 後ろからショウが尋ねてくる。

「歩きで来て、途中道に迷ったので10時間くらいですかね…」
「「「(夜通し歩いたんかこいつ!!)」」」

 臨と小雨、ショウの中に稲妻が走る。

「コホン、じゃあ、知らないね…本部が壊滅した…」
「え!? ど、どういう事ですか!? それ! 一体何が!」

 その時、家の中に電話の着信音が響く。
 どうやらリビングのドアの近くにある家電のようだ。
 近くにいた臨は受話器を取り上げ、耳元に当てる。

「もしもし…」
『お、繋がった! 剣得か!?』

 朝日の声だ。

「いえ、本部勤務の帝です」
『本部勤務!? 剣得は!?』
「いえ、い、今は敵の手に渡りました…」
『は!? 何言ってるんだ君は! まぁいい、そこに瑛太はいるか?』
「あっはい、います」
『変わってくれ!』

 臨はその言葉を聞き、振り返って瑛太に手招きする。

「はい、神ヶ丘です」
『落ち着いて聞け、東区が占領された…! 残ってるのは俺と真希奈だけだ』
「っ!!」
『とにかくだ、近くにいる仲間と一緒にいろ! それと、そこは危険だ、移動しろ…』
「了解です!」

 そして、通話が切れると瑛太は受話器を置く。

「皆さん! 一大事です! 東区が落ちました! ここにも追っ手が来るかも知れません、移動しましょう!」

 ショウはその事を知っていたかのように

「オッケー、荷物は準備してあるから、瑛太? あんたの家開いてる? いや使わせてもらうけど…」
「は? え? いや、俺ん家ですか?」
「大丈夫、“何か見つけても”私は黙ってるから」
「? ……っ!! んな物ありませんよ!!」


 そんなこんなで楓彩、ショウ、小雨、臨、 いろは は、そして、1匹の猫は、剣得の家が危険と判断し、瑛太の家に籠ることにした。
 そして剣得の家から1時間ほど歩いた場所、女性4人はとある豪邸の前で唖然としていた。
 和風な旅館のような家、庭は広く庭園があり、その庭に蔵や並立した格技場まである。

「「「「ひ、広ーーい!!」」」」

 いろは 以外は目を丸くして門の前で立ち尽くしていた。

「どうぞ、こちらへ」

 いろは は瑛太の手招きについていくが、他の者はしばらく見とれたあと、歩き出した。

 そして、5人が瑛太に通されたのは客間だろうか、十二畳ほどの広さで、真ん中に長方形の木製の机が置いてあった。

「お茶入れてきますね」

 瑛太は近くのふすまを開けて部屋から出ていく。
 5人は四角いテーブルを囲むように腰を下ろす。
 すると、楓彩の胸に抱かれていた白猫は楓彩の腕を抜け出して、部屋の中を徘徊し始めた。

「そ、それにしても広いですね…なんだか、シロンも伸び伸びしてます…」

 と、楓彩は障子の近くで伸びをしている白猫を見る。
 
「この子、楓彩ちゃんの飼い猫?」
「いえ、拾った子なんですけど、怪我をしていたので…」
「あっ、ホントだ」

 小雨は白猫の右後ろ足に巻かれている包帯を見る。

「でも、もう大丈夫そうですけどね…」

 その時、開いていた襖から瑛太がお盆の上にお茶を6つ乗せて現れる。
 瑛太は無言で5人の前にお茶を置いていく。

「さて、瑛太のエロ本でも探しますかね──」

 と、立ち上がるショウ。
 その頭を臨が掴み、一瞬で座らせる。

「あんたは思春期男子に興奮しないの…」

 臨はそう言うと、ショウの頭を掴んでいない方の手を手刀の形にして顔の前に出して瑛太に「ごめんね」という合図をする。

「(っ!! この人、めっちゃ美人じゃん!!)」

 それを見た瑛太は咳払いをして

「コホン、あ、あのお名前は…」

 と、臨を見つめて尋ねる。

「え? オレ? 帝 臨だけど…」
「帝 臨さんですね…よろしくお願いします…」

 小雨と いろは、ショウは赤面して臨に見とれている瑛太を見て

「「「(うわぁ、男子高校生、分かりやすい…)」」」

「わ、私は雨地 小雨だよ?」
「そうですか、よろしくお願いします」

 素っ気ない返事。

「……(くっ! このガキ…)」

 握りこぶしを作る小雨。

「さてと、真面目な話しようか…」

 話題を変えるショウ。
 
「これからの方針だけど…まず、武器を補充しようか…そのためにはまずここに行く必要がある」

 ショウは懐から手のひらサイズの端末を取り出し、起動させるとテーブルと同じ大きさの立体的な島の地図が広がる。

「で、ここに私の武器庫がある」

 と、島の最東端、スラム街の一角を指さす。

「「「武器庫?」」」
「うん、私が昔使ってた銃器が沢山あるよ」

 ショウは端末をしまうと立ち上がり

「まぁ、今日動くのは危険だから いろは の怪我が完治したら、私と いろは 、臨の少数先鋭で向おう…奪還するよ…本部」

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