生き残りBAD END

とぅるすけ

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第3章「奪還」編

備え

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 「オヌシ…動物と会話ができるのか?」

 ショウを除く、周りにいた人たちは少なからず動揺する。

「楓彩ちゃん、動物と会話できるの!?」

 ショウはと言うと

「まぁ、そうじゃないかと思ってたけどさ…」

 と腰に手を当てて分かってた風を装う。
 静かに花麗と対面している楓彩か口を開く。

「み、花麗さんも話せるんですか?」
「まぁ、ウチはそーゆー能力だからな…」
「え?」

 花麗の特徴的なまるで猫の耳のような癖のある髪型。
 それも関係しているのかは分からないが

「ウチの能力はビーストって言ってな? 小さい頃から動物と話すことが出来るのだよ…しかし、オヌシもウチと同じ能力だとはなぁ」

 興味を持った目を向ける花麗。

「いえいえ、私はそんな能力持ってませんよ? …あれ? 私の能力って何でしたっけ…」

 その場にいた皆が楓彩に呆れた目線を送る。

───自分の性別がわかってないレベルだぞそれ…

「あんた人より足が速いでしょ?」
「あぁ、そーいえばそ~でしたね…えへへ…」
「? オヌシはウチと同じ能力ではないのか?」
「あ、はい、私の能力はスピードと言って足が速いのが自慢です」

 花麗は少し残念そうに肩を下ろす。

「あ、でも動物とお話は出来ますよ?」

 と言って抱えているシロンと目を合わせる。

「こう、目を見れば考えてることが大体わかるんです」
「ほほぅ、ウチとはまた別の特技だな」
「あ、シロン、お腹すいたみたいなので何か食べませんか?」

 と、シロンを抱えて立ち上がる。
 時刻はまだ11時と昼にしては早いが、皆は昼を取ることにした。

「花麗、服を着て、手伝ってくれるか?」

 そして、臨、瑛太、楓彩、花麗は台所へ向かう。

「瑛太さん、何を作るんですか?」

 楓彩はエプロンの紐を結びながら尋ねる。

「いいや、今日は俺がアシスタントだ…、お願いしますよ」

 と、瑛太の後ろから着物の袖をまくった花麗の姿が。

「くふふふ、ウチの腕の見せ所だな!」

 瑛太に、楓彩と臨は駆け寄り

「あの子が、作るんですか!?」
「あの子が作るの?」
「いやいや、俺なんかより全然料理上手いんですよ!?」
「「えぇー?」」

 その時

「瑛太! 調理器具を準備しろ!」

 突如の命令。
 
 「はい!」

 瑛太は小走りで指定された器具を花麗の前に差し出していく。
 そして、楓彩と臨は花麗から少し離れている所に立っている瑛太に

「あ、あの、アシスタントって?」
「何をするんですか?」

 瑛太はニコニコした表情で

「ここに立って、邪魔をしない事がアシスタントです」
「は、はぁ…」

 その後、3人は30分ほど花麗の後ろ姿を見ていただけだった。


 その後、ごく一般的な和食が客間のテーブルに並べられていた。

「おぉ、神ちゃん今日もありがとうね」
「いえ、小雨さん、俺ではなく花麗が作ったものです…」
「え? 花麗ちゃんが?」

 花麗は瑛太の隣で誇らしげな顔をして

「まぁ、そこの小雨デカ乳、さっきの愚行は許してやろう、たーんと食らうが良い」
「いただきまーす」

 秋刀魚の白身を箸で切り取り口に運ぶ。
 突如、小雨の口の中に旨味という名の天国が広がる。

「こ、これは!! 酸味と秋刀魚の味が互いに強調しあってかつ、自分の味を主張している!!」

 ショウは味噌汁の器に口をつけてすする。

「っ!!  この味噌汁! 私にとって丁度いい濃さで、具材一つ一つに味噌汁の味が染み込んで……美味い!!」

 ショウが絶賛するということは他の人達には合わない味と予想するが

「いけるなぁこれ」

 いろは ですら味の感想を述べて手を止めることは無かった。

 その後、まるで楽園の野原で昼寝をしているような幸せな時間を過ごした皆は、後片付けを終え、兵器が置いてある格技場へ向かう。

「花麗はお昼食べてすぐ、寝てますので、気にせず」

 目の前には計24個のケース。

「こんなに必要なのか?」
「備えあれば憂い無し、だよ いろは」

 そして、各々はケースを開き、中身を確認していく。
 自分が使いそうな武器や戦略に必要な武器。
 
「私は、銃を使うことが無いと思います…何を持っていればいいですか?」

 楓彩はショウに尋ねる。

「そうだね、パルスグレネード、スモークグレネード…目くらまし系を持っておけばいいんじゃないかな?」

 と、爆弾各種を楓彩に差し出す。
 その時

「かえで、こっちへ来い」

 いろは は楓彩を手招きする。

「はい」
「これを使え」

 いろは が差し出したのは、楓彩の前腕ほどの全長の短刀だった。

「え?」
「お前の刀、心鉄器しんてっきだろ? 間違っていたらすまないが今のお前の気持ちでは刃は生成されない」
「っ…」

 いろは の洞察力は予想以上に凄かった。

「だ、だから?」
「いい機会だ、強くなりたいと言っていたな…なら一線を超えろ…」

 その場にいた皆を冷たい空気が包む。

「わ、私にそんなこと…」
「まぁ、そうだな」

 いろは は立ち上がる。

「一線を超えるのには勇気がいる…試練だと思え」

「……」

──こんなことをしたらまたもう1人の私が……


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