生き残りBAD END

とぅるすけ

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第3章「奪還」編

突撃

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 待機時間ということで、臨は脳をできる限り休めるために睡眠をとり、いろは は目をつむって瞑想していた。  
 特にすることがない瑛太と楓彩はたわいの無いことを話していた。
 

「そう言えば鬼月さん、スカートなんだね…」
「え? ダメなんですか?」
 「いや、動きにくくない?」

 楓彩は目線を自分の下半身に向け、スカートをつまみ上げる。

「んん、動きやすいですよ?」
「いや待って……パンツ丸見えだから…」
「っ!!」

 楓彩はスカートをすぐに戻す。

「むぅ、瑛太さん…割とえっちですね…」
「へ?」

 素っ頓狂な声を上げてしまう瑛太。

 その時。

「は!」「ん…来たか」

 次の瞬間、まだ静けさがある街に轟音が響く。
 臨は伏せていた机から顔を上げて、立ち上がる。
 いろは は目を開けて、置いてあった刀を手に取る。

「移動するぞ…」

 その いろは の声に、他の3人は武装を手に取り、いろは の体に触れる。

 ──刹那

 一行は馴染み深い、否、馴染み深かった、G,S,A本部のエントランスにいた。

「さぁ、分かれるぞ…」

 楓彩、瑛太は雨地 晴雲や人道 幹哉がいるであろう、戦闘実演室を回るルート。
 臨は、屋上の妨害電波を発している機会を破壊しに向かう。
 いろは は敵戦力を滅しながら人道を狙う。
 4人はそれぞれの目的日向けて走り始める。

 臨がしばらく館内の薄暗い廊下を走ると

「へぇ、けっこう集まってるね…どけ」

 洗脳された隊員、敵兵を、臨は自分の道を開けるかのように凄まじい念力で人混みを蹴散らす。

「んー、雑魚しかいないなぁ」

 臨は走りながらそんな事をボヤいていた。
 その後、5分くらい走り続け、目標と会うことが出来なかったが、臨は気にせず館内の敵を蹴散らしながら、そして、狙撃の目を活かすために、外に通づる大穴を開けながら疾走した。
  


 その頃、いろは は

「ここが当たりか…」
「ふっ、やはり裏切りか…ええ? クラブ…」

 薄暗い、司令室。
 自我を持たない傀儡の群れを盾に、不敵な笑を浮べる、黒いローブに身を包み、頬のしたの2本の切り傷跡が特徴的な男性。

「人道…」
 

 その頃、楓彩と瑛太は戦闘実演室の前に到着していた。 
 楓彩が、瑛太を引っ張ったため、迅速に駆けつけることが出来た。

「ぜェ…ぜェ」

 瑛太は肩で息をしていた。

「鬼月さん…速すぎ…」
「? 瑛太さん…そう言えばまた『鬼月さん』って呼んでますよ?」
「え? あぁ、うん、俺はこの呼び方がいいかな…」
「え? そうですか…まぁ、別にいいですけど…」

 楓彩は少し残念そうに戦闘実演室の扉に向き直る。

「さぁ、入りますよ…」

 そして

「っ!!」

 いつも通り、明るく、広く、おかしくなりそうな程白く、何も無い戦闘実演室の部屋の中央に立っていたのは

「は、剣得…さん?」

 見間違えるはずもない。
 ツンツンした金髪、鋭い目つき、肩からふくらはぎの当たりまでかかっているG,S,Aの隊員服。
 王志 剣得…。

「しまった、鬼月さん! 出られなくなった!」

 楓彩が目の前に立っている剣得を見ているうちに、扉は閉められ、開けることが出来なくなっていた。

「っ! これは…」
「わ、罠だね…」

 仕方なく、楓彩は抜刀する、いつも通り楓彩が手にする刀に鋭利な刃は無かった。
 瑛太も隣で楓彩も肌に感じる位の電気を帯びていた。

───刹那

 冷徹に染まる剣得の顔と拳は楓彩の前まで迫っていた。
 
「───!!」

 かわしきれるはずも無く、楓彩は一瞬で吹き飛び、瑛太が気づいた時には壁に埋まっていた。

「鬼月───」

 瑛太の左脇腹に、剣得の足が触れた瞬間、瑛太は遠くの壁に打ちつけられる。

「──かはっ!!」




 その頃、いろは は人道が操る傀儡を相手に苦戦を強いていた。

「ちっ、次から次へと…!」

 いろは はG,S,Aの隊員服を着た人に対しては峰で叩きのめし、SABERの戦闘員は容赦なく、切りかかっていた。
 平民が撃つ弾丸など、いろは には当たらない。
 しかし、これが続けば、持久戦では上限のある いろは とまだ体力を使っていない人道とでは勝敗は見えている。

「(まずいな…)」

 いろは は、司令室と言う閉鎖空間から脱出するために、一度廊下に出る。

「逃がさん…」

 いろは はテレポートを点々と繰り返して、好条件の位置を探りながら人道を誘導していた。
 
「どこまで逃げる気だ…クラブ…!」

 その時、暗く、長い廊下に、一筋の光が見える。

「(…帝が開けた穴か…もしくは先日の襲撃で開いた穴か…どちらにせよ、この穴を利用した狙撃を期待する…しかないようだな…)」

 いろは はその穴を背に、迫り来る洗脳された人々を見る。

「さぁ、テレポートで逃げるもいいが、それはお前のプライドが許さないか…くっ、愚かな奴だ…」
「……戯け! 右に避けろ!」
「はっ!?」

 ───刹那

 いろは の後方、ビル群の隙間から見えたマズルフラッシュ。
 直後、人道の左頬を銃弾がかすめる。
 人道は衝撃により、その場に倒れ込んだ。
 右に少しでも避けていなかったら当たっていただろう…。



「ちっ、何でかわせるんだよ…」
 
 ショウは狙撃ポイントを移動するため、銃器を持ち上げながらボヤいていた。




 「さすがに、俺の獲物を横取りはされたくないのでね…援護だけはしてもらった…」

 人道がよろけた拍子に傀儡もぐらついた。
 それを見逃さなかった いろは に勝機が見えた。

「まぁ、追い詰められたのは、オメェの方だ、幹哉…」
「ちっ!」
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