生き残りBAD END

とぅるすけ

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第5章 「罪」偏

とりま、奪還目的なんで…道を開けろぉ!!!!

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 ────あぁ、妙に眠い…

────あれ? なんか忘れてるような…

────ん? 思い出せないや…だれか大切な人といた気がするんだけど…

────というか…私の名前って…なんだっけ?

────え? 何? よく聞こえない…何を言ってるの?

────私の名前? あ…す…も─────





 剣得とショウは気がついた時には白く、清潔感溢れる廊下に立っていた。

「───っ!?」
「…ついたぞ…」

 剣得とショウは彩楓の肩から手を離し、辺りを確認する。

「あぁ…見て思い出した…ここが10年前、俺がいた場所だ…」

 彩楓のその言葉に実感が湧いてなかった2人は息を呑む。

「さぁて…ショウ? 楓彩の場所は?」
「ちょっとまって…」

 ショウは懐から手のひらサイズの端末を取り出すと、その端末から緑色の光で構成された画面が広く展開する。
 その画面には入り乱れた白い線で表された地図の様なものが表示されていた。
 そして、不規則に動く赤い印の様なもの、丁度画面の中心に青い印。

「これは…?」
「うん、生体エネルギーを感知して敵の位置を知らせる装置だよ?」
「毎回凄いな…お前…」

 そして、ショウ曰く、この装置には楓彩の生体エネルギーデータが埋め込まれているらしく、楓彩のいる場所は緑色に光っている。
 本当に凄い…

「楓彩は囲まれているようだな…」

 剣得の言う通り、緑色の光を中心に赤い印が動いて回っている。

「急ぐぞ…!」

 


 その後、剣得達はショウの端末のお陰で、敵の全てに奇襲をかけることが出来、最短で楓彩のいる部屋に近づけた。

「この壁の向こうか…」

 だが、ショウと彩楓は異変に気づいていた。

「ねぇ、彩楓…」
「あぁ、なにか来る…」
「どうしたんだ? 2人とも…────」






────あれ? 苦しい…息が…

 その時、楓彩は流れるように外に出され、楓彩の裸体は空気に晒される。

「…ゲボっ! ゴホッ! …はぁ…はぁ…」

 楓彩は詰まった息と同時に、液体を吐き出す。
 周りを確認しながら胸元を隠す。

「はぁ…はぁ…こ…ここは……」

 周囲を白衣を着たガスマスクの人々が囲んでいた。
 
『さて…君にはやってもらうことが山ほどあるのでね…鬼月 楓彩…いや…アスモ───』

 ────刹那

 楓彩の右側の壁が砕かれ、剣得、ショウ、彩楓が吹っ飛んでくる。
 
「───くっ!」「──きゃあ!」「───ぐはっ!」

 3人は地面に転がった。

『? ネズミが迷い込んだか…』

 剣得は立ち上がる。

「…くっ…なんだ奴は!」

 剣得はホコリが立ち込める壁に空いた穴に向かって臨戦態勢をとる。
 そして、ホコリに浮かぶ人影。

「あーあ…昼寝中に侵入者とは…ついてないねぇ僕…」
「てめぇ! ───」

────刹那

 剣得の腹には白衣のニット帽の上に丸いゴーグルをかけた茶髪の男性の右腕がめり込んでいた。

「───ぐぼっ!!」
「うるさいんだよ…僕は今機嫌が悪いんだから…」

 剣得は凄まじい破裂音とともに吹き飛び、遠くの壁に埋まる。

「───剣得!! ───」
「───やぁ、かわい子ちゃん…」

 男はショウの背後に回り込み、ショウの首に片腕を回し、締め上げる。

「──くっ! はぁ! …く……ぎ……!」
「あぁ、いい声してるねぇ…」

 ショウは震える手で握りしめた拳銃を背後の男性に向ける。
 しかし、男性の空いている手で銃を弾き飛ばされてしまう。

「ほらほら…抜け出さないと死んじゃうぞー?」
「…か……あ…ぁ…」

 ショウの目が虚ろとしたその時。

「離せ!」

 男の背後に彩楓が刀を持って襲いかかる。

 その時、

「───何っ!?」

 男の着ている白衣の下から巨大なトカゲの尻尾のような物はしなりながら、彩楓の左頬を捉える。

「───かっ!!」

 そして、吹き飛んだ彩楓へ向けてショウを投げ飛ばしぶつける。

「──きゃぁ!」
「──ごっ!!」

 セラフィスの最強角の3人はたった1人の男性に一瞬でやられてしまった。

「あーあー…揃いもそろって? かな? だらしが無いねぇー…」
「…はぁ…効かねぇな…クソが…」

 剣得は壁から抜け出す。

「あれ? 死ななかったの? 手応えあったんだけどなぁ…」
「…(ちっ! なんっつー攻撃だよ…パワーは互角…スピードは向こうが上か…)」

 男は白衣のポケットに両手を突っ込む。

「さてと、あんた達さぁ、“うちの姫さん”を攫うのはいい度胸してるよ…けどさ…僕の仕事を増やすのは感心しないなぁ」

「はぁ? テメーらこそ、“うちの娘”を攫っておいて…こっちに挨拶も無しか? とんだ彼氏だぜ…悪いが、楓彩はまだ子供でね…花嫁修業もさせて無い身だ…大人しく返してくれねぇかな…」
 
 剣得は男の注意を引き、彩楓とショウに楓彩を任せた。

「へぇ、あんたがこの娘の面倒見てくれてたんだ…ありがとうね? けどもういいや…大人しく帰れよ…見逃してやるから…」
「それは乗れない相談…だな───」

────刹那

 鳴り響く怒号。
 連続する破裂音。
 2人は人間同士の戦いとは思えないスピードとパワーでぶつかり合っていた。

 その頃、

「さぁ、君たち…楓彩を返してくれる?」
『貴様ら…一体どこから…』

 ガスマスクの集団の戦闘力は低く、楓彩を取り返すのはあっという間だった。

「楓彩!!」

 楓彩は床に全裸でぐったりと座っていて疲れている様子だった。

「…だれ…?」

 楓彩の目は虚ろで、どこを見ているのか分からなかった。

「まずいね…瞳孔が開いてる…」

 ショウは楓彩に自分の着ていた白衣を着せて彩楓に楓彩を背負わせる。
 そして、剣得の方を見て戦況を確認した。

「凄まじいな…」
「彩楓? あいつって?」
「あぁ、前に俺と親父を襲ったやつだ」

 2人の目の前で繰り広げられている戦闘は、いつこちらに飛び火してきてもおかしくは無い。

 お互いの拳が交差し、お互いの頬殴る。

 お互いの背後を取り合い、凄まじいスピードで人々の視界から消えたり出たりする。

 2人の動きが速すぎて、捉えるのに苦労したが、よく見ると剣得の義手は既に崩れ落ちていた。


 そして、両者一歩も引かず、お互いの拳をぶつけ合い、凄まじい破裂音とともにその部屋の壁とショウや彩楓の視界を歪ませた。

 その時、剣得はふと、ショウ達に視線を送る。
 ぐったりした楓彩を背負う彩楓、心配そうな表情でこちらを見つめるショウ。
 剣得は状況を把握した。

「───ふっ!!」

 剣得は男の不意をつき、左腕から目を眩ませるような眩しい炎を放出すると、ショウと彩楓に近づく。

「逃げるぞ!」

 剣得とショウは彩楓に触れる。

「──逃がすか!!」

 炎の中から緑色の巨大で鋭利な腕が伸びてくる。
 それを直前に、3人の視界はいつも通りの薄暗いショウの工房に変わった。

「はぁ…はぁ…逃げ切れた…?」
「あぁ、ギリギリな…ったく…王志…──」

 ショウと彩楓が安堵に包まれる中、彩楓の肩に掴まっていた剣得の顔は青白く、腹部に目線を送ると、背中から風穴を開けられていた。

「…くっ…すまねぇ…」
「剣得!!────」


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