生き残りBAD END

とぅるすけ

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第5章 「罪」偏

嫉妬の罪

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 楓彩達がまだ市民達がいる街道を走っていると、右前方から蒼色の火の手が上がる。

「おい…なんだよあれ…」

 ざわつく市民達。
 朝日や瑛太もそれを見て、目を見開いた。

「……あっちです!!」

 以外にも楓彩は冷静に走り続けた。




 浜辺に着いた楓彩たちが目にしたのは、辺りの光を霞ませるほどの光を放つ、蒼と碧の螺旋が、何度もぶつかり合っている光景だった。

「…これ…」

 しばらく、その戦闘に意識を奪われると、全員の意識があることに気づく。

「…おい…」
「…この感じ…」
「来たか…」

 楓彩、瑛太、朝日は上空から迫る殺気を感じた。
 そして、目の前に降り立ったのは、黒く細い体、青白く発行する目のようなもの。
 目に止まる、不自然に長い右腕。

『ミツケタ…』

 耳障りでノイズのような声。
 3人は臨戦態勢に入る。

「…くっ! (3人掛りでいけるか…)」





 数分前、スカイネクスト頂上展望台天井では。

「動きは無い…か…」

 ショウと臨は上を見上げて空飛ぶ大蛇の様子を伺っていた。

「ねぇ、ショウ? あれをどうやって処理するつもり?」

 ショウは両手で持っている大型の銃を握り直し、

「最大火力をブッパする…以上」  
「それでもいいけど? 火力足りる? オレの“念動波”も合わせていいダメージが入るくらいだと思うけど…」

 臨は笑い混じりに言う。
 その時、

「力を貸そう」
「私も!」

 その声に、2人は目線を下げ、振り向くと、着物姿の目つきが鋭い男性 彩楓と、胸元が苦しそうなG,S,Aの制服を着ている金髪の女性小雨が、立っていた。

「「小雨! 彩楓!」」

 ショウはすかさず、銃を下ろし、懐から銀色の拳銃を取り出す。

「ちょうど良かった!! 小雨! これ!」

 取り出した銃は銀色の液体に変わると、黒色の液体になり、以前小雨が本部奪還作戦の際に持っていた黒く、緑色のラインが入った異質な銃になった。

「これって…」
「前に小雨に渡した銃をトレースしただけだよ…今度こそ、使ってくれ」

 ショウはその銃を小雨に投げ渡す。
 その時、

「おい! なにあれ!」

 臨が大声をあげて指さした方向に蒼白い火の手が上がっていた。
 ちょうど北区の海だろうか。

「……あれは…───っ!!上!!」

 ショウはその炎を見つつも、上に目線を送る。
 超巨大生物は雲を突き抜け、尖ったクチバシ、光る眼光を望ませていた。

「しまった! 動きやがった!」

 ショウは銃を一度地面に置き、とある装置を床に貼り付ける。

「ショウちゃん? 何してるの?」
「床補強! 反動で凹んだら困るでしょ? てか急げ急げ!! エネルギー充填開始!」

 その声に、小雨は銃の中に自分の発する熱を込め始める。
 上空に迫る大蛇の様子を見て、否、見る前からわかってはいたが、生存者《サバイバー》だ。
 恐らく強大な力を持つ。

「───っ!」

 ショウが狙いを定めていると、生存者《サバイバー》の長い体から何か飛んでくるのが見えた。

「───迎撃!!」

 悲鳴に近いショウの声に反応したのは臨と彩楓だった。

 臨は飛んできた鋭利で巨大な鱗のような物に対し、障壁を張り、粗方片付ける。

 しかし、障壁をすり抜けてきた一回り小さい鱗は空中にテレポートした彩楓の剣技で高いいちで粉々になり、障壁に阻まれていた鱗も、粉砕される。

 飛び道具を持たない2人は尚、守りに徹する体制をとる。

「小雨! 撃てそう!?」
「まだ! まだ行けない! あと少し待って!」

 生存者《サバイバー》は減速しない。
 このまま、あの巨体がスカイネクストに突っ込まれると、ショウ達はおろか、どんな被害が出るかわからない。

「ショウちゃん! 引き付けてブッパしよう!」
「分かった! 合図する!」

 その時、

『さぁて…ゲーム開始ー…!』

「「「「っ!!」」」」

 幼い女性の声が蛇の方から聞こえる。

『あっちを止められるかなぁ?』

 次の瞬間、先ほどの倍の数程の鱗が射出される。

「迎撃!!」

 臨はそれに対応するように先程よりも大規模な障壁張る。
 そして、臨に負担を掛けないように、彩楓は止まった鱗を次々と切り裂いて、粉々にしていく。

『へぇ、やるねぇ…まだまだ!』

 さらに倍の数。

「そ、そんな!」

 臨は疲弊していた。
 だが、障壁を張り続ける。

「くっ!!」

 障壁に鱗が当たる度に、臨の頭はトンカチで叩かれるような痛みに襲われる。
 第3波も同じように、凌ぐだが、

『さてと、なんか飽きるね…あっちが突っ込もっと』 

「まずい! ここに来て加速した!! 臨!」

 ショウは臨の方に目線を送ると、目の中の光は消え、足元がふらふらの状態で立っていた。

「臨!!」

 臨は遂に膝を付いてしまう。
 彩楓は、臨の体を支える。

「おい! 帝! しっかりしろ!」
「ごめん…ちょっとキツイ…」

 などと、羽虫並みの声で言う。
 もう臨の脳は限界を迎えていた。
 臨の能力は体ではなく、脳を使うため、あれほど大きな障壁を張り続けることは、一般人にとって、無呼吸でマラソンをするようなものだ。
 
 小雨の銃の充填率は100%に近いが、どうしても、あと数時足りない。

 各々が、絶望に気づき始めた頃、生存者《サバイバー》はもう数mに迫っていた。

 その時。

 4人の上空に、今までとは比べ物にならないほどの規模の障壁が張られる。

「───っ!!」

 3人は、臨を見る。
 臨は彩楓に抱えられながらも、右手を空へ向け、虚ろな目で歯を食いしばっていた。

「───くっ! …はっ…!…はぁぁぁぁっ!!!!」

 臨が、力を込めると、生存者《サバイバー》の体は障壁の中心に吸い込まれ、捻じれ、潰れていく。

『きゃァァァっ!!』

 そして、大量の黒い液体を吹き出し、雨を降らせ、消失した。

「え…」「う…うそ…」「…なんだと…」

 ショウ、小雨、彩楓は唖然として空を見上げていた。

「「「潰しやがった…!」」」

 だが、ショウは異変に気づく。

「──臨!!」

 臨は鼻や口、目、耳から血を出してぐったりしてるのだ。
 ショウは銃を置き、彩楓が抱える、臨の元へ駆け寄る。

「臨! しっかりして!」

 返事は無い、だが、息はしていることがわかった。

 その時、

「ショウちゃん! まだみたいだよ!」

 小雨はその奥にいる“それ”を見ていた。

『あぁ、やられちゃったかぁ…羨ましいなぁそんな力…貰っといたから…よろしくね♪』

 破裂した生存者《サバイバー》の黒い血痕から、人影が浮かび上がり、やがて受肉し、白ワンピで褐色の女性になる。
 髪は白く、右目は白目と黒目が内と外で反対になっている。
 ショウに次ぐナイスボディだろう。

『自己紹介が遅れたね…あっちはレヴィアタン…どうかレヴィって呼んでくれない?』

「能力を奪った?」

 小雨は問いかける。
 そして、握る銃のトリガーにかかる指に力を込める。
 だが、迷いがあった。
 一つはこの距離で効くのか。
 二つ目は、もしも臨の能力が奪われたのなら、レヴィアタンを殺したら永遠に戻らないのではないか、容易に殺して取り返しがつかなくなるのではないか。
 
『うん…じゃあこの通り使っ───』

 ──刹那

 ショウは太ももに付いていたホルダーから拳銃を取り出し、迷わず頭を狙い撃ちにするが、障壁に阻まれてしまう。

『ほらね?』

 そして、

『…まぁいいや疲れたし…かーえろ』

 その張られた障壁は破裂し、4人は衝撃に耐えきれずに、スカイネクストの上、標高400mから空へ放たれる。

「「「っ!!」」」
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