生き残りBAD END

とぅるすけ

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第5章 「罪」偏

暴食の罪

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 その頃、ベルゼブブと対峙している楓彩、瑛太、朝日はスカイネクストに迫る脅威に気付くまもなく、ベルゼブブの猛攻を受けていた。

「くっ! 俺の氷壁が間に合わない!」

 朝日の能力によって、辺りの気温が下がりつつあるが、他の瑛太と楓彩は

「私と同じくらいの速さ!」
「雷撃が効かねぇ!」
 
 ベルゼブブの耐性の高さに驚愕していた。
 そして、人間よりも高い背に、細身からは想像出来ないほどの筋力。
 馬力のある楓彩が、鍔迫り合いに入っても瞬時に負けて吹き飛んでしまう。

「──きゃあ!!」
「っ! 鬼月さん!!」

 ベルゼブブを囲むように陣形を取っているが、あまりの圧倒的な強さに無意味だということを実感させられる。

「まずいな…」

 すぐ隣ではベルフェゴールと剣得の有り得ない攻防が行われている。
 しかし、気を抜けば死人が出る。
 朝日は分かっていた。

 その時、

『レヴィアタン…テッタイ…シタノカ』

 ベルゼブブは上を見上げてそんなことを呟く。

「「「?」」」
『ヒキドキ…カ…』

 次の瞬間、島中に大音量で警報が鳴り響く。

「「「!?」」」

 おかしいタイミングだ。
 生存者《サバイバー》が現れてからゆうに1時間は経っている。
 北区の人々は剣得とベルフェゴールに怯え、避難はしたが、他の区の者はレヴィアタンの存在に気づけず、危うく被害に遭うところだった。

『こちらG,S,Aです。 只今、生存者《サバイバー》が発生しております。 住民の方々は近くの頑丈な建物や、シェルターへ避難してください。繰り返します……』

 ──何にせよ、これはありがたいチャンスだ

 瑛太と朝日の強力な範囲攻撃が使用できる。

「神ヶ丘!!」

───刹那

 朝日の合図と共に、瑛太は辺りの光を集めるように放電する。
 それと同時に、楓彩の視界を朝日の氷が遮る。

「───っ!?」

 状況が掴めていなかった楓彩にとっては、瑛太の光で、失明する危険性があったため、朝日は考慮した。

 その高電圧に晒されたベルゼブブの動きは止まる。
 それを見逃さなかった朝日は、瞬時に鋭利な氷の刃を空中に作り出し、両手にも氷で出来た担当を握り、発射すると同時に自身もベルゼブブへ突っ込む。

「───はぁ!!」

 全弾クリーンヒット。
 朝日の直接攻撃も心臓を貫いた。

 だが、

『……』
「──っ!!」

 朝日は唐突な殺気を感じ、ベルゼブブに刺さっている氷を内部で破裂させ、体の中から串刺しにする。

「──どうだ! ───」

───刹那

 朝日は防御用の氷壁を張ったため、大事には至らなかったが、右腕の一振りで全て払われ、その破片が逆に強力な範囲攻撃と化す。

 その破片の餌食になったのは瑛太だった。

「ぐわぁっ!!」

 頭は守ったものの、足のふくらはぎを貫かれ、機動力を奪われた。

 楓彩の視界が晴れ、足を抱える瑛太が視界に入る。

「……な、何が…っ!! 瑛太さん!!」

 ベルゼブブは以外にも、殲滅をしようとはしなかった。
 
『ココマデ…ダナ…ベルフェゴール! カエルゾ』

「まて!!」

 朝日はベルゼブブを声で引き止める。

────刹那

 地面を稲妻が奔り、雷鳴が轟く。
 その“雷”はベルゼブブの胸に大穴を空ける。

『……ッ!!』

「はぁ…はぁ」

 稲妻が奔った先に右足から血を出し、体の表面に、青いラインが無数に入った瑛太の姿が。

「「っ!」」

 その残像は楓彩と朝日の間を通っていた。

「はぁ…はぁ…───解放《バースト》!!」

───刹那

 閃光と共に鳴り響く雷鳴。
 その様はまさに光の龍。
 そして、ベルゼブブを圧倒する。

「もっと! もっと! 速く!──」

 攻撃をする度に、瑛太の移動速度は光に近づき、やがて越していく。

「す、凄いです…瑛太さん…一発一発が100%以上の力で…」
「すごい…けど…(神ヶ丘も鬼月ちゃんもセリフをもっと考えてくれないかな…)」

 朝日はベルゼブブが圧倒されている間に、ベルゼブブの足元に氷を忍ばせてしっかり固定する。

『チッ! …ニンゲン…ゴトキガー!!!』

───刹那

 ベルゼブブは両足を自ら引きちぎり、楓彩の首を異腕な右腕で鷲掴みにする。

「───くっあ!!」

 楓彩の体は軽々しく持ち上がる。

「──鬼月さんを離せ!! ───っ!」

 瑛太がとてつもないスピードでベルゼブブの背後から襲いかかるが、

『───ヒケ!』

 ベルゼブブは振り向き、瑛太の顔面に強烈な正拳突き。

「───かっ!!」

 朝日は氷の刃を両手に生成し、右腕を切り落としにかかる。

 その時、朝日の視界の右側上方向にマズルフラッシュが見える。

 そして、ベルゼブブの異腕は前腕中央で千切れる。
 そして、二発目は頭部の上半分が吹き飛ぶ。



「ヒット!」

 スカイネクスト頂上から落ちているショウはちょうど見えた楓彩達がいる堤防を狙っていた。
 実に20kmの距離である。

「いやぁ、我ながらこの射程の長さは惚れ惚れするね!」

「ていうか!!私達落ちてるんだけどぉぉぉ!!」

 小雨の断末魔。

「なんでそんなに余裕なのぉぉぉ!!!!」
「だって! 彩楓がいるしぃ!!」

 ショウは落下しながらあたりを確認する。
 臨は脱力しているためそのまま落ちている。
 小雨は顔を引きつらせて涙目だ。
 彩楓は冷静な顔で、落下しながらショウに近づいてくる。

「頼んだよ! 彩楓!──」







「ナイス! トゥルン!」

 その瞬間、朝日はベルゼブブの四肢を切断する。

「おぇっ! ゲホッ!」

 楓彩は地面に落ち、首を抑える。

 四肢を切断されたベルゼブブの切り口は脈を打ち、生え変わろうとする。

「させるかよ…」

 朝日は切り口に触れ切り口を凍結させる事で再生を完璧に防ぐ。

 ベルゼブブの捕獲に成功した直後、遠くの浜辺で新たな蒼色の火の手が上がる。

「あっちは盛り上がってるな…」
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