生き残りBAD END

とぅるすけ

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第6章 頂点に立つ

怠惰の終息

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 瑛太の放った凄まじい“雷”は辺りを暗くするほどに神々しく、そして荒々しく光った。

「凄まじいな…」

 その光は遠くにいたショウと彩楓にも眩しく届いた。

「さてと、瑛太の真価を見ることも出来たし! あとは事後処理だなぁ…剣得はまた怪我してるみたいだし…めんどいなぁ」

 ショウは再度弓を引く。今度は3本の矢を同時に掛ける。
 

 
 その頃、瑛太達は

「やったか…!」

 自分が放った雷撃の凄まじい威力に、瑛太自身も吹き飛んだが、臨の念力で難を逃れた。

「帝さん! 助かります!」

 瑛太はふわりと着地する。

「いーえー…それより、どう?」

「手応えありました」 

 その後、数秒で煙が晴れ、雷が落ちた場所が露見する。

「……!」

『うぐ……くっ!!』

 全身を覆っていた人外の鱗は剥がれ、全裸の状態のベルフェゴールが人の姿で現れる。

『終わらんぞぉ!!』

「貴様!!」

 だが、足元はおぼつかず、両腕が消し飛び、煙を上げるだけで再生する気配が無い。
 更には顔の半分も再生しきれておらず、恐らく死期だろう。

「もうよせ…」

 臨は警戒態勢を解き、優しい声でベルフェゴールに話し掛ける。

「もう苦しむ必要は無いだろ…どんなに悪い奴も苦しむ事は好きじゃないだろ? もう楽になれ」

 『王志…剣得!! …奴と戦わせろ…!! 僕は! 奴に勝たないと…終われないんだ!』

 「……」

 すごい執念だ。
 ベルフェゴールは自分の運命に抗おうと、他者の力まで借り、誇りを捨てて延命した。
 どの道死ぬことは分かっていた。
 だが、まだ生きたかった。
 それでも、死ぬ前にケジメを着けたかった。

「…ご苦労だったな」

 その時、
 ベルフェゴールの背中、頭に2本。
 計3本の矢が刺さる。

『くっ! 君らも…せいぜい抗えよ…───』

 そして、閃光と爆音と共にベルフェゴールの姿を消し飛ばした。



 

 その頃、剣得は部下に手負いを相手させる事に罪悪感を感じながら、病室のベッドの上でパソコンを膝の上に置き、落ち着いて出来る仕事をしていた。

「まさか…瑛太が倒すとはな……」

 剣得はとあることに気がつく。

「ベルフェゴールが倒された……楓彩!!」

 剣得は布団を投げ捨て、病衣のままスリッパを履き、廊下を駆けた。
 楓彩が寝ている病室へ向けて。

 

 その頃、ショウも剣得と同じ考えを持ち、弓をしまうと、G,S,A本部の屋上から彩楓と共に楓彩の寝ている病室へ向かった。

「さてと、まずは楓彩だね…」

 臨の証言から、立てた仮説が正しければ、ベルフェゴールの瘴気を吸ってしまった楓彩はベルフェゴールが倒されたことによって目覚めるかもしれない。



 そして、

 剣得は楓彩が寝ている病室のドアを勢い良く開く。

───話したいことが沢山あるんだ

───寂しかった

───謝りたい


「───楓彩!!」

「───へ?」

 剣得が目にしたのは、小雨が意識のある楓彩の服を脱がせ、体を拭いている光景だった。
 楓彩は反射的に顔を赤く染めて、

「───きゃぁぁぁ!!!!」

 目覚め後の最上級の悲鳴。



 その後、楓彩のベッドの周りを、左頬に手の平の跡をつけた剣得、ショウ、彩楓、臨と小雨、そして瑛太が囲むように丸椅子に座っていた。

「楓彩? 本当に大丈夫なのか?」

 剣得は先程の事を反省していないかのように楓彩に迫る。

「どっか痛いところとかないか?」

「んんーー! 大丈夫ですっ!!」

 流石にしつこかったのか、楓彩に胸元を突き飛ばされてしまう。

「は、剣得さんこそ…なんだか、また怪我してるみたいですし…大丈夫ですか?」

 と、綺麗なツンデレを見せる。

「ん? あぁ楓彩のおかげで大丈夫だ」

「え? 私何もしてませんけど…」

 剣得の横で「私のおかげだろバカ」と横目で睨んでくるショウを気にせずに、剣得は、

「まぁな…本当によかったよ起きてくれて」

 と、楓彩の頭の毛並みに沿って優しく撫でる。
 その撫で方が上手いのか、心なしか楓彩も気持ちよさそうに身を任せているように見える。

「そうだ…私…どのくらい寝てたんですか?」

 その質問に、ショウが答えた。

「うーん、そんなに寝てないね…臨と比べても起きるのは早かったよ…2日間位」

「そうですか…」

「さてと、楓彩? 聞きたいことが山ほどあるから、覚悟しておいて?」

「は、はい…」

 

 その後、楓彩への事情聴取によると……何も覚えてないという。
 彩楓への淫行は赤面して否定していた。
 楓彩の最後の記憶は彩楓の手当をしていた当たりで記憶が途切れたという。

「すいみません…なんだか力になれなくて…」

「いや楓彩は悪くないよ…」

 と言いつつもショウは難しい顔をする。
 と、その時、

「まぁ、考えるのは後々! 剣得くん抜きでみんなでご飯食べに行こーー!」

 と、小雨が右腕を上に突き出してそんな事を切り出す。

「いや待て! なんで俺が行けないんだよ!」

「だって、毛が治ってないじゃん…」

 小雨の正論に、剣得も面をくらってしまって何も言えなくなる。



 その後、剣得は「お見上げ買ってくるからねぇー」と小雨達に手を振られ、結局、楓彩ともろくに話せなかった。

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