生き残りBAD END

とぅるすけ

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第6章 頂点に立つ

さーて、ここで問題だ!

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 同じ日、剣得は臨、小雨、彩楓、そして朝日と、真希菜を総督室に集めた。

「これは由々しき問題だ…」

 剣得は総督席に座り深刻そうに話し始めた。

「何ですか? 剣得さん…」

 臨は心配そうに剣得を見つめる。

「どうせ、また楓彩ちゃんでしょ?」

 小雨は剣得を小馬鹿にするように呆れた感じで言う。

「鬼月ちゃんがどうした?」

 朝日も割と心配そうだ。

「話は1時間前にさかのぼる…」


 1時間前

 剣得と楓彩は久しぶりの我が家を堪能しながら、これまた久しぶりの剣得の手料理にうなっていた。

「んー! おいしい!(〃)´艸`)♪」

 剣得のメニューはデミグラスハンバーグ、ご飯、そして、最高の味噌汁。
 だが、この際問題とは程関係ないので、この話は除外する。
 問題はそれから20分。朝食を終え、部屋の掃除を軽くしてから、G,S,A本部に向かっている道中だ。
 楓彩は休暇を貰ったのだが、例の組織の襲撃もあるので、楓彩を1人にするのは危険と判断した剣得は楓彩と、共に行動することに。

「んーー…今日は雲一つないいい天気ですねぇ!」

「そうだなぁ」

 楓彩は両腕を頭の上で組んで気持ちよさそうに伸びをしながら大通りの歩道を歩いていた。

「シロンも久しぶりのお家で落ち着いていましたしねー」

「そうだなぁ」

 心地よい陽気に、剣得も楓彩との会話に割と適当だった。
 その時、

「えぇーまじー?」

「うん! まじまじー! 付き合ってるっぽいよぉ?」

 丁度、楓彩と同い年くらいの中学生が楽しそうに話しながら剣得と楓彩の横を通り過ぎた。

「そうだなぁ」

 一定の間隔で同じ返事をしていた剣得の適当な返事は空振り、それに剣得も気づき、「やべっ」といって楓彩をみる。

「楓彩?」

「……」

 楓彩は立ち止まり、中学生達をじーっと見つめていた。
 自分とは反対側の世界。
 能力を持たなければ、戦う必要が無い、平和な暮らし。
 楓彩は学校には言ったことがない。この島には義務教育と呼ばれるものは薄いからだ。今日まで、剣得の教育で育ってきた。
 それに憧れているのか、否、違う。ここで剣得が気付いたこと、それは──


「────楓彩には同年代の友達が少ない!!」

 剣得は総督室の机を軽く叩く。

「…そーゆーことね…」

 小雨は尚、呆れた目で言う。

「花麗ちゃんとかはどうですか?」

 臨は挙手して言う。

「まぁー、花麗ちゃんは友達と呼べるだろうが、趣味がかけ離れてるかな…でも、動物が好きな点では同じか…」

「まぁ、まぁ、剣得? 友達は量より質だよ?」

 朝日は机に伏せて気だるそうにそんなことを言う。

「学生時代の友達が俺と“美桜《みさ》”だけだったお前に言われても説得力が無いな…」

 一同は美桜という、名前に反応するが、朝日と剣得の「あっ」という反応から、質問を断念する。

「とにかく! 猫が苦手な臨は無理しなくてもいいが、楓彩の趣味に合わせてほしい! 1週間くらい! 給料増しとくから!」

「んー…いいんだけどね? 楓彩ちゃんの趣味が動物しかないんじゃ、合わせようがないなぁ、なんだっけ、昔でいう、動物園? だっけ? それもこの島には無いし…あ、牧場はある…かな?」

 動物といっても、飼い犬や飼い猫と言った、ペットや、あとは野生動物などしか、この島には存在しない。
 まぁ、牧場は存在するが、楓彩が気に入るだろうか…?

「「「「んーーー……」」」」

 剣得達が頭を捻ってるその頃、肝心な楓彩はと言うと、ショウの工房で、楽しそうにショウと話していた。

「もぉぉ…!!自分でもしっかり片付けてくださいよぉぉ!」

 楓彩はふくれっ面でショウの作ったガラクタを抱えて工房内を動き回っていた。

「いやぁ、悪い悪い…」

「あのー…」

 楓彩は抱えていたガラクタを机に乱暴に置くと、少し、暗い顔をする。

「どうした? そんな暗い顔をして…」

「学校…でしたっけ? どんなところなんですか?」

 どうやら、楓彩は言ったことも見たこともない、未知の世界に興味を持ったようだ。それもそうだろう、だれもが憧れる平和な暮らしだ。

「んん……私も言ったことないからなぁ……」

 楓彩は答えが出ず、少し腑に落ちない顔をする。それを見たショウは「はぁ」と、ため息を吐いて、

「ちょっと行ってみる?」

「ん?」



 この島には、小中高合わせて、約100校ほどの校舎があるが、実のところ、楓彩のように学校に行ったことがないという少年少女も少なくはない。治安も治安だが、それ故に恵まれない子供達もたくさんいるのだ。例に、ショウや、臨はその子供達に含まれていた。

 さて、そんなこんなで、楓彩とショウは近くの中学校の近くまで来ていた。

「……(なんだかんだで、私も学校初めてかも)」

「…静かですね…」

「何でだろうね? 子供がいるならもっとうるさいんじゃないのかな…」

 その中学校の周辺は静寂に包まれていた。
 その時、二人の前に、緑色の網フェンスが現れる。奥に見えるのは校庭だろうか、野球に使用するバックネットや、テニスコートと言った、スポーツをするのに最適な施設が揃っていた。

「学校ですね…」

「へぇ…これが…」

 ショウが珍しく目をキラキラさせていた。

「でも子供がいないよ?」

 「そうですね…何をしてるんでしょう…」

 恐らく皆は授業中なのだろうが、二人は知る由もない。

「中、見れないかな…」

「邪魔になっちゃいますよ…」

 その時、

「どうかされました?」

 女性、教員と思われる清楚なスーツ姿の若い人物が話しかけてくる。


 ショウと楓彩はその教員と思われる女性に連れられるまま、学校内の一室に入れられた。

「あ、あのー?」

 楓彩は少し不安になり、声をかける。

「はい? あぁ、もし遅れました、私はこの学校の校長を務めています、緑 沙恵(さえ)と言います」

「「へ、へぇ」」

 本来なら、「校長!?」という反応をするべきなのだが、学校のことに対して無知な二人はそっけない反応をした。
 だがしかし、この女性も、よく、ふざけたTシャツを着た少女と、いかにも怪しそうな白衣のボタンを全開にして、へそ出しルックの女性を招き入れたものだ。

「………(青色の髪の毛の可愛らしい子はともかく、このとなりの綺麗な女性は……お姉さんかな?)」

「ん?」

 ショウは沙恵がこちらを見ていることに気がつく。

「あの、妹さんですか?」

「あ? え?」

「学校はどこに通っているのでしょうか?」

「あ、G,S,Aの隊員ですよ?」

 ショウは珍しく敬語で答える。

「え!?」

 そう、これが正しい反応だ。

「あ、あの、失礼だけど、歳いくつ?」

「ふぇ!? えっと、あの、15歳です…」 

「……」

 校長先生、完全に沈黙。うん、この人の反応はすごく正しい。

「ま、まぁ、何か、興味ありそうに校舎を覗いていたので、よろしければ見学してみますか?」

 紗恵ちゃんは考えるのをやめた。


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