123 / 159
終章
全てはここから
しおりを挟む
数分前、食料調達へ向かった彩楓、小雨、臨は近くのちょっとした集落に訪れていた。
そこはハワイ島に来てからの半年ずっとお世話になっている所だ。
最低限の素材が集まれば後は花麗シェフに任せれば何とかなる。
「今日はどうしようか…」
「いつも通り適当に買って後はあの猫娘に頼めばいいだろ」
驚くことに通過システムはセラフィスの時と大して変わらない。変わるとしたら硬貨や紙幣の絵が違う程度。
それも集落にある銀行で変金してくれた。
「もぉー“いっくん”は適当すぎるよぉ、これ作ってって言えば花麗ちゃんも助かると思うけどぉ」
小雨はふくれっ面で彩楓の前に出る。
「その、いっくん? それ、やめろ…」
「えぇ? なんで?」
「恥ずかしいんでしょ」
「恥ずかしいんだ」
小雨と臨が彩楓を挟んで悪戯な笑を浮かべる。
「お前らなぁ…」
「そうだ、栄養剤を買って来てってショウちゃんに頼まれたんだ」
「こんな、集落にそんなの売ってるのか?」
3人は近くの店に立ち寄り、食材を買うついでに栄養剤は無いか訊ねた。
そこで、
「栄養剤かい? うーん…ここら辺には薬局が無いからな…近くの街にも無いし…。それなら中心の街に行けば何でもあると思うよ」
と、店の店主の中年男性に言われた。
3人は店を出て、少し悩む。
「遠いね…中心か…」
その位置から見える、銀色のビルが立ち並ぶ場所のことだろう。
「テレポート使えばいいだろ、ったく、人使いの荒い…」
「じゃあ、頼むよ…彩楓」
「お願いねーいっくん!」
次の瞬間、3人の目の前は急に都会になる。
「「さっすが…」」
「はぁ、割と疲れるんだよなぁ…」
3人が薬局を探し歩こうとした瞬間。
『警報、警報、能力者を発見。近くの市民はモニターの人物から離れてください。繰り返します───』
警報とともに街道ビジョンに彩楓達3人の姿が映し出される。
「な、なに!?」
「っ!」
「動くなっ!!」
気がつけば3人の周りを盾を装備した機動隊に囲まれていた。
「セラフィスの人間か…」
その機動隊の中から、ヘルメットを着用していない金髪に細い目、優男風の男性が出てくる。
「入り込んだネズミかぁ…生かしてはおけないねぇ」
「なんだお前は…」
彩楓は警戒する。
だが、今は武器を持っていない。
「(オレ達ならこのくらい余裕だけど…あの金髪の男…すごく嫌な感じ取りがする)」
臨はその男から漂うただならぬ気配を感じ取り小雨の手を握り彩楓に体をくっつける。
「臨?」
「帝?」
「飛んで!」
彩楓はその言葉に瞬時に状況を察し、テレポートを発動させた。
3人の視界はコテージの前に戻る。
「そんな事が…」
森の中を走りながらショウは彩楓から話を聞いた。
「あぁ、恐らくだが、顔を覚えられた! 俺達にこの島での居場所は無い!」
ショウと彩楓の後を臨、花麗、シロンを抱き抱えた小雨と、楓彩をお姫様抱っこした瑛太が付いてきていた。
「す、すみません…瑛太さん…」
「鬼月さ…楓彩が軽くて良かったよ!」
その時、島を覆っているであろう壁に行き当る。
「でも、逃げるってどこへ?」
「そりゃ───」
一行はハワイ島の監視下から逃げるために戻ってきた。
「久しぶりだな…セラフィス…」
そこはハワイ島に来てからの半年ずっとお世話になっている所だ。
最低限の素材が集まれば後は花麗シェフに任せれば何とかなる。
「今日はどうしようか…」
「いつも通り適当に買って後はあの猫娘に頼めばいいだろ」
驚くことに通過システムはセラフィスの時と大して変わらない。変わるとしたら硬貨や紙幣の絵が違う程度。
それも集落にある銀行で変金してくれた。
「もぉー“いっくん”は適当すぎるよぉ、これ作ってって言えば花麗ちゃんも助かると思うけどぉ」
小雨はふくれっ面で彩楓の前に出る。
「その、いっくん? それ、やめろ…」
「えぇ? なんで?」
「恥ずかしいんでしょ」
「恥ずかしいんだ」
小雨と臨が彩楓を挟んで悪戯な笑を浮かべる。
「お前らなぁ…」
「そうだ、栄養剤を買って来てってショウちゃんに頼まれたんだ」
「こんな、集落にそんなの売ってるのか?」
3人は近くの店に立ち寄り、食材を買うついでに栄養剤は無いか訊ねた。
そこで、
「栄養剤かい? うーん…ここら辺には薬局が無いからな…近くの街にも無いし…。それなら中心の街に行けば何でもあると思うよ」
と、店の店主の中年男性に言われた。
3人は店を出て、少し悩む。
「遠いね…中心か…」
その位置から見える、銀色のビルが立ち並ぶ場所のことだろう。
「テレポート使えばいいだろ、ったく、人使いの荒い…」
「じゃあ、頼むよ…彩楓」
「お願いねーいっくん!」
次の瞬間、3人の目の前は急に都会になる。
「「さっすが…」」
「はぁ、割と疲れるんだよなぁ…」
3人が薬局を探し歩こうとした瞬間。
『警報、警報、能力者を発見。近くの市民はモニターの人物から離れてください。繰り返します───』
警報とともに街道ビジョンに彩楓達3人の姿が映し出される。
「な、なに!?」
「っ!」
「動くなっ!!」
気がつけば3人の周りを盾を装備した機動隊に囲まれていた。
「セラフィスの人間か…」
その機動隊の中から、ヘルメットを着用していない金髪に細い目、優男風の男性が出てくる。
「入り込んだネズミかぁ…生かしてはおけないねぇ」
「なんだお前は…」
彩楓は警戒する。
だが、今は武器を持っていない。
「(オレ達ならこのくらい余裕だけど…あの金髪の男…すごく嫌な感じ取りがする)」
臨はその男から漂うただならぬ気配を感じ取り小雨の手を握り彩楓に体をくっつける。
「臨?」
「帝?」
「飛んで!」
彩楓はその言葉に瞬時に状況を察し、テレポートを発動させた。
3人の視界はコテージの前に戻る。
「そんな事が…」
森の中を走りながらショウは彩楓から話を聞いた。
「あぁ、恐らくだが、顔を覚えられた! 俺達にこの島での居場所は無い!」
ショウと彩楓の後を臨、花麗、シロンを抱き抱えた小雨と、楓彩をお姫様抱っこした瑛太が付いてきていた。
「す、すみません…瑛太さん…」
「鬼月さ…楓彩が軽くて良かったよ!」
その時、島を覆っているであろう壁に行き当る。
「でも、逃げるってどこへ?」
「そりゃ───」
一行はハワイ島の監視下から逃げるために戻ってきた。
「久しぶりだな…セラフィス…」
0
あなたにおすすめの小説
感情の贈与税 〜光の加護より、確かな契約。没落令嬢による国家再生録〜
しょくぱん
恋愛
「君のような地味な女、僕の隣にふさわしくない」
魔王軍を討伐し、凱旋した公爵令息カシアンが放ったのは、婚約者エレナへの冷酷な決別だった。
彼の傍らには、可憐な「救国の聖女」レティシア。
だがカシアンは忘れていた。彼の眩い金髪も、魔王を圧倒した剣技も、すべてはエレナが十年間「愛の贈与」として捧げ続けた魔力の賜物であることを。
「……承知いたしました。では、滞納分を含め、全魔力を今この場で『徴収』いたします」
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
【完結】まもの牧場へようこそ!~転移先は魔物牧場でした ~-ドラゴンの子育てから始める異世界田舎暮らし-
いっぺいちゃん
ファンタジー
平凡なサラリーマン、相原正人が目を覚ましたのは、
見知らぬ草原に佇むひとつの牧場だった。
そこは、人に捨てられ、行き場を失った魔物の孤児たちが集う場所。
泣き虫の赤子ドラゴン「リュー」。
やんちゃなフェンリルの仔「ギン」。
臆病なユニコーンの仔「フィーネ」。
ぷるぷる働き者のスライム「モチョ」。
彼らを「処分すべき危険種」と呼ぶ声が、王都や冒険者から届く。
けれど正人は誓う。
――この子たちは、ただの“危険”なんかじゃない。
――ここは、家族の居場所だ。
癒やしのスキル【癒やしの手】を頼りに、
命を守り、日々を紡ぎ、
“人と魔物が共に生きる未来”を探していく。
◇
🐉 癒やしと涙と、もふもふと。
――これは、小さな牧場から始まる大きな物語。
――世界に抗いながら、共に暮らすことを選んだ者たちの、優しい日常譚。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
【完結】メルティは諦めない~立派なレディになったなら
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
レドゼンツ伯爵家の次女メルティは、水面に映る未来を見る(予言)事ができた。ある日、父親が事故に遭う事を知りそれを止めた事によって、聖女となり第二王子と婚約する事になるが、なぜか姉であるクラリサがそれらを手にする事に――。51話で完結です。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
異世界に迷い込んだ盾職おっさんは『使えない』といわれ町ぐるみで追放されましたが、現在女の子の保護者になってます。
古嶺こいし
ファンタジー
異世界に神隠しに遭い、そのまま10年以上過ごした主人公、北城辰也はある日突然パーティーメンバーから『盾しか能がないおっさんは使えない』という理由で突然解雇されてしまう。勝手に冒険者資格も剥奪され、しかも家まで壊されて居場所を完全に失ってしまった。
頼りもない孤独な主人公はこれからどうしようと海辺で黄昏ていると、海に女の子が浮かんでいるのを発見する。
「うおおおおお!!??」
慌てて救助したことによって、北城辰也の物語が幕を開けたのだった。
基本出来上がり投稿となります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる