生き残りBAD END

とぅるすけ

文字の大きさ
124 / 159
終章

いやー…サバイバルじゃぁーー!!

しおりを挟む
 ショウ達一行の目の前には海と、水平線を隠す巨大な黒い壁が現れた。

「ここは…」

「みんな居るか? 成功だ…」

 楓彩は瑛太の肩を借りて地に足を下ろす。
 
「セ、セラフィス…?」

 
 そこはセラフィス。
 楓彩の故郷にして、生活の場。
 だが、戦闘の爪痕がくっきり残っていて、半時という時を経てすっかり荒れ果てたゴーストアイランドと化していた。

「さて、拠点は?」

「本部は恐らくだけどただの鉄塊だからなぁ…瑛太の家でいいんじゃない? 電力なら私が何とかするよ(瑛太を使えばいいし…)」

「? (なんだか、ショウさんの目が怖いな…)」

 その後、一行はその場を離れ、一度落ち着くために神ヶ丘邸へ向かった。

 到着するまでに島の被害状況を確認しながら例のショウの武器庫で武装を集めた。

 
「「「「「「で?」」」」」」

 困るのは食材だ。
 農家さんや生産者がこの島には居ない。
 自給自足が要求される。

「だれかー…元農家の人ーって人手を挙げてー」

 ショウの呼びかけには誰も反応しなかった。
 店は店で、殆どの店が最後の大売出しと言って店の在庫を空にした。

ぐぅーーー

 その時、楓彩の腹が綺麗に鳴く。

「っ……す、すみません…」

 楓彩は頬を赤らめて瑛太の裾をギュッと握りしめた。

「そうですね、俺ん家に行くなら一週間は持ちますよ? 非常食たくさん持ってるので。けど本当にそれだけです。後は庭の広さを使えば農園くらいならどうにか作れそうですね」

 瑛太は思い出すように皆に語りかける。

「んじゃ、決まりだね…」

 神ヶ丘邸に到着し、各々は早速作業に中った。
 ショウ、彩楓は農園グッズを開発し、小雨、臨はG,S,A本部、その他重要機関へ向かって街の電力の復興及び、制御。
 瑛太、花麗、楓彩は街のに出て余った食料などがないか歩き回った。
 
「彩楓? レンチ取って」

 神ヶ丘邸の庭では、機会のパーツが乱雑に置かれた中にタンクトップ姿のショウと彩楓の姿が。

「はいよ…というか、暑いな…冷え性の俺でも汗をかくぞ…」

「確かにね、この島は何故かできた当初から信じられない暑さを誇ってたんだけど、それをセラフィス自体の冷却システムで春夏秋冬を感じられるようにしたって聞いたことがある」

「なるほど、電力が落ちてるから暑い訳か…」

「彩楓? 聞きたいんだけど…ハワイ島の事でさ?」

 ショウは作業から目を離さずに彩楓に話しかける。
 彩楓も作業しながら会話に応答する。

「能力者をどうしてての?」

「さぁな…でもまぁ着いた時から不自然だったのは感じただろ?」

「確かにね、生存者(サバイバー)が居ないにしても、静かすぎるというか…不気味だったね」

「俺も、その不気味さの正体に気がつくのは中心の街に行った後だったからな…」

「正体って?」

「恐らくだが、俺は運がいい…お前の“楓彩の移植手術”を待って、俺らがハワイ島からの救援艇を逃し、俺の能力でハワイ島に上陸していなかったら抹殺されていただろう」

「え?」

「奴ら…能力者を消さんとする目だった」

「そうか、じゃあ一般の能力者や手初通り救援艇に乗った能力者達はみんな…」

「そうゆう事だ…」

「このことは…」

「楓彩には話さない…もろい心が砕ける」



 その頃、電力施設を訪れた小雨と臨。
 暗闇の中コツコツと足音を立て、小雨の人差し指に灯るL(レーザー)の光で足元を照らしながら進んでいた。
 
「あんた器用だね…」

「まぁね! それより、さすがは地下…昼間なのに暗いね…」

「予備電源も落とされてるんだ…」

 臨の右手には手のひらサイズの機械があった。
 それはショウが2人に渡したもので「コンソールにおいて、スイッチを押して?」と言われている。
 恐らく電力復旧装置だろう。

「私達、機械弱いもんね…」

「そうね…」 


 その頃楓彩と瑛太、花麗は商店街の店の中に食料がないか、物色していた。
 
「楓彩ー? 何かあったー?」

「瑛太さん! ピザですよピザ!」

 と、楓彩は、瑛太のもとに、レンジで温める式のピザを持ってきた

「楓彩? それ…半年前のピザだよ…」

 瑛太の言う通り、少しカビ臭かった。

「コホン…花麗は何か見つけたか?」

「うーん…シロンのキャットフードしか…」

「うん、上出来だよ」

 その時だった。

「2人とも! 静かに……!」

 瑛太は楓彩と花麗の肩に手を回ししゃがませると今いる店の奥の方へゆっくりと進む。

「んー…(なになに!?)」 

「むぐっ…(どうしたんですか…?)」

 そして、何か大きい生物が店の目の前を過ぎる足音がする。

「「「(生存者《サバイバー》!!)」」」



 その頃、たった数分て神ヶ丘邸の庭は農園と化していた。

「さてと…。終わりだね、後は種植えだけどこれはみんなが帰ってからにしよう!」

「お疲れ様」

 2人は縁側に上がり、日陰で涼しんでいた。

「あっつーー…あと3秒遅かったら死んでた…」

「確かに暑いな」

「ねぇ、彩楓…少し相談なんだけどさ…」

「ん?」

 ショウは急に声音を変える。

「楓彩の…事なんだけど…」

「あぁ、問題ありだよな…」

「うん…ハワイ島の奴らはもちろんの事、SABERの残党にも狙われると思うの…けどね、あの子…“もう足が速くないの”」

「? どういうことだ?」

「…心臓を手術した時に分かったんだけど…あの子の筋力は普通の人間になってた」

「つまり…もう戦闘員としての戦闘能力は無い…そう言いたいんだな?」

「うん…だからね…最低限自分の身を守れるようにあの子に剣を教えてあげてくれないかなって…思ったの」

「俺がか?」

「うん」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~

みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。 何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。 第一部(領地でスローライフ) 5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。 お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。 しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。 貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。 第二部(学園無双) 貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。 貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。 だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。 そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。 ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・ 学園無双の痛快コメディ カクヨムで240万PV頂いています。

追放悪役令嬢、辺境の荒れ地を楽園に!元夫の求婚?ざまぁ、今更遅いです!

黒崎隼人
ファンタジー
皇太子カイルから「政治的理由」で離婚を宣告され、辺境へ追放された悪役令嬢レイナ。しかし彼女は、前世の農業知識と、偶然出会った神獣フェンリルの力を得て、荒れ地を豊かな楽園へと変えていく。 そんな彼女の元に現れたのは、離婚したはずの元夫。「離婚は君を守るためだった」と告白し、復縁を迫るカイルだが、レイナの答えは「ノー」。 「離婚したからこそ、本当の幸せが見つかった」 これは、悪女のレッテルを貼られた令嬢が、自らの手で未来を切り拓き、元夫と「夫婦ではない」最高のパートナーシップを築く、成り上がりと新しい絆の物語。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

商人の男と貴族の女~婚約破棄から始まる成り上がり~

葉月奈津・男
恋愛
「あなたとの婚約、破棄させていただきます!」 王立学院の舞踏会。 全校生徒が見守る中、商家の三男カロスタークは、貴族令嬢セザールから一方的に婚約破棄を突きつけられる。 努力も誠意も、すべて「退屈だった」の一言で切り捨てられ、彼女は王子様気取りの子爵家の三男と新たな婚約を宣言する。 だが、カロスタークは折れなかった。 「商人の子せがれにだって、意地はあるんだ!」 怒りと屈辱を胸に、彼は商人としての才覚を武器に、静かなる反撃を開始する。 舞踏会の翌日、元婚約者の実家に突如として訪れる債権者たち。 差し押さえ、債権買収、そして“後ろ盾”の意味を思い知らせる逆襲劇が幕を開ける! これは、貴族社会の常識を覆す、ひとりの青年の成り上がりの物語。 誇りを踏みにじられた男が、金と知恵で世界を変える――!

ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます

黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。 だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ! 捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……? 無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

処理中です...