生き残りBAD END

とぅるすけ

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終章

無法地帯

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 「よし、あと数秒で電力が元に戻る」

「うん…いやー疲れたー…」

 電力施設に訪れていた臨と小雨はコンソールに装置を置き、任務を遂行していた。

「ん? 小雨…なんか物音しない?」

「え? や、やめてよ…私ゾンビとかお化けとか無理だから…」

 臨の発言に小雨は臨の服をしっかり掴む。

「くっつくな…鬱陶しい」

 その時。

ゴトンッ

「「っ!」」 

 その時、部屋中の明かりが灯る。
 どうやら部屋の中からの音ではないようだ。

「施設中の電気を付けたから…見回ろう…」

「う、うん」

 小雨は持ってきていたアサルトライフルと、小雨専用の銃を持って、銀の槍を手にした臨の後に続く。

 しばらく進むと、その物音は近づいてくるどころか増えてくる。

「り、臨…」

「来るね…」

 その時、前方の曲がり角から白濁した肌に三つに開く口。大きさは大型犬位だろうか。
 見た目でわかる。生存者(サバイバー)だ。


「っ!!」

 その生存者(サバイバー)は四足歩行で駆け寄ってくる。

───刹那

 その生存者(サバイバー)は何かに押し潰されたように地面に飛び散る。

「り、臨?」 

「この程度なら余裕だよ…けど数で来られたらまずいかもね…とりあえず出よう」

 2人は他の生存者(サバイバー)が寄ってくる前にそこを後にした。


 その頃、瑛太組は

「よし…通り過ぎてったか…」

「どうして生存者(サバイバー)が…」 

「半年も放置されてたんだ。そりゃあ湧くよ…」

 瑛太は花麗と手を繋ぎ、楓彩と共にその場を警戒しながら移動する。

 
 その後、拠点となる神ヶ丘邸に全員集合した。

「そうか…やっぱりそうか」

「ど、どうしますか…」 
 
 居間で机を皆で囲んで座っていた。

「とりあえず、この家の半径1kmの安全を確保するためにセンサーと奴らの嫌う物質をばら撒いておくよ」

「手伝います」

「そうだ、臨達ありがとうね? おかげで涼しいよさっきよりは」

 ショウは一仕事を終え、グッと伸びをした。

「す、すみません」

 シロンを抱えた楓彩が手を挙げる。

「ん? どうしたの? 楓彩」

「わ、私…今状況をあまり把握出来ていなくて…季節は…」

「今は冬だよ? この島の気候からわかりずらいと思うけど…」

「そうですか…ん? ということは」

「うん、年は明けてる」

「あ、あけましておめでとうございます」

 「「「「お、おめでとうございます…」」」」

「あ、楓彩ちゃん…お年玉いる?」

「え、えーっと…使い道が…」

「あはは…それもそうだね」

 すると、ショウは咳払いをして、真剣な顔で話を始めた。

「楓彩? 彩楓には話したんだけど、みんなも聞いてて…。楓彩の能力なんだけど──」

 ショウは先ほど彩楓に話した楓彩の能力の消失について話した。

「だから、楓彩を絶対に、何があっても1人で行動させないで」

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