生き残りBAD END

とぅるすけ

文字の大きさ
127 / 159
終章

やっべ、忙し!

しおりを挟む
 その後、楓彩と花麗は仲良く同じ布団で寝てしまった。
 瑛太は2人が寝たことを確認し、今に戻る。

「楓彩達は寝た?」

「はい、仲良く一緒に…」

「さぁ、今から話すことは少し深刻な事だ」

 皆は机を囲んで座る。

「まず、今日はお疲れ様、だけどまだ私達の生存は絶望的だ」

 そう、セラフィスではショウ達の生存は厳しい。その理由として、生存者(サバイバー)の出現。そして、

「ハワイ島からの追っても警戒しなければならない」

「え? ハワイ島から…ですか?」

「うん、もし、ハワイ島の目的が能力者の疎外なら、私達の身は安全なんだけど、もしも、目的が排除なら…私達を追って来るはず」

 確かに、ハワイ島で彩楓達が見つかった際、捕獲というよりは排除に近い行動だった。

「……」

 部屋に沈黙が奔る。

「俺達が出来ることはなんだ…ショウムート…」

「そうね…まずは生存者(サバイバー)への対策。そのために奴らの嫌う素材を掻き集める必要がある…それとセラフィスの防衛設備の復旧。これは来訪者を迎え撃つためのものだねそれと、生存者狂《サバイブ化》を防ぐためのワクチンを調達しないと…やる事は沢山あるぞ…! 明日から…いや! 今から始めよう!」

 生存者《サバイバー》がいると分かったからには、生存者狂《サバイブ化》への対策は怠ってはならない。
  さもないと、生存者《サバイバー》の体から出る瘴気、ウイルスに人体が耐えきれず、筋肉が破裂し、脳を最後に徐々に体が死んでいく悲惨な死を迎えることになる。
 故にワクチンは無くてはならないのだが、

「今から…か?」

 皆、「今から」と聞いて少し唸る。

「ショウちゃん…勘弁してよぉ…もうそろそろ日付越すよぉ…」

「え? 今何時?」

 小雨の発言にショウはハッとして時間を訊ねる。

「え…? 11時57分だけど…」

「…えぇ!?」

 ショウはとあることに気がついた。

「楓彩が寝たのは何時だっけ!?」

「さ、さっきだけど……あっ!!」

 ショウの発言にその場に居た数人が何かおかしいことに気が付いた。

「「「確時睡眠症!!」」」

 それは楓彩が持つ謎の病気。午後9時になると電源が切れたように眠りについてしまう病気。

「まっ、まだ病気が消えたという訳では無いでしょ…今楓彩を起こすことが出来なければ病気は消えてない!」

 楓彩のその病気は一度寝てしまうと、決められた時間、午前6時後にならないと目覚めることは無い。

 ショウと臨、小雨は足音を立てて楓彩の寝ている部屋に駆け込んだ。
 そこには仲良く寝ている花麗と楓彩が暗闇の中に居た。

「楓彩…起きて…」
 
 ショウは楓彩に近づき、体を優しく揺する。

「んんー…何事だぁ…」

 楓彩よりも先に花麗が目覚めてショウと臨、小雨を睨みつけてくる。

「あ、ごめん、花麗…」

「ショ…ウさん…? どうしたんですか?」

 その時、楓彩が眠たそうに弱々しい声で目覚める。

「楓彩!!」

「ん? …どうしました?」

 そして、ショウと臨、小雨は唖然とする。

「「な、治ってる…」」



 翌朝、ショウと彩楓は2人でG,S,A本部にあるショウの工房へ向かい、臨と小雨はショウから貰った、生存者(サバイバー)の嫌う成分を散布する機会の設置に向かった。
 楓彩、瑛太、花麗は神ヶ丘邸で留守番を命じられた。

 G,S,A本部前

「うー…ここ一帯は寒いね」 
 
 G,S,A本部の広大な建物の半分以上は朝日が作り出した氷山に覆われ、半年の間溶けることなく、その戦闘の威力を物語っていた。

「さぁ、奴らが寄ってくる前に仕事を終わらせよう」

「ま、中にもいると思うけどねー細かい奴らが…」


 中に入るとそこは冷蔵庫の中と同じだ。
 とにかく寒い。
 電力室を目指して暗い廊下をライトで照らしながらショウは自慢の万能銃──ブリュンヒルデをアサルトライフルの形にし、彩楓も自慢の心鉄器《しんてっき》製の刀──神楽《かぐら》を腰に差し、進む。

「ふわぁぁ…」 

「欠伸とは呑気だな…ショウムート」

「ん? まぁ、寝るに寝れなくてね…そんな事より、彩楓さ…私のこと、もーちょっと私のことをラフに呼んでもいいんだよ?」

「ん? そうか?」

「皆みたいに『ショウちゃん』とか、『ショウさん』とかでいいよ? てかそっちの方がいい」

「そうかよ…“ショウたん”…」

「っ!!」

 彩楓の口から出たその単語に、ショウの思考回路と足が停止する。

「ん? 早くしろよ…ショウたん」 

「た、た、たん!?」

「なんだよ」

「え、あ、いや……なんかそれ…バカにされてる? 私…」

 ショウは顔を真っ赤にして彩楓を視界から外す。

「照れてんのか?」

 彩楓はイタズラにショウの顔にライトを当ててくる。
 その際、さり気なく彩楓の後ろから迫っていた小型犬型 生存者《サバイバー》を瞬時に切り伏せていた。

「べ、別に…照れてないよ…!」

 彩楓はそう言われてまた歩き始める。

「もぉ…バカ…」

「…さぁ、付いたぞ…ショウムート」

「うん…(あれ? もう戻ってる)」

 彩楓は入口で監視し、ショウは中に入って電力復旧の作業に中った。

 数分後、施設内の明かりが灯る。

「やったか?」

「うん、さぁ、工房へ行こう…」

 

 その頃、臨と小雨は

「こんなもんかな…」

 着々と作業を終えていた。

「後は範囲内に入ってきた生存者《サバイバー》の処理だね! 臨」

「あぁ、けど、こんなものただのその場しのぎにしかならない…ショウは分かっていると思うけど、以前、セラフィスに侵入してくる生存者《サバイバー》はAランク相当の強力な個体だけだった…」

「それって…」

「こんな、壁でもない物じゃ、A級以上の生存者《サバイバー》は防げないってこと…」



 その頃、G,S,A本部では、ショウ達が工房にたどり着いていた。

「さてとー…探しますか…」

「じゃあ、俺はこのソファを占拠しておくよ」

「手伝え」


 それから数分後。

「あった…これがワクチン…」  

「ほぉー…」

「ほら、彩楓…腕出して」 

 ショウは取り出したアタッシュケースを開き、中からの注射器を取り出し、針先を彩楓の上腕に当てる。
 ショウは続いて自分の体にもワクチンを注入する。

「さて、もう大丈夫だ…後はこの島の防衛設備の復旧だけど…彩楓? テレポートで総督室に行ける?」

「あぁ…行けるけど…」

「総督室にこの島の全体図、それと機能が書かれている資料があるはず」

 彩楓がショウの方に触れた瞬間、今までで一番強い冷気が2人を襲った。

「さむっ!!」

 テレポートしたそこは総督室。
 朝日が冷気を爆発させた中心だ。
 そして、いたるところが凍結してしまっていて引き出しが開かなくなっていた。

「めんどくさいなぁ…」

 そんな中、2人は氷を削りながら極寒の中お目当ての資料を探し求めた。

 その時、ショウはとある資料を発見する。

「これは…私の…資料?…」

 ショウのプロフィールや、その他G,S,Aの隊員情報だった。

「…え…」

 ショウが目にしたのは備考の欄に書いてあった「草善総理の娘」という文字。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~

みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。 何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。 第一部(領地でスローライフ) 5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。 お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。 しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。 貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。 第二部(学園無双) 貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。 貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。 だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。 そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。 ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・ 学園無双の痛快コメディ カクヨムで240万PV頂いています。

追放悪役令嬢、辺境の荒れ地を楽園に!元夫の求婚?ざまぁ、今更遅いです!

黒崎隼人
ファンタジー
皇太子カイルから「政治的理由」で離婚を宣告され、辺境へ追放された悪役令嬢レイナ。しかし彼女は、前世の農業知識と、偶然出会った神獣フェンリルの力を得て、荒れ地を豊かな楽園へと変えていく。 そんな彼女の元に現れたのは、離婚したはずの元夫。「離婚は君を守るためだった」と告白し、復縁を迫るカイルだが、レイナの答えは「ノー」。 「離婚したからこそ、本当の幸せが見つかった」 これは、悪女のレッテルを貼られた令嬢が、自らの手で未来を切り拓き、元夫と「夫婦ではない」最高のパートナーシップを築く、成り上がりと新しい絆の物語。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます

黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。 だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ! 捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……? 無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!

商人の男と貴族の女~婚約破棄から始まる成り上がり~

葉月奈津・男
恋愛
「あなたとの婚約、破棄させていただきます!」 王立学院の舞踏会。 全校生徒が見守る中、商家の三男カロスタークは、貴族令嬢セザールから一方的に婚約破棄を突きつけられる。 努力も誠意も、すべて「退屈だった」の一言で切り捨てられ、彼女は王子様気取りの子爵家の三男と新たな婚約を宣言する。 だが、カロスタークは折れなかった。 「商人の子せがれにだって、意地はあるんだ!」 怒りと屈辱を胸に、彼は商人としての才覚を武器に、静かなる反撃を開始する。 舞踏会の翌日、元婚約者の実家に突如として訪れる債権者たち。 差し押さえ、債権買収、そして“後ろ盾”の意味を思い知らせる逆襲劇が幕を開ける! これは、貴族社会の常識を覆す、ひとりの青年の成り上がりの物語。 誇りを踏みにじられた男が、金と知恵で世界を変える――!

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

処理中です...