生き残りBAD END

とぅるすけ

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終章

真実

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 「話は13年前に遡る。政府は新たなるバイオウェポン、“カタン”の開発を進めていた。それが後の生存者《サバイバー》だ…。だが、6月25日、全ては『棘の使』と呼ばれる犯行声明によってカタンは奪われてしまった…」

「棘の使…?」

「あぁ、前々から政府陥落を企んでいたテロリスト集団さ…まさかカタンの開発に加わっていたとは…政府の間抜けさが知れるよ…。さて、ここからが問題だ。カタンの威力は凄まじく、政府や軍には手が負えなかった。そこで、政府はハワイ島やその他の島々への移住を試みた。その時だ、政府の反射神経の良さが光ったのは」

「?」

「犯罪者や不安定な能力者の隔離だよ」

「「!!」」

 楓彩と瑛太はその言葉に耳を疑った。

「まさか…セラフィスは!」

「あぁ、そうさ…ただの監獄だよ…近々、セラフィス内に“大罪の一角”が住み着いていると噂になってね、能力者の浄化と共に炙りだそうと思って、こっちからアプローチしたって訳…」

「ほ、他の住民達は…」 

「能力者以外は普通に暮らしているよ…弱い能力者は留置所へ、強い者は殺処分が下った」

「そ、そんな…」

「驚いたよ…半分が能力者でその大半が強力な能力を持っていたよ…」

「………」

「ひ、酷い……そんなのあんまりです!!」

 楓彩は男を睨みつける。

「ま、君が人間に同情する意味がわからないが…これも平和のためなんでね…消えろ…“デブリ”」

────刹那

 楓彩の右側を稲妻が通り過ぎる。

「───!!」

「───っと! …急にパンチとは…野蛮だね…」

「お前達は絶対に許さねぇ…!!」

 気がつけば瑛太の右ストレートをケルトは片手で止めていた。

「…!?」

 瑛太はそのまま簡単に投げ飛ばされてしまった。

「ぬわぁっ!!」

 瑛太は空中で体勢を立て直し、綺麗に着地する。

「っ! (なぜ、なぜ感電しない!!)」

「あまいな…僕の能力を忘れたかい? 異端殺し《タブーキラー》その実態をお見せしよう…」

 ケルトは右手を掲げて自分の中指と親指を触れさせる。

───パチンッ!

 その音が響いた次の瞬間。

「───がぁぁぁぁああ!!!!」

 瑛太の体から青白い閃光が溢れ出し、もがき苦しみ始める。
 数秒に渡りその酷い光景が続き、瑛太は煙を出してその場に倒れてしまった。

「瑛太さん!!」

 ケルトを挟んで反対側にいる楓彩が叫ぶ。

「驚いた? 僕の能力はね、相手の“能力”に触れた瞬間、その能力の主導権を一時的に得る能力なんだよ…。だからさっきの君の攻撃で主導権を得たことによって君の中の電気を暴走させた…」

「……な…んだ…と……!!」

 瑛太は震える体でケルトを見上げる。

「驚いた…まだ生きてたんだ…まぁ、伏せてろ」

「───うわぁぁあ!!」

 再度、瑛太の体は発光し苦しみ始める。

「や、やめてください!!」

「おっと、そうだった…君が本命だ…生存者《サバイバー》…」

「…!」

 ケルトは楓彩に歩み寄ってくる。

「そ、そうだ! 助けを!」

 楓彩は右ポケットから携帯を取り出しショウ達に連絡を取ろうとした。次の瞬間。

「だーめ」

「きゃあ!!」

 取り出した携帯が蹴り飛ばされてしまう。
 いつの間にか距離を詰められていた。
 楓彩はケルトから背を向けて距離をとる。

「はぁ…はぁ…!」

「うーん…無抵抗な女の子を痛ぶるのは僕好きじゃないからさ…そのまま無抵抗でいて? その方が痛ぶらずに一瞬で殺せそうだから…」

「……」

 楓彩は目線を落とした先にあった鉄パイプを拾い上げて刀に見立てて上段に構える。

「お、抵抗するなら別だ…自分より弱い奴には嗜虐心が疼くぜ?」

「はぁ…はぁ…はぁ…! (大丈夫! 木刀と同じ重さ! 彩楓さんから教わったことを活かす!)」

 楓彩はパイプを握りしめてケルトへ向かって走り出す。

「やぁぁぁああ!!!!」

「───」

 放った一振り。
 腰に一振りと見せかけて頭上から落とすフェイント技。
 タイミングも手順も完璧。
 決まったかに思えた。

「うん、君の技すごいよ」

「なっ!?」

 ケルトは楓彩の両手首を右手で抑えていた。
 そして、

「喧嘩じゃないんだよなぁ…これ」

 腰から拳銃を取り出して楓彩の胸に押し当て、引き金を引いた。

「かふっ!!」

 銃声と共に楓彩の体から力が抜け、楓彩は胸から血を流して倒れ込んでしまった。

「ミッションコンプリート…さて、この死体二つを持って帰りますかね」

「な…何勝手に…殺してんだ…」

 ケルトの後ろから、瑛太の死にそうな声が聞こえる。

「ほぉ? 生きてたか…」

 ケルトが四つん這いで虫の息の瑛太に近づこうとした次の瞬間。

「はぁーあ…まーたこの娘は死んじゃったのか…」

 その声にケルトは瞬時に振り向く。
 そこには胸に弾丸の穴を開けた楓彩が立ち上がる姿があった。

「君まで…!」

「あら…ハンサムなお兄さん? この幼気な体に酷いことしてくれるじゃない?」

 瑛太にはその喋り方に覚えがあった。

「ア、アスモデウス…!」

「こんにちは…人間さん…半年ぶりくらいかしら?」
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