生き残りBAD END

とぅるすけ

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終章

嫉妬の顕現

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 「さぁ…アッチの目的は復讐…だから力がいる…あのルシファーを殺すために! だから…アスモデウス? キミの力を頂戴?」 
 
 臨の中に入り込んだレヴィアタンは無垢な笑顔で楓彩を見つめる。

「──楓彩! 下がれ!」

 彩楓とショウは楓彩の前に躍り出る。

「!!」

「人間なんかには興味無いよー───」

 ────刹那

 彩楓は瞬時に抜刀し、楓彩に迫っていた銀槍を切り上げる。
 続いてショウは取り出した拳銃で4発、臨の体に致命傷を与えない位置、両足、両腕に撃ち込む。
 しかし、

「───おっと…」

 見えない障壁に弾丸は阻まれてしまった。

「り、臨の能力…!」

「へぇー…人間のくせに反応できるんだ…。あ、アッチも今は人間の体か…」

 レヴィアタンは3人から距離を取り手を開いたり閉じたりして体の具合を調節しているようだ。

「んー…やっぱり体に慣れるのには少しかかるか…よし! じゃあ、また今度にしよう!」

「なに?」

「ばーい!」

 レヴィアタンはそう言うと、人間離れした跳躍力で3人の前から姿を消した。

 緊張から解き放たれた楓彩は腰から力が抜けてしまい、その場に「ペタン」と座り込んでしまう。

「そんな…臨さんが……」

「みんなー!」

 3人の後方から聞き覚えのある声が響く。
 振り返ると、胸を揺らしてこちらに手を振りながら走ってくる金髪ショートの女性、小雨の姿があった。

「小雨…なんで…」

「り、臨は!?」

 到着するなり、臨の状況を訊ねてくる小雨に対して、ショウは目を合わせることが出来なかった。





「え、なんでよ! 臨は人間でしょ!? なんで生存者《サバイバー》何かになっちゃうのよ!!」

 小雨は皆の前で声を荒らげて机を叩く。

「わからない…レヴィアタンの能力なのか…」

「も、元に戻るんだよね…?」

「………」

 今の状況ではなんとも言えない。
 レヴィアタンの能力、『大罪の力』の効果が分からないからだ。
 分かるのは臨と、レヴィアタンが初めてコンタクトした日。あの日から侵食は始まっていたのだろう。
 これで謎の昏睡の謎もショウの中では解明できた。
 あの日、臨のS《サイコキネシス》の能力が消失していた時。あれは消失していたというよりは『隠されていた』に近い。
 レヴィアタンは臨の能力に触れ、何らかの能力を使って、間接的に自らの精神を臨の中に潜めた。
 だが、そのまま入ると存在に気づかれてしまうと感じたレヴィアタンはとある依り代を見つけた。

「臨さんの能力…ですか…」

「そう、レヴィアタンは臨の能力と一体化することで臨の体の一部になることに成功した…。おかしいと思ったんだよ…臨が目覚めてからやけに能力の質が上がったから…」

 物見事な夕食が並べれられている中、ショウを初めとする大人達は難しい顔をしていた。

「………」

 楓彩は今日のことが忘れられず、先程から黙っていて夕食にも手をつけていない。

「鬼月さん? どうしたの?」

「いえ…なんだか…気分が…」

 その言葉にショウは楓彩に近づき前髪を上げて額に右手を当てる。

「うん、少し熱っぽいね…」

 よく見ると楓彩は頬を赤らめてボーッとしている。

「瑛太…楓彩を寝床に連れていってあげ───ゴホン…小雨…楓彩を連れていってあげて」

「うん…」

 小雨もどこか冴えない表情をして楓彩をおんぶする。



「すみません…小雨さん…」

「いいよ…別に…」

 楓彩を布団に寝かせ、小雨は枕元に正座して楓彩を見下ろす。

「小雨さん…」

「臨ね? 剣得くんのことが大好きだったんだ…」

「え?」

「恋をしてたの…剣得くんに…」

 暗闇の中、小雨の表情はうかがえないが、きっと良い表情はしていないだろう。
 声のトーンから今にも泣きそうなことがわかる。

「ずっと…剣得くんを見てて…すごく好きだったんだよ…楓彩に妬くほど…」

「………」

「臨ね? 剣得くんが死んじゃったって知った時、みんなの前では平然と『じゃあ…オレ達が楓彩を守ろう?』って強がってたんだけど…みんなが見てないところではずっと泣いてた…」

「…!」



 小雨が出ていった後、暗い部屋は静寂で満たされる。
 楓彩は静かにまぶたを閉じた。





────オレはあんたが妬ましいよ…楓彩…

────臨さん…?

────剣得さんの隣にはオレが立っていたかった…一度でもいい! オレは剣得さんにあの暖かい笑顔を向けて欲しかった!

────臨さん! 

────お前のせいだ…お前が弱いから…! 剣得さんは死んだ! お前が剣得さんに頼ってばっかりだから!!

────違っ…!

────お前が剣得さんを殺した…。オレは復讐する…お前に…!!

────や、やめ…!!







────全部…お前が悪いんだ…







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