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終章
自分探し
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────あれ…どこ…ここ…
────んー…なんだろう頭にモヤがかかって…
────オレ…どこを歩いてるんだ? …あぁスカイネクストか…
臨が気がつくと暗闇の中、スカイネクスト内のショッピングモールと思われる場所を何やら鉄を引きずりながら進んでいた。
────オレの体…勝手に動いて…
金属が地面と擦れる音は意識を刺激していく。
その時目の前に姿見が現れる。
────ん? 誰だ…
姿見に写された人影。
そこに写ったのは臨の姿ではなかった。
白髪のショートボブを首元で二つ結びにしている臨によく似ている女性。
体格や来ている服からして臨自身なのだろう。
────やぁ…こんにちは…帝 臨…
────だれ…?
────アッチはレヴィアタン…君の体は貰ったよ?
鏡の中の人物は淡々と衝撃の事実を話していく。
────嫉妬の心…君がその心を出すのを待っていたよ…
────オレは…
────欲しいね…全部…! 妬ましくて仕方が無い! けど、それを解消させる者は今はもう存在しない!
────や、やめて…
────なら…一つしかないでしょ? やることは…
────やめて!!
「───復讐だ」
────楓彩…お前のせいだ…
────お前さえいなければ…オレは!!
────剣得さんと一緒にいたかったのはオレだ!
────お願いだから…
─────消えて?
「────はっ!!」
楓彩は嫌な夢に目を覚ます。
「はぁ…はぁ…」
楓彩は上体を静かに起こして辺りを確認する。
部屋の中は明るく、恐らく朝か昼だろう。
自身の上には濡れたタオルが転がっていた。
「……」
そして気がつく雨の音。
「……雨…」
このセラフィスの気候がショウ達の手によって戻ったせいか、上空に雲ができたようだ。
「……」
まだ、頭がボーッとする。
その時、襖の向こう、廊下から誰かが近づく足音が聞こえてくる。
「鬼月さーん入るよー」
襖が開き、瑛太が桶を持って入ってくる。
「あ、起きてた? 気分はどう?」
「瑛太さん…まだボーッとします…」
「そう、今日は雨だからみんな家にいるって…」
瑛太は枕元に正座すると楓彩の上に転がっていたタオルを拾って持ってきた桶に入れた。
「そうですか…」
「とにかく、今日は安静にしてて? ほら…」
瑛太は楓彩の両肩を少し濡れた手で触り、上体を寝かせた。
「……」
瑛太がタオルを絞って、水の音がする中、楓彩は少し目を閉じる。
水の音が止んだ後、額に冷たいタオルが乗せられる。
「ひゃっ…」
「冷たい?」
「はい…」
瑛太は少し微笑んで楓彩の顔をのぞき込む。
「瑛太さん?」
「ん? どうした?」
「少し…一緒にいてくれませんか?」
「あぁ…わかったよ…」
瑛太は正座を崩して胡座《あぐら》をかく。
「……」
「……」
室内に訪れる沈黙と静寂。
外に降る雨音だけが聞こえる。
数分の沈黙の後、口を開いたのは楓彩だった。
「……私…皆さんにどう思われているんでしょう…」
「?」
「私…花麗さんには嫌われていますよね…?」
「そんな事ないと思うよ? 花麗は楓彩が体調崩した時、いち早くタオル用意してくれてたし…」
「そうなんですか?」
「うん…嫌われてはないと思う…少しヤキモチを妬きやすいだけだよ…」
「私…臨さんには嫌われてたみたいなんです…」
「え?」
「私は…今思えば皆さんの荷物なんじゃないかって…思います…」
「そんな事ないよ…」
「でも…私が居なければ皆さんが生存者《サバイバー》に狙われる必要なんかなくて!」
「体に障る…声を出さないで? いい? 鬼月さんを…楓彩をお荷物だと思ってたらとっくに降ろしてる…そうしてないのはきっと楓彩のためだけじゃない、総督…剣得さんの想いを繋ぐためだと思う」
「……え?」
「楓彩も知っていたと思うけど、剣得さんは楓彩の事をずっと好きだった…いや、愛してた…だから、剣得さん亡き今、俺達は剣得さんの夢を叶えようと楓彩を守っている」
「夢?」
「剣得さんの夢は楓彩が幸せになること…」
「!!」
楓彩は目を見開いて頬を赤く染める。
「ま、それはもう剣得さんだけの願いじゃないけどね…」
「え?」
「お、俺も…楓彩には…し、幸せになって欲しい……シシシッ…」
瑛太のその気恥ずかしそうな笑顔は濡れ続けていた地面を照らした温和な太陽のように感じられた。
「瑛太さん……!」
心と連動するように雨音が止む。
────なんだろう…この気持ち…
────剣得さんに抱いていた気持ちとは違う…
────私は瑛太さんのことが好き……でも違う…
────好きとは違う…変な気持ち…けどハッキリしてる
────瑛太さんは…私にとって大事な人……これだけは……
────んー…なんだろう頭にモヤがかかって…
────オレ…どこを歩いてるんだ? …あぁスカイネクストか…
臨が気がつくと暗闇の中、スカイネクスト内のショッピングモールと思われる場所を何やら鉄を引きずりながら進んでいた。
────オレの体…勝手に動いて…
金属が地面と擦れる音は意識を刺激していく。
その時目の前に姿見が現れる。
────ん? 誰だ…
姿見に写された人影。
そこに写ったのは臨の姿ではなかった。
白髪のショートボブを首元で二つ結びにしている臨によく似ている女性。
体格や来ている服からして臨自身なのだろう。
────やぁ…こんにちは…帝 臨…
────だれ…?
────アッチはレヴィアタン…君の体は貰ったよ?
鏡の中の人物は淡々と衝撃の事実を話していく。
────嫉妬の心…君がその心を出すのを待っていたよ…
────オレは…
────欲しいね…全部…! 妬ましくて仕方が無い! けど、それを解消させる者は今はもう存在しない!
────や、やめて…
────なら…一つしかないでしょ? やることは…
────やめて!!
「───復讐だ」
────楓彩…お前のせいだ…
────お前さえいなければ…オレは!!
────剣得さんと一緒にいたかったのはオレだ!
────お願いだから…
─────消えて?
「────はっ!!」
楓彩は嫌な夢に目を覚ます。
「はぁ…はぁ…」
楓彩は上体を静かに起こして辺りを確認する。
部屋の中は明るく、恐らく朝か昼だろう。
自身の上には濡れたタオルが転がっていた。
「……」
そして気がつく雨の音。
「……雨…」
このセラフィスの気候がショウ達の手によって戻ったせいか、上空に雲ができたようだ。
「……」
まだ、頭がボーッとする。
その時、襖の向こう、廊下から誰かが近づく足音が聞こえてくる。
「鬼月さーん入るよー」
襖が開き、瑛太が桶を持って入ってくる。
「あ、起きてた? 気分はどう?」
「瑛太さん…まだボーッとします…」
「そう、今日は雨だからみんな家にいるって…」
瑛太は枕元に正座すると楓彩の上に転がっていたタオルを拾って持ってきた桶に入れた。
「そうですか…」
「とにかく、今日は安静にしてて? ほら…」
瑛太は楓彩の両肩を少し濡れた手で触り、上体を寝かせた。
「……」
瑛太がタオルを絞って、水の音がする中、楓彩は少し目を閉じる。
水の音が止んだ後、額に冷たいタオルが乗せられる。
「ひゃっ…」
「冷たい?」
「はい…」
瑛太は少し微笑んで楓彩の顔をのぞき込む。
「瑛太さん?」
「ん? どうした?」
「少し…一緒にいてくれませんか?」
「あぁ…わかったよ…」
瑛太は正座を崩して胡座《あぐら》をかく。
「……」
「……」
室内に訪れる沈黙と静寂。
外に降る雨音だけが聞こえる。
数分の沈黙の後、口を開いたのは楓彩だった。
「……私…皆さんにどう思われているんでしょう…」
「?」
「私…花麗さんには嫌われていますよね…?」
「そんな事ないと思うよ? 花麗は楓彩が体調崩した時、いち早くタオル用意してくれてたし…」
「そうなんですか?」
「うん…嫌われてはないと思う…少しヤキモチを妬きやすいだけだよ…」
「私…臨さんには嫌われてたみたいなんです…」
「え?」
「私は…今思えば皆さんの荷物なんじゃないかって…思います…」
「そんな事ないよ…」
「でも…私が居なければ皆さんが生存者《サバイバー》に狙われる必要なんかなくて!」
「体に障る…声を出さないで? いい? 鬼月さんを…楓彩をお荷物だと思ってたらとっくに降ろしてる…そうしてないのはきっと楓彩のためだけじゃない、総督…剣得さんの想いを繋ぐためだと思う」
「……え?」
「楓彩も知っていたと思うけど、剣得さんは楓彩の事をずっと好きだった…いや、愛してた…だから、剣得さん亡き今、俺達は剣得さんの夢を叶えようと楓彩を守っている」
「夢?」
「剣得さんの夢は楓彩が幸せになること…」
「!!」
楓彩は目を見開いて頬を赤く染める。
「ま、それはもう剣得さんだけの願いじゃないけどね…」
「え?」
「お、俺も…楓彩には…し、幸せになって欲しい……シシシッ…」
瑛太のその気恥ずかしそうな笑顔は濡れ続けていた地面を照らした温和な太陽のように感じられた。
「瑛太さん……!」
心と連動するように雨音が止む。
────なんだろう…この気持ち…
────剣得さんに抱いていた気持ちとは違う…
────私は瑛太さんのことが好き……でも違う…
────好きとは違う…変な気持ち…けどハッキリしてる
────瑛太さんは…私にとって大事な人……これだけは……
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