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終章
舞い戻るはかつて夢見た頂点
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「なんで……なんでボクのお家が無いの…」
日本列島の中心に出来たクレーター。
その中心にたたずむ黒髪の少女───ルシファー。
「スンスン……スンスン…これは“憤怒”の残り香…」
ルシファーは鼻先を高くあげて匂いを嗅ぎ分ける。
「ん? こっちの方は……“強欲”の匂いがする…」
ルシファーはその匂いに釣られるように辺りの更地を歩き続ける。
2km歩いたあたりだろうか、肉片がばらまかれている辺りに差し掛かる。
「ん? これか…マモン…」
その肉片がマモンの物と分かったルシファーは肉片を拾い上げる。
「……無惨だな…糧にしてやるよ…」
その赤黒い肉を拾い集めて食べ始めた。
「もぐ…もぐ…さて…これをやったのはサタンか…」
大きな岩の上に座り、辺りを見回し、その殺風景から分かる当時の光景を思い浮かべる。
「ふっ…サタンも…面倒な事したね…ま、キミまであと少し…色欲を食えば…」
─── ここに全てを虐げるものが自らの夢を追いかけるために立ち上がった。
「……ん!!」
楓彩は目を覚まし、慌てた様子で起き上がる。
「え、瑛太さん?」
「…んあ? …な、どうしたの? 鬼月さん…」
部屋の柱に寄りかかって寝ていた瑛太も楓彩の声に目を覚まし、眠そうな目で楓彩を見る。
辺りは暗くなり、明るさから言って夕方だろう。
「…な、何でもないです…」
楓彩は何かを言おうと口を開くが、言葉を思い出せず、口を閉じてしまった。
「ふわぁ…鬼月さん? 調子はどう?」
「はい…大分良くなりました」
「よし、じゃあ晩飯の準備に行きますか…!」
「はい…私も手伝い…」
楓彩が立ち上がろうとした次の瞬間。
「…あっ!!」
足がもつれて楓彩は転んでしまった。
そこまでは良かった。
問題なのは転んだ先だ。
「えっ!? ちょ──」
楓彩と瑛太の体は重なり、畳の上に落ちた。
「……っ!?」
「……んっ!!??」
お互いに感じた唇を覆う柔らかな感触。
「「………ぷはぁ……」」
不意に、互いに淫らな吐息を吐いてしまった。
直後、
「「ぎゃああーー!!」」
「ごごごごごめん!!!!」
「すすすすすみません!!」
背中を向け合う楓彩と瑛太。
しかし、もう1人の存在に気が付かなかった。
「お、お主ら……」
入口の襖の方を向いた瑛太の視界に花麗の姿が入る。
「み、花麗……!!」
「…………っ!」
花麗は瑛太と目が合うなり逃げるように瑛太の視界から走って消えた。
「花麗さん…?」
「待てよ! 花麗!!」
花麗は玄関を開けて外に飛び出して言った。
「瑛太? 花麗がどうかしたの?」
居間の襖が開き、騒ぎを聞きつけたショウが顔を出す。
「ショウさん…いえ…花麗が逃げるもので…」
「へー…事情は分からないけど、1人で敷地の外に出させないでね? 危ないから」
「分かりました」
「花麗!」
瑛太は庭に出て辺りを見回す。
「…花麗ー!」
瑛太は庭を一周するために歩き始める。
ちょうど半分回った時。
「!!」
血の気が引いていくのを感じた。
庭の裏手にある小さな戸が開いていたのだ。
「嘘だろ…!!」
日本列島の中心に出来たクレーター。
その中心にたたずむ黒髪の少女───ルシファー。
「スンスン……スンスン…これは“憤怒”の残り香…」
ルシファーは鼻先を高くあげて匂いを嗅ぎ分ける。
「ん? こっちの方は……“強欲”の匂いがする…」
ルシファーはその匂いに釣られるように辺りの更地を歩き続ける。
2km歩いたあたりだろうか、肉片がばらまかれている辺りに差し掛かる。
「ん? これか…マモン…」
その肉片がマモンの物と分かったルシファーは肉片を拾い上げる。
「……無惨だな…糧にしてやるよ…」
その赤黒い肉を拾い集めて食べ始めた。
「もぐ…もぐ…さて…これをやったのはサタンか…」
大きな岩の上に座り、辺りを見回し、その殺風景から分かる当時の光景を思い浮かべる。
「ふっ…サタンも…面倒な事したね…ま、キミまであと少し…色欲を食えば…」
─── ここに全てを虐げるものが自らの夢を追いかけるために立ち上がった。
「……ん!!」
楓彩は目を覚まし、慌てた様子で起き上がる。
「え、瑛太さん?」
「…んあ? …な、どうしたの? 鬼月さん…」
部屋の柱に寄りかかって寝ていた瑛太も楓彩の声に目を覚まし、眠そうな目で楓彩を見る。
辺りは暗くなり、明るさから言って夕方だろう。
「…な、何でもないです…」
楓彩は何かを言おうと口を開くが、言葉を思い出せず、口を閉じてしまった。
「ふわぁ…鬼月さん? 調子はどう?」
「はい…大分良くなりました」
「よし、じゃあ晩飯の準備に行きますか…!」
「はい…私も手伝い…」
楓彩が立ち上がろうとした次の瞬間。
「…あっ!!」
足がもつれて楓彩は転んでしまった。
そこまでは良かった。
問題なのは転んだ先だ。
「えっ!? ちょ──」
楓彩と瑛太の体は重なり、畳の上に落ちた。
「……っ!?」
「……んっ!!??」
お互いに感じた唇を覆う柔らかな感触。
「「………ぷはぁ……」」
不意に、互いに淫らな吐息を吐いてしまった。
直後、
「「ぎゃああーー!!」」
「ごごごごごめん!!!!」
「すすすすすみません!!」
背中を向け合う楓彩と瑛太。
しかし、もう1人の存在に気が付かなかった。
「お、お主ら……」
入口の襖の方を向いた瑛太の視界に花麗の姿が入る。
「み、花麗……!!」
「…………っ!」
花麗は瑛太と目が合うなり逃げるように瑛太の視界から走って消えた。
「花麗さん…?」
「待てよ! 花麗!!」
花麗は玄関を開けて外に飛び出して言った。
「瑛太? 花麗がどうかしたの?」
居間の襖が開き、騒ぎを聞きつけたショウが顔を出す。
「ショウさん…いえ…花麗が逃げるもので…」
「へー…事情は分からないけど、1人で敷地の外に出させないでね? 危ないから」
「分かりました」
「花麗!」
瑛太は庭に出て辺りを見回す。
「…花麗ー!」
瑛太は庭を一周するために歩き始める。
ちょうど半分回った時。
「!!」
血の気が引いていくのを感じた。
庭の裏手にある小さな戸が開いていたのだ。
「嘘だろ…!!」
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