生き残りBAD END

とぅるすけ

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終章

君の悩みは

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 「花麗ーー!!」

 瑛太は花麗を追って東南の浜辺に来ていた。

「花麗ーー!!」

 瑛太がふと目線を下ろすと、砂浜に足跡が残っているのを見つける。

「……こっちか…」

 少し歩いた先、紅く染まった空の下、水平線を遮る黒い壁の方を向いている人影を見つける。

「花麗…」

「瑛太…?」

 瑛太は花麗の隣に立って手を差し伸べる。

「帰ろう?」

「……なにが「帰ろう?」だ… 」

「あ、あれは事故だから…!!」

「ふん…そんなの分かってる…でなきゃ困るし…」

「じゃあ、なんで起こってるの?」

「…瑛太…ウチの事をどう思ってるのだ?」

 花麗は目線を瑛太に向けてきた。
 そして初めて気がついた。
 花麗の頬を伝う涙に。

「!」

「どうなのだ?」

「………大事に…思ってる…」

「……うそ…瑛太が好きなのは楓彩…分かってる…楓彩も瑛太の事が好き…」

「………」

「ほら…否定しない…まぁそうだよね…瑛太はいつも嘘でも人の気持ちを否定しない…」

「っ!」

 瑛太はその発言に一歩引いてしまった。

「ウチ…そんな瑛太が大好き…」

「花麗…俺は…」

「…血は繋がってないけど…家族として迎え入れてくれた瑛太が…」

「俺は…」

「ウチの恋は報われなくていい…けど…瑛太の側には居させてくれるか?」

 花麗は目尻に涙を浮かべながら柔らかい笑みを浮かべる。

「もちろんだ! 俺は! お前と一緒に居たい!!」

 瑛太はそんな花麗を力強く抱きしめた。

「ごめん…花麗…!」

「いいんだ…瑛太…ウチは…みんなに優しくしてもらってすごく幸せだから!」




「今日のご飯は何にするんだ? 花麗」

「うーん…食材を見て決める」

 日は沈み、当たりが薄暗い中、瑛太は花麗の手を握り、家までの近道となる路地を歩いていた。

「ん…花麗…止まるぞ…」 

「どうし──むぐっ!」

 瑛太は何かの気配を感じ、足を止めて花麗の口を塞いで息を潜める。

「んーー? 感づかれたかぁ…」

 路地の向こうから鉄を引きずる音と共に人影が歩いてくる。

「まさか…!」

 少し明るい場所まで歩いてきた人影の顔がようやく見えた。

「臨さん…!!」

 瑛太は悪寒を感じ取り、花麗を自分の後ろに隠す。

「人間の気配がするから来てみたけど…人違いか…でも、アスモデウスを守る人間でしょ? なら殺す」

 家まであと1km強、花麗を連れて走るにも追いつかれて終わりだろう。

「花麗…大回りして逃げろ…俺が食い止める…」

「…うん…」

 花麗がその場を離れようとした時、

「ほーら───」

 次の瞬間、銀槍が防御のための右腕前腕と右頬を掠める。

「ちっ!!」

 瑛太は両腕の前腕を青白く発光させ、自慢の右ストレートを見舞う。
 しかし、その拳は臨の体目前で障壁に阻まれてしまった。

「───!」

 バスッという快い音と共に瑛太の右腕に鈍い痛みが走る。

「へー…この女の能力強いね…槍の使い方はよく分からないけど…ね───」

 連なる強烈な突き。
 瑛太は刃部に当たらないように槍を弾いていく。

「花麗!! 早く逃げろ!!」

「で、でも! この道狭い!」

 瑛太とレヴィアタンが戦っている道は通れるには通れるのだが、近くを通ろうものなら餌食になりかねない。

「ちっ!」

「あ、そうだ!」

 次の瞬間、瑛太の体はなにかに持ち上げられるように宙に浮く。

「なっ!! (臨さんの能力!)」

「あははっ! これ面白いなぁ!」

 瑛太の体は次の瞬間近くの壁にぶつかる。
 鈍い音と共に、その後も瑛太の体は壁や地面に遊ばれるようにぶつけられる。

「ぐあ! 」

 数秒にわたり弄ばれた後、瑛太の体はボロボロの状態で路上に下ろされた。

「瑛太!!」

 我慢出来なくなった花麗はうつ伏せになっている瑛太の元へ駆け寄る。

「瑛太! 瑛太!」

「う…う…くっ…!」

 瑛太は血だらけの体で立ち上がる。

「み、花麗…! 予定変更だ…! 俺から離れるな!!」

 瑛太はそう言って体全体を青白く発光させた。

「花麗を守るために…あなたを倒します!! 臨さん!!」


 
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