2 / 3
大地、侵略される
しおりを挟む「なあ、掛川」
「おいおい、大地ぃーまたお前。また彼女がなんだとか言わないよな」
「言わねえよ!まぁ聞けって」
「そんなに言うなら聞いてやるよ、なんだよ?するめくうけど」
もちゃもちゃもちゃ。
「俺達がオタクなのはなんでだ」
もちゃもちゃもちゃ。
「はぁほれはな、ほんらり(女に)、んぐ(飲み込む音)相手にされないからじゃね?」
蝉の音が響く。
「本当にそうなのか?」
大地、冷や汗が吹き出る。
掛川、またするめ食う。
もちゃもちゃもちゃ……んぐ。
「まあそうだろうな」
もちゃもちゃもちゃもちゃもちゃもちゃ。
「お前……するめ食うなよ」
「どうしてだよ? うまいぞ」
もちゃもちゃもちゃ。
蝉の音と交差する掛川のするめ咀嚼音。
大地、黙る。沈黙ともちゃもちゃが交差する。
もちゃもちゃもちゃもちゃもちゃもちゃもちゃ。
「う、うーん。掛川のするめ音が耳から脳に響いて俺をバカにする」
大地の脳内では、銀河の中にスルメ星人が飛び交っている。
スルメ星人は言う。
<我々こそが人間だ>と。
大地、思ったことを口に出す。
「いや、お前はただのスルメだよ!」
「お、おい、大地、頭大丈夫か?」
「大丈夫じゃねえよ!てめえのするめのせいでな」
もちゃもちゃもちゃもちゃもちゃ。
「あーうめぇ……ほんらりふめぇ」
また一つスルメを口に放り込む掛川。
「あーまた俺の脳内がスルメ星人に侵略されるうううう」
二人しかいない教室で大地の声は響き渡る。
そしてまた、蝉の声がスルメ音と共鳴し合った。
「風流だなぁ」
掛川の情緒が二人しかいない教室に囀り渡った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
『紅茶の香りが消えた午後に』
柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。
けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。
誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる