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IDN-03: 紫竜ディオリニール
しおりを挟む鋼鉄双竜騎士団所属
体長高: 153cm
総重量: 220kg
総出力: 74530kw
推定総開発費用: 4兆330億円
鋼鉄双竜騎士団において、栄えある3番手として開発されたIDN-03: 紫竜ディオリニールは融合大陸南端部に配属された騎士竜の1体である。鋼鉄双竜騎士団における一騎当千の思想を一心に受けた本機体は体長高153cmという小柄な体格に対して総出力 74530kwという破格のスペックが与えられていた。
まさに怪物ともいえるこのスペックは、新開発された新式の小型融合炉を10基装備することで実現しており、これにより対艦融合砲(フュージョンキャノン)を2門搭載することにも成功している。
また、最高速は当時クグツでは最速のマッハ8をマークし、超高速戦闘においてディオリニールと対抗できる機種は皆無であった。
本機は第一次大陸最南端戦争時、泥沼化していた第4次武力侵攻時の第2防衛戦線において一時的な調停役として鋼鉄双竜騎士団から派遣された。 しかしながら、もとより鋼鉄双竜騎士団の独善的介入に対して懐疑的であった南端国家群は調停自体を拒否し、ディオリニールに対しクグツ1030機からなる機動大隊を派遣、これにより鋼鉄双竜騎士団と南端国家群による後に言う3日戦争が勃発する。
南端国家群はディオリニール1機に対してクグツ1030機という過剰なまでの戦力を差し向けたものの、決して過大評価ということではなかった。鋼鉄双竜騎士団は何千年もの間、融合大陸内の紛争に平和の使者として介入しその都度大きな抵抗にあってきたがその少ない戦力にもかかわらず多くの場合それを退けてきたからだ。
ディオリニールとクグツ大隊の戦いは熾烈を極めた。スペックで大幅に勝るディオリニールに対して開戦1日目で南端国家群は300機のクグツを消耗したが、ディオリニールも機体の30%が破損し、残存する融合燃料が40%にまで減少していた。鋼鉄双竜騎士団は広大な融合大陸において少数での活動を旨としており、この戦場においても補給線は遥か彼方であった。
開戦2日目、補給を受けれないディオリニールは融合砲(フュージョンキャノン)の使用を最小限に抑えるため近接戦闘での戦いに移行。ディオリニール1人に対して700体以上のクグツが迫り、それをひたすらになぎ倒すディオリニールの姿はまさに鬼神のごときであったという。この戦いにより南端国家群はさらに500機のクグツを消耗したが、ディオリニールも破損が50%に迫り、残存融合燃料も30%を切っていた。
開戦3日目、南端国家群はさらに500機からなるクグツ部隊を増援で投入した。日和神聖帝国防衛線に派遣する戦力を考えれば南端国家群にとっても苦渋の決断ではあったが、鋼鉄双竜騎士団の一角を退けるという意味合いは非常に大きく、士気高揚効果や長引く戦争で弱体化しつつある南端国家群を外部から狙う周辺国家への牽制効果も期待された。対するディオリニールはこの状況でも引くことができなかった。鋼鉄双竜騎士団において撤退という戦略は存在しなかった。勝利か死か組織が強くあるために1000年以上続いてきたおきてであったのだ。
ディオリニールは最後まで善戦した。残り少ないエネルギーで敵クグツを300機以上破壊し、紫竜の名の通り竜のごとく暴れまわった。その姿は、百戦錬磨の南端国家群士官たちが恐怖をいただくほど苛烈であったという。
3日戦争の幕引きは突然であった。すでに限界点だと悟ったディオリニールは残る融合燃料すべてを使い、破損していない5基の融合炉を臨界点まで到達させ、巨大な融合爆発を誘発させたのだ。これにより半径10キロほどが南端国家群のクグツ大隊と共に跡形もなく消し飛んだのである。
南端国家群は声高らかに勝利宣言を行った。ほぼ2個大隊を失ったとはいえ、まだ十分に戦力を温存した状態でディオリニールを退けたのだ。第一次大陸最南端戦争に対する鋼鉄双竜騎士団の介入はこれにて失敗に終わる。
鋼鉄双竜騎士団は直ちに敗因を分析した。しかるに、出したのはディオリニールでは弱すぎた、という単純ともいえる結論であった。この後、鋼鉄双竜騎士団はさらなる高スペックなクグツの開発に進み、第二次大陸最南端戦争における黒龍騎戦争へと繋がっていくのである。
第一次大陸最南端戦争から300年たった今、ディオリニールが戦った爆心地には小さな記念碑が建てられている。そこには日和神聖帝国側からも南端国家群側からも少なくはあるが定期的に訪れる人がいるという。
ディオリニールが何のために戦ったのか、それを知る者はもう誰もいないというのに。
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