融合大陸(コンチネント・オブ・フュージョン)メカガール・コーデックス

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SDR-0013: ドラン・ドラン

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SDR-0013: ドラン・ドラン

イリス大移民艦隊所属 
体長高: 166cm 
総重量: 183kg 
総出力: 440kW 
推定開発費用: 1530億円

大陸最南端戦争第三次武力侵攻後期、イリス大移民艦隊が戦線に投入するSDR-0004: ワイバーンと旧式の自立ロボットが構成する中規模戦力では戦局に対してさほど大きな効果を生むことができずにいた。艦隊司令部からすれば、マグナス皇国との同盟契約により他国の戦争に半場無理やりに参加させられている状態であり、必要最小限の戦力投入で茶を濁すことが得策という判断もあり、大陸最南端戦争に対する積極的な関与をできるだけ抑えておきたいという目論見もあったのである。

そんななか、日和神聖帝国が投入した新型機QSR-11000: クェーサーストライクにより、南端国家群に傾きかけた戦局はまたもや巻き返され、第三次武力侵攻も泥沼化の様相を呈していた。この時マグナス皇国は主戦力の10%以上を損耗しており、戦力の増強は急務であったが、それでも本格的な戦力投入をしないイリス大移民艦隊の煮え切らぬ立場に業を煮やしていたのである。

第24融合暦454年、マグナス皇国は軍総司令と随伴する1個師団を伴ってイリス大移民艦隊司令部との会談を決行した。後に言う、ディアス艦会談(起こった出来事から急襲会談とも言われる)である。この会談はマグナス皇国からの一方的な申し出と共にイリス大移民艦隊司令部の回答を待たずに、当時引かれていた国境線をマグナス皇国側の軍隊が無理やり突破することで開始された。ほとんど宣戦布告に近い状態であったが、実際この交渉がまとまらなければマグナス皇国は最南端戦争から離脱すると共にイリス大移民艦隊との全面戦争に移行する計画であった。それほどまでに日和神聖帝国との戦力差はマグナス皇国に分が悪かった。このままの戦局では軍の損耗率は50%を超える試算も出ていたのだ。それに引き換えイリス大移民艦隊との全面戦争ではマグナス皇国軍の損耗率は13%程度だと試算されており、この戦争から少しでも利益を得ようとするならば最南端戦争から離脱したとしてもイリス大移民艦隊を武力併合することで採算が取れると判断されていたのだ。

結局のところ、この会談はマグナス皇国軍総司令が直々に師団を率いて赴いたこともあり、マグナス皇国の切羽詰まった事情をイリス大移民艦隊司令部側がよく理解することとなり、軍の侵入という一触即発の事態であったにもかかわらず、穏便且つ速やかに行われることとなった。もちろん、イリス大移民艦隊側としても確実に負けると分かっているマグナス皇国との戦争を発生させるわけにはいかなかったのである。この会談で締結されたディアス条約により、イリス大移民艦隊がマグナス皇国に隣接する土地に駐屯し続ける権利として少なくとも軍の50%を最南端戦争へ投入することと、その半数以上を旧型の自立ロボットではなく新型のクグツにするという取り決めがなされた。イリス大移民艦隊では長らく戦争が発生せず軍隊は最小限であり、旧式の自立ロボットを使い続けていたため、軍の50%の投入についてはさほど問題にはならなかった。ただ、新型クグツを半数以上投入することについて現行のSDR-0004: ワイバーンではあまりに生産コストがかかりすぎ、条約遂行が不可能であることは自明でありこれについて両国の間で多少の議論が交わされた。結論としてはイリス大移民艦隊の開発チームを主体として、マグナス皇国からも一部技術者を派遣することで、量産性の高い新型クグツの開発を行い、その新型クグツを主な投入戦力とすることで最終的な合意がなされたのである。

このディアス条約での合意の元に開発されたのが、SDR-0013: ドラン・ドランである。

装甲は柔軟かつ安価で量産しやすいデュラタニウム合金を使用。融合型兵器に対する防御力は皆無に等しかったものの、実弾系兵器に対しては一定の防御力を有していた。また背部にはワイバーンのスラスターを改良し、より高速性能と高反応性能を高めた新型が搭載されており、攻撃を受けるというより避けることを主眼とした設計思想がなされていた。エーテリアルAIに必要な生体部品はコスト削減のため60.0023%まで切り詰められ、生体部品不足による不具合の懸念についてはエーテリアルAIを機械式AIが補助や抑制をすることで一定のリスクヘッジを行っている。搭載する小型融合炉はマグナス皇国からの技術提供を受け、小型かつ中出力のものが採用された。兵装は、低出力の融合砲ライフル1門でワイバーン程度の装甲であれば数発で貫通する程度の威力を有していた。

性能として何ら特筆する点がないSDR-0013: ドラン・ドランであるが、こだわりぬいた低コスト化と生産性の追求により、その量産性は同時期のクグツに対して別格の高さを誇っており、資源さえそろっていれば1日100機程度の生産が可能という驚異的な生産効率を実現していたのである。

ディアス条約締結から1年半後の、第三次武力侵攻後期にSDR-0013: ドラン・ドランは3000機ほどが戦線に初投入された。クグツ従来の超高速戦闘をある程度こなしつつ、物量作戦も行えるこの機体は日和神聖帝国製のクグツに対して一定の効果を上げるが、日和神聖帝国が最初に正式採用し主力としていてるVX-4000D: ヴァイパーDに対して顕著な優位性を発揮することはできなかった。ただ、量産性の高いクグツが不足していた南端国家群にとってSDR-0013: ドラン・ドランは使い勝手のより兵力として各所で重宝され、以降、大陸最南端戦争時の南端国家群の代表的クグツとして記録が残されていくのである。
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