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授業が始まった。
今日は魔法の授業である。こんな集団で受ける授業は初めてだ。皆授業を楽しみにしていたのか、なんだかひそひそした会話が聞こえてくる。
「魔法には、赤だと火、黄だと地、青だと水、白だと聖、黒だと闇の5つに分かれている。みんなどの魔法も使おうと思えば使えるだろうが、得意不得意がある。例えばこの間の計測で赤が強く出たとする。その人は火の魔法は上級まできっとすんなりと使えるようになるが、他の属性は苦労するだろう。どんなに頑張っても、中級が限界かもしれない。ただ、初級はみんな使えるようになる。1年は初級が出来るようにならなきゃ進級できないぞ」
初級……。先生の話を聞きながら開いた教科書には初級の魔法が載っていた。
例えば火だったら、「火よ!」と言って自分の狙った場所に火を付けられるようにならなければならない。
「まあ、最初だから魔法陣を書いて魔力を流すところから始めるぞ」
先生が黒板に書いていく魔法陣を特別な紙に写していく。
その際に、魔力をペンに流してインクに魔力を付けなければならないのだが、
……全然出来ない。
焦る。ものすごく焦る。魔力の入ったインクと入ってないインクは色が違うため、見た目で分かるのだ。
インクの色が変わらないのは何故?
チラッと隣を見る。隣の男子はインクがほとんど変わっていた。
「……アリア様? 大丈夫ですか?」
私がキョロキョロしてるのが分かったのか、前の席のエリーが声を掛けてきた。この席もきっとお父様のおかげだろう。
「いや……インクに魔力が乗らなくて」
「あら……」
ちらっとエリーの席を覗いたら、もう魔法陣は書き終わってる上にインクは綺麗に変わっていて、元々その色のインクを使ったみたいだった。
エリーに見本を見せてもらい、必死にペンに魔力を流し込んでいると鐘が鳴った。
「お、今日はここまでだ~。魔法陣は宿題な。次までにやって来いよ」
先生の掛け声と同時に騒がしくなる。今日はもうこれで終わりだからか、みんなどこに行きたい。と話が聞こえた。
それらを聞き流しながら、紙に線を引くが、色が変わらない。
やばい。どうやったら魔力を乗せられるんだ?
「アリア様……」
気づくと教室にいる人は半数くらいになっていた。
「ああ、ごめんなさい。私図書室に行ってくるわ、エリー様はこの後用事があるのよね?」
「ええ、申し訳ございません」
「いいのよ、練習して完璧になってエリー様を驚かせるから! 楽しみにしてて」
そう言うとエリーはクスリと笑った。エリーと別れ、図書室を目指す。途中向かう先に女子が集まっているのが見えた。
「キース様! 明日私とチョコレートを食べに行きませんか!」
「私も! オシャレなカフェがありますのよ」
「ありがとう。みんなで行かない? 楽しみだなぁ」
キース様じゃないか、女子に囲まれようがすごい。
第1王子とキース様とはクラスが離れた。多分爵位が高いのは振り分けられたのだろう。4クラスあり、1クラス25人おり、私は4組だった。
ミッシェルが言っていた乙女ゲームとやらでは魔法の腕が凄いと言っていたし、助けてくれたときも無詠唱だったし、きっと魔法陣を書くことなんて造作もないのだろう。
そう思うと溜息が出た。
校舎内の図書室に来た。生徒は数人いるくらいで空いていた。
端の方の席に座り、紙とペンを取り出し、線を引く。
見事に変わらない色。
ペン先をじっ…と見て、色が変わるまでひたすら力を込める。魔力を込めるとか分からないから力任せである。
「ん?」
変わった? 慌てて線を引くと色が変わっていた。思わず顔が緩む。
私は教科書を見ながら魔法陣を書き始めた。
いやー、良かった良かった。満面の笑みで教科書を閉じ、鞄に荷物を入れていく。時間はかかったがなんとか終わった。もう帰って寝たい。そう思って立ち上がるとくらりと視界が歪んだ。
「う……」
私はそのまま眠るように目を閉じた。
今日は魔法の授業である。こんな集団で受ける授業は初めてだ。皆授業を楽しみにしていたのか、なんだかひそひそした会話が聞こえてくる。
「魔法には、赤だと火、黄だと地、青だと水、白だと聖、黒だと闇の5つに分かれている。みんなどの魔法も使おうと思えば使えるだろうが、得意不得意がある。例えばこの間の計測で赤が強く出たとする。その人は火の魔法は上級まできっとすんなりと使えるようになるが、他の属性は苦労するだろう。どんなに頑張っても、中級が限界かもしれない。ただ、初級はみんな使えるようになる。1年は初級が出来るようにならなきゃ進級できないぞ」
初級……。先生の話を聞きながら開いた教科書には初級の魔法が載っていた。
例えば火だったら、「火よ!」と言って自分の狙った場所に火を付けられるようにならなければならない。
「まあ、最初だから魔法陣を書いて魔力を流すところから始めるぞ」
先生が黒板に書いていく魔法陣を特別な紙に写していく。
その際に、魔力をペンに流してインクに魔力を付けなければならないのだが、
……全然出来ない。
焦る。ものすごく焦る。魔力の入ったインクと入ってないインクは色が違うため、見た目で分かるのだ。
インクの色が変わらないのは何故?
チラッと隣を見る。隣の男子はインクがほとんど変わっていた。
「……アリア様? 大丈夫ですか?」
私がキョロキョロしてるのが分かったのか、前の席のエリーが声を掛けてきた。この席もきっとお父様のおかげだろう。
「いや……インクに魔力が乗らなくて」
「あら……」
ちらっとエリーの席を覗いたら、もう魔法陣は書き終わってる上にインクは綺麗に変わっていて、元々その色のインクを使ったみたいだった。
エリーに見本を見せてもらい、必死にペンに魔力を流し込んでいると鐘が鳴った。
「お、今日はここまでだ~。魔法陣は宿題な。次までにやって来いよ」
先生の掛け声と同時に騒がしくなる。今日はもうこれで終わりだからか、みんなどこに行きたい。と話が聞こえた。
それらを聞き流しながら、紙に線を引くが、色が変わらない。
やばい。どうやったら魔力を乗せられるんだ?
「アリア様……」
気づくと教室にいる人は半数くらいになっていた。
「ああ、ごめんなさい。私図書室に行ってくるわ、エリー様はこの後用事があるのよね?」
「ええ、申し訳ございません」
「いいのよ、練習して完璧になってエリー様を驚かせるから! 楽しみにしてて」
そう言うとエリーはクスリと笑った。エリーと別れ、図書室を目指す。途中向かう先に女子が集まっているのが見えた。
「キース様! 明日私とチョコレートを食べに行きませんか!」
「私も! オシャレなカフェがありますのよ」
「ありがとう。みんなで行かない? 楽しみだなぁ」
キース様じゃないか、女子に囲まれようがすごい。
第1王子とキース様とはクラスが離れた。多分爵位が高いのは振り分けられたのだろう。4クラスあり、1クラス25人おり、私は4組だった。
ミッシェルが言っていた乙女ゲームとやらでは魔法の腕が凄いと言っていたし、助けてくれたときも無詠唱だったし、きっと魔法陣を書くことなんて造作もないのだろう。
そう思うと溜息が出た。
校舎内の図書室に来た。生徒は数人いるくらいで空いていた。
端の方の席に座り、紙とペンを取り出し、線を引く。
見事に変わらない色。
ペン先をじっ…と見て、色が変わるまでひたすら力を込める。魔力を込めるとか分からないから力任せである。
「ん?」
変わった? 慌てて線を引くと色が変わっていた。思わず顔が緩む。
私は教科書を見ながら魔法陣を書き始めた。
いやー、良かった良かった。満面の笑みで教科書を閉じ、鞄に荷物を入れていく。時間はかかったがなんとか終わった。もう帰って寝たい。そう思って立ち上がるとくらりと視界が歪んだ。
「う……」
私はそのまま眠るように目を閉じた。
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