17 / 34
17
しおりを挟む
ふと意識が浮上して、目を覚ました。寝てしまったのか。魔力切れを起こしてしまったのか。魔法陣1つで。
窓の外は真っ暗だし、明かりは火がところどころついているだけだった。
「うそ…っ今何時」
慌てて立ち上がると、机を挟んだ前の席に人が本を読んでいた。
近い距離に人がいたことに驚く。
「あれ、起きた? おはよう」
「キース様!?」
何故いるの!? 人がいたことも驚いたが、その人物がキースだったことに目を丸くする。
「覚えていてくれて嬉しいよ。ずいぶん寝てたね?」
「お見苦しいところをすみません。王宮でのパーティー以来ですわね、何か御用でしたか?」
「いや特に用事は無いんだけど……」
用事が無いならなんなんだ。やっぱりシュタワイナ家は王族に目をつけられているのか? 図書室内を見渡すが、私たち以外誰もいなかった。
そんな私の様子を見ていたキースは笑みを浮かべる。
「もうこんな時間だ。女子寮まで送るよ」
「……ありがとうございます。ぜひお願いしますわ」
断れる訳がなかった。断ったって途中まで同じところを歩くのだ。断る方が変だ。だけど、正直近づきたくないのだから、関わらないでほしい。というかさっきまで女性に囲まれてなかったっけ? なんて考えながら2人一緒に校舎を出ると星が綺麗だった。
「へえ。綺麗だね」
「そうですわね……」
いや、たしかに綺麗だが、領地の方がもっと綺麗な星が見える。
あっさりついた女子寮に息を吐く。
「ありがとうございました」
「いいえ、また明日」
明日? 疑問を感じてると、キースはにこりと微笑んで行ってしまった。
いや、大丈夫です! 会いません! とその後ろ姿に声を大にして、叫びたかった。
が、本当に会うとは。
私が取った授業の1つに歴史学があった。テストでは良い点だったらしく、上級の授業に入ったが、私の横でキースはにこにこしていた。視線をすごく感じる。なんだ? 言いたいことがあるなら言って欲しい。
「アリア嬢」
「はい」
「今日の髪型可愛いね」
と言ったのは今日ニーナがセットしてくれたハーフアップの髪だ。
「ありがとうございます」
「うん、僕それ好きだな」
ふふふ、と笑いつつミッシェルから話を聞いてなければもう私落ちていたな、と思った。多分頬は赤いだろう。
このクラスの1年は私たち2人だけらしく、あとは2年か3年が7人ほどいた。
「なんだよ! 今年はこんだけなのか? どいつもこいつも」
シワの深い目が吊り上がった、男性教師が愚痴を言いながら入ってきた。適当に机に教科書を置く音は大きい。
「全く、歴史を舐めるんじゃねーぞ! 知らなきゃ困ることばっかりだからな!」
おかしい。初級とかならまだしも、上級だから、勉強してきている人ばかりなのになぜここまで言われているのか。
気づけば、ずっと愚痴を言っていると思っていたらいつのまにか授業が始まっていた。
「この大陸には7つの国がある。ここ、マラバントは地の精霊がいると言われていてだな、地の精霊がいるのはマラバントと隣国のローベントだ。水の精霊はジニアロダとアーメラダ、火の精霊は隣国のホドオサラとフーロニラ、その全ての国と隣接しておりこの大陸の中心にあるのが、イシーレア、聖の精霊がいると言われ、また闇の精霊もいると言われている」
話を聞きながら、ノートを取るが私が聞きたい話は、魔王についてだったのだが、魔王はさっさと通り過ぎてしまった。これじゃ復活方法どころか封印方法も分からない。復活を回避しなければならないのだから、まず知らないと……。
そもそも魔王はどこにいるんだ? 普通に考えたらイーシラだが、もしかしたら、そう見せかけて、別の国にいるのかもしれない。ミッシェルが言う通り私が復活させたことになったのなら、マラバントのどこかに魔王は眠っているのだろうか。
窓の外の景色は随分澄んだ青空で、魔王以前にこの大陸の人は人間同士の大きな争いもなく平和だ。
窓の外は真っ暗だし、明かりは火がところどころついているだけだった。
「うそ…っ今何時」
慌てて立ち上がると、机を挟んだ前の席に人が本を読んでいた。
近い距離に人がいたことに驚く。
「あれ、起きた? おはよう」
「キース様!?」
何故いるの!? 人がいたことも驚いたが、その人物がキースだったことに目を丸くする。
「覚えていてくれて嬉しいよ。ずいぶん寝てたね?」
「お見苦しいところをすみません。王宮でのパーティー以来ですわね、何か御用でしたか?」
「いや特に用事は無いんだけど……」
用事が無いならなんなんだ。やっぱりシュタワイナ家は王族に目をつけられているのか? 図書室内を見渡すが、私たち以外誰もいなかった。
そんな私の様子を見ていたキースは笑みを浮かべる。
「もうこんな時間だ。女子寮まで送るよ」
「……ありがとうございます。ぜひお願いしますわ」
断れる訳がなかった。断ったって途中まで同じところを歩くのだ。断る方が変だ。だけど、正直近づきたくないのだから、関わらないでほしい。というかさっきまで女性に囲まれてなかったっけ? なんて考えながら2人一緒に校舎を出ると星が綺麗だった。
「へえ。綺麗だね」
「そうですわね……」
いや、たしかに綺麗だが、領地の方がもっと綺麗な星が見える。
あっさりついた女子寮に息を吐く。
「ありがとうございました」
「いいえ、また明日」
明日? 疑問を感じてると、キースはにこりと微笑んで行ってしまった。
いや、大丈夫です! 会いません! とその後ろ姿に声を大にして、叫びたかった。
が、本当に会うとは。
私が取った授業の1つに歴史学があった。テストでは良い点だったらしく、上級の授業に入ったが、私の横でキースはにこにこしていた。視線をすごく感じる。なんだ? 言いたいことがあるなら言って欲しい。
「アリア嬢」
「はい」
「今日の髪型可愛いね」
と言ったのは今日ニーナがセットしてくれたハーフアップの髪だ。
「ありがとうございます」
「うん、僕それ好きだな」
ふふふ、と笑いつつミッシェルから話を聞いてなければもう私落ちていたな、と思った。多分頬は赤いだろう。
このクラスの1年は私たち2人だけらしく、あとは2年か3年が7人ほどいた。
「なんだよ! 今年はこんだけなのか? どいつもこいつも」
シワの深い目が吊り上がった、男性教師が愚痴を言いながら入ってきた。適当に机に教科書を置く音は大きい。
「全く、歴史を舐めるんじゃねーぞ! 知らなきゃ困ることばっかりだからな!」
おかしい。初級とかならまだしも、上級だから、勉強してきている人ばかりなのになぜここまで言われているのか。
気づけば、ずっと愚痴を言っていると思っていたらいつのまにか授業が始まっていた。
「この大陸には7つの国がある。ここ、マラバントは地の精霊がいると言われていてだな、地の精霊がいるのはマラバントと隣国のローベントだ。水の精霊はジニアロダとアーメラダ、火の精霊は隣国のホドオサラとフーロニラ、その全ての国と隣接しておりこの大陸の中心にあるのが、イシーレア、聖の精霊がいると言われ、また闇の精霊もいると言われている」
話を聞きながら、ノートを取るが私が聞きたい話は、魔王についてだったのだが、魔王はさっさと通り過ぎてしまった。これじゃ復活方法どころか封印方法も分からない。復活を回避しなければならないのだから、まず知らないと……。
そもそも魔王はどこにいるんだ? 普通に考えたらイーシラだが、もしかしたら、そう見せかけて、別の国にいるのかもしれない。ミッシェルが言う通り私が復活させたことになったのなら、マラバントのどこかに魔王は眠っているのだろうか。
窓の外の景色は随分澄んだ青空で、魔王以前にこの大陸の人は人間同士の大きな争いもなく平和だ。
0
あなたにおすすめの小説
よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる