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早めがいいだろうと、ニーナの使い魔を借り、学園祭の出店について、お父様とミッシェルに手紙を出したのが昨日。授業が終わり、学園に戻るとすでに返事が来ていた。
まず、お父様からの手紙を開く。
お父様とは第2王子から頼まれた、ラーメンを王宮の厨房に作り方を伝えるかについて話した時以来だった。
王族には教える代わりに、ラーメン店には王族御用達! 王族の食事にラーメンが加わりました! というキャッチコピーが書かれている。
こんなことを書いているお店はラーメン店だけだ。もちろん高級レストランの中には王族がよく行くところもあるだろうが、そんなことは書いていない。
しかし、ラーメンは平民向け。
王族は人々の憧れの存在のため、ただでさえ、高い売り上げはさらに上がった。店舗は3倍の9店舗になった。一時期、偽物のお店も出たが、味が全く違い、一瞬で潰れたと聞いた。
私的にはそんなことに王族の言葉を使って大丈夫なのかと、不安になったが、ラーメンを教えてくれるならいいよ! と王が言ったらしい。
……王って意外と軽いんだな、と思ったのは秘密だ。
また1年という期限付きのため、その間にそのキャッチコピーがなくても、シュタワイナ家の料理を王族が食べていると印象付けようと、お父様はしているようだ。
他にも王となにか約束したみたいだが、それは教えてもらえなかった。
手紙には要約すると新メニューを出して、結果によっては店を出すから、頑張れという感じの内容だった。
お父様はどれだけ広げるつもりなのだろうか。少し怖い。
ミッシェルからの手紙にはしょっぱいものだったら、たこ焼き、甘いものだったらベビーカステラはどうかと書いてあった。
ベビーカステラってなに?
突然出てきた知らない食べ物について困惑していると、ニーナが入ってきた。
「アリア様、ベビーカステラが出来ました」
うまく出来ていると良いのですけど……、と差し出されたのは、一口大の茶色で甘い匂いがする食べ物だ。
「もしかしてニーナが作ったの!? すごいわ!」
驚きで声を上げるとニーナは照れたように笑う。
「はい、ミッシェル様が送ってくれたもので作れました!」
ベビーカステラを口にすると優しい甘さが口に広がって、美味しい。
ところで、ミッシェルが送ってくれたものってなに?
不思議に思い、厨房に案内してもらうとシュタワイナ邸でミッシェルがたこ焼きを焼いていた丸く凹んだ鉄板の小さいサイズの鉄板がそこにはあった。
「王都のシュタワイナ邸にはすでにこの鉄板の大きいのが送られているそうですよ!」
満面の笑みでそう言うニーナの横で、あまりのお父様とミッシェルの仕事の早さに唖然としたまましばらくそこを動けなかった。
まず、お父様からの手紙を開く。
お父様とは第2王子から頼まれた、ラーメンを王宮の厨房に作り方を伝えるかについて話した時以来だった。
王族には教える代わりに、ラーメン店には王族御用達! 王族の食事にラーメンが加わりました! というキャッチコピーが書かれている。
こんなことを書いているお店はラーメン店だけだ。もちろん高級レストランの中には王族がよく行くところもあるだろうが、そんなことは書いていない。
しかし、ラーメンは平民向け。
王族は人々の憧れの存在のため、ただでさえ、高い売り上げはさらに上がった。店舗は3倍の9店舗になった。一時期、偽物のお店も出たが、味が全く違い、一瞬で潰れたと聞いた。
私的にはそんなことに王族の言葉を使って大丈夫なのかと、不安になったが、ラーメンを教えてくれるならいいよ! と王が言ったらしい。
……王って意外と軽いんだな、と思ったのは秘密だ。
また1年という期限付きのため、その間にそのキャッチコピーがなくても、シュタワイナ家の料理を王族が食べていると印象付けようと、お父様はしているようだ。
他にも王となにか約束したみたいだが、それは教えてもらえなかった。
手紙には要約すると新メニューを出して、結果によっては店を出すから、頑張れという感じの内容だった。
お父様はどれだけ広げるつもりなのだろうか。少し怖い。
ミッシェルからの手紙にはしょっぱいものだったら、たこ焼き、甘いものだったらベビーカステラはどうかと書いてあった。
ベビーカステラってなに?
突然出てきた知らない食べ物について困惑していると、ニーナが入ってきた。
「アリア様、ベビーカステラが出来ました」
うまく出来ていると良いのですけど……、と差し出されたのは、一口大の茶色で甘い匂いがする食べ物だ。
「もしかしてニーナが作ったの!? すごいわ!」
驚きで声を上げるとニーナは照れたように笑う。
「はい、ミッシェル様が送ってくれたもので作れました!」
ベビーカステラを口にすると優しい甘さが口に広がって、美味しい。
ところで、ミッシェルが送ってくれたものってなに?
不思議に思い、厨房に案内してもらうとシュタワイナ邸でミッシェルがたこ焼きを焼いていた丸く凹んだ鉄板の小さいサイズの鉄板がそこにはあった。
「王都のシュタワイナ邸にはすでにこの鉄板の大きいのが送られているそうですよ!」
満面の笑みでそう言うニーナの横で、あまりのお父様とミッシェルの仕事の早さに唖然としたまましばらくそこを動けなかった。
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