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先生の家で……?
先生の家で……?(1)
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*****
「羽澄さん」
教壇に立つ火神に呼ばれて、ひな子が席を立つ。
明日が休みということもあってか、かすかに浮つく教室内を、とぼとぼと俯きがちにやって来たひな子に、火神が一枚の紙を手渡した。先週やった小テストの答案だ。
ひな子は答案用紙を受け取ると、点数を見ないまま素早く胸に抱えた。そんなひな子の仕草に、火神が苦笑いを浮かべる。
前から四列目にあたる自分の席へと戻ったひな子が恐る恐るテストの結果を確認すると――
「や、やったぁ……!」
ひな子の口から歓喜の声が漏れた。
点数は――八十三点。
ひな子は顔を上げて教室の前方に目を向けた。
火神が背中を向けて黒板に向かっている。
――あの「約束」を、覚えているだろうか?
白衣の背中を見つめながら、ひな子は思った。
――こっち、向かないかな。
授業中、ひな子は少し疲れた様子の火神に視線を送りつづけたものの、火神がひな子の顔を見ることはなかった。
*****
人気のない放課後の廊下を歩いていると、窓の隙間から冷たい風が吹き込んできて、ひな子の頬を刺した。下ろしていた髪の毛が風に煽られてわずかに乱れる。
ひな子は乱れた髪を撫でつけてから、目指す場所へと向かった。扉の前に立つと、自分を勇気づけるように胸を膨らませて大きく一度深呼吸をする。
「失礼します」
ガラリと扉を開けて中を覗くと、白衣を着た男がひとり。
パソコンに向かう横顔が「綺麗」だなと、ひな子はあらためて思った。
「火神先生」
声をかけると、火神はパソコンの画面から目を離して、ひな子に顔を向けた。
「……羽澄?」
ひな子の姿を認めた火神が小さく目を見開いた。
「あの……これ、」
ひな子はどぎまぎと鞄の中から化学の答案用紙を取り出すと、火神の前に掲げてみせる。
「……知ってるよ、俺が採点したんだから」
火神が小さく微笑んで、困ったように眉を下げた。
「あの、覚えてますか……? 約束」
ひな子が火神の様子をうかがいながら小声で問いかけると、
「……あぁ」
火神は小さく肩を落として、再びパソコンの画面へと向き直った。
「悪いけど、今は持ってないぞ」
ひな子の顔は見ないままで、火神がぼそっと答えた。
「え?」
「心配すんな。ちゃんと洗濯して、家に置いてある」
バツが悪そうに素っ気なく告げた火神。その横顔を見ているうちに、ひな子はなぜか無性に彼を困らせたくなって、
「……じゃあ、取りに行きます」
気づいたら、そう口走っていた。
「取りに来るって……」
火神が怪訝そうに眉をひそめる。
「先生の家へ、取りに行きます」
ひな子は火神の横顔を見つめながら、力を込めて言った。三歩ほど進み出て火神との距離を詰める。後ろ手に扉を閉めて鍵を回した。
「……なにを言ってるんだ、お前は」
はぁ、と呆れた風に溜息をついた火神が白衣の背中を丸めて頬杖をつく。
「来週、持ってくるから」
火神の返事はやっぱり素っ気ない。
「あ……明日使うんです! 来週じゃ、ダメです」
ひな子はもう自分でも何を言っているのかよくわからなかった。
「他にないのか? お母さんに買ってもらえ……」
幼い子供を宥めるような口調で、火神がひな子に向かって口を開くと――
「あれぇ? 火神先生、いないのかな?」
聞いたことのある甲高い女子の声が扉の向こうから聞こえてきた。
「どうしたの?」
「なんか鍵が掛かってるみたいなんだよね」
「職員室じゃない?」
最初に声を上げた女子のほかに何人かの女の子が集まっているみたいだった。
「職員室にもいなかったけどなぁ」
「どうする? ここで待っとく?」
「どうしよ…………あっ!」
女子のひとりが唐突に言葉を止めて、大声を上げた。
「真山せんせ~!」
扉の向こうから響いた呼び声に、火神は「げっ」と呻いて、あからさまに顔を歪めた。
「どうしたの?」
「火神先生に質問があるんですけどぉ、化学室に鍵が掛かってて入れないんです」
「鍵……? ちょっと待って、スペアあるから」
真山と女子生徒たちの会話に、息をひそめて耳を立てていた火神がひな子の腕を引っ張った。
「ひゃ……っ!」
「羽澄、隠れろ」
突然のことにバランスを崩してよろけかけたひな子を背後で抱きとめると、火神は強引に机の下の空間にひな子を引きずり込んだ。
「なんで、先生まで……」
ひな子は後ろ向きに尻もちをついた姿勢で、狭い空間に押し込まれた。背中に火神の胸が当たっている。火神の長い脚が窮屈そうに折り曲げると、ひな子の身体を左右から閉じ込めた。
「静かにしろ」
火神が手を回して後ろからひな子の口を塞ぐ。反対の手を伸ばして、ついさっきまで自分の座っていた椅子をできるだけ机の下に引っ張り込み、自分とひな子の姿を隠す。
ひな子は自分をすっぽりと包み込む火神の体温を感じながら、言われた通りに息をつめて身を縮めた。
「開いたわよ」
真山の声に続いて、ガタガタと扉の開く音が聞こえた。女たちが室内を覗きこんでいるようだ。
「火神せんせー……あれ、やっぱりいない……?」
「せんせー! 火神せんせぇ~!」
一際声の大きな子が火神を捜して歩きまわる。
彼女の鳴らす上履きの音がやけに耳についた。喉の壁に張り付いた緊張の塊をごくりと呑み込むと、ひな子の背中にぴたりとくっついた火神の心臓も大きく脈打つ。
ひな子とは違って筋肉の少ない棒のような細い脚が、ひな子と火神のすぐそばを横切っていく。
「せんせー?」
化学の教員用に部屋の中央に配置された六台ほどの事務机、その周りをぐるっと一周すると、その細い脚の女子はようやく諦めて、部屋を出て行こうとした。
「いないみたい」
「えぇ~、残念」
「あなたたち、ちゃんと捜したの?」
真山のキツめの口調が聞こえて、ひな子の肩がぶるっと震えた。
やっぱりあの女は苦手だ。怖い。
「捜しましたよ! 今日はもういいです。さよなら、真山せんせー」
キツめの口調で詰問された女子生徒がムッとしたように答えて化学室を出ていく。
「火神先生! 先生……!?」
最後に放たれた真山の高い声が、払っても払っても取れない粘ついた蜘蛛の糸のようにしばらく化学室の空中を漂って、なかなか消えなかった。
「はぁ、行ったみたいだな」
遠ざかっていく足音に耳をすませながら、火神がうんざりとした様子で呟いた。ほっとしたように力を抜いた火神が、ひな子の口を覆っていた手のひらを離そうとする。
「ぁ……」
――行かないで。
ひな子は咄嗟に火神の手を掴んだ。その手をもう一度自分の口元へと引き寄せると、大きな手のひらをペロリと舐め上げる。
「おいっ……」
予想外のひな子の行動に、火神が狼狽えたように腰を引く。
そんな火神などお構いなしに、ひな子は火神の長い人差し指を口に含んで、気持ち良さそうにしゃぶり始めた。
「おい、羽澄……やめろって」
「ん……くちゅ、ぁ……ちゅっ……」
ひな子の舌と唾液の立てる淫猥な水音が、乾燥した化学室に響いた。
「なぁ、羽澄……ほんとにやめてくれよ」
火神が弱々しい声を漏らす。
ほんとに嫌なら、思いっきり振り払ってくれればいいのに……そうはしないで、されるがままになっている火神の態度に甘えて、ひな子は彼の指を吸いつづけた。
「あ……」
腰の辺りに感じる固い感触に、ひな子は何とも言えない満足感を覚えた。
火神の股間が固く膨らんで、密着しているひな子の腰に押し付けられている。
「まいったな……」
恥ずかしそうに頭を掻く火神。そんな上半身とは対照的に、下半身は熱く脈打って、その存在を主張していた。しゃぶられているのは指なのに……まるでそれ自身がひな子の口内に咥えこまれてしまったみたいに強く反応しているのが背中越しにも伝わってくる。
「先生……明日、行っても、いいですか……?」
ひな子は火神の指から口を離すと、なけなしの勇気を振りしぼって問いかけた。それは、この至近距離でなければ届きそうもないほど、小さな声だった。
「……なんかヘンだぞ、お前」
頭の上から、生温かい溜息が落ちてきた。
ひな子が顔を上げると、困ったように苦笑いを浮かべる火神と目が合った。
「……先生の所為、です……。先生のせいで、なんか、ヘンなんです……わたし……」
瞳の中に火神の顔を映したまま、ひな子は言った。
火神の目が大きく開かれて、尖った喉仏が上下する。
「……なぁ、羽澄……そんなに困らせないでくれよ」
「え……」
ひな子の瞳に映る火神の顔がぐにゃりと揺らぐ。すると火神の親指が伸びてきて、ひな子の頬をやさしく拭った。
「……泣くなよ。……わかったから」
火神は観念したように、とある病院の名前を告げた。
「明日、そこで待ってろ。……迎えに行くから」
「羽澄さん」
教壇に立つ火神に呼ばれて、ひな子が席を立つ。
明日が休みということもあってか、かすかに浮つく教室内を、とぼとぼと俯きがちにやって来たひな子に、火神が一枚の紙を手渡した。先週やった小テストの答案だ。
ひな子は答案用紙を受け取ると、点数を見ないまま素早く胸に抱えた。そんなひな子の仕草に、火神が苦笑いを浮かべる。
前から四列目にあたる自分の席へと戻ったひな子が恐る恐るテストの結果を確認すると――
「や、やったぁ……!」
ひな子の口から歓喜の声が漏れた。
点数は――八十三点。
ひな子は顔を上げて教室の前方に目を向けた。
火神が背中を向けて黒板に向かっている。
――あの「約束」を、覚えているだろうか?
白衣の背中を見つめながら、ひな子は思った。
――こっち、向かないかな。
授業中、ひな子は少し疲れた様子の火神に視線を送りつづけたものの、火神がひな子の顔を見ることはなかった。
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人気のない放課後の廊下を歩いていると、窓の隙間から冷たい風が吹き込んできて、ひな子の頬を刺した。下ろしていた髪の毛が風に煽られてわずかに乱れる。
ひな子は乱れた髪を撫でつけてから、目指す場所へと向かった。扉の前に立つと、自分を勇気づけるように胸を膨らませて大きく一度深呼吸をする。
「失礼します」
ガラリと扉を開けて中を覗くと、白衣を着た男がひとり。
パソコンに向かう横顔が「綺麗」だなと、ひな子はあらためて思った。
「火神先生」
声をかけると、火神はパソコンの画面から目を離して、ひな子に顔を向けた。
「……羽澄?」
ひな子の姿を認めた火神が小さく目を見開いた。
「あの……これ、」
ひな子はどぎまぎと鞄の中から化学の答案用紙を取り出すと、火神の前に掲げてみせる。
「……知ってるよ、俺が採点したんだから」
火神が小さく微笑んで、困ったように眉を下げた。
「あの、覚えてますか……? 約束」
ひな子が火神の様子をうかがいながら小声で問いかけると、
「……あぁ」
火神は小さく肩を落として、再びパソコンの画面へと向き直った。
「悪いけど、今は持ってないぞ」
ひな子の顔は見ないままで、火神がぼそっと答えた。
「え?」
「心配すんな。ちゃんと洗濯して、家に置いてある」
バツが悪そうに素っ気なく告げた火神。その横顔を見ているうちに、ひな子はなぜか無性に彼を困らせたくなって、
「……じゃあ、取りに行きます」
気づいたら、そう口走っていた。
「取りに来るって……」
火神が怪訝そうに眉をひそめる。
「先生の家へ、取りに行きます」
ひな子は火神の横顔を見つめながら、力を込めて言った。三歩ほど進み出て火神との距離を詰める。後ろ手に扉を閉めて鍵を回した。
「……なにを言ってるんだ、お前は」
はぁ、と呆れた風に溜息をついた火神が白衣の背中を丸めて頬杖をつく。
「来週、持ってくるから」
火神の返事はやっぱり素っ気ない。
「あ……明日使うんです! 来週じゃ、ダメです」
ひな子はもう自分でも何を言っているのかよくわからなかった。
「他にないのか? お母さんに買ってもらえ……」
幼い子供を宥めるような口調で、火神がひな子に向かって口を開くと――
「あれぇ? 火神先生、いないのかな?」
聞いたことのある甲高い女子の声が扉の向こうから聞こえてきた。
「どうしたの?」
「なんか鍵が掛かってるみたいなんだよね」
「職員室じゃない?」
最初に声を上げた女子のほかに何人かの女の子が集まっているみたいだった。
「職員室にもいなかったけどなぁ」
「どうする? ここで待っとく?」
「どうしよ…………あっ!」
女子のひとりが唐突に言葉を止めて、大声を上げた。
「真山せんせ~!」
扉の向こうから響いた呼び声に、火神は「げっ」と呻いて、あからさまに顔を歪めた。
「どうしたの?」
「火神先生に質問があるんですけどぉ、化学室に鍵が掛かってて入れないんです」
「鍵……? ちょっと待って、スペアあるから」
真山と女子生徒たちの会話に、息をひそめて耳を立てていた火神がひな子の腕を引っ張った。
「ひゃ……っ!」
「羽澄、隠れろ」
突然のことにバランスを崩してよろけかけたひな子を背後で抱きとめると、火神は強引に机の下の空間にひな子を引きずり込んだ。
「なんで、先生まで……」
ひな子は後ろ向きに尻もちをついた姿勢で、狭い空間に押し込まれた。背中に火神の胸が当たっている。火神の長い脚が窮屈そうに折り曲げると、ひな子の身体を左右から閉じ込めた。
「静かにしろ」
火神が手を回して後ろからひな子の口を塞ぐ。反対の手を伸ばして、ついさっきまで自分の座っていた椅子をできるだけ机の下に引っ張り込み、自分とひな子の姿を隠す。
ひな子は自分をすっぽりと包み込む火神の体温を感じながら、言われた通りに息をつめて身を縮めた。
「開いたわよ」
真山の声に続いて、ガタガタと扉の開く音が聞こえた。女たちが室内を覗きこんでいるようだ。
「火神せんせー……あれ、やっぱりいない……?」
「せんせー! 火神せんせぇ~!」
一際声の大きな子が火神を捜して歩きまわる。
彼女の鳴らす上履きの音がやけに耳についた。喉の壁に張り付いた緊張の塊をごくりと呑み込むと、ひな子の背中にぴたりとくっついた火神の心臓も大きく脈打つ。
ひな子とは違って筋肉の少ない棒のような細い脚が、ひな子と火神のすぐそばを横切っていく。
「せんせー?」
化学の教員用に部屋の中央に配置された六台ほどの事務机、その周りをぐるっと一周すると、その細い脚の女子はようやく諦めて、部屋を出て行こうとした。
「いないみたい」
「えぇ~、残念」
「あなたたち、ちゃんと捜したの?」
真山のキツめの口調が聞こえて、ひな子の肩がぶるっと震えた。
やっぱりあの女は苦手だ。怖い。
「捜しましたよ! 今日はもういいです。さよなら、真山せんせー」
キツめの口調で詰問された女子生徒がムッとしたように答えて化学室を出ていく。
「火神先生! 先生……!?」
最後に放たれた真山の高い声が、払っても払っても取れない粘ついた蜘蛛の糸のようにしばらく化学室の空中を漂って、なかなか消えなかった。
「はぁ、行ったみたいだな」
遠ざかっていく足音に耳をすませながら、火神がうんざりとした様子で呟いた。ほっとしたように力を抜いた火神が、ひな子の口を覆っていた手のひらを離そうとする。
「ぁ……」
――行かないで。
ひな子は咄嗟に火神の手を掴んだ。その手をもう一度自分の口元へと引き寄せると、大きな手のひらをペロリと舐め上げる。
「おいっ……」
予想外のひな子の行動に、火神が狼狽えたように腰を引く。
そんな火神などお構いなしに、ひな子は火神の長い人差し指を口に含んで、気持ち良さそうにしゃぶり始めた。
「おい、羽澄……やめろって」
「ん……くちゅ、ぁ……ちゅっ……」
ひな子の舌と唾液の立てる淫猥な水音が、乾燥した化学室に響いた。
「なぁ、羽澄……ほんとにやめてくれよ」
火神が弱々しい声を漏らす。
ほんとに嫌なら、思いっきり振り払ってくれればいいのに……そうはしないで、されるがままになっている火神の態度に甘えて、ひな子は彼の指を吸いつづけた。
「あ……」
腰の辺りに感じる固い感触に、ひな子は何とも言えない満足感を覚えた。
火神の股間が固く膨らんで、密着しているひな子の腰に押し付けられている。
「まいったな……」
恥ずかしそうに頭を掻く火神。そんな上半身とは対照的に、下半身は熱く脈打って、その存在を主張していた。しゃぶられているのは指なのに……まるでそれ自身がひな子の口内に咥えこまれてしまったみたいに強く反応しているのが背中越しにも伝わってくる。
「先生……明日、行っても、いいですか……?」
ひな子は火神の指から口を離すと、なけなしの勇気を振りしぼって問いかけた。それは、この至近距離でなければ届きそうもないほど、小さな声だった。
「……なんかヘンだぞ、お前」
頭の上から、生温かい溜息が落ちてきた。
ひな子が顔を上げると、困ったように苦笑いを浮かべる火神と目が合った。
「……先生の所為、です……。先生のせいで、なんか、ヘンなんです……わたし……」
瞳の中に火神の顔を映したまま、ひな子は言った。
火神の目が大きく開かれて、尖った喉仏が上下する。
「……なぁ、羽澄……そんなに困らせないでくれよ」
「え……」
ひな子の瞳に映る火神の顔がぐにゃりと揺らぐ。すると火神の親指が伸びてきて、ひな子の頬をやさしく拭った。
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