28 / 43
『教師と生徒』
『教師と生徒』(1)※
しおりを挟む
ひな子は敏感になりすぎた胸の先とグズグズに疼く下半身を、擦りつけるように火神の身体へと密着させた。
「ちょ……待て、って!」
焦った火神が、ひな子の身体を引き離した。
「……待てません」
火照る身体を持て余したひな子が情欲に潤んだ目で火神の目を覗きこむ。
「羽澄……お願いだから、あんまり困らせないでくれ」
逡巡するように黒目を震わせた火神が、ひな子の背中に手を添えて、ゆっくりと押し倒した。毛足の長いライトグレーのカーペットが、ひな子の身体を柔らかく受け止める。
仰向けになったひな子の上に覆い被さるようにして、火神が身をかがめた。
「俺はお前の『先生』だ。だからほんとは、こんなことしちゃ駄目なんだよ……」
ひな子に向かって……というより、自分自身に言い聞かせるように火神が呻く。
「……先生は、ズルいです。今さらそんなこと言うんなら、どうして、あの夏の日に……」
「すまない。ほんと駄目な教師だな、俺は。生徒に手を出すヤツなんて最低だ、クズだ、って……頭ではわかってるのに……今だって、我慢できそうにないんだ」
ひな子の太腿に硬い感触が当たっている。
「せんせ……」
火神の頭を引き寄せると、ひな子は自分から火神の薄くて柔らかい唇に吸いついた。無理やり唇を割って、舌を差し入れる
「ん、……んぅ……ふ、ぅん」
ひな子の鼻から息が漏れる。
ふたりの荒い呼吸が雑然とした部屋を満たしていく。
ひな子は喉の奥に張り付いたままの火神の舌を見つけると、自分の舌を絡めて引っ張りだした。教師の仮面も理性も……すべてを剥ぎ取ってしまいたかった。
顔を上げた火神が、涙の滲むひな子の目尻をぺろりと舐め上げた。そのまま唇を下へと伝わせて、柔らかな胸の谷間へと顔を埋める。
中途半端にずり下げられたブラジャーのせいで、大きな胸がさらに強調されていた。充血して固く尖った胸の先が、虫を誘う花のように、ツンと上を向いている。
火神は赤く熟れたそれをパクリと口に含むと蜜を吸う蜂のように、ちゅうちゅうと音を立てて吸った。
「はぁ……んっ!」
ひな子が天井に向かって、熱い息を吐き出す。
片方を舌で舐られながら、もう片方の乳首を指先でグリグリ刺激されると、
「ぁん……はぁ、あぁぁ……きもち、いぃ……」
ひな子は堪えきれないといったふうに快感に悶えて身をよじった。
「ほんとにエロいな……。これ以上、困らせないでくれよ」
半裸で乱れるひな子を見下ろしながら、火神が泣きそうな声で呟く。
さっきまで口で攻めていた胸の先端をぴんっと弾くと、
「は、あぁ……んっ!」
さんざん舌で嬲られた左の乳首は、指の先で少し弾かれただけでも痺れるほどの衝撃が走った。もはやどこに触れられても感じてしまう……。
「ん、せんせい……もっと、」
ひな子がおずおずと火神の膨らんだ股間に手を伸ばした。服の上からでもわかる剛直した肉棒を少し強めに摩りあげる。
「おい……」
火神が困ったように眉を下げる。
「どこで習ったんだよ、そんな誘いかた」
ひな子は答えないで、顔を背けた。
自分でもどうしてこんなに身体が疼いているのかわからない。
――もっと、もっと……。
物足りなさに、脚が勝手に刺激を求めてもぞもぞと動いた。
そんなひな子を見兼ねて、ついに火神が脱げかけのジーンズに手をかけた。ひな子は自ら腰を浮かせて脱がせやすくする。ごわついた生地が足首から引き抜かれてしまうと、ほどよく筋肉のついた脚が露わになった。あの日、火神が魅せられた人魚の尾のような白い脚。
火神は誘われるがまま、きゅっと引き締まった足首に手を添えると、ふくらはぎから膝、そして太腿へと――下から上へ、ゆっくりとひな子の脚をなぞっていく。脚の付け根へとたどり着くと、柔らかな内腿を揉み込むように撫でまわした。何度も何度も。
「せん、せ……」
――焦らさないで。
とっくにグジュグジュになったひな子の中心から濃くて甘い蜜の匂いが漂っていた。
火神の指がなおも躊躇うように、ひな子の内腿を行ったり来たりしている。
「せん、せ……はやく」
ひな子の蜜に誘き寄せられたように、火神の指がひな子の花芽を捉えた。
「あぁぁ……は、ぁんっ……!」
敏感な突起をクニクニと弄られて、ひな子の肢体がびくびくと跳ねる。
「……は、すみ」
ひな子の名前を呼ぶ火神の声が掠れていた。
「せんせいも、興奮してる……?」
「あぁ……」
ガチャガチャ、と金属の触れ合う音がしたかと思うと、火神が蛇みたいなベルトをベッドの脇へと放り投げた。
火神の背中にひな子の脚が絡みつく。
どちらからともなく互いの唇に吸いついて、ぬちゃぬちゃと舌を絡めあうと、ふたりの息づかいと唾液の混ざり合う水音だけが、昼下がりの殺風景なワンルームに響いた。
このまま思いを遂げる――はずだったのに。
濃密な空気が支配するふたりだけの空間に、かすかなノイズが混ざった。
部屋の片隅から漏れた聞き慣れた音楽とバイブ音。火神のスマホだった。
「……またかよ」
うんざりした様子で起き上がると、スマホを引き寄せて、ディスプレイに表示された名前を確認した。
「大丈夫だ。この人は気にしなくて」
ディスプレイに目を落としていた火神が、ほっとしたように息をつく。
しかし、その後もスマホは何度となく震えつづけて、火神の気勢をそいだ。空気の読めない着信に、いい加減、倦みはじめてきたところに、
「おーい、火神! 鍵、開いてたから、勝手に邪魔させてもらうぞ……」
「ヒャっ……!」
火神に組み敷かれていたひな子が悲鳴を上げた。
火神がひな子の視線をたどって振り返ると――。
そこには口をぽかんと開けて立ち尽くす丹野の姿があった。
「ちょ……待て、って!」
焦った火神が、ひな子の身体を引き離した。
「……待てません」
火照る身体を持て余したひな子が情欲に潤んだ目で火神の目を覗きこむ。
「羽澄……お願いだから、あんまり困らせないでくれ」
逡巡するように黒目を震わせた火神が、ひな子の背中に手を添えて、ゆっくりと押し倒した。毛足の長いライトグレーのカーペットが、ひな子の身体を柔らかく受け止める。
仰向けになったひな子の上に覆い被さるようにして、火神が身をかがめた。
「俺はお前の『先生』だ。だからほんとは、こんなことしちゃ駄目なんだよ……」
ひな子に向かって……というより、自分自身に言い聞かせるように火神が呻く。
「……先生は、ズルいです。今さらそんなこと言うんなら、どうして、あの夏の日に……」
「すまない。ほんと駄目な教師だな、俺は。生徒に手を出すヤツなんて最低だ、クズだ、って……頭ではわかってるのに……今だって、我慢できそうにないんだ」
ひな子の太腿に硬い感触が当たっている。
「せんせ……」
火神の頭を引き寄せると、ひな子は自分から火神の薄くて柔らかい唇に吸いついた。無理やり唇を割って、舌を差し入れる
「ん、……んぅ……ふ、ぅん」
ひな子の鼻から息が漏れる。
ふたりの荒い呼吸が雑然とした部屋を満たしていく。
ひな子は喉の奥に張り付いたままの火神の舌を見つけると、自分の舌を絡めて引っ張りだした。教師の仮面も理性も……すべてを剥ぎ取ってしまいたかった。
顔を上げた火神が、涙の滲むひな子の目尻をぺろりと舐め上げた。そのまま唇を下へと伝わせて、柔らかな胸の谷間へと顔を埋める。
中途半端にずり下げられたブラジャーのせいで、大きな胸がさらに強調されていた。充血して固く尖った胸の先が、虫を誘う花のように、ツンと上を向いている。
火神は赤く熟れたそれをパクリと口に含むと蜜を吸う蜂のように、ちゅうちゅうと音を立てて吸った。
「はぁ……んっ!」
ひな子が天井に向かって、熱い息を吐き出す。
片方を舌で舐られながら、もう片方の乳首を指先でグリグリ刺激されると、
「ぁん……はぁ、あぁぁ……きもち、いぃ……」
ひな子は堪えきれないといったふうに快感に悶えて身をよじった。
「ほんとにエロいな……。これ以上、困らせないでくれよ」
半裸で乱れるひな子を見下ろしながら、火神が泣きそうな声で呟く。
さっきまで口で攻めていた胸の先端をぴんっと弾くと、
「は、あぁ……んっ!」
さんざん舌で嬲られた左の乳首は、指の先で少し弾かれただけでも痺れるほどの衝撃が走った。もはやどこに触れられても感じてしまう……。
「ん、せんせい……もっと、」
ひな子がおずおずと火神の膨らんだ股間に手を伸ばした。服の上からでもわかる剛直した肉棒を少し強めに摩りあげる。
「おい……」
火神が困ったように眉を下げる。
「どこで習ったんだよ、そんな誘いかた」
ひな子は答えないで、顔を背けた。
自分でもどうしてこんなに身体が疼いているのかわからない。
――もっと、もっと……。
物足りなさに、脚が勝手に刺激を求めてもぞもぞと動いた。
そんなひな子を見兼ねて、ついに火神が脱げかけのジーンズに手をかけた。ひな子は自ら腰を浮かせて脱がせやすくする。ごわついた生地が足首から引き抜かれてしまうと、ほどよく筋肉のついた脚が露わになった。あの日、火神が魅せられた人魚の尾のような白い脚。
火神は誘われるがまま、きゅっと引き締まった足首に手を添えると、ふくらはぎから膝、そして太腿へと――下から上へ、ゆっくりとひな子の脚をなぞっていく。脚の付け根へとたどり着くと、柔らかな内腿を揉み込むように撫でまわした。何度も何度も。
「せん、せ……」
――焦らさないで。
とっくにグジュグジュになったひな子の中心から濃くて甘い蜜の匂いが漂っていた。
火神の指がなおも躊躇うように、ひな子の内腿を行ったり来たりしている。
「せん、せ……はやく」
ひな子の蜜に誘き寄せられたように、火神の指がひな子の花芽を捉えた。
「あぁぁ……は、ぁんっ……!」
敏感な突起をクニクニと弄られて、ひな子の肢体がびくびくと跳ねる。
「……は、すみ」
ひな子の名前を呼ぶ火神の声が掠れていた。
「せんせいも、興奮してる……?」
「あぁ……」
ガチャガチャ、と金属の触れ合う音がしたかと思うと、火神が蛇みたいなベルトをベッドの脇へと放り投げた。
火神の背中にひな子の脚が絡みつく。
どちらからともなく互いの唇に吸いついて、ぬちゃぬちゃと舌を絡めあうと、ふたりの息づかいと唾液の混ざり合う水音だけが、昼下がりの殺風景なワンルームに響いた。
このまま思いを遂げる――はずだったのに。
濃密な空気が支配するふたりだけの空間に、かすかなノイズが混ざった。
部屋の片隅から漏れた聞き慣れた音楽とバイブ音。火神のスマホだった。
「……またかよ」
うんざりした様子で起き上がると、スマホを引き寄せて、ディスプレイに表示された名前を確認した。
「大丈夫だ。この人は気にしなくて」
ディスプレイに目を落としていた火神が、ほっとしたように息をつく。
しかし、その後もスマホは何度となく震えつづけて、火神の気勢をそいだ。空気の読めない着信に、いい加減、倦みはじめてきたところに、
「おーい、火神! 鍵、開いてたから、勝手に邪魔させてもらうぞ……」
「ヒャっ……!」
火神に組み敷かれていたひな子が悲鳴を上げた。
火神がひな子の視線をたどって振り返ると――。
そこには口をぽかんと開けて立ち尽くす丹野の姿があった。
0
あなたにおすすめの小説
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎
潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。
大学卒業後、海外に留学した。
過去の恋愛にトラウマを抱えていた。
そんな時、気になる女性社員と巡り会う。
八神あやか
村藤コーポレーション社員の四十歳。
過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。
恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。
そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に......
八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
ラヴ KAZU
恋愛
みゆは付き合う度に騙されて男性不信になり
もう絶対に男性の言葉は信じないと決心した。
そんなある日会社の休憩室で一人の男性と出会う
これが桂木廉也との出会いである。
廉也はみゆに信じられない程の愛情を注ぐ。
みゆは一瞬にして廉也と恋に落ちたが同じ過ちを犯してはいけないと廉也と距離を取ろうとする。
以前愛した御曹司龍司との別れ、それは会社役員に結婚を反対された為だった。
二人の恋の行方は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる