小説を書くという不器用な営み

ありひこ

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小説を書くという難しさ

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 小説を書くのは、思っていたよりずっと難しい。

 読むのは簡単だった。
 ページをめくり、言葉に浸り、物語の世界に没入する。
 登場人物が自然にしゃべり、景色が頭に浮かぶ。
 そんな「自然さ」は、どうやら作者の血と汗の上に成り立っていたらしいと、自分で書きはじめて初めて気がついた。

 私は妄想するのが好きだった。
 特に好きな漫画や小説で、「なんでこんな終わり方するんだろう?」や「こういう展開の方が絶対かっこいいのに!」と思うと、寝る前や好きな音楽を聴きながら、好きな展開をよく妄想していた。
 それを長年やっていると、いっそ自分好みの本を読んでみたくなり、書こうと思った。
 しかし、これがまたとても難しい。
 前回は、挫折した。
 今回は必ずやり遂げるが、本当に難しい。

 表現ひとつ取っても難しい。
 たとえば「彼は怒っていた」という一文。
 あまりにも直球すぎて、説明文の域を出ない。
 かといって、「目が血走り、手が震えていた」と書けば、「怒っている」とは書いていないのに、読者には伝わる。
 そういう「見せる」描写が良いのだということは、頭ではわかる。
 でも、やりすぎると芝居がかって嘘っぽくなるし、足りないと何が起こってるかすら伝わらない。

 読者の想像力に任せすぎると、「分からない」と言われ、かといって丁寧に説明すると、「そんなの読めば分かる」と言われる。
 私も思ったことがある。
 伝えたいことが、過不足なく伝わる表現って、どうやって見つけるんだろう?

 さらにネット小説を書くようになって、まず最初に戸惑ったのは改行のルールだ。
 句読点の大事さは、知っているつもりだ。
 たまに、正しい、付け方が、分からなくなるが。
 本の小説の改行は、シーンが変わる時などに改行する。
 しかし、ネット小説は「句点で改行する」とか、「一文ごとに改行して読みやすくする」とか、なるほど、そういう文化なのかと頷きながら真似をしているけれど、正直よく分かっていない。
 自分で小説を読むときは、内容にしか注目していなかった。
 文章の区切り方や、見やすさなんて意識して読んでいなかった。
 だから、書き手になってから「読みにくい」と言われると、どこが読みにくいのかが分からない。

 そんなふうに悩みながらも、書くことはやめたくない。
 たった一行でも、自分の思い描いた情景が伝わった気がする瞬間があると、それだけで嬉しくなる。
 過去にあげた作品は、1人でもコメントをしてくれる人が居ただけで嬉しかった。
 しかし、仕事が忙しくなったのもあるが、何よりどうすればいいか分からず、ただ悶々としていたので、意見を求めたら辛辣な言葉を浴び、モチベーションが下がり辞めてしまった。
 しかしまた、書きたくなってしまったのだ。

 小説は書くのはとても難しい。
 でも、書き始めたら、完全に辞めるのも難しいかもしれない。

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