小説を書くという不器用な営み

ありひこ

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ストーリーの難しさ

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 ストーリーを作るのも、やはり難しい。

 読んでいるときは、物語は自然に進んでいるように感じた。
 登場人物は迷いなく動き、世界観にも矛盾がない。
 だけど、いざ自分が書く立場になると、その「自然さ」がいかに計算され尽くした結果なのかを痛感する。

 まず、違和感のない設定を作るのが大変だ。
 世界観が現代でも異世界でも、そこに暮らす人たちが「本当にそこに生きている」と思わせる説得力が必要だ。
 ちょっとした設定の穴が、後になって足を引っ張ることがある。
 登場人物の性格や背景、物語の根幹に関わるルールなど、どれも最初にしっかり決めておかないと、途中でつじつまが合わなくなってしまう。



 飽きさせない展開を作るのもまた悩ましい。
 読者を引き込むには緩急が必要で、緊張感と安心感のバランスを取りながら、少しずつ物語を動かしていく。
 でも、どこで何を起こせばいいのか、登場人物たちは自然に動いてくれるのか、書いてみないと分からない部分が多い。

 一番困るのは、途中で「もっと良い展開」を思いついてしまったときだ。
 それまでの流れと矛盾する。
 でもその新しい展開の方が、キャラの心情に合っていたり、盛り上がる気がする。
 そういうとき、前の部分を書き直すべきか、それとも諦めて今のまま進めるべきか、迷う。

 「完成させてから投稿すればいい」と言われれば、それが正解かもしれない。
 でも私の場合、書きながら反応をもらいたくなってしまう。
 まあ無いんだか。
 投稿しながら直していくのは非効率かもしれないけれど、リアルタイムで読んでもらえる嬉しさがある。



 好きな漫画で、約一年分の展開が「なかったこと」になったことがあった。
 そのときは驚いたし戸惑った。
 でも今なら、その判断の気持ちが少しわかる。
 書いていくうちに「もっとこうしたい」という想いが強くなって、どうしても前の展開では満足できなくなったのだろう。

 実際、自分でもそういう場面が出てくる。
 最初に描いたストーリーが、書き進めるうちに「なんか違う」と感じてしまう。
 どこかに無理がある、キャラが動いてくれない。
 そうなると、続きを書くのが苦しくなってしまう。

 ただ、それを理由に何度も書き直していると、永遠に完成しない。
 だから、どこかで「これで行く」と腹を括らなければいけないのだと思う。
 でも、きっと多くの人が同じように悩んでいるはずだ。
 全部きっちり決めてから書ける人ばかりじゃない。
 行き当たりばったりで、それでも最終的に形にする人もいる。

 きっと答えは一つじゃない。私自身、自分に合ったやり方を模索し続けるしかないのだろう。

 ストーリー作りは、本当に難しい。
 でもやっぱり、思いついた展開がうまくはまったときの快感は、なにものにも代えがたい。

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