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転生初日

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「アリス・モルシュテンタッドを、国外追放とする」


 気がつくと私は、きらびやかな舞踏会で国外追放を言い渡されていました。


 この場面には見覚えがあります。私がたわむれにプレイしていた、とあるゲームのオープニングです。


 ゲームの名前は「寝取られRPG~快楽に堕ちた彼女たち~」というもの。


 主人公である王子が婚約者であるアリス・モルシュテンタッドに浮気されるところから始まるゲームなのですが、私はなぜかその悪役令嬢に転生してしまったようです。


 このゲームのストーリーは、アリスが王家に対する侮辱の罪で国外追放になったあとに主人公の王子が心を癒やすためにヒロイン三人組を連れて各地を旅するという物語です。


 三人の女の子たちとイチャイチャとエッチしながら旅をすることで王子が失恋の傷を回復させていくゲームなのですが、このゲームにはもう一つの裏の顔があります。


 道中で出会うモンスターというのが基本的にエッチな攻撃をしてくるものばかりで、それにより一緒に旅をする女の子が発情してしまうと街に立ち寄ったときに他の男と浮気をしてしまうのです。


 そして発情度が上がりすぎると、女の子たちがモンスターと性行為をしてしまうという展開もありました。


 女の子を守りながら旅をして、ハーレムメンバーとハッピーエンドを迎えるのが目的のゲーム。それが「寝取られRPG~快楽に堕ちた彼女たち~」なのです。


 そして「寝取られRPG~快楽に堕ちた彼女たち~」は戦闘面でもシステムが作り込まれており、戦いを楽しむためにクリア後のボーナスとして国外追放されたはずのアリス・モルテンシュタッドがチートな裏ボスとして登場するおまけがありました。


 アリスがどうやって強くなったかは物語の中では語られていませんが、なぜか私はその裏ボスであるアリス・モルシュテンタッドに転生してしまったようです。


「うーん。どうしましょう……」


 私は追放された先である隣の国の街の中で、途方に暮れることになりました。ここから私は、一人で異世界を生きていかなかければなりません。


 ゲームが物語の通りに進むなら、いつか主人公とハーレムメンバーが私の前に立ちはだかることになります。


 アリスが主人公たちに倒されたあとに何があるかは特にゲームの中では描写されていませんでしたが、もしものことがあります。私は、それに備えなければなりません。


 そのためには、強くなることが必要です。この世界ではゲームと同じように自分のステータスを確認できるらしく、アリスに転生した私のステータスを確認してみたところ裏ボスとは程遠い非力な女の子でしかありません。


 私は、非力すぎる自分のステータスを見ながら途方に暮れています。アリスはこの能力値から、どうやってチートな裏ボスにまで上り詰めたのでしょうか。


 私はこの世界でどうやって強くなればいいかを考えながら、トボトボと街の中を歩きます。


「お嬢ちゃん、どうしたんだい? もし行くところがないなら、家に泊めてあげるよ」


 うつむきながら街を歩く私に、親切なおじさまが声をかけてくれます。しかも、彼は家に無料で泊めてくれるとも言ってくれていました。世の中には、親切な人もいるのですね。


 手持ちのお金は国から追放されたときにいくらか金貨をいただきましたが、この先何があるかわかりません。できることなら、節約をしたいです。


 そう考えた私はおじさまについていって、彼の家に泊めてもらうことにしました。


「おじさま、お願い……待って!」


 しかしおじさまの家にあげてもらうと、私は宿泊料と言われて彼に体をまさぐられてしまうことになります。


 最悪なことに、今の私は絶世の美貌と肉体を持つ、アリス・モルシュテンタッドだということを忘れていました。


 モテない干物女であった過去の自分と、今の自分を同じだと思っていたのです。私は、男性にお持ち帰りされた経験などありません。だから男の人の家についていったら、こんなことが起きるなんて知りませんでした。


「……そんな……おじさま……ダメよ!」


 将来はチート級の裏ボスにまで成長をしますが、今のアリスは非力で普通の女の子です。私は必死に抵抗をしましたが、おじさまに力負けをした結果ベッドの上に簡単に押し倒されてしまいました。


 そして今日初めて街で出会ったおじさまは、無理やり私の両脚の間に体をねじ込みスカートの中に手を入れてきます。


 ……クニ♡……クニ♡


「……ひゃぁん♡……あっ♡……んっ♡」


(……なにこれ……声が……勝手に出てしまいます)


 敏感な粘膜を直接触られる感覚と一緒になって、私の体からは勝手に変な声が出てきます。自慰もしたことがない、男性とベッドを共にしたことがない私にとっての、初めての経験でした。


 そして私の股間をしばらくいじったあとに、おじさまが得意げな顔をして指についた透明な粘液を見せつけてきます。


「お嬢ちゃんは、しっかりと感じてるみたいだね」


(……よく、わかりませんわ)


 どうやら彼の指にたっぷりとついたあのネトネトした透明な液体は、私の股間から分泌されたもののようです。自分の意識とは関係なく、気がつくと私の性器を濡らしていたものですから私が感じてると言われてもよくわかりません。


 しかしそのまま見知らぬおじさまは私の股間でゴソゴソと動くと、私の体に下半身を押し付けてくるではありませんか。


 ……にゅうううん♡


(……うそ?! アソコに、挿れられてしまいました……)


 お腹の中の粘膜を一気に縦に裂くような感触をして、おじさまの股間から伸びた硬い肉の棒が私の体の内側に侵入してきます。まさか異世界に転生して初日に、知らないおじさまに初めてを捧げるなんて予想もしていませんでした。


(……知らないおじさまと、エッチしちゃった!)


「……あっ♡……あっ♡……あっ♡」


 私が開いた股の間に、おじさんの腰がねじ込まれていきます。自分の両脚の太ももの内側に、男の人の体が挟まっているのは不思議な体験でした。


 そして私の両脚の間にねじ込まれたおじさまの太った体が、前後にヌプヌプと同じリズムで動いていきます。ベッドの上に仰向けに寝かされた私が顔を上げると、おじさまが気持ちよさそうに私の股間に向かって腰を振っている光景が見えました。


「……あっ♡……あっ♡……んひっ♡……くぅぅっ♡」


(……なんで……こえが……勝手に出てしまうのでしょう)


 おじさまにアソコを突かれながら私は必死に両手で口をおさえますが、私の喉からは甘い声が出続けます。そして熱くなり始めた私の全身には、甘くて涙が出てしまいそうな気持ちいい感覚がにじみ出ていました。


 私はエッチをするのが初めてなのに、膣穴はまったく痛くありません。むしろ、すごくヌメヌメしていて心地いいくらいです。


 これは、アリスがいろいろな男性をベッドに誘うビッチキャラだったことの影響なのでしょうか。


(……なんでしょう♡……エッチするの♡……すっごく♡……気持ちいい♡)


「……あんっ♡……あっ♡……あっ♡」


 見知らぬおじさまとの望まぬエッチだけど、不思議と嫌な気分ではありません。むしろ私は、興奮すらしていました。私はそんな自分の意識の変化に、混乱することになります。


 心は私のままですが、アリスの体に意識が入り込んだことで、私の価値感に色々な変化が起きたようでした。他人の内臓を移植すると、その人の考え方や価値感が変わる現象と同じなのでしょうか。


「……ふぅぅぅ♡……んっ♡……くぅぅぅ♡……あっ♡」


 気がつくと私はベッドの上に仰向けで寝た体勢で股を開いて、喜んでおじさまのチンポをアソコに受け入れてしまいます。


 私のおまんこに向かって男性が腰を振るリズムで、正常位の体位になった私のおっぱいがゆさゆさと揺れる体験は初めてでした。


(……エッチって♡……気持ちいい♡)


 そしておじさまとのエッチが終わると、私はベッドの上に仰向けに寝たまま動けずに呆然としています。


 先程までおじさまのイチモツが入っていた私のアソコが、ジンジンと心地よく痺れていました。


 さらには無断で精液を中に出されたのに、私はそのネトネトとしたお腹の内側にはりつくようなオスの体液に心と体を心地よく興奮させてしまいます。


 ゲームの中でも特段のビッチキャラだったアリスの性質が、私の心にも影響していることは確実でした。それも、これほどとは。


 まったく性を知らなかった私が、見知らぬおじさまと行きずりのエッチをしても何の後悔も起きずに気持ちよかったという感想しか心に出てきていません。


 さらにはおじさまとのエッチを終えた私の頭の中には、とある次々と言葉が浮かんできます。どうやら私の意識に、次なる変化が起きていました。


「ちょっとおじさま。中に出したなら、ちゃんとお金を払ってくれなきゃ嫌よ」


「……わかったよ」


 私が中に出されたことを咎めるようにして彼に詰め寄ると、罪悪感からしぶしぶといった態度でおじさまが私にお金を払ってくれます。私にはなぜか、自分の体を使った商売の仕方が自然とわかってしまいました。


 自分のその変化を不思議に思った私がステータスを確認してみると、所有スキル一覧に商売というスキルが追加されているではありませんか。


 このとき、私は自分の体の性質を理解します。国外追放をされた際に、アリスは邪神から祝福を受けました。そのときに授かったスキルが、邪性スキル。


 つまりは、アリスの体は男に中出しされると強くなる。ゲームの中のアリスは、こうしてチート級裏ボスにまで上り詰めていったのでしょう。


 ……じゅるるるる♡……じゅるるる♡


「おじさま。もう一回しますか?追加料金を払ってくれるなら、サービスしますわよ♡」


 私は知らないおじさまのペニスをしゃぶりながら、今後の生活費を稼ぐためにさらにお金を徴収しようと商売を始めます。


 不思議と、自分の行為に忌避感はありませんでした。私が転生したアリスの体が、こういった性的な行為を好きな人間だからなのかもしれません。


 ゲームの中のアリスは、王族と許嫁になっている身分でたくさんの男性と浮気をして国外追放になった悪女です。彼女が自分の体にいったいどれほど男のモノを咥えこんできたか、本人になった私にもわかりません。


 ですが、この世界を生き抜いていくために確実な方法が、私にはわかってしまいました。


 ……ビュク♡……ビュク♡


「……おじさまのせーし♡……口の中に出てきましたわ♡……美味しい♡」


 ……ごっくん♡


 『スキル 恐喝を手に入れました』


 こうして私は、転生した異世界で強くなるために行動を開始したのです。

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