6 / 16
トワイライト・ラブ(陽炎)
しおりを挟む
6日目:トレド観光
朝早くホテルを出て、バスはバルセロナ空港に着いた。
バルセロナ空港からマドリッド空港へ移動した。
昼食後、バスは1時間15分かけてトレドに移動した。
トレドは、かつてはスペイン帝国の首都だった。そのため、街並みが素晴らしく歴史の宝庫となっているのだ。
川に囲まれた小高い丘のところにあるので、天然の要塞都市です。
その街並みは、絶景と言われていて素晴らしかった。対岸の街を望む高台からみんなで写真を撮ったりした。
トレドの街中の細い道をくねくねと歩きながら、トレド大聖堂を見学。
今度の名前は聞いたことのある、エルグレコの名画を鑑賞したりしながら散策した。ヨーロッパの旧市街地はどこも細い道が入り組んでいて、外敵から襲われることを想定して造られた街なのだ。
歩き疲れて、皆のろのろと歩きながら、美紀とは二度ほど目線が合って、笑顔を交わし合った。遠くからそれとなく、美紀の写真も撮った。
しばらく歩いていると、後ろから、
「ねぇ、写真撮ってもらえる?」と声がした。振り返ると、美紀が友達と並んで立っていた。
「ああ、良いですよ。」
英一は自然な顔でスマホを受け取り、シャッターを押す。美紀はさっきより少し控えめな笑顔を見せた。
「ありがとう。」
「どういたしまして。綺麗に撮っておきましたよ。」と言ったら笑顔が返って来た。
それから特に言葉を交わすことはなかったが、視界の端に彼女が何度も入る。
彼女の肌や髪の色と不思議と市街地によく馴染んで見えた。
「気を付けてくださいね。石ころ多いし、滑りやすいですよ。」
つい言葉が出ると、美紀が「は~い。」と言って、ちょっと嬉しそうに笑った。
観光後、バスでマドリッドへ移動中、英一は勇気を出して美紀に電話番号を渡そうと決めた。
美紀は英一の座席のちょうど後ろにいたので、小さな声で聞いた。
「あの~、電話番号を渡して良いですか」と言ったら、美紀は小さくうなずいた。
英一は、急いで書いた電話番号を窓側と座席の隙間から渡した。
美紀は、英一からの小さな紙切れをしっかりと握りしめた。
英一は一瞬だけ後ろを振り返って美紀を見た。美紀は目を伏せがちになりながら、微笑んだ。
その仕草が、何とも言えず可愛らしく、英一の胸の奥に温かいものが広がった。
――これでスペインの旅が終わる。
そう思いながらも、英一は小さな紙切れに込めた自分の想いが、これからも二人を繋ぐかもしれないと、密かに願わずにはいられなかった
今日で、スペインの旅行も終わり、明日は日本へ帰国するのだ。
英一は、美紀に電話番号を渡したので、連絡するのは美紀次第なのだ。
美紀の想いに命運を預けた。
でも、もう若くないので、それほど緊張する気持ちはもうなかった。
そして、頭の片隅から、もう一人の英一の声が聞こえて来た。
「もう、そんなに時間が無いんだから、普通に迷っている時間など無いのだよ」と、聞こえて来るのだった。
朝早くホテルを出て、バスはバルセロナ空港に着いた。
バルセロナ空港からマドリッド空港へ移動した。
昼食後、バスは1時間15分かけてトレドに移動した。
トレドは、かつてはスペイン帝国の首都だった。そのため、街並みが素晴らしく歴史の宝庫となっているのだ。
川に囲まれた小高い丘のところにあるので、天然の要塞都市です。
その街並みは、絶景と言われていて素晴らしかった。対岸の街を望む高台からみんなで写真を撮ったりした。
トレドの街中の細い道をくねくねと歩きながら、トレド大聖堂を見学。
今度の名前は聞いたことのある、エルグレコの名画を鑑賞したりしながら散策した。ヨーロッパの旧市街地はどこも細い道が入り組んでいて、外敵から襲われることを想定して造られた街なのだ。
歩き疲れて、皆のろのろと歩きながら、美紀とは二度ほど目線が合って、笑顔を交わし合った。遠くからそれとなく、美紀の写真も撮った。
しばらく歩いていると、後ろから、
「ねぇ、写真撮ってもらえる?」と声がした。振り返ると、美紀が友達と並んで立っていた。
「ああ、良いですよ。」
英一は自然な顔でスマホを受け取り、シャッターを押す。美紀はさっきより少し控えめな笑顔を見せた。
「ありがとう。」
「どういたしまして。綺麗に撮っておきましたよ。」と言ったら笑顔が返って来た。
それから特に言葉を交わすことはなかったが、視界の端に彼女が何度も入る。
彼女の肌や髪の色と不思議と市街地によく馴染んで見えた。
「気を付けてくださいね。石ころ多いし、滑りやすいですよ。」
つい言葉が出ると、美紀が「は~い。」と言って、ちょっと嬉しそうに笑った。
観光後、バスでマドリッドへ移動中、英一は勇気を出して美紀に電話番号を渡そうと決めた。
美紀は英一の座席のちょうど後ろにいたので、小さな声で聞いた。
「あの~、電話番号を渡して良いですか」と言ったら、美紀は小さくうなずいた。
英一は、急いで書いた電話番号を窓側と座席の隙間から渡した。
美紀は、英一からの小さな紙切れをしっかりと握りしめた。
英一は一瞬だけ後ろを振り返って美紀を見た。美紀は目を伏せがちになりながら、微笑んだ。
その仕草が、何とも言えず可愛らしく、英一の胸の奥に温かいものが広がった。
――これでスペインの旅が終わる。
そう思いながらも、英一は小さな紙切れに込めた自分の想いが、これからも二人を繋ぐかもしれないと、密かに願わずにはいられなかった
今日で、スペインの旅行も終わり、明日は日本へ帰国するのだ。
英一は、美紀に電話番号を渡したので、連絡するのは美紀次第なのだ。
美紀の想いに命運を預けた。
でも、もう若くないので、それほど緊張する気持ちはもうなかった。
そして、頭の片隅から、もう一人の英一の声が聞こえて来た。
「もう、そんなに時間が無いんだから、普通に迷っている時間など無いのだよ」と、聞こえて来るのだった。
0
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました
ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。
意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。
しかし返ってきたのは――
「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。
完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。
その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる