セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&

文字の大きさ
1,421 / 1,445
本編

82話 雪原にて その55

しおりを挟む
対応可能なのであれば任せる、それがボニファースの出した結論であった、他の軍団長らもまぁ悪くは無いなと判断したらしい、学園長が責任を持って対応しますと胸を張り、カラミッドもまた協力を惜しまないと明言する、カラミッドにしても死化粧については初耳であった、それ故に若干懐疑的でであったが、学園長が実際に試し、このようになると見せられ、さらにはタロウが一枚噛んでいるとなれば悪い結果にはならないであろうとなったようである、そして学園長はもう一つありますと口を開き、

「そちらはタロウ殿から直接お話しいただくのが良いと考えます、私としても良い提案と思います、御一考頂ければ幸いと思います」

と締め括ってストンと腰を下ろした、エッ俺?と勢いよく振り返ってしまったタロウ、学園長がニンマリと微笑み、

「またか?」

ボニファースがニヤリと微笑み、クロノスが聞いていないぞとばかりにタロウを睨みつける、

「・・・まぁ・・・そう・・・ですよねー・・・」

やれやれと頭をかいて向き直るタロウ、

「で、なんだ?」

ボニファースが楽しそうに前のめりになる、

「はい・・・えっとですね、勲章というものがあります、私の国にですが」

タロウはどうしようかなーと悩みつつ腰を上げた、学園長と相談した際に、これはと思いついたのが勲章制度であった、学園長が記したあの黒板には、とある村の風習として、死者の名を刻んだ小さなメダルを作成し、それを家門の長が住む家の柱に埋め込む習慣があるとの事で、その柱こそがその家門の歴史を表す碑となるらしい、それはまた面白い風習だなとタロウは感じ、と同時に小さなメダルから勲章を連想した、そして王国にはまだそういう習慣が無いなとも気付く、となれば国を巻き込んで勲章制度を作り上げても良いかなと考えたのである、しかしそれでは少しそぐわないかもなとタロウは考えた、今回はあくまで戦死者への慰霊が主となっており、となれば大きな勲章制度の中にその戦死者を讃える勲章を作るのが正しいと思う、故にこれは大掛かりな提案になるのが確定であった、

「クンショウ?」

「はい・・・えっとですね、それもまぁ様々な種類があるんですが、まず、その勲章とは何かと言えば・・・」

とタロウは右目を閉じてつらつらと続ける、勲章制度、それ自体は難しくない、国及び政府が認めた功労者また集団に送られる栄典である、現時点でも王国には似たような制度はあり、先の大戦時にタロウやソフィアらもお褒めの言葉と共に爵位と報奨金が贈呈されていたりするが、爵位については丁寧に、いや、雑に断り、報奨金だけ受け取っていたりする、それ以外の記念品や記章の様なものは存在していない、となるとどのように国に大して功労があったかをあからさまに示す物品が無いのである、その示す物品こそが所謂勲章にあたるのであった、

「・・・それはまた面白いな・・・」

何とか説明を終えたタロウ、ボニファースが素直に目を丸くし、クロノスにイフナース、軍団長らも感心している様子である、

「はい、なので・・・例えばですが、今般の戦を例にとりますと、前線に立った軍団長の御三方、メインデルト閣下にクンラート閣下、イフナース殿下に・・・そうですね、借りの名ですが、一等勲章・・・なるものを褒美として顕彰するという感じですか・・・で、後詰であったビュルシンク閣下にも二等勲章、これはよく支え、尽力したという形での顕彰になるのかな・・・あっ、あくまであれです、このままね、戦勝となればの話しですし、あくまで一例ってことで」

ニコリと微笑むタロウ、しかし誰も笑わない、

「ありゃ・・・まぁ、で、ですね、次に各、長と呼ばれる人達ですね、大隊長、中隊長、小隊長ですか、あっ、近衛長とか騎士団長とかもありますが、その各長にも三等勲章、四等勲章のような形で褒賞するのですよ、これはもうね、あくまで褒め称える、よくやった、栄誉であると、まぁ、その通りですし、それが目的なのですけど、で、さらには活躍が目立った者にも・・・例えば栄誉勲章であるとか、英雄勲章とかと名前をつけて勲章を与える、報奨金もあれば尚良いのは先程も申した通り、そのようにして戦功を讃えるのですね、で、そうなりますとあれです、その送られた方々は正装の折にその勲章をこの胸に付ける義務が生じます」

タロウはこの辺かなと左胸を叩く、

「義務か?」

クロノスがん?と眉を顰める、

「だね、義務で良いと思う、というか、ほら、国の行事とかではって、感じかな、限定的にしてもいいけど、大事な行事にはつけるって感じですかね?無論普段から着けてても構わないけどね、それはだって、それだけの功績を国と王家が認めったって事だから、それこそ胸を張ってつけるべきなんですよ」

「・・・そういうものか・・・」

「そういうもんなんだ、でだ、そうなると、この制度を長年やっていると、こう・・・ね、その勲章がズラズラと胸に飾り付けられる事になる、これがまたね、カッコいいんだな」

ニヤリとタロウが微笑む、ホウとそのその様を想像する軍団長達、

「その数だけ、及び、その勲章の格が高ければ高い程、それだけ国に貢献したって証になる、うん、まぁ、そのね、勲章については条件を定めるべきなんだけど、先程言ったようにある戦争で活躍した功績もそうだし、長年軍団長として御活躍されて、引退された時に送られる勲章とかね、無論、戦争だけじゃなくて・・・そうですね、この場であれば、学園長ですかね」

ナニッと背筋を伸ばす学園長、タロウは仕返しとばかりにニヤリと微笑み、

「ようは民間の中でも功績のあった者を褒賞するという事も可能です、なので、役場の偉い人でもいいですし、ギルドの長とかでも、長年努めて街の発展に寄与したと誰もが認める人物に送られる、そのような形もありますね、この場合はあれです、王家が贈るというよりもその地の領主が贈る形になるのかな?なので、それも別途ね、名称やら格やらの設定が必要ですけど、そういう事も可能ではありますね」

「・・・なるほど・・・面白い・・・」

ヌーと考え込むボニファース、学園長がそういう事もあるのかと居住まいを正してしまう、

「利点としてはあれです、ほら、爵位をね、上げる程ではないとか、与える程でもないって時でも細かく褒める事ができる点ですね、前回の大戦のときのように・・・あっ、あれです、あくまで個人的な話しになりますが、ほら、私なんかや他のね、仲間達もそうですけど、貴族って柄じゃないですから、なのに爵位を授けるって言われても・・・欲しがる人もいますけど、そこまではって思う者も多いと思います、責任も伴いますし・・・ね、爵位を持ってても食えないって事もある・・・まぁ、そういうもんですよね、でも、そういう者に対しても報奨金とこの勲章を贈る形にすると見栄えが良いです、そんな感じでしてね、なんだっけ、ほら、名誉男爵?ってのもあるとうかがいましたけど、それはそれで素晴らしいと思いますが、しかし・・・うん、あまりね、爵位を乱発するのもどうかなって思いますねー」

「そこじゃな、そうなのだ」

ボニファースがカッと目を見開き、

「王国としてな、どうしても褒賞となると爵位云々があってな、儂としてもなんとも不自由でな」

「ですよねー」

ニコーと微笑むタロウ、かもしらんなとクンラートも納得している様子である、

「うむ、いや、考えておったのだ、アンドリースもメインデルトもだが、他の者達もな、長年王国に尽くしてくれた重鎮達でな、しかし、全員を全員伯爵以上に上げるのが難しいでな・・・理解しておるとは言われているが、しかし、王国として名誉を与えたいとも思っておってな・・・」

「なるほど・・・確か・・・公爵様が王家の繋がりかまたはそれに殉じる家格なのでしたか・・・」

タロウが首を傾げる、以前クロノスからそのように教えられていた、

「その通りだ」

「で、侯爵様がその家門の系列でしたか・・・となると・・・確かに伯爵以上の爵位を与えるのは・・・国としても難しいでしょうね」

「まったくだ」

大きく頷くボニファース、これにはクンラートも確かにと大きく頷いた、

「なのでね、爵位の代わりと言ってはなんですが、名誉を目に見える形で残す・・・という点で、この勲章というのは実に便利、その上で」

とタロウはここからが本題とばかりに一旦区切ると、

「・・・戦死者に対する勲章ですね、これの創設が今回の主題となります、私からの提案ですが、この勲章、二つ作るのがよいと思います」

「二つとな?」

「はい、一つは御遺体と共に家族へ贈られる勲章、で、もう一つは慰霊碑に埋め込む勲章となります、どちらにもその者の名を刻みます、如何です?」

タロウはゆっくりと列席者を見渡す、今一つピンと来ていないようであるが、

「あぁ、そういう事か・・・」

クロノスがタロウを見上げた、

「そういう事、ほら、今回の戦争の慰霊碑も作られるのではないですか?」

どうです?とカラミッドに確認するタロウ、

「ムッ・・・おっ、あぁ、まだそこまでは考えておらなかったが・・・うむ、いずれそのような案もでような、いや、必要であろう・・・」

ゆっくりと答えるカラミッド、

「ですよね、で、その慰霊碑にはね、戦死者の名前が刻まれるものと思います、であれば、ほら、その勲章、それをそのまま埋め込むのですよ、名前が刻まれておりますし、あっ、その部隊名とかも刻めばより見栄えがいいかもですね・・・で、遺族にとっても同じ物が家に贈られ、また慰霊碑としてこの地にもある、正に名誉・・・どうでしょう、この・・・なんというか・・・価値観という・・・こう言ってはなんですけど、栄誉であるとか、讃えるであるとか、そういうのは何とも曖昧なものなので、どう捉えられるかは御遺族であるとか街の人達の捉え方次第になるのですが、しかし・・・ここまでやれば・・・戦死者への感謝の気持ちは伝わるものと思います、特に御遺族には・・・」

どうかなーとタロウは首を捻った、この最後の案は学園長の調査そのものを丸っとパクっている、さらには先日訪れた北ヘルデルの慰霊碑も記憶に新しかった、何気にこの王国は碑が大好きな国民性であったりする、

「・・・悪くはない・・・俺は賛成だ」

イフナースが静かに口を開いた、

「うむ、儂としても・・・少々・・・あれだな、手間が係るが・・・しかし、うん、うん、悪くはないな・・・」

クンラートも珍しく口を開いた、

「ありがとうございます、まぁ、あくまで提案でございます」

タロウはこんなもんかなと腰を下ろした、暫し沈黙していたがボニファースも悪くないと同意を示し、より具体的な内容へと移っていく、そのクンショウなるものの形であるとか、素材であるとかの質問がタロウに投げかけられた、タロウはそれこそ王国で決める事であるとしつつ、このような感じですと、黒板に向かう事となる、そうしてどうやら取り合えず、戦死者への勲章は贈られる事となった、それ以外、表彰目的のそれは国としての対応になるとなり、別の場所で協議される事となった、そして、

「では、次だ、今夜の策について俺から話す」

タロウが席に戻ったと同時にクロノスが切り出した、

「策とな?」

ボニファースがギラリと瞳を輝かせた、

「うむ、今後も使える策となる、が・・・あまりに悪辣で、卑怯な手である、故に・・・いや・・・故に有効である事は確実、しかし、今後の事を考えると・・・評判は落ちる・・・いや、広く知られなければそれでいいか・・・」

なんだそれはとクロノスを見つめる軍団長達、

「・・・策とは元来そういうものだ、続けろ」

フンと鼻で笑うボニファース、クロノスはハッと明確に答え、

「今日の夜、それと明日の・・・日中で良いかと考えているがそれは状況次第となる、二段構え・・・というには少し違うがな、どちらもやる事は同じ、目的は異なるがな・・・」

訥々と続けるクロノス、いよいよかとイフナースが目を細め、タロウは話し疲れたなー、喉が渇いたなー、お茶が欲しいなーと振り返るのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?

ばふぉりん
ファンタジー
 中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!  「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」  「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」  これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。  <前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです> 注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。 (読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』

とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~ -第二部(11章~20章)追加しました- 【あらすじ】 「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」 王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。 彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。 追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった! 石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。 【主な登場人物】 ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。 ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。 アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。 リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。 ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。 【読みどころ】 「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...