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本編
26話 優しい小父さん達と精霊の木 その6
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それからソフィアは食堂を片付け洗い物を済ませる、天井付近に浮かんだ光源魔法に照らされ、さて戸締りかしらと手を拭っていた所に4人が勝手口から入ってきた、
「ちょっと、ソフィア、話があるんだけど」
やや抑えた声音でユーリがソフィアを呼びつける、
「ん、どうかした?」
ユーリの後ろの3人は、困ったような顔でサッと食堂へ入ると、
「では、私たちはこれで」
「はい、私もお休みなさい」
中々に危機察知能力が高まっている様子である、3人はソフィアとユーリを残して素早くその姿を消した、
「ふー、ちゃんと聞いておきたいんだけど」
「なによ、あー、白湯でもいる?」
「いる」
ユーリとソフィアは白湯を片手に厨房の作業台を囲んだ、背のない丸椅子に腰掛けると、
「で、どういうことなの?」
ユーリはジロリとソフィアを睨む、
「何が?」
「あのね、おかしいでしょう、あれは・・・あんなでは無かった筈よ」
「裏山の事?」
「当然でしょ」
ユーリの鼻息は荒い、
「まぁ、あれよ、てっぺんがね丁度良い感じの広場になってたから、遊び場にしたいなーって思って」
「あん?それであれ?どうやったの?」
「まぁ、いろいろと」
ソフィアは視線を宙に彷徨わせてどう誤魔化そうかと思案する、
「あのね、あんたなら分かるでしょうけど、私は誤魔化せないわよ、他の連中と一緒にしないで」
「それは、知ってるし、一緒にはしてないわよ、まぁ、あの違和感に気付けるのは昔の仲間なら当然かしら」
昔の仲間とは俗に救国のパーティーと呼ばれていた面々である、
「なら、白状しなさい」
ユーリは腕を組んで踏ん反り返った、
「白状っていっても、ちょっと調子に乗ってみたの、それでいいじゃない」
曖昧な笑みを浮かべ尚誤魔化そうとソフィアは試みる、しかし、ユーリはより粘っこい視線をソフィアへ向け、
「本当の事は教えてくれないの?」
「本当と言われてもあれだけど・・・前にも言ったじゃない」
「前にも?」
ユーリはソフィアへ視線を向けたまま黙り込み、
「やっぱり、レイン?」
ユーリの問いにソフィアは答えない、しかしそれは沈黙による肯定であるとユーリは理解する、
「ふー、クロノスにも聞かれたけど、大丈夫なの」
ユーリは一転して態度を和らげた、燻っていた奇妙な違和感の正体が朧げながらも形になり、無意識下に感じていた疑問の答えにも近づいた、しかし、親友と呼べる唯一の存在が頑なに言葉にしない事、そう出来ない事に改めて別の不安を感じる、
「大丈夫もなにも、平和そのものじゃない」
「いや、そう思っているのはアンタだけよ、私達って何気に危険視されているんですからね、アンタも理解してるでしょ」
「そりゃ、そうだろうけど、別に誰かに対して敵対していないし、正体だっておおっぴらにはしてないし・・・」
グズグズごにょごにょとソフィアは呟く、
「まったく」
ユーリは呆れて吐息を吐いた、
「あのね、何かあったら、なくてもいいけど、ちゃんと話しなさいよ、アンタ程じゃないけど私だって出来るんだから、いろいろと」
「それは知ってる」
「当然よ、ま、それを確認できただけど良しとするわ、で、あの大木が精霊の木なの?それは事実?」
ユーリは埒が明かない事を飲み込んで疑問を変えた、
「事実みたいよ、というか、エルフの里で見たのと一緒だし、森の中で迷った時に見たのとも一緒だしね、間違いないと思うわ」
ソフィアはやや安堵したのか白湯を口にする、
「んっ、アンタが森で迷うって?タロウさんと一緒に動いてた頃の事?二人揃って?」
「うん、迷った・・・っていうか、うん、迷ったわね、二人して珍しい事もあるもんだって笑ったけど」
「それって、ありえるの?・・・いや、今はそこではないわね、気になるけど」
とユーリは作業台をトントンと指先で叩きつつ、
「精霊の木である事が確定なのであれば、やっぱり報告しておいた方がいいのかしら?」
「まぁ、大人としては当然よね」
「どの口が言うのよ」
「えー、でもさ、私がそうである事を教えなければ誰も気付かなかったんじゃない?」
「・・・それはそうだけど」
「あー、ちょっとした話しなんだけど」
ソフィアは前置きして、
「エルフに教えて貰ったんだけど、あの木は優しすぎるから周辺の他の樹木を管理してあげないといけないらしいのよ、そうしないと死にはしないけど他の樹木に押しつぶされて、本来の力を発揮できないらしいのよね、ほら樹木も生き物でしょ、だからね、己が一番って感じで他者を押しのける力は動物とは比べられないほど強いらしいのね、で、精霊の木とか護り樹を大切にするならば、ある程度の広場にポツンと置くのが良いらしいの、でもね、そうなると今度は寂しくなって力を失うらしいのよ、面白いわよね」
ソフィアは真面目に解説するが一点だけ嘘がある、この知識は茸を採りながらレインから聞いた事であった、
「そこまで詳しく知っていたの?」
「そうねぇ、エルフの里ではすんごい大きい精霊の木にね、エルフ達が交代で住むのよ、何十家族も、でっかい洞とか太い枝の上に家を作って、面白いのがほら、交代で住むって所よね、こっちだとどうしても権力者とか巫女様とかがでかい顔して占有しちゃうじゃない、でも1年毎に丸っと交代する感じでね、大事なものは共有して管理しようってのがあの人達の良さかもね」
「・・・まぁ、エルフの里にも興味はあるけど・・・」
ユーリは困った顔になる、
「だから、ほら、ブランコは必要なのよ」
「あ、それよ、えっ、もしかしてあれの言い訳?精霊の木って貴重なのよ、あんな遊び道具作っちゃってどういうつもりよ」
「だから、精霊の木を寂しくさせない為?子供好きなんだって精霊の木って、それに小さいからねあの木は、だからエルフみたいに住むのは無理でしょ、ならせめてね、ミナやレインが遊べるようにして、そうすれば、そのうち精霊達も寄ってくるでしょうし、動物たちも増えてくれば寂しくないでしょ、こんな都会のど真ん中で野生動物も難しいかなって思うけど、栗鼠とフクロウは居たわね、あと蛇とカエルか、それと野鳥、名前知らないけど」
「はぁ、もう、それと、どうも変なんだけど、私以外の連中って嫌に飲み込みが早いのよね、それが当然って顔するし、変であることに気付いていないっていうか・・・」
「そう?あれよ、皆さんおおらかなのよ、たぶん・・・」
ソフィアは韜晦するが、レインが無意識で振り撒いている能力の為である事をソフィアは知っている、
「おおらかねぇ、まぁ、そういう事にしておくか、であれば、問題も大きくはならないだろうし」
ユーリも大分落ち着いてきたのか白湯を含んで溜息を吐いた、
「あ、どうしよう、学園長に報告しておく?あとクロノスにも、学園の敷地なのよね、問題は無いにしても、知ってて黙っていたら逆に問題になるわよ」
「あー、そうよねー、勝手に遊び場にしました、精霊の木がありましたー、じゃ何かあっても面子を潰すだけよね」
「そうね、うん、学園長には私から話しておくわ、まぁ、パウロ先生なら喜んで遊びに来そうだけど、クロノスにもその内話しておくわね」
「ありがと、宜しくね」
ソフィアは柔らかく微笑む、
「でもあれよ、はっきり言っておくけど、レインは本当に何者なの?大丈夫なの?」
「あー、大丈夫よ、可愛い娘じゃない」
「あの年頃の娘は大概可愛いわよ、あの歳で可愛くない子供なんているの?」
「そう?あのくらいの歳の頃って、私たち喧嘩ばっかしてたじゃない、ブースバーカって言い合って」
懐かしそうに笑うソフィア、
「あー、話しを変えようとしないでよ、下手糞ね」
「そうかしら?」
「まぁいいわ、その内ちゃんと話して貰うからね、まったく、無駄に頑固なんだから」
怒りは霧消したが結局一番の疑問は解決されないままユーリはそれで良しとする事にしたようである、それはソフィアへの絶対の信頼の表出であり、ユーリ自身の確固たる実力から来る余裕の賜物でもある、
「じゃ、私は休むわ、あ、明後日から現場研修で私も居ないから」
「ダナさんから聞いてるわよー、用意するものとかあるの?」
「いらん、いらん、ナイフ一本で野宿も出来ないんでは、冒険者どころか兵士にもなれないわよ、生徒達には自然の恐怖を存分に味わって貰うつもりだから」
ユーリは邪悪にほくそ笑んだ、
「お手柔らかにね、ジャネットさん達にはいいけど、ケイスさんには不要でしょ、そういうの」
「そうかしら?どんな状況でも生きていけるようにするのも教育ってもんじゃない?私達の時もほら先輩に散々いびられたでしょ、おかげで生きていられるんだし、今思えば感謝だわ」
「へー、あんたも大人になったのねー、いつか殺すって喚いてたじゃない」
「そうね、ま、そう言われない程度に優しく地獄に落してあげるつもり」
「そ、あ、明後日は朝から?」
「うん、朝は普段どおりでいいわ、38日の午後迄不在ね、なにかあれば戻るけど遅くはなるわ、あ、その気になればすぐか、それとカトカとサビナを宜しくね、好きに休んでいいとは言ってあるから、ちょっと働きすぎなのよね、暇だったら相手してあげて」
「はいはい、二人共大人なんだから大丈夫でしょ」
「そうだけど、私の大事な子分なのよ、親分としては気にかけないとね」
はいはいとソフィアは笑い、ユーリは重い腰をゆっくりと上げた。
「ちょっと、ソフィア、話があるんだけど」
やや抑えた声音でユーリがソフィアを呼びつける、
「ん、どうかした?」
ユーリの後ろの3人は、困ったような顔でサッと食堂へ入ると、
「では、私たちはこれで」
「はい、私もお休みなさい」
中々に危機察知能力が高まっている様子である、3人はソフィアとユーリを残して素早くその姿を消した、
「ふー、ちゃんと聞いておきたいんだけど」
「なによ、あー、白湯でもいる?」
「いる」
ユーリとソフィアは白湯を片手に厨房の作業台を囲んだ、背のない丸椅子に腰掛けると、
「で、どういうことなの?」
ユーリはジロリとソフィアを睨む、
「何が?」
「あのね、おかしいでしょう、あれは・・・あんなでは無かった筈よ」
「裏山の事?」
「当然でしょ」
ユーリの鼻息は荒い、
「まぁ、あれよ、てっぺんがね丁度良い感じの広場になってたから、遊び場にしたいなーって思って」
「あん?それであれ?どうやったの?」
「まぁ、いろいろと」
ソフィアは視線を宙に彷徨わせてどう誤魔化そうかと思案する、
「あのね、あんたなら分かるでしょうけど、私は誤魔化せないわよ、他の連中と一緒にしないで」
「それは、知ってるし、一緒にはしてないわよ、まぁ、あの違和感に気付けるのは昔の仲間なら当然かしら」
昔の仲間とは俗に救国のパーティーと呼ばれていた面々である、
「なら、白状しなさい」
ユーリは腕を組んで踏ん反り返った、
「白状っていっても、ちょっと調子に乗ってみたの、それでいいじゃない」
曖昧な笑みを浮かべ尚誤魔化そうとソフィアは試みる、しかし、ユーリはより粘っこい視線をソフィアへ向け、
「本当の事は教えてくれないの?」
「本当と言われてもあれだけど・・・前にも言ったじゃない」
「前にも?」
ユーリはソフィアへ視線を向けたまま黙り込み、
「やっぱり、レイン?」
ユーリの問いにソフィアは答えない、しかしそれは沈黙による肯定であるとユーリは理解する、
「ふー、クロノスにも聞かれたけど、大丈夫なの」
ユーリは一転して態度を和らげた、燻っていた奇妙な違和感の正体が朧げながらも形になり、無意識下に感じていた疑問の答えにも近づいた、しかし、親友と呼べる唯一の存在が頑なに言葉にしない事、そう出来ない事に改めて別の不安を感じる、
「大丈夫もなにも、平和そのものじゃない」
「いや、そう思っているのはアンタだけよ、私達って何気に危険視されているんですからね、アンタも理解してるでしょ」
「そりゃ、そうだろうけど、別に誰かに対して敵対していないし、正体だっておおっぴらにはしてないし・・・」
グズグズごにょごにょとソフィアは呟く、
「まったく」
ユーリは呆れて吐息を吐いた、
「あのね、何かあったら、なくてもいいけど、ちゃんと話しなさいよ、アンタ程じゃないけど私だって出来るんだから、いろいろと」
「それは知ってる」
「当然よ、ま、それを確認できただけど良しとするわ、で、あの大木が精霊の木なの?それは事実?」
ユーリは埒が明かない事を飲み込んで疑問を変えた、
「事実みたいよ、というか、エルフの里で見たのと一緒だし、森の中で迷った時に見たのとも一緒だしね、間違いないと思うわ」
ソフィアはやや安堵したのか白湯を口にする、
「んっ、アンタが森で迷うって?タロウさんと一緒に動いてた頃の事?二人揃って?」
「うん、迷った・・・っていうか、うん、迷ったわね、二人して珍しい事もあるもんだって笑ったけど」
「それって、ありえるの?・・・いや、今はそこではないわね、気になるけど」
とユーリは作業台をトントンと指先で叩きつつ、
「精霊の木である事が確定なのであれば、やっぱり報告しておいた方がいいのかしら?」
「まぁ、大人としては当然よね」
「どの口が言うのよ」
「えー、でもさ、私がそうである事を教えなければ誰も気付かなかったんじゃない?」
「・・・それはそうだけど」
「あー、ちょっとした話しなんだけど」
ソフィアは前置きして、
「エルフに教えて貰ったんだけど、あの木は優しすぎるから周辺の他の樹木を管理してあげないといけないらしいのよ、そうしないと死にはしないけど他の樹木に押しつぶされて、本来の力を発揮できないらしいのよね、ほら樹木も生き物でしょ、だからね、己が一番って感じで他者を押しのける力は動物とは比べられないほど強いらしいのね、で、精霊の木とか護り樹を大切にするならば、ある程度の広場にポツンと置くのが良いらしいの、でもね、そうなると今度は寂しくなって力を失うらしいのよ、面白いわよね」
ソフィアは真面目に解説するが一点だけ嘘がある、この知識は茸を採りながらレインから聞いた事であった、
「そこまで詳しく知っていたの?」
「そうねぇ、エルフの里ではすんごい大きい精霊の木にね、エルフ達が交代で住むのよ、何十家族も、でっかい洞とか太い枝の上に家を作って、面白いのがほら、交代で住むって所よね、こっちだとどうしても権力者とか巫女様とかがでかい顔して占有しちゃうじゃない、でも1年毎に丸っと交代する感じでね、大事なものは共有して管理しようってのがあの人達の良さかもね」
「・・・まぁ、エルフの里にも興味はあるけど・・・」
ユーリは困った顔になる、
「だから、ほら、ブランコは必要なのよ」
「あ、それよ、えっ、もしかしてあれの言い訳?精霊の木って貴重なのよ、あんな遊び道具作っちゃってどういうつもりよ」
「だから、精霊の木を寂しくさせない為?子供好きなんだって精霊の木って、それに小さいからねあの木は、だからエルフみたいに住むのは無理でしょ、ならせめてね、ミナやレインが遊べるようにして、そうすれば、そのうち精霊達も寄ってくるでしょうし、動物たちも増えてくれば寂しくないでしょ、こんな都会のど真ん中で野生動物も難しいかなって思うけど、栗鼠とフクロウは居たわね、あと蛇とカエルか、それと野鳥、名前知らないけど」
「はぁ、もう、それと、どうも変なんだけど、私以外の連中って嫌に飲み込みが早いのよね、それが当然って顔するし、変であることに気付いていないっていうか・・・」
「そう?あれよ、皆さんおおらかなのよ、たぶん・・・」
ソフィアは韜晦するが、レインが無意識で振り撒いている能力の為である事をソフィアは知っている、
「おおらかねぇ、まぁ、そういう事にしておくか、であれば、問題も大きくはならないだろうし」
ユーリも大分落ち着いてきたのか白湯を含んで溜息を吐いた、
「あ、どうしよう、学園長に報告しておく?あとクロノスにも、学園の敷地なのよね、問題は無いにしても、知ってて黙っていたら逆に問題になるわよ」
「あー、そうよねー、勝手に遊び場にしました、精霊の木がありましたー、じゃ何かあっても面子を潰すだけよね」
「そうね、うん、学園長には私から話しておくわ、まぁ、パウロ先生なら喜んで遊びに来そうだけど、クロノスにもその内話しておくわね」
「ありがと、宜しくね」
ソフィアは柔らかく微笑む、
「でもあれよ、はっきり言っておくけど、レインは本当に何者なの?大丈夫なの?」
「あー、大丈夫よ、可愛い娘じゃない」
「あの年頃の娘は大概可愛いわよ、あの歳で可愛くない子供なんているの?」
「そう?あのくらいの歳の頃って、私たち喧嘩ばっかしてたじゃない、ブースバーカって言い合って」
懐かしそうに笑うソフィア、
「あー、話しを変えようとしないでよ、下手糞ね」
「そうかしら?」
「まぁいいわ、その内ちゃんと話して貰うからね、まったく、無駄に頑固なんだから」
怒りは霧消したが結局一番の疑問は解決されないままユーリはそれで良しとする事にしたようである、それはソフィアへの絶対の信頼の表出であり、ユーリ自身の確固たる実力から来る余裕の賜物でもある、
「じゃ、私は休むわ、あ、明後日から現場研修で私も居ないから」
「ダナさんから聞いてるわよー、用意するものとかあるの?」
「いらん、いらん、ナイフ一本で野宿も出来ないんでは、冒険者どころか兵士にもなれないわよ、生徒達には自然の恐怖を存分に味わって貰うつもりだから」
ユーリは邪悪にほくそ笑んだ、
「お手柔らかにね、ジャネットさん達にはいいけど、ケイスさんには不要でしょ、そういうの」
「そうかしら?どんな状況でも生きていけるようにするのも教育ってもんじゃない?私達の時もほら先輩に散々いびられたでしょ、おかげで生きていられるんだし、今思えば感謝だわ」
「へー、あんたも大人になったのねー、いつか殺すって喚いてたじゃない」
「そうね、ま、そう言われない程度に優しく地獄に落してあげるつもり」
「そ、あ、明後日は朝から?」
「うん、朝は普段どおりでいいわ、38日の午後迄不在ね、なにかあれば戻るけど遅くはなるわ、あ、その気になればすぐか、それとカトカとサビナを宜しくね、好きに休んでいいとは言ってあるから、ちょっと働きすぎなのよね、暇だったら相手してあげて」
「はいはい、二人共大人なんだから大丈夫でしょ」
「そうだけど、私の大事な子分なのよ、親分としては気にかけないとね」
はいはいとソフィアは笑い、ユーリは重い腰をゆっくりと上げた。
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