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本編
53話 新学期 その8
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そして、夕食を終えると、
「うん、満足だ、苦味が美味しいとは新しい感覚だな」
レアンは白湯を手にして御満悦となり、
「そうですね、素朴な感じも良かったです」
エレインがニコニコと相手をしている、
「うー、お嬢様、大人だー」
ミナは残念そうにテーブルに顎を載せていた、ミナはあれほど甘く美味しい実のアケビなのである、皮もそれに準じて美味しいものだと思い込んでいたのだ、ソフィアが何度もニガイと言っていたにも関わらず、灰汁抜きとやらをすれば甘い物になっているだろうと幼児らしく想像していたのであるが、結果はあの有様である、
「ふふん、ミナもそのうち旨いと感じるであろう」
余裕の笑みを湛えるレアンとその隣りで気まずそうにしているライーニルである、
「じゃ、どうしましょうか、料理の仕方はなんとなく分かりました?」
ソフィアが食器を下げて小さな籠を持って食堂へ戻ってきた、手伝っていたオリビアとレスタも続いている、
「そうだの、肉詰めの焼き物は良い味であった、あれを屋敷でも食べたいのう」
「それは良かった、鳥肉で調理しましたけど獣肉でも美味しいと思いますよ、こちらをどうぞ」
ソフィアが籠をレアンに差し出す、
「これは?」
「灰汁抜きを終えたアケビです、それと、アケビのジャムですね、こちらも美味しいですよ」
「ほう、それは嬉しい」
サッと籠に掛けられた布を外して覗き込み、
「こんなに良いのか?」
顔を上げるレアンに、
「ふふ、ユスティーナ様と領主様に、あっ、それとジャムはユーリが作ったものです、領主様にはそうお伝えください」
ユーリがいらん事をと目を細めてソフィアを睨む、
「うむ、確かに伝えよう、では、有難く頂いていきます」
「はい」
笑顔を交わし合う二人を見て、ジャネットはアッと大声を上げて腰を上げると、
「忘れてた、新作があります、こちらもお試し下さい」
と事務所から持参した籠をテーブルに置いた、フワリと甘く香ばしい香りが漂う、
「そうですね、こちらもありましたね」
エレインも腰を上げると籠に掛けられた布を取り外し、
「えーと、では、どうしようかしら、ジャネットさんお願いできる?」
一同の視線が籠に集中し、ユーリまでもが腰を上げて覗き込んでいる、
「はい、勿論、えっとですね」
とジャネットは籠を傾けて中身を見せると、
「ドーナッツの商品開発を致しました、今日試して欲しいのは2種類あります」
おおーっと女性達は歓声を上げる、
「どちらも自信作なのですが、あー、どうしようか、一人一個で数は足りるかな?」
「私達はいいよ、もう食べたし」
ケイスがジャネットを見上げ、テラやオリビアも同意のようでうんうんと頷いている、
「そっか、じゃ、新人さんと、ミナっちとレインちゃんとソフィアさんにユーリ先生、レアンお嬢様とライニールさんと・・・うん、ユスティーナ様の分もあるね、じゃ、一人一個で」
ジャネットは籠の中身を確認し、
「えっと、じゃ、どうしようかな?まずは見た目から感想が欲しいです」
オリビアが気を利かして小皿を数枚厨房から持って来ると、ジャネットはそれに2種の試作品を載せて、見やすい位置に押しやる、
「わっ、可愛いですね」
「うん、三角だー、まん丸だー」
「ドーナッツじゃないんですか?」
「見た感じはドーナッツだね、穴が無いけど・・・」
「そのようね」
「何が違うの?」
「ふふーん、えっとですね」
ジャネットは感触の良さを感じつつ、開発の経緯を語る、それは事務所にて実際に作った際の話しであり、ドーナッツの中央が抜かれている理由、それからカスタードとホイップを入れてみてはとのリーニーの案、実際に入れてみた際の苦労話等となる、
「へー、そうなんだー、知らなかったわー」
ソフィアが穴の理由に目から鱗と驚いており、
「やってみないと分からないものなのね」
とユーリは大したもんだと頷いた、
「そうなんですよー、で、この三角のがカスタード入りで、丸いのがホイップ入りです」
「形を変えたのはどうして?」
「単純ですね、見た目が同じだと作ってる方も分からなくなるかなってリーニーさんが、それと、折角ほら、ドーナッツが楽しい見た目ですからね、なら形も面白くしないと合わないかなって」
「へー、考えたわねー」
「そうですね、これなら楽しい感じです、食べやすそうですし」
「えへへ、そう言って頂けると嬉しいですね、では、味の方も御意見下さい」
ジャネットが説明している間にオリビアとケイスは小皿に盛り付けてそれぞれにそっと配膳を済ませており、至れり尽くせりの対応に新入生達は戸惑いつつも、嬉しそうに試作品へ手を伸ばす、
「あっ、どうかな、申し訳ないんだけど、丸い方から、ホイップ入りなんですけど、甘さ控えめなので、そっちから食べて貰えると嬉しいかな」
ジャネットが慌ててお願いごとである、実際に自分が試食した際には先にカスタードを食べてしまい、ホイップ入りの味が今一つボケてしまったのである、茶請けとして供されるのであれば茶がある為に食する順番は特に気にする事はないであろうが、今一同が手にしているのは白湯であった、白湯では口中に残る甘味を消去できないであろうとの気遣いである、
「じゃ、丸い方から」
「ありがとうございます」
そして、皆一斉に齧り付き、静かな食堂に控えめな咀嚼音が響く、
「うん、美味しい」
「これは、素晴らしいです」
「ホイップの甘さが良いですね」
「カリカリでフワフワだー、うふふー、ミナこれ好きー」
「甘すぎなくていいですね」
「食べやすい・・・美味しい・・・」
どうやら好評のようである、それも致し方無い事とも言える、先輩達の作った品を不味いと言える状況ではないし、なによりもホイップクリームを飽きるほどに食べてはいないのだ、美味しく感じるのは当然と言えば当然なのである、
「でしょー、大きさとかどうかな?大きすぎない?それとも小さい?」
ジャネットが懸念していた事を問いかける、こればかりは個々人で大きく違う点である、より多くの意見が欲しいのであろう、
「うーん、私は丁度良いかなって思います」
「そう?一つじゃ足りない感じする」
「ミナには多そうだけどね」
「むー、大丈夫、食べれるー」
「そう?お腹苦しくない?」
「平気ー」
「夕食の後だからね、お腹空いてる時だと・・・二つは欲しくなるかな?」
「じゃ、丁度いいんじゃない?」
「そだね」
新入生達からはこの環境にだいぶ慣れたのか素直な意見が出されており、ユーリやレアンも小腹が空いた時には丁度良いとの意見であった、ジャネットはそれらを笑顔を浮かべて真摯に受け取り、
「じゃ、次はカスタードを、あっ、慌てないでゆっくりでいいです」
少々急いで先を促してしまう、
「慌ててるのはジャネットだよー」
ケイスがそれを笑いに変えて、皆、頬を膨らませて笑顔になった、やがて、カスタードに手が伸び、こちらも好評のようである、
「うん、カスタードの方が甘さが強めなんだね」
「カスタードの味ですね、生地は同じなんです、どちらも甘くしてないので」
「生地は薄い?」
「はい、教えてもらった生地を若干固くして薄くして使ってます、カスタードは四角に切ってそれで包んでます、ホイップのは生地を二枚で挟んでます、さらに薄くして」
「へー、面白いね、見た目の為?」
「そうですね、それと作り易さ?なんぼでも簡単な方がいいかなって」
「そっか、なるほどね、考えたわねー」
「えへへ、ソフィアさんにそう言って頂けると嬉しいです」
でへへとだらしない笑顔を見せるジャネットと、こちらも嬉しそうに微笑むケイスである、
「うん、これは売れるな、間違いない」
レアンが満足そうに宣言し、
「ありがとうございます」
エレインも嬉しそうに笑顔を浮かべた、そして、夕食の後にもかかわらず二つの試作品はペロっと胃に収まり、やや苦しそうにしつつも皆笑顔となった、やはり甘い物を食するのは至福なのである、暫くの間、あーだこーだと試作品に関わる話題で盛り上がり、やがて、レアンとライニールは寮を辞した、エレインと軽く仕事の話しを交わし二人はエレインとミナに見送られて馬車へ乗り込む、街路は未だ輝く光柱のお陰で明るく、かなり減った様子ではあるが学園から帰る見物客と思しき人波があった、この人波も今日で終わるのであろうかとエレインは軽く眺めて食堂へ戻る、食堂では新入生達は流石に食べ過ぎたのか言葉少なくなっており、ユーリが厨房に首を突っ込んで、
「あー、ソフィアー、お湯ある?」
「あるけど、何に使うの?」
「身体拭きたくてさー、一応明日から仕事だしねー、さっぱりしたいなーって」
「あら、毎日でもいいのよ」
「それはめんどい」
「もー」
気楽な遣り取りを交わしていた、
「あっ、なら、私も頂けますか?」
エレインはそれも良いなとユーリに便乗する事にした、
「あら・・・なら、いっその事ちゃんと沸かすから、皆で身体洗いなさい」
「そうですね、そうしましょうか」
新生活に向けた最後の夜である、エレインは生徒達に湯浴みを勧め、そういう事ならと皆ゆっくりと腰を上げるのであった。
「うん、満足だ、苦味が美味しいとは新しい感覚だな」
レアンは白湯を手にして御満悦となり、
「そうですね、素朴な感じも良かったです」
エレインがニコニコと相手をしている、
「うー、お嬢様、大人だー」
ミナは残念そうにテーブルに顎を載せていた、ミナはあれほど甘く美味しい実のアケビなのである、皮もそれに準じて美味しいものだと思い込んでいたのだ、ソフィアが何度もニガイと言っていたにも関わらず、灰汁抜きとやらをすれば甘い物になっているだろうと幼児らしく想像していたのであるが、結果はあの有様である、
「ふふん、ミナもそのうち旨いと感じるであろう」
余裕の笑みを湛えるレアンとその隣りで気まずそうにしているライーニルである、
「じゃ、どうしましょうか、料理の仕方はなんとなく分かりました?」
ソフィアが食器を下げて小さな籠を持って食堂へ戻ってきた、手伝っていたオリビアとレスタも続いている、
「そうだの、肉詰めの焼き物は良い味であった、あれを屋敷でも食べたいのう」
「それは良かった、鳥肉で調理しましたけど獣肉でも美味しいと思いますよ、こちらをどうぞ」
ソフィアが籠をレアンに差し出す、
「これは?」
「灰汁抜きを終えたアケビです、それと、アケビのジャムですね、こちらも美味しいですよ」
「ほう、それは嬉しい」
サッと籠に掛けられた布を外して覗き込み、
「こんなに良いのか?」
顔を上げるレアンに、
「ふふ、ユスティーナ様と領主様に、あっ、それとジャムはユーリが作ったものです、領主様にはそうお伝えください」
ユーリがいらん事をと目を細めてソフィアを睨む、
「うむ、確かに伝えよう、では、有難く頂いていきます」
「はい」
笑顔を交わし合う二人を見て、ジャネットはアッと大声を上げて腰を上げると、
「忘れてた、新作があります、こちらもお試し下さい」
と事務所から持参した籠をテーブルに置いた、フワリと甘く香ばしい香りが漂う、
「そうですね、こちらもありましたね」
エレインも腰を上げると籠に掛けられた布を取り外し、
「えーと、では、どうしようかしら、ジャネットさんお願いできる?」
一同の視線が籠に集中し、ユーリまでもが腰を上げて覗き込んでいる、
「はい、勿論、えっとですね」
とジャネットは籠を傾けて中身を見せると、
「ドーナッツの商品開発を致しました、今日試して欲しいのは2種類あります」
おおーっと女性達は歓声を上げる、
「どちらも自信作なのですが、あー、どうしようか、一人一個で数は足りるかな?」
「私達はいいよ、もう食べたし」
ケイスがジャネットを見上げ、テラやオリビアも同意のようでうんうんと頷いている、
「そっか、じゃ、新人さんと、ミナっちとレインちゃんとソフィアさんにユーリ先生、レアンお嬢様とライニールさんと・・・うん、ユスティーナ様の分もあるね、じゃ、一人一個で」
ジャネットは籠の中身を確認し、
「えっと、じゃ、どうしようかな?まずは見た目から感想が欲しいです」
オリビアが気を利かして小皿を数枚厨房から持って来ると、ジャネットはそれに2種の試作品を載せて、見やすい位置に押しやる、
「わっ、可愛いですね」
「うん、三角だー、まん丸だー」
「ドーナッツじゃないんですか?」
「見た感じはドーナッツだね、穴が無いけど・・・」
「そのようね」
「何が違うの?」
「ふふーん、えっとですね」
ジャネットは感触の良さを感じつつ、開発の経緯を語る、それは事務所にて実際に作った際の話しであり、ドーナッツの中央が抜かれている理由、それからカスタードとホイップを入れてみてはとのリーニーの案、実際に入れてみた際の苦労話等となる、
「へー、そうなんだー、知らなかったわー」
ソフィアが穴の理由に目から鱗と驚いており、
「やってみないと分からないものなのね」
とユーリは大したもんだと頷いた、
「そうなんですよー、で、この三角のがカスタード入りで、丸いのがホイップ入りです」
「形を変えたのはどうして?」
「単純ですね、見た目が同じだと作ってる方も分からなくなるかなってリーニーさんが、それと、折角ほら、ドーナッツが楽しい見た目ですからね、なら形も面白くしないと合わないかなって」
「へー、考えたわねー」
「そうですね、これなら楽しい感じです、食べやすそうですし」
「えへへ、そう言って頂けると嬉しいですね、では、味の方も御意見下さい」
ジャネットが説明している間にオリビアとケイスは小皿に盛り付けてそれぞれにそっと配膳を済ませており、至れり尽くせりの対応に新入生達は戸惑いつつも、嬉しそうに試作品へ手を伸ばす、
「あっ、どうかな、申し訳ないんだけど、丸い方から、ホイップ入りなんですけど、甘さ控えめなので、そっちから食べて貰えると嬉しいかな」
ジャネットが慌ててお願いごとである、実際に自分が試食した際には先にカスタードを食べてしまい、ホイップ入りの味が今一つボケてしまったのである、茶請けとして供されるのであれば茶がある為に食する順番は特に気にする事はないであろうが、今一同が手にしているのは白湯であった、白湯では口中に残る甘味を消去できないであろうとの気遣いである、
「じゃ、丸い方から」
「ありがとうございます」
そして、皆一斉に齧り付き、静かな食堂に控えめな咀嚼音が響く、
「うん、美味しい」
「これは、素晴らしいです」
「ホイップの甘さが良いですね」
「カリカリでフワフワだー、うふふー、ミナこれ好きー」
「甘すぎなくていいですね」
「食べやすい・・・美味しい・・・」
どうやら好評のようである、それも致し方無い事とも言える、先輩達の作った品を不味いと言える状況ではないし、なによりもホイップクリームを飽きるほどに食べてはいないのだ、美味しく感じるのは当然と言えば当然なのである、
「でしょー、大きさとかどうかな?大きすぎない?それとも小さい?」
ジャネットが懸念していた事を問いかける、こればかりは個々人で大きく違う点である、より多くの意見が欲しいのであろう、
「うーん、私は丁度良いかなって思います」
「そう?一つじゃ足りない感じする」
「ミナには多そうだけどね」
「むー、大丈夫、食べれるー」
「そう?お腹苦しくない?」
「平気ー」
「夕食の後だからね、お腹空いてる時だと・・・二つは欲しくなるかな?」
「じゃ、丁度いいんじゃない?」
「そだね」
新入生達からはこの環境にだいぶ慣れたのか素直な意見が出されており、ユーリやレアンも小腹が空いた時には丁度良いとの意見であった、ジャネットはそれらを笑顔を浮かべて真摯に受け取り、
「じゃ、次はカスタードを、あっ、慌てないでゆっくりでいいです」
少々急いで先を促してしまう、
「慌ててるのはジャネットだよー」
ケイスがそれを笑いに変えて、皆、頬を膨らませて笑顔になった、やがて、カスタードに手が伸び、こちらも好評のようである、
「うん、カスタードの方が甘さが強めなんだね」
「カスタードの味ですね、生地は同じなんです、どちらも甘くしてないので」
「生地は薄い?」
「はい、教えてもらった生地を若干固くして薄くして使ってます、カスタードは四角に切ってそれで包んでます、ホイップのは生地を二枚で挟んでます、さらに薄くして」
「へー、面白いね、見た目の為?」
「そうですね、それと作り易さ?なんぼでも簡単な方がいいかなって」
「そっか、なるほどね、考えたわねー」
「えへへ、ソフィアさんにそう言って頂けると嬉しいです」
でへへとだらしない笑顔を見せるジャネットと、こちらも嬉しそうに微笑むケイスである、
「うん、これは売れるな、間違いない」
レアンが満足そうに宣言し、
「ありがとうございます」
エレインも嬉しそうに笑顔を浮かべた、そして、夕食の後にもかかわらず二つの試作品はペロっと胃に収まり、やや苦しそうにしつつも皆笑顔となった、やはり甘い物を食するのは至福なのである、暫くの間、あーだこーだと試作品に関わる話題で盛り上がり、やがて、レアンとライニールは寮を辞した、エレインと軽く仕事の話しを交わし二人はエレインとミナに見送られて馬車へ乗り込む、街路は未だ輝く光柱のお陰で明るく、かなり減った様子ではあるが学園から帰る見物客と思しき人波があった、この人波も今日で終わるのであろうかとエレインは軽く眺めて食堂へ戻る、食堂では新入生達は流石に食べ過ぎたのか言葉少なくなっており、ユーリが厨房に首を突っ込んで、
「あー、ソフィアー、お湯ある?」
「あるけど、何に使うの?」
「身体拭きたくてさー、一応明日から仕事だしねー、さっぱりしたいなーって」
「あら、毎日でもいいのよ」
「それはめんどい」
「もー」
気楽な遣り取りを交わしていた、
「あっ、なら、私も頂けますか?」
エレインはそれも良いなとユーリに便乗する事にした、
「あら・・・なら、いっその事ちゃんと沸かすから、皆で身体洗いなさい」
「そうですね、そうしましょうか」
新生活に向けた最後の夜である、エレインは生徒達に湯浴みを勧め、そういう事ならと皆ゆっくりと腰を上げるのであった。
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