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本編
75話 茶店にて その51
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「戻ったよー」
タロウが階段から恐る恐ると食堂に入ると、
「あらお帰り」
「なんだー、もう帰ったのー」
「早くないですか?」
「ですねー、タロウさんは真面目だなー」
「ですねー」
ソフィアとユーリ、研究所組の三人にテラとエルマがテーブルを囲んでおり、ミナは寝台の上で毛布を被って丸まっていた、その隣りにももう一つ毛布の小山が出来ている、タロウはん?と首を傾げ、アッとすぐに気付いた、食堂内が見事に酒臭い、さらにはテーブルには湯呑とつまみと思しき小皿が並んでおり、よく見ればピーナッツやら小さく刻まれた干し肉のようで、
「あー・・・そっか、こっちも飲み会?」
「そうよー、女だけの飲み会ねー」
ソフィアがニヤリと微笑み、
「楽しかったのになー」
ブーとタロウを睨むユーリ、
「もう、またそんな事言ってー」
テラが目を細めてユーリを睨み、
「何度でも言うわよー、気兼ねなく飲めるのは幸せってものなのよー」
上機嫌に微笑み杯を呷るユーリである、
「あー、悪いね、邪魔して」
タロウはそういう事ならさっさと逃げようかと厨房へ向かうも、
「待ちなさい、で、学園長とそのなんとかって人」
「司法長官ですよ」
「確か子爵様ですよ」
サビナとゾーイが即座につっこみ、ユーリはムッと二人を睨みつけ、
「誰でもいいわよ、で、何の話しだったのよ」
サッとタロウを睨み上げる、
「何の話しって、大したもんじゃないよ」
「いいえ、絶対大したもんでしょ」
「決めつけるなよ」
「決めつけるわよ」
「あのなー・・・」
ユーリはすっかり酔っぱらっているようで、他の面々もニヤニヤとタロウを見上げている、
「まぁ・・・ほら、別になんだ、司法長官様がね、フィロメナさんの店の常連さんだったらしくてさ、最近行ってなかったから丁度良いから一緒にって、感じだったんだよ」
「へー・・・そのなんとか長官ってあれでしょ、なんか堅物で有名なんでしょ」
「らしいけど、いくら堅物って言ってもさ、そりゃ趣味もあれば楽しみもあるだろ」
「趣味ねー」
「楽しみねー」
ユーリとゾーイが呆れたようにタロウを見つめる、どうやらゾーイは司法長官を知っているらしい、まぁ、ロキュスの助手のような仕事をしていれば王家にも出入りしており、王城で会った事もあるのであろう、もしくは噂でも耳に入れていたか、いずれにしろ司法長官も噂になりやすい人物で顔も広ければ名も売れているという事であった、
「そうですね、あの先生は切り替えがハッキリしている方ですから」
エルマが懐かしそうに微笑む、
「そうなの?」
「ですよ、家庭教師をしていた頃も・・・あっ、あれです陛下と一緒にあっちこっちと飲みに行ってたとかいないとか」
ウフフと微笑するエルマ、陛下ねーとユーリが呟き、その言い方はどうだろうとテラが睨む、
「うちの師匠もそんな感じでした、陛下が好きなんですよ、お酒もですけど、遊女屋さんとか、うん、そんな感じだったと思います」
大きく頷くゾーイである、ゾーイもまた顔を真っ赤に染めている、どうやら酒が表に出るタイプらしい、これはこれで可愛らしいなとタロウは思いつつ、
「あっ、エルマさん大丈夫?体調とか?」
と一応気を遣ってみた、ソフィアもレインも側にいたであろうからその点は何も心配していなかったが、話題を変えるには丁度良いと考えての一言である、
「はい、快調です、お酒もすごい美味しいです」
明るく笑って杯を呷るエルマである、一杯だけと思っていたが結局クイクイと楽しんでしまっている、懸念していた体調も問題無いように思う、問題があるとすれば久しぶりの酒とあって少しのまれているようで、自制が必要だと理性が主張している事であろうか、しかし冷静にそう思えるのであればまだ大丈夫だとエルマは判断している、故にこの一杯で終わりにしようと考えるも、結局そう考えつつ五杯は飲んでいた、酒の魔力とは恐ろしいなと思いつつ、楽しいものだから止められなかったりもする、
「ありゃ、ならいいけど・・・」
タロウがソフィアを伺うと、ソフィアはニコリと微笑む、どうやら心配ないとの答えであろう、タロウはそう解釈し、
「ん、ならいいけどね、じゃ、俺は・・・」
と厨房へ向かうも、
「待ちなさい、座りなさい」
ユーリの落ち着いた厳しい声がその背を襲う、エッと振り返るタロウ、
「なによ、あんたも少しは酔った顔して帰ってきなさいよ、夫婦二人でまるで酔った風じゃないのよね」
ユーリがギラリとソフィアを横目で睨み、ソフィアはなによと睨み返す、
「俺は充分酔ってるよ」
「嘘おっしゃい、ほれ、私の酒が飲めないって言うのかしら?」
ガッと空いた杯を手にして酒を注ぐユーリ、見れば酒樽が一つ床に転がっており、どうやらそちらは空であるらしい、また随分とおっさんみたいな事を言い出してとタロウは顔を顰め、
「・・・だってさ、女の世界に邪魔しちゃ悪いじゃん?」
「今更何よ、ほれ、座れ、飲め」
ダンッと杯を叩き付けるユーリ、もうと微笑む女性達である、タロウはまぁいいかと空いた席に腰を下ろした、タロウの体内時計だとまだ20時か21時かの夜はこれからの時間帯で、宵の口としては若干過ぎた程度である、しかし王国民はもう寝る時間であり、実際生徒達の姿が無い所を見るに皆自室に戻ったのであろう、ここにいるのは大人達ばかりで、さらには今朝の様子を考えるにエルマを中心にして楽しんでいる筈で、しかしどう見てもユーリが中心となっているあたり、まぁ、こうなるだろうなとタロウは状況を察してしまう、
「はいはい頂くよ」
タロウも酒は嫌いでは無い、杯に手を伸ばしクッと喉に流し込む、王国のワインは酒というよりもぶどうジュースに近い、甘ったるくて酸味が強く、アルコースは薄かった、それでもやはり酒は酒である、しっかり酔えるし慣れれば旨い、逆にこの飲み易さが悪酔いの原因だよなとタロウは思う、
「うむ、それでいいわ」
ニヤリと微笑むユーリ、この酔っぱらいはとタロウは目を細める、そして再び女性達は楽しそうに話し始めたようで、カトカがテラを捕まえ湯たんぽがどうのこうのと言い出し、ゾーイは枕が無かったと不満そうであった、どうやら店の品揃えに話題が移ったようで、そう言えば確かに枕が無かったなと微笑むタロウ、しかし若干棚には空きがあった為そこに並べるのかな等と思っていると、
「あっ、そうだ、タロウさん」
エルマがふと顔を上げた、ん?と視線だけを向けるタロウ、
「エルフってホントにいるんですか?」
純粋な疑問であった、他の面々もオッとエルマを見つめてからタロウへ視線を向け、ソフィアはめんどくさそうに口元を歪めている、
「んー、いるよー」
適当に答えるタロウである、この質問は幾度目かであった、そりゃ気になるだろうなと思う、タロウからすれば河童が実在するとか天狗がいるとかそういうレベルなんだろうなとフト思い立ち、だとすれば気にならない訳もない、実際タロウもそれらが実在するとなれば是非見てみたいし会ってみたいと思うはずで、
「そう言われてもねー・・・」
ブスーっとユーリがタロウを睨み、カトカやゾーイもどうしたもんだかと首を傾げた、タロウは勿論ソフィアの話しを聞く限りその存在は疑いようがないのであるが、その二人共が関わるなと明言している、そう言いつつも事あるごとに口にし、特に美容に関しても医療に関しても彼らの技術を好き放題扱っているように見える、気にならないほうがおかしいというものであった、
「だって、日傘もだし、エルマさんの治療もだって、エルフさんの技術だよ、俺が発見した訳でも開発した訳でもないし」
「そうでしょうけど・・・」
エルマはムーと眉を顰める、その気持ちは良く分かると大きく頷く研究所の三人とテラ、ソフィアもまぁねーと遠い目をして暖炉を見つめてしまう、
「まぁ、ほら、世の中は広くて不可思議な事ばかりだよ、第一君らは帝国の人さえ見た事無いだろ?」
ニヤリと微笑むタロウ、そう言われればそうかもなと思う女性達、どうやらこの街や王国を狙って軍を動かしているとは聞いているが、今現在、その帝国に所属するであろう者を目にする事は無かった、
「帝国の人はね、俺らとそう変わらないからね、言葉が通じない程度の違いしかない、って事はだ、言葉が分かれば普通の人だし、そりゃ少々常識は違うだろうけど、まぁ、それほどズレた価値観ではないからね・・・それよりも」
タロウはサッサと話題を変えようと思う、どうせ皆酔っぱらっているのだ、一晩で忘れるような話題であればより明るく楽しい方が良いであろうと思うも、
「他にはないの?エルフの面白い技術・・・」
ユーリが口を挟み引き継いだようである、エルフの存在そのものをどうのこうの言ってもタロウとソフィアは有耶無耶にするだけであろう、となれば別の視点で情報を引き出すのが得策でる、酔い乍らもしっかりと頭は回転しているらしい、
「面白い?」
「うん、ヒガサも面白かったけど、あれはなかなかに興味深いわね、で、他には?」
「他にって・・・なにかあったかな?」
ワインを舐めつつソフィアに確認するタロウ、ソフィアはこっちに話しを振るなとばかりに目を細めて杯を口に運ぶ、
「なによ、あるんでしょ?」
ニヤリと二人を交互に見つめるユーリ、カトカやサビナ、テラもエルマもどうやら他にもあるらしいと静かに先を待つ、
「・・・まぁ、あるけど・・・」
ソフィアがポツリと呟いた、
「でしょうね、で、どんなの?」
「どんなのって言われても・・・どうかしら?」
「どうかしらって言われても・・・どうよ?」
ソフィアとタロウが何やら目配せしあい、モウと苦笑しワインを傾ける一同、ここで変にせっついても無駄である事はユーリは勿論テラやサビナも理解している、ここは待ちの一手であった、
「・・・あれは?ほら、あんたが試してすんげー気持ちいいって言ってた・・・」
「あー、あれは再現できるか・・・」
「何よそれ?」
やっと出て来たと微笑むユーリ、ニヤリとほくそ笑む研究所の三人である、
「んー・・・まぁ、難しくないんだが、後始末が大変でなー」
「ねー、綺麗な川か滝か、風呂場でやるにはちょっとねー・・・出来なくは無いけど・・・まぁ、出来るか・・・」
「そうなんだよなー、サイッコーに気持ち良いんだけどねー」
「そうみたいねー」
「お前もやればよかったんだよ」
「嫌よ」
「見た目ほど悪くないぞ」
「あれで見た目通り酷かったらやる価値ないわよ、第一・・・あんたもだって死にかけてなかった?」
「そう見えたのか?」
タロウの静かな問いに、小さく頷くソフィア、何だそれはと目を輝かせる大人達、
「まぁ・・・想像するにそうかもなー・・・」
タロウはすぐに納得したらしい、
「・・・それ、前に言ってたやつ?」
ユーリがジロリとソフィアを睨む、
「・・・言ったかしら?」
「違うの?」
「私としては、お肌の手入れだけで十分と思うけどねー・・・まぁ、興味があればやってみれば?実際難しくないし」
「だから、なんなのよ」
さらに目を細めるユーリ、ソフィアはもうと顔を顰めてタロウを伺う、
「・・・まぁ、難しくは無いんだけどね・・・ユーリ、よく考えてみろ、ソフィアがこんだけ嫌がるんだぞ、俺としては月に一度はやってもいいかと思うし、エルフさん達もそのくらいの頻度で楽しんでいるんだが・・・うん、そういう事だ」
どうやらタロウも乗り気では無いらしい、ムッとユーリが小首を傾げ、
「ですからー、何なんですかそれー」
カトカが居ても立っても居られず口を挟む、
「あー・・・えっとな」
タロウは仕方が無いと詳細を語り出す、エルフが秘薬とする液体があるらしく、それ自体の製法はタロウもしっかりと聞き取っており、再現は難しくないのだとか、しかし問題はその効能である、湯呑に一杯程度を一気に飲むらしいのだが、その途端体中からあらゆる液体と固体が強制的に排出され、その間は身動きも出来ない程の快感で、やがてその排出が一段落すると得も言われぬ解放感と共に身体全体が軽くなり生まれ変わったような感覚となるらしい、
「それは・・・」
「固体って・・・」
「うん、固体・・・飲みながら話す内容じゃないけどね、そういう事」
「・・・なるほど・・・」
「液体ってあれですか、血とかですか?」
「うんにゃ、汗とか涙とか鼻水とか・・・あと、下も?あと、母乳」
「母乳って・・・」
エッと目を見開く女性達、
「うん、母乳、男も出るんだぞ、母乳」
さらにエッと驚く女性達である、タロウは精液もと言いかけて黙り込む、酔っているとはいえ女性達相手に話す事では無かった、まぁ、相手がクロノス達であれば平気で口にしていたであろうけれども、
「まぁ、ごく少量だけどな、俺も実際出たし、エルフさんもビックリしてた」
アッハッハと笑うタロウ、ムッと顔を顰めるしかない女性達である、
「まぁ、そんな感じでね、何て言うか・・・うん、身体の中のね、余剰な水分とか、腸の中の溜まったものとか、そういうのを全部かな、強制的に排出する薬でね、なもんで・・・想像してみ、どういう状態になるか・・・」
ニヤリと顔を歪めるタロウ、ソフィアはまったくと目を細め、女性達はウッと言葉を詰まらせる、
「まぁ、エルフさんもね、子供には使わないし、大人でも月に一度以上やるなって感じなんだけど、これがまた気持ちいいんだよ、うん、何度も言うけど生まれ変わった気分?頭も身体もスッキリしてね、で、爽快・・・って感じ、若返った感じでね、その後に飲む水の美味い事といったら・・・あっ、注意点としてはその日は食事をしない事かな、胃の中に何か残ってたらそれも出て来るって言ってたなー・・・」
「・・・それ、毒薬じゃないの?」
ユーリが聞かなきゃよかったと眉を顰める、
「そだね、毒薬に近いだろうね、でも、まぁ、良く効く薬って毒と変わらんし」
「そういうもんなの?」
「そういうもんだよ、どう?試してみる?美容にも良いし、健康にも良いぞ、用意しようと思えば簡単・・・でもないか、少しばかりあれだな、調達と仕込みに手間がかかるけど、作れなくはない」
「止めとく」
ユーリがあっさりと答え、それがいいわよとソフィアは苦笑する、ですねと頷く他一同、
「ありゃ、折角お風呂もあるんだし、後始末が大変だけど、あれだぞ、病み付きになるぞ」
ニヤーと意地の悪い笑みを浮かべるタロウ、
「フン、言ってなさい、酒がまずくなるわ、これはここまで、あっ、で、あんた、あれで何やるのよ」
ユーリが食堂の壁際に並んだ二つのガラス容器に視線を向けた、納品したと報告されていたショーケースである、
「あっ、ここに置いてたの?」
と嬉しそうに席を立つタロウであった。
タロウが階段から恐る恐ると食堂に入ると、
「あらお帰り」
「なんだー、もう帰ったのー」
「早くないですか?」
「ですねー、タロウさんは真面目だなー」
「ですねー」
ソフィアとユーリ、研究所組の三人にテラとエルマがテーブルを囲んでおり、ミナは寝台の上で毛布を被って丸まっていた、その隣りにももう一つ毛布の小山が出来ている、タロウはん?と首を傾げ、アッとすぐに気付いた、食堂内が見事に酒臭い、さらにはテーブルには湯呑とつまみと思しき小皿が並んでおり、よく見ればピーナッツやら小さく刻まれた干し肉のようで、
「あー・・・そっか、こっちも飲み会?」
「そうよー、女だけの飲み会ねー」
ソフィアがニヤリと微笑み、
「楽しかったのになー」
ブーとタロウを睨むユーリ、
「もう、またそんな事言ってー」
テラが目を細めてユーリを睨み、
「何度でも言うわよー、気兼ねなく飲めるのは幸せってものなのよー」
上機嫌に微笑み杯を呷るユーリである、
「あー、悪いね、邪魔して」
タロウはそういう事ならさっさと逃げようかと厨房へ向かうも、
「待ちなさい、で、学園長とそのなんとかって人」
「司法長官ですよ」
「確か子爵様ですよ」
サビナとゾーイが即座につっこみ、ユーリはムッと二人を睨みつけ、
「誰でもいいわよ、で、何の話しだったのよ」
サッとタロウを睨み上げる、
「何の話しって、大したもんじゃないよ」
「いいえ、絶対大したもんでしょ」
「決めつけるなよ」
「決めつけるわよ」
「あのなー・・・」
ユーリはすっかり酔っぱらっているようで、他の面々もニヤニヤとタロウを見上げている、
「まぁ・・・ほら、別になんだ、司法長官様がね、フィロメナさんの店の常連さんだったらしくてさ、最近行ってなかったから丁度良いから一緒にって、感じだったんだよ」
「へー・・・そのなんとか長官ってあれでしょ、なんか堅物で有名なんでしょ」
「らしいけど、いくら堅物って言ってもさ、そりゃ趣味もあれば楽しみもあるだろ」
「趣味ねー」
「楽しみねー」
ユーリとゾーイが呆れたようにタロウを見つめる、どうやらゾーイは司法長官を知っているらしい、まぁ、ロキュスの助手のような仕事をしていれば王家にも出入りしており、王城で会った事もあるのであろう、もしくは噂でも耳に入れていたか、いずれにしろ司法長官も噂になりやすい人物で顔も広ければ名も売れているという事であった、
「そうですね、あの先生は切り替えがハッキリしている方ですから」
エルマが懐かしそうに微笑む、
「そうなの?」
「ですよ、家庭教師をしていた頃も・・・あっ、あれです陛下と一緒にあっちこっちと飲みに行ってたとかいないとか」
ウフフと微笑するエルマ、陛下ねーとユーリが呟き、その言い方はどうだろうとテラが睨む、
「うちの師匠もそんな感じでした、陛下が好きなんですよ、お酒もですけど、遊女屋さんとか、うん、そんな感じだったと思います」
大きく頷くゾーイである、ゾーイもまた顔を真っ赤に染めている、どうやら酒が表に出るタイプらしい、これはこれで可愛らしいなとタロウは思いつつ、
「あっ、エルマさん大丈夫?体調とか?」
と一応気を遣ってみた、ソフィアもレインも側にいたであろうからその点は何も心配していなかったが、話題を変えるには丁度良いと考えての一言である、
「はい、快調です、お酒もすごい美味しいです」
明るく笑って杯を呷るエルマである、一杯だけと思っていたが結局クイクイと楽しんでしまっている、懸念していた体調も問題無いように思う、問題があるとすれば久しぶりの酒とあって少しのまれているようで、自制が必要だと理性が主張している事であろうか、しかし冷静にそう思えるのであればまだ大丈夫だとエルマは判断している、故にこの一杯で終わりにしようと考えるも、結局そう考えつつ五杯は飲んでいた、酒の魔力とは恐ろしいなと思いつつ、楽しいものだから止められなかったりもする、
「ありゃ、ならいいけど・・・」
タロウがソフィアを伺うと、ソフィアはニコリと微笑む、どうやら心配ないとの答えであろう、タロウはそう解釈し、
「ん、ならいいけどね、じゃ、俺は・・・」
と厨房へ向かうも、
「待ちなさい、座りなさい」
ユーリの落ち着いた厳しい声がその背を襲う、エッと振り返るタロウ、
「なによ、あんたも少しは酔った顔して帰ってきなさいよ、夫婦二人でまるで酔った風じゃないのよね」
ユーリがギラリとソフィアを横目で睨み、ソフィアはなによと睨み返す、
「俺は充分酔ってるよ」
「嘘おっしゃい、ほれ、私の酒が飲めないって言うのかしら?」
ガッと空いた杯を手にして酒を注ぐユーリ、見れば酒樽が一つ床に転がっており、どうやらそちらは空であるらしい、また随分とおっさんみたいな事を言い出してとタロウは顔を顰め、
「・・・だってさ、女の世界に邪魔しちゃ悪いじゃん?」
「今更何よ、ほれ、座れ、飲め」
ダンッと杯を叩き付けるユーリ、もうと微笑む女性達である、タロウはまぁいいかと空いた席に腰を下ろした、タロウの体内時計だとまだ20時か21時かの夜はこれからの時間帯で、宵の口としては若干過ぎた程度である、しかし王国民はもう寝る時間であり、実際生徒達の姿が無い所を見るに皆自室に戻ったのであろう、ここにいるのは大人達ばかりで、さらには今朝の様子を考えるにエルマを中心にして楽しんでいる筈で、しかしどう見てもユーリが中心となっているあたり、まぁ、こうなるだろうなとタロウは状況を察してしまう、
「はいはい頂くよ」
タロウも酒は嫌いでは無い、杯に手を伸ばしクッと喉に流し込む、王国のワインは酒というよりもぶどうジュースに近い、甘ったるくて酸味が強く、アルコースは薄かった、それでもやはり酒は酒である、しっかり酔えるし慣れれば旨い、逆にこの飲み易さが悪酔いの原因だよなとタロウは思う、
「うむ、それでいいわ」
ニヤリと微笑むユーリ、この酔っぱらいはとタロウは目を細める、そして再び女性達は楽しそうに話し始めたようで、カトカがテラを捕まえ湯たんぽがどうのこうのと言い出し、ゾーイは枕が無かったと不満そうであった、どうやら店の品揃えに話題が移ったようで、そう言えば確かに枕が無かったなと微笑むタロウ、しかし若干棚には空きがあった為そこに並べるのかな等と思っていると、
「あっ、そうだ、タロウさん」
エルマがふと顔を上げた、ん?と視線だけを向けるタロウ、
「エルフってホントにいるんですか?」
純粋な疑問であった、他の面々もオッとエルマを見つめてからタロウへ視線を向け、ソフィアはめんどくさそうに口元を歪めている、
「んー、いるよー」
適当に答えるタロウである、この質問は幾度目かであった、そりゃ気になるだろうなと思う、タロウからすれば河童が実在するとか天狗がいるとかそういうレベルなんだろうなとフト思い立ち、だとすれば気にならない訳もない、実際タロウもそれらが実在するとなれば是非見てみたいし会ってみたいと思うはずで、
「そう言われてもねー・・・」
ブスーっとユーリがタロウを睨み、カトカやゾーイもどうしたもんだかと首を傾げた、タロウは勿論ソフィアの話しを聞く限りその存在は疑いようがないのであるが、その二人共が関わるなと明言している、そう言いつつも事あるごとに口にし、特に美容に関しても医療に関しても彼らの技術を好き放題扱っているように見える、気にならないほうがおかしいというものであった、
「だって、日傘もだし、エルマさんの治療もだって、エルフさんの技術だよ、俺が発見した訳でも開発した訳でもないし」
「そうでしょうけど・・・」
エルマはムーと眉を顰める、その気持ちは良く分かると大きく頷く研究所の三人とテラ、ソフィアもまぁねーと遠い目をして暖炉を見つめてしまう、
「まぁ、ほら、世の中は広くて不可思議な事ばかりだよ、第一君らは帝国の人さえ見た事無いだろ?」
ニヤリと微笑むタロウ、そう言われればそうかもなと思う女性達、どうやらこの街や王国を狙って軍を動かしているとは聞いているが、今現在、その帝国に所属するであろう者を目にする事は無かった、
「帝国の人はね、俺らとそう変わらないからね、言葉が通じない程度の違いしかない、って事はだ、言葉が分かれば普通の人だし、そりゃ少々常識は違うだろうけど、まぁ、それほどズレた価値観ではないからね・・・それよりも」
タロウはサッサと話題を変えようと思う、どうせ皆酔っぱらっているのだ、一晩で忘れるような話題であればより明るく楽しい方が良いであろうと思うも、
「他にはないの?エルフの面白い技術・・・」
ユーリが口を挟み引き継いだようである、エルフの存在そのものをどうのこうの言ってもタロウとソフィアは有耶無耶にするだけであろう、となれば別の視点で情報を引き出すのが得策でる、酔い乍らもしっかりと頭は回転しているらしい、
「面白い?」
「うん、ヒガサも面白かったけど、あれはなかなかに興味深いわね、で、他には?」
「他にって・・・なにかあったかな?」
ワインを舐めつつソフィアに確認するタロウ、ソフィアはこっちに話しを振るなとばかりに目を細めて杯を口に運ぶ、
「なによ、あるんでしょ?」
ニヤリと二人を交互に見つめるユーリ、カトカやサビナ、テラもエルマもどうやら他にもあるらしいと静かに先を待つ、
「・・・まぁ、あるけど・・・」
ソフィアがポツリと呟いた、
「でしょうね、で、どんなの?」
「どんなのって言われても・・・どうかしら?」
「どうかしらって言われても・・・どうよ?」
ソフィアとタロウが何やら目配せしあい、モウと苦笑しワインを傾ける一同、ここで変にせっついても無駄である事はユーリは勿論テラやサビナも理解している、ここは待ちの一手であった、
「・・・あれは?ほら、あんたが試してすんげー気持ちいいって言ってた・・・」
「あー、あれは再現できるか・・・」
「何よそれ?」
やっと出て来たと微笑むユーリ、ニヤリとほくそ笑む研究所の三人である、
「んー・・・まぁ、難しくないんだが、後始末が大変でなー」
「ねー、綺麗な川か滝か、風呂場でやるにはちょっとねー・・・出来なくは無いけど・・・まぁ、出来るか・・・」
「そうなんだよなー、サイッコーに気持ち良いんだけどねー」
「そうみたいねー」
「お前もやればよかったんだよ」
「嫌よ」
「見た目ほど悪くないぞ」
「あれで見た目通り酷かったらやる価値ないわよ、第一・・・あんたもだって死にかけてなかった?」
「そう見えたのか?」
タロウの静かな問いに、小さく頷くソフィア、何だそれはと目を輝かせる大人達、
「まぁ・・・想像するにそうかもなー・・・」
タロウはすぐに納得したらしい、
「・・・それ、前に言ってたやつ?」
ユーリがジロリとソフィアを睨む、
「・・・言ったかしら?」
「違うの?」
「私としては、お肌の手入れだけで十分と思うけどねー・・・まぁ、興味があればやってみれば?実際難しくないし」
「だから、なんなのよ」
さらに目を細めるユーリ、ソフィアはもうと顔を顰めてタロウを伺う、
「・・・まぁ、難しくは無いんだけどね・・・ユーリ、よく考えてみろ、ソフィアがこんだけ嫌がるんだぞ、俺としては月に一度はやってもいいかと思うし、エルフさん達もそのくらいの頻度で楽しんでいるんだが・・・うん、そういう事だ」
どうやらタロウも乗り気では無いらしい、ムッとユーリが小首を傾げ、
「ですからー、何なんですかそれー」
カトカが居ても立っても居られず口を挟む、
「あー・・・えっとな」
タロウは仕方が無いと詳細を語り出す、エルフが秘薬とする液体があるらしく、それ自体の製法はタロウもしっかりと聞き取っており、再現は難しくないのだとか、しかし問題はその効能である、湯呑に一杯程度を一気に飲むらしいのだが、その途端体中からあらゆる液体と固体が強制的に排出され、その間は身動きも出来ない程の快感で、やがてその排出が一段落すると得も言われぬ解放感と共に身体全体が軽くなり生まれ変わったような感覚となるらしい、
「それは・・・」
「固体って・・・」
「うん、固体・・・飲みながら話す内容じゃないけどね、そういう事」
「・・・なるほど・・・」
「液体ってあれですか、血とかですか?」
「うんにゃ、汗とか涙とか鼻水とか・・・あと、下も?あと、母乳」
「母乳って・・・」
エッと目を見開く女性達、
「うん、母乳、男も出るんだぞ、母乳」
さらにエッと驚く女性達である、タロウは精液もと言いかけて黙り込む、酔っているとはいえ女性達相手に話す事では無かった、まぁ、相手がクロノス達であれば平気で口にしていたであろうけれども、
「まぁ、ごく少量だけどな、俺も実際出たし、エルフさんもビックリしてた」
アッハッハと笑うタロウ、ムッと顔を顰めるしかない女性達である、
「まぁ、そんな感じでね、何て言うか・・・うん、身体の中のね、余剰な水分とか、腸の中の溜まったものとか、そういうのを全部かな、強制的に排出する薬でね、なもんで・・・想像してみ、どういう状態になるか・・・」
ニヤリと顔を歪めるタロウ、ソフィアはまったくと目を細め、女性達はウッと言葉を詰まらせる、
「まぁ、エルフさんもね、子供には使わないし、大人でも月に一度以上やるなって感じなんだけど、これがまた気持ちいいんだよ、うん、何度も言うけど生まれ変わった気分?頭も身体もスッキリしてね、で、爽快・・・って感じ、若返った感じでね、その後に飲む水の美味い事といったら・・・あっ、注意点としてはその日は食事をしない事かな、胃の中に何か残ってたらそれも出て来るって言ってたなー・・・」
「・・・それ、毒薬じゃないの?」
ユーリが聞かなきゃよかったと眉を顰める、
「そだね、毒薬に近いだろうね、でも、まぁ、良く効く薬って毒と変わらんし」
「そういうもんなの?」
「そういうもんだよ、どう?試してみる?美容にも良いし、健康にも良いぞ、用意しようと思えば簡単・・・でもないか、少しばかりあれだな、調達と仕込みに手間がかかるけど、作れなくはない」
「止めとく」
ユーリがあっさりと答え、それがいいわよとソフィアは苦笑する、ですねと頷く他一同、
「ありゃ、折角お風呂もあるんだし、後始末が大変だけど、あれだぞ、病み付きになるぞ」
ニヤーと意地の悪い笑みを浮かべるタロウ、
「フン、言ってなさい、酒がまずくなるわ、これはここまで、あっ、で、あんた、あれで何やるのよ」
ユーリが食堂の壁際に並んだ二つのガラス容器に視線を向けた、納品したと報告されていたショーケースである、
「あっ、ここに置いてたの?」
と嬉しそうに席を立つタロウであった。
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仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
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中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
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「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
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アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
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『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
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追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
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子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
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オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
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※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
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