セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

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79話 兄貴達 その39

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そうして女性達がワチャワチャと楽しそうに、それでもより具体的な内容へと移っていく、こうなると静かにその様子を見守るのはタロウの番となるもので、さて今日はこんなもんだよな、午後になったら昼寝でもしたいなー等とボーっと茶を啜る、よくよく考えれば自分は暇なのである、冬になったと思って放浪を切り上げ、ゆっくり遊んでいようかと思ってこの寮に転がり込んでみたのであるが、すっかり軍のあれやこれやに首を突っ込んでしまい、挙句偉いさん方を振り回してしまっている、少し調子に乗り過ぎたかなと反省するも、相手としても有益であると思われる、なにより役には立っているらしい、ならそれでいいかと一人納得するタロウである、そこへ、

「タロー、いるー・・・」

めんどくさそうな声が階段から響き、ユーリがヌッと顔を出す、

「あっ、ユーリ先生、お世話になってます」

ニコニコとレネイが腰を上げ、フィロメナ達もつられて腰を上げた、あっと背筋を伸ばすユーリ、しかし、

「あー、あんたらかー、ならいいわー」

と両肩の力を抜いてだらしない笑みを浮かべた、

「なんですかそれー」

アハハと笑うフィロメナ達、

「だってさー、この寮ってば来客となると偉い人ばっかりでねー、気が抜けないのよ、めんどくさいことにー」

やれやれと苦笑するユーリ、そして子供達の炬燵を見下ろし、

「なにそれ?」

と首を傾げる、

「ムフフー、変な顔ー」

ミナがニヤーと微笑み、

「変な顔ー」

「ねー、これ、ニャンコー」

「これハナコなのー」

「ユーリもやろー」

ピョンと飛び跳ねるミナ、相手をしているのであろうニコリーネとヘラルダもニコニコとユーリを見上げ、目隠しをしたノーラがナニナニーとキョロキョロしている、

「あー・・・面白そうだけどちょっと忙しくてね、あっ、エレインさん今時間ある?」

エッと首を傾げるエレイン、先程タロウの名を呼んでいたはずで、なぜ自分がとその目には疑問が浮かんでいる、

「・・・まぁ、はい、少しなら?」

しかし答えないわけにもいかず取り合えずと答えてみた、

「そっ、じゃ、タロウと一緒に待ってて・・・あっ、駄目か、お話し中じゃないの?」

邪魔をしたかと頭をかくユーリ、

「あっ、まぁ、大丈夫ですよ、取り合えず・・・」

エレインが視線を戻し、腰を下ろしたフィロメナ達も確かにと頷く、エッそうなの?と首を傾げるタロウ、いつのまにやら幼児教育の話はまとまっていたらしい、結局どういう結論に至ったのかは分からないが、まぁ、彼女達がそう言うのであるからまとまったのだろう、

「そっか・・・じゃ、ついでだ、フィロメナさん達も、テラさんも少し待ってて、学園長呼んで来るわ」

サッと踵を返しそそくさと階段を上がるユーリ、エッと言葉を失くす一同、

「学園長?」

「なんでまた?」

「あっ、ほら、明日の件ですよ」

「あっ・・・でも、だって、それは別にこっちまで来なくても・・・」

タロウとソフィア、テラが顔を見合わせるも、アッとタロウが目を剥いた、なんだと女性達の視線が集まる、

「あれだ、演劇だ・・・」

あーと納得するソフィアとテラ、エレインがゲッと呻き、なんですかそれと目を輝かせる遊女達、

「それもあったわねー、どうなってるの?」

「どうなってるもなにも・・・どうなってるの?」

ソフィアの問いに問いで返すタロウ、

「なに?あんた把握してないの?」

「把握っていってもさ、だって・・・えっ、俺が何かするのか?」

「・・・関係ないか・・・」

「だと思うよ、だって・・・」

何をやっていたんだっけかと首を捻るタロウ、確か演劇を仕立てるにあたって許可が必要な人達に根回しをしていて、その過程で公爵家のトラブルに巻き込まれ、なんとか治めてお茶会で披露して・・・、

「あっ、結局どうなったんだ、エレインさん聞いてる?」

ムーと嫌そうに眉を顰めているエレインに問うタロウ、

「・・・何をですか?」

「ほら、公爵様の名前を出していいかどうかって・・・」

テラもあっそれもあったとポンと手を叩く、興味津々とそのやり取りを見つめる遊女達、

「・・・えっと・・・どうなったんでしょう・・・」

エレインもハテと首を傾げる、確かアンネリーンも前向きであった筈で、夫であり公爵であるクンラートにも読ませると息巻いていたと思う、しかしその後どうなったかはまるで聞いていないし話題にもなっていない、それどころではなかった事もある、まったく毎日毎日忙しいのだ、さらに休日を挟んだこともある、何か忘れているなと感じてはいたが、これのことならどうでもいいかもなと思うエレインであった、

「アンネリーン様には好評であったと思いますよ」

テラがエレインには微塵も配慮せず口を出す、ムッと睨んでしまうエレイン、

「だよね、それは俺もわかるけど・・・まぁ、大丈夫かな・・・そっか、原稿出来上がったのかな学園長・・・好きだなあの人も・・・」

タロウがさてどうしたものかと腕を組んだ、ユーリに捕まった以上ここから逃げる訳にもいかないらしい、エレインも一緒で、フィロメナ達も同席するとなると恐らく感想も求めているのであろう、学園長も物好きな上にマメな人だなーと改めて呆れるタロウである、そして、どういう事なんですかとフィロメナ達が前のめりになり、渋々と語るエレイン、エッと驚く遊女達、そこへ、

「おう、これは華やかじゃなー」

満面の笑みを浮かべた学園長が数冊の冊子を携えて下りて来た、その後ろのユーリはめんどくさそうな呆れ顔である、

「お久しぶりです先生」

フィロメナが腰を上げ、ヒセラとレネイも腰を上げた、炬燵だとめんどくさいだろうなと微笑むタロウ、

「ガクエンチョウセンセイだー」

ミナが大声を上げて飛びあがり、センセイなのーと子供達も振り返る、

「おう、ミナちゃん、息災か?」

「なにそれー」

「元気でやっているかと聞いておる」

「うん、元気ー、ハナコもー、ハナコも元気ー」

パッとハナコを抱いて学園長に駆け寄るミナ、

「おう、聞いておるぞ、ワンコじゃな」

「うん、ハナコなのー、ハナコー、ほら、ガクエンチョウセンセーだよー」

ハナコを差し出すミナ、ハナコは不思議そうに学園長を見つめキューと一声迷惑そうに鳴いたようである、そして、始まったのが、読書会であった、学園長が持ち込んだのは綴られていない演劇の脚本である、先日貴人達やエレイン、タロウらの指摘を受けて書き直した代物らしく、それを昨日事務員達の手を借りて四部ほど複製したのだとか、まずは先に読んでくれと鼻息の荒い学園長、学園長の仕事はどうなっているんだろうかとタロウ達は思うも、そこは口にしない方が良さそうだとユーリの表情を見て口を閉ざし、押し付けられるがまま頁を捲ることになっている、そして写本されたばかりのそれは紐で綴られていなかった、しかしそれが故の利点が発揮される事になる、一頁ごとに回し読みが可能なのである、四部ある為、二人一組か三人一組になって読むことができ、ニコリーネとヘラルダも子供達から解放されて参加している、その間、

「ほう、ショクイクか・・・興味深い・・・」

「はい、大雑把に言うとそんな感じですねー」

炬燵から離れテーブルに腰を下ろしたタロウと学園長が明日の講義について話し込む、ユーリが早速と学園長と事務長に掛け合ってくれたらしく、その打合せの最中にアフラも顔を出したらしい、無論学園長も事務長も断る事など出来ようはずもない、急遽であったが教室が確保される事となった、

「なるほど・・・確かにな・・・それで生活科の講師もか・・・」

「はい、まぁ、それこそ俺の国ではですね、子供の頃から指導される内容なのですよ」

「なんと・・・子供?」

「はい、といってもあれです、ミナのような子供であればね、好き嫌いをしないで食べろ程度なんですが、学園に通う程度の年齢であれば、その意味ですとか、内容ですとか、より詳しくって感じになるのかなと思いますが・・・何より・・・そうですね、QOLってやつですね」

学園長相手ならまぁいいかと英単語を持ち出すタロウ、なんじゃそれはと学園長が食い付く、

「はい、生活の質を向上させるって意味合いです、本来は医療の言葉らしいのですが、まぁ、普通の生活でも使われますね」

「・・・なんと・・・生活の質・・・か・・・」

「はい、食事の質もそうですし、健康で長生きとか、あと・・・あれです、清潔に保つとか、この寮の水道や風呂もその一環と言えば一環、そのおかげかどうかは分かりませんが、この寮の生徒さん達、風邪も病気もしてないでしょ」

ハッと目を見張る学園長、ユーリとソフィア、エレインとテラもアッと振り返る、脚本を読み込みながらも二人の会話は耳に入っていた、ユーリも確かにそうかもなと思う、毎年であればこの季節、体調不良で倒れる生徒が目に付くものだし、流行り病の噂は耳にしないが、寒さで体力を奪われ暗い顔をしている生徒も多い、なにより自分もまるで快調であった、運動不足感はあれど、それとは別にして身体は軽く感じられ、波はあれど快調であったりする、

「まぁ、なのでね、そういった大きな視点での生活の質の向上、その足掛かりとなるのが食育かなと考えております、ほら、毎日風呂に入れとか、清潔を心掛けろと言ってもね、なかなか難しいでしょうから、この寮のように設備を整えない事には・・・貴族様でも難しい・・・無論、最低限の事はできますでしょうけど、それはね、改めて言わずとも出来る事ではあります、なので、気軽に・・・と言っては軽過ぎますけど、何かやるとなるとやはり食事の改良ですね」

「確かに・・・うん、確かにそうじゃ、この寮の生徒達は学園で見かけても皆快活としておる・・・いや、一部例外はあるが・・・ふむ、確かにそうだな・・・」

その一部の例外とはケイスの事である、学園長もそれなりに学生達をしっかりと見ている、特に顔なじみになったこの寮の生徒達は嫌でも目に入るもので、その中でケイスだけがなんとも寂しそうに感じられるのだ、その経緯もユーリから聞いてはいる、なるほど医学科は確かに貴族や富裕層の生徒が多い、平民出身のケイスとしては恐らく今の在り方が楽なのであろう、何か手を出すべきかと考えるも下手に手を出しても状況を悪化させるだけかもしれない、取り合えず気に留めておく程度しか出来ない学園長である、

「まぁ、そんな感じで、なので、クロノスと殿下とも話しましたが、料理人達と医者、メイドさん達・・・従者さん達もかな、そう言った人達向けの内容になります」

「うむ、それは聞いておる、生活科の連中にも声を掛けたら勿論だと言い返された、挙句に、生徒達も聞ければそうしたいとな」

「えぇ、構いません、といっても・・・うん、すぐすぐに出来る事では無いですし・・・特にね、野菜やらなにやらはなんともしようがない状況というのもあるもので・・・なので、一つの指針・・・あくまで知識として身に着けておくしかないかなとは思います・・・今はですね・・・」

「・・・確かにな・・・おっ、あれじゃ、サレバさんに聞いたぞ、トマトであったか?」

ニヤリと微笑む学園長、トマトと甲高い声を上げてミナが立ち上がる、エッとミナを見上げる子供達、自分達でも福笑いを作ろうと上質紙に向かい静かになっていたところで、ハナコがワフッと飛び跳ねた、

「あー・・・聞きました?」

「うむ、なんじゃ、水臭い、なんなら儂の温室で育てても良いのだぞ」

アッ・・・と学園長を見つめてしまうタロウ、

「なんじゃ、その顔は」

「いや、はい、確かに、それがありましたね、はい、そっか・・・あの温室使わせていただけます?」

「勿論じゃ、しかし、何気に貴重な植物ばかりでな、場所が無いのが問題でな」

「そう・・・いや、であれば鉢植えでもいいかと思いますよ」

「鉢植えで良いのか?」

「えぇ、野菜によりますけどね・・・といっても・・・最終的には王国で栽培する事を考えますと・・・あくまで実験でしかない・・・いや、それでもうん、ルカス先生のような人がいれば任せてしまえますし・・・」

「おう、農学科の連中も新しい野菜となれば皆いきり立つ、ルカス先生にすっかり感化されておるぞ、あやつらも」

「ありゃ、そうなんですか?」

「そりゃそうじゃ、ウシもブタも実に良い、ウシのミルクも良いが、特にブタじゃな、あっという間に大きくなるのだなあれは」

「そうですねー」

「うむ、学園で育てたブタを食せるのが実に楽しみでな、いや、その前に農家への指導が重要だな」

「ですね、増やして・・・うん、今のところは増やすのと育成方法の確立が急務、半年から一年はじっくりとやらなければと思いますが・・・ルカス先生ならもっと速いかな?いや、速いも遅いもないか・・・季節毎の対処が重要だし、繁殖期ってやつもありますしね・・・」

「じゃな、あれらに比べれば鉢植えの野菜なぞ、手間もかからん、サレバさん以上に熱心な講師もおる、見損なってはいかんぞ」

ニヤリと微笑む学園長、そうなんだと苦笑してしまうタロウである、

「・・・まぁ、そういう事なら・・・はい、協力は致します、後日ちゃんと確認させて下さい」

「後日などと言わんで、今からでも良いぞ」

グワッと立ち上がる学園長、エッとタロウが見上げた瞬間、

「学園長、こちらが先ではないのですか?」

ユーリがジロリと学園長を睨み、

「おう、そうであった、で、どうだ」

立ち上がった勢いのまま女性達に向かう学園長であった。
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