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日曜日。
約束通り、シリウス様との「仕事抜きデート」の日がやってきた。
鏡の前に立った私は、慣れない姿に少しだけ戸惑っていた。
「……うん。悪くないわね。コストパフォーマンス以上の出来栄えだわ」
身に纏っているのは、領内の仕立て屋に特注した淡いブルーのドレス。
レースやフリルは控えめだが、その分、生地の光沢とシルエットの美しさが際立っている。
『スノー・ホワイト・クリーム』の売上で新調した、私にとっては戦闘服ならぬ「デート服」だ。
「お嬢様、素敵です! まるで深窓の令嬢みたいです!」
侍女のマリーが手を叩いて褒めてくれる。
「『みたい』は余計よ。私は正真正銘の侯爵令嬢です」
「あ、すみません。最近のお嬢様、作業着で草むしりばかりしていたので、つい」
「……否定できないのが辛いところね」
私は苦笑しつつ、最後の仕上げに髪をハーフアップにまとめた。
よし、完璧だ。
玄関ホールに降りると、そこには既にシリウス様が待っていた。
今日の彼は、ダークネイビーのジャケットに、白いスカーフを合わせたシックな装い。
相変わらず、無駄に顔が良い。立っているだけで絵画になる。
「待たせたわね、シリウス……様」
私が声をかけると、シリウス様がゆっくりと振り返った。
そして、その青い瞳が大きく見開かれる。
「……」
彼はしばらく言葉を失い、私を上から下までじっと見つめた。
「変かしら? やっぱり急ごしらえのドレスじゃ……」
「いや」
シリウス様が歩み寄り、私の手を取った。
「美しい。……言葉が出ないほどに」
その声は真剣で、熱を帯びていた。
営業用のお世辞ではないことが伝わってきて、私は思わず顔を背けた。
「そ、そうですか。それは投資した甲斐がありました」
「照れているのか?」
「照れてません。費用対効果を確認しただけです」
「ふっ、君らしいな」
シリウス様は楽しそうに笑い、私の手を引いてエスコートした。
「さあ、行こう。今日は馬車ではなく、馬を用意した」
外に出ると、艶やかな毛並みの白馬が一頭だけ待機していた。
「え? 一頭だけですか? 私は馬には乗れますが、ドレスでは無理です」
「だから、こうする」
シリウス様は軽々と馬に跨ると、私をひょいと持ち上げ、自分の前に座らせた。
いわゆる「二人乗り」だ。
「きゃっ!?」
「しっかり捕まっていろ。……私の腰にな」
背中に感じるシリウス様の体温。耳元で聞こえる彼の鼓動。
腕が私の腰に回され、完全に包み込まれている。
「こ、これは密着しすぎでは!?」
「『デート』だからな。これくらい普通だ」
「貴方の『普通』の基準、絶対におかしいですよ!?」
「出発するぞ」
私の抗議も虚しく、馬は軽やかに走り出した。
◇
馬に揺られること三十分。
到着したのは、領地の外れにある小高い丘の上だった。
眼下には美しい湖が広がり、周囲は一面の花畑になっている。
「わぁ……!」
私は思わず声を上げた。
風に乗って花の香りが漂ってくる。湖面は太陽の光を反射してキラキラと輝き、まるで宝石箱をひっくり返したようだ。
「気に入ったか?」
シリウス様が私の腰を支えて、馬から下ろしてくれる。
「ええ、絶景ですね……!」
私は感動しながら、周囲を見回した。
そして、無意識のうちに「いつもの癖」が出た。
「この湖の水、透明度が凄いですわ。ミネラルも豊富そう。……ボトリングして『公爵領の天然水』として売り出せば、原価ゼロで……」
むぎゅ。
シリウス様の手が、私の頬を両側から挟んだ。
「むぐっ?」
「アジュカ。約束を忘れたか?」
シリウス様の顔が目の前にある。笑顔だが、目は笑っていない。
「きょ、今日は仕事の話は禁止……でしたわね」
「その通りだ。今、君の頭の中で『金』の音がしたぞ」
「うっ……条件反射でつい」
「没収だ」
シリウス様は私を草の上に座らせ、バスケットを開いた。
中からは、可愛らしいサンドイッチや果物、そしてワインが出てくる。
「これ、シェフに作らせたの?」
「いいや。私が作った」
「……はい?」
「サンドイッチくらい作れる。君の好きな具材をリサーチしておいた」
渡されたサンドイッチを見ると、私の大好物であるスモークサーモンとクリームチーズがたっぷりと挟まっていた。
一口食べる。……美味しい。悔しいくらいに。
「どうだ?」
「……美味しいです。宰相閣下がこんな特技をお持ちだとは」
「君を喜ばせるためなら、料理くらい覚えるさ」
シリウス様は隣に座り、ワイングラスを傾けた。
風が彼の黒髪を揺らす。
「アジュカ。私はね、ずっと退屈だったんだ」
唐突に、彼が語り始めた。
「家柄、容姿、能力。近づいてくる人間は皆、私の『条件』しか見ていなかった。あるいは、私を利用しようとする者ばかりだ」
「……まあ、ハイスペック物件ですからね」
「だが、君は違った」
シリウス様が私を見る。
「君は、私が王子に婚約破棄を突きつけられた瞬間、泣くどころか請求書を出した。そして私の領地に来ても、私の顔色を窺うことなく、対等に――いや、それ以上の熱量で『仕事』をしてくれた」
「それは……お金のためですので」
「そう、そこがいい」
シリウス様は優しく微笑んだ。
「君は自分の欲望に正直だ。そして、そのために努力を惜しまない。……そんな君を見ていると、私は救われるんだ」
「救われる?」
「ああ。私も『宰相』という肩書きを脱いで、ただの『シリウス』として君と向き合える気がするからな」
シリウス様の手が、私の頬に触れた。
今度は挟むのではなく、愛おしむように優しく撫でられる。
「アジュカ。君が好きだ。……君のその、逞しくて、計算高くて、でも意外と隙だらけなところが」
「……っ」
真正面からの告白。
茶化すことも、計算で返すこともできない。
心臓がうるさいほどに高鳴っている。
(ずるいわよ、そんなの……)
計算外だ。
私は「金と安定」のためにここに来たはずなのに。
いつの間にか、この人の隣にいることが「心地よい」と感じてしまっている。
「……シリウス様」
「ん?」
「私も……悪くないと思っています」
「何がだ?」
「……貴方との生活、です。黒字化したら、契約更新してもいいかなって……思うくらいには」
精一杯のデレ(当社比)だった。
これ以上素直になるのは、私のプライドが許さない。
シリウス様は一瞬きょとんとして、それから堪えきれないように吹き出した。
「ははは! 『契約更新』か! 君らしい愛の言葉だ!」
「わ、笑わないでください!」
「すまない、嬉しくてね。……では、永久契約を結べるよう、さらに努力するとしよう」
シリウス様は私の肩を引き寄せ、そっと額にキスをした。
温かい日差しと、花の香り、そして彼の体温。
私は諦めたように目を閉じ、その幸福な時間に身を委ねた。
――その時。
私のドレスのポケットに入れていた通信用魔道具が、ブーブーと下品な振動音を立てた。
「……あ」
「……ムードブレイカーだな」
シリウス様が不機嫌そうに眉をひそめる。
私は慌てて魔道具を取り出した。
発信元は、屋敷の留守番をしているグランだ。
「も、もしもし? グランさん? 今、大事なところなんですけど……」
『も、申し訳ございませんアジュカ様! しかし、緊急事態でして!』
グランの声は裏返っていた。
『王都から! 王都から急使が到着しました!』
「急使? 注文の追加なら明日にしてと……」
『違います! 王家からの正式な書状です! ……差出人は、クロード王太子殿下!』
その名前を聞いた瞬間、私の脳内のお花畑モードは一瞬で消え去り、極寒のシベリアモードへと切り替わった。
「……あいつ、まだ生きてたの?」
隣で聞いていたシリウス様の顔からも、笑顔が消え失せ、絶対零度の「宰相の顔」に戻っていた。
『書状の内容は……「アジュカの作ったクリームが王都で話題になっていると聞いた。その製法を直ちに王家へ献上せよ。さもなくば……」』
「さもなくば?」
『「かつての不敬罪を問い、強制連行する」と……!』
「…………」
プツン。
私の中で、何かが切れる音がした。
「……へぇ」
私は受話器に向かって、地獄の底から響くような低い声で言った。
「上等じゃない。……売られた喧嘩、高値で買い取って差し上げるわ」
「アジュカ」
シリウス様が、冷ややかに、しかし楽しそうに口を開いた。
「デートは中断だ。……害虫駆除の時間だな」
「ええ、シリウス様。徹底的にやりましょう」
私たちは顔を見合わせ、凶悪な笑みを浮かべた。
甘いロマンスの時間は終了。
ここからは、倍返しのお時間だ。
平和な休日は終わりを告げ、私たち「最強カップル」による、バカ王子への反撃の狼煙が上がろうとしていた。
約束通り、シリウス様との「仕事抜きデート」の日がやってきた。
鏡の前に立った私は、慣れない姿に少しだけ戸惑っていた。
「……うん。悪くないわね。コストパフォーマンス以上の出来栄えだわ」
身に纏っているのは、領内の仕立て屋に特注した淡いブルーのドレス。
レースやフリルは控えめだが、その分、生地の光沢とシルエットの美しさが際立っている。
『スノー・ホワイト・クリーム』の売上で新調した、私にとっては戦闘服ならぬ「デート服」だ。
「お嬢様、素敵です! まるで深窓の令嬢みたいです!」
侍女のマリーが手を叩いて褒めてくれる。
「『みたい』は余計よ。私は正真正銘の侯爵令嬢です」
「あ、すみません。最近のお嬢様、作業着で草むしりばかりしていたので、つい」
「……否定できないのが辛いところね」
私は苦笑しつつ、最後の仕上げに髪をハーフアップにまとめた。
よし、完璧だ。
玄関ホールに降りると、そこには既にシリウス様が待っていた。
今日の彼は、ダークネイビーのジャケットに、白いスカーフを合わせたシックな装い。
相変わらず、無駄に顔が良い。立っているだけで絵画になる。
「待たせたわね、シリウス……様」
私が声をかけると、シリウス様がゆっくりと振り返った。
そして、その青い瞳が大きく見開かれる。
「……」
彼はしばらく言葉を失い、私を上から下までじっと見つめた。
「変かしら? やっぱり急ごしらえのドレスじゃ……」
「いや」
シリウス様が歩み寄り、私の手を取った。
「美しい。……言葉が出ないほどに」
その声は真剣で、熱を帯びていた。
営業用のお世辞ではないことが伝わってきて、私は思わず顔を背けた。
「そ、そうですか。それは投資した甲斐がありました」
「照れているのか?」
「照れてません。費用対効果を確認しただけです」
「ふっ、君らしいな」
シリウス様は楽しそうに笑い、私の手を引いてエスコートした。
「さあ、行こう。今日は馬車ではなく、馬を用意した」
外に出ると、艶やかな毛並みの白馬が一頭だけ待機していた。
「え? 一頭だけですか? 私は馬には乗れますが、ドレスでは無理です」
「だから、こうする」
シリウス様は軽々と馬に跨ると、私をひょいと持ち上げ、自分の前に座らせた。
いわゆる「二人乗り」だ。
「きゃっ!?」
「しっかり捕まっていろ。……私の腰にな」
背中に感じるシリウス様の体温。耳元で聞こえる彼の鼓動。
腕が私の腰に回され、完全に包み込まれている。
「こ、これは密着しすぎでは!?」
「『デート』だからな。これくらい普通だ」
「貴方の『普通』の基準、絶対におかしいですよ!?」
「出発するぞ」
私の抗議も虚しく、馬は軽やかに走り出した。
◇
馬に揺られること三十分。
到着したのは、領地の外れにある小高い丘の上だった。
眼下には美しい湖が広がり、周囲は一面の花畑になっている。
「わぁ……!」
私は思わず声を上げた。
風に乗って花の香りが漂ってくる。湖面は太陽の光を反射してキラキラと輝き、まるで宝石箱をひっくり返したようだ。
「気に入ったか?」
シリウス様が私の腰を支えて、馬から下ろしてくれる。
「ええ、絶景ですね……!」
私は感動しながら、周囲を見回した。
そして、無意識のうちに「いつもの癖」が出た。
「この湖の水、透明度が凄いですわ。ミネラルも豊富そう。……ボトリングして『公爵領の天然水』として売り出せば、原価ゼロで……」
むぎゅ。
シリウス様の手が、私の頬を両側から挟んだ。
「むぐっ?」
「アジュカ。約束を忘れたか?」
シリウス様の顔が目の前にある。笑顔だが、目は笑っていない。
「きょ、今日は仕事の話は禁止……でしたわね」
「その通りだ。今、君の頭の中で『金』の音がしたぞ」
「うっ……条件反射でつい」
「没収だ」
シリウス様は私を草の上に座らせ、バスケットを開いた。
中からは、可愛らしいサンドイッチや果物、そしてワインが出てくる。
「これ、シェフに作らせたの?」
「いいや。私が作った」
「……はい?」
「サンドイッチくらい作れる。君の好きな具材をリサーチしておいた」
渡されたサンドイッチを見ると、私の大好物であるスモークサーモンとクリームチーズがたっぷりと挟まっていた。
一口食べる。……美味しい。悔しいくらいに。
「どうだ?」
「……美味しいです。宰相閣下がこんな特技をお持ちだとは」
「君を喜ばせるためなら、料理くらい覚えるさ」
シリウス様は隣に座り、ワイングラスを傾けた。
風が彼の黒髪を揺らす。
「アジュカ。私はね、ずっと退屈だったんだ」
唐突に、彼が語り始めた。
「家柄、容姿、能力。近づいてくる人間は皆、私の『条件』しか見ていなかった。あるいは、私を利用しようとする者ばかりだ」
「……まあ、ハイスペック物件ですからね」
「だが、君は違った」
シリウス様が私を見る。
「君は、私が王子に婚約破棄を突きつけられた瞬間、泣くどころか請求書を出した。そして私の領地に来ても、私の顔色を窺うことなく、対等に――いや、それ以上の熱量で『仕事』をしてくれた」
「それは……お金のためですので」
「そう、そこがいい」
シリウス様は優しく微笑んだ。
「君は自分の欲望に正直だ。そして、そのために努力を惜しまない。……そんな君を見ていると、私は救われるんだ」
「救われる?」
「ああ。私も『宰相』という肩書きを脱いで、ただの『シリウス』として君と向き合える気がするからな」
シリウス様の手が、私の頬に触れた。
今度は挟むのではなく、愛おしむように優しく撫でられる。
「アジュカ。君が好きだ。……君のその、逞しくて、計算高くて、でも意外と隙だらけなところが」
「……っ」
真正面からの告白。
茶化すことも、計算で返すこともできない。
心臓がうるさいほどに高鳴っている。
(ずるいわよ、そんなの……)
計算外だ。
私は「金と安定」のためにここに来たはずなのに。
いつの間にか、この人の隣にいることが「心地よい」と感じてしまっている。
「……シリウス様」
「ん?」
「私も……悪くないと思っています」
「何がだ?」
「……貴方との生活、です。黒字化したら、契約更新してもいいかなって……思うくらいには」
精一杯のデレ(当社比)だった。
これ以上素直になるのは、私のプライドが許さない。
シリウス様は一瞬きょとんとして、それから堪えきれないように吹き出した。
「ははは! 『契約更新』か! 君らしい愛の言葉だ!」
「わ、笑わないでください!」
「すまない、嬉しくてね。……では、永久契約を結べるよう、さらに努力するとしよう」
シリウス様は私の肩を引き寄せ、そっと額にキスをした。
温かい日差しと、花の香り、そして彼の体温。
私は諦めたように目を閉じ、その幸福な時間に身を委ねた。
――その時。
私のドレスのポケットに入れていた通信用魔道具が、ブーブーと下品な振動音を立てた。
「……あ」
「……ムードブレイカーだな」
シリウス様が不機嫌そうに眉をひそめる。
私は慌てて魔道具を取り出した。
発信元は、屋敷の留守番をしているグランだ。
「も、もしもし? グランさん? 今、大事なところなんですけど……」
『も、申し訳ございませんアジュカ様! しかし、緊急事態でして!』
グランの声は裏返っていた。
『王都から! 王都から急使が到着しました!』
「急使? 注文の追加なら明日にしてと……」
『違います! 王家からの正式な書状です! ……差出人は、クロード王太子殿下!』
その名前を聞いた瞬間、私の脳内のお花畑モードは一瞬で消え去り、極寒のシベリアモードへと切り替わった。
「……あいつ、まだ生きてたの?」
隣で聞いていたシリウス様の顔からも、笑顔が消え失せ、絶対零度の「宰相の顔」に戻っていた。
『書状の内容は……「アジュカの作ったクリームが王都で話題になっていると聞いた。その製法を直ちに王家へ献上せよ。さもなくば……」』
「さもなくば?」
『「かつての不敬罪を問い、強制連行する」と……!』
「…………」
プツン。
私の中で、何かが切れる音がした。
「……へぇ」
私は受話器に向かって、地獄の底から響くような低い声で言った。
「上等じゃない。……売られた喧嘩、高値で買い取って差し上げるわ」
「アジュカ」
シリウス様が、冷ややかに、しかし楽しそうに口を開いた。
「デートは中断だ。……害虫駆除の時間だな」
「ええ、シリウス様。徹底的にやりましょう」
私たちは顔を見合わせ、凶悪な笑みを浮かべた。
甘いロマンスの時間は終了。
ここからは、倍返しのお時間だ。
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