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ヴァレンタイン公爵邸、応接間。
そこに流れる空気は、極北のブリザードよりも冷たかった。
ソファの上座には、私とシリウス様が並んで座っている。
対面には、王都から早馬でやってきたという王家からの使者――名前は忘れたが、クロード王子の腰巾着として有名な男爵が、脂汗をダラダラと流しながら座っていた。
「……えー、ゴホン。と、いうわけでだな」
使者の男爵が、震える手で羊皮紙を広げ直した。
「クロード殿下からの命である! 『アジュカが開発したというクリームの製法を、直ちに王家へ献上せよ。これは国家の利益に関わる重要事項である』……とのことだ!」
男爵は精一杯の虚勢を張って叫んだ。
私はため息をつき、隣のシリウス様を見た。
「だ、そうですわ。シリウス様」
「……」
シリウス様は無言だ。
ただし、その背後には怒りのオーラが阿修羅像のように浮かび上がっている。
無理もない。久しぶりの休日、しかも良い雰囲気だったデートを中断させられたのだ。彼の中の「王子抹殺ゲージ」は今、限界突破しているだろう。
「あの、お答えを……」
男爵がシリウス様の殺気に怯えつつ催促してくる。
私はニッコリと微笑み、口を開いた。
「お断りします」
「は、はあ!?」
「聞こえませんでしたか? 『NO』です。嫌です。お断りです」
「な、なんということを! これは王太子殿下のご命令だぞ! 王家に逆らう気か!」
「逆らうも何も、筋が通りませんわ」
私は冷茶を一口飲み、淡々と論破を開始した。
「まず、この『スノー・ホワイト・クリーム』は、ヴァレンタイン公爵領の特産品として、私が個人的に開発し、公爵家の資金で製造・販売しているものです。王家の予算は一銭も入っておりません」
「そ、それはそうかもしれんが……」
「知的財産権は私と公爵家にあります。それを『献上せよ』? タダでよこせと? ……殿下は強盗の親玉にでも転職されたのですか?」
「ぶっ……! ふ、不敬な!」
「事実でしょう。正当な対価も支払わずに技術を奪おうとする行為、法治国家においては『窃盗』あるいは『強要未遂』と呼びます」
私は扇子で口元を隠し、冷ややかな視線を送った。
「それとも、殿下はお金がないから、私の商品を奪って転売し、小銭を稼ごうとなさっているのかしら? ……哀れですわね。一国の王子が、元婚約者の財布を当てにするなんて」
「ぐぬぬ……ッ!」
図星なのだろう。男爵の顔が赤くなったり青くなったりと忙しい。
王都での噂によれば、クロード王子の浪費癖は治らず、さらにミーナの散財も加わって、王家の私室予算は火の車だという。
私のクリームが大ヒットしているのを聞きつけ、「あれを奪えば金になる!」と短絡的に考えたに違いない。
「それに、書状の後半部分。『さもなくば強制連行する』でしたっけ?」
「そ、そうだ! かつての不敬罪を蒸し返して、牢屋にぶち込むぞと……」
「やってごらんなさい」
ここで、今まで沈黙していたシリウス様が口を開いた。
その声は低く、地を這うような重低音だった。
「ひっ……!」
「私の婚約者に指一本でも触れてみろ。……その瞬間、ヴァレンタイン公爵家は王家への忠誠を破棄し、全軍をもって王都へ進軍する」
「な、ななな……!?」
「冗談ではないぞ。私は本気だ。アジュカを奪う者は、たとえ国王陛下であろうと敵とみなす」
シリウス様の目が、青く怪しく光った。
冗談ではない。この人はやる。
「愛のためなら国の一つや二つ滅ぼしてもいい」と考えていそうな危うさが、この宰相にはある。
「こ、公爵閣下、ご乱心を……!」
「乱心? 正常な判断だ。私の最愛のパートナーを害そうとする『害虫』を駆除するだけのこと」
シリウス様は立ち上がり、使者の男爵を見下ろした。
「殿下に伝えろ。『欲しければ、正当な対価を払え。ただし、交渉のテーブルに着くには、まず過去の借金を全額耳を揃えて返済してからだ』とな」
「ひぃぃぃ! わ、分かりました! 伝えます! 伝えますから命だけは!」
男爵は腰を抜かし、這うようにして逃げ出そうとした。
「おっと、待ちたまえ」
私が声をかけると、男爵がビクッと止まった。
「手ぶらで帰すのも気の毒ですわね。……これをお持ちなさい」
私は懐から一枚の封筒を取り出し、男爵に投げ渡した。
「こ、これは?」
「殿下への返信です。それと……サンプルとして、クリームを一つ入れておきました」
「お、おお! 慈悲深い! やはり献上してくださるのですね!」
男爵はパッと顔を輝かせた。
私は聖母のような微笑みで頷いた。
「ええ。ただし、それは『失敗作』のサンプルですけど」
「え?」
「開発中にできた、ちょっと刺激が強すぎるバージョンです。肌に塗ると、三日三晩、唐辛子を擦り込まれたようにヒリヒリとして、顔が真っ赤に腫れ上がる……という効果があります」
「なッ……!?」
「『嘘をつく悪い子』や『浮気性の男性』には、特によく効くという言い伝えがありますの。殿下とミーナ様で仲良くお使いくださいとお伝えして」
「あ、悪魔だ……!」
男爵は悲鳴を上げ、封筒をひったくると、脱兎のごとく部屋から逃げ去っていった。
廊下を走る足音が遠ざかっていくのを聞きながら、私はふぅと息を吐いた。
「……やりすぎたかしら?」
「いや、生ぬるいくらいだ」
シリウス様がまた座り直し、不機嫌そうに腕を組む。
「本当なら、あの使者の首をはねて送りつけたかったところだが」
「掃除が大変なのでやめてください。……それにしても」
私は窓の外、王都の方角を見つめた。
「殿下も懲りない人ですね。これではっきりしたでしょう。向こうは完全に金欠で、なりふり構わなくなっている」
「ああ。父上(国王)も匙を投げたのだろう。王子の私的財産が底をつき、ついに犯罪まがいの強奪に走ったか」
「チャンスですわね」
私はニヤリと笑った。
「ん?」
「向こうから喧嘩を売ってきたのです。これを口実に、さらにこちらに有利な条件を引き出せます」
私は手元のメモ帳を開き、サラサラと書き込みを始めた。
「まず、今回の『脅迫』に対する精神的苦痛の慰謝料を請求します。それから、王家との取引条件の見直し。……そうだわ、関税の撤廃も要求しましょう」
「アジュカ」
「はい?」
「君は、本当に転んでもただでは起きないな」
シリウス様が呆れたように、しかし愛おしそうに私を見た。
「普通、王家から脅されたら震え上がるものだ。なのに君は、逆に王家から金をむしり取ろうとしている」
「当然です。ピンチはチャンス。脅迫状は『請求書の種』です」
私は胸を張った。
シリウス様はクックッと喉を鳴らして笑い、私の髪を撫でた。
「頼もしい。……だが、気をつけてくれ。追いつめられた鼠は猫を噛むという。あのバカ王子が、次はもっと強硬な手段に出る可能性もある」
「強硬な手段?」
「例えば……私兵を使っての襲撃や、君の誘拐とかな」
シリウス様の目が鋭くなる。
「私は君を守るためなら何でもするが、君自身も警戒を怠らないでくれ」
「分かっています。……それに、私には最強のボディガードがついていますから」
私はシリウス様の腕に手を添えた。
「でしょ? シリウス様」
「……ああ。誰にも指一本触れさせない」
シリウス様は私の手を握り締め、手の甲に口付けた。
その熱い唇の感触に、私はまた少し顔が熱くなる。
デートは中断されたけれど、この「共犯者」のような絆も、悪くない。
「さて、気を取り直して……仕事の続きをしましょうか!」
私はパンと手を叩いた。
「まだデートの時間内だぞ?」
「え? でも雰囲気が……」
「関係ない。屋敷の中でできるデートに変更だ」
シリウス様は私を抱き上げ(いわゆるお姫様抱っこだ!)、スタスタと歩き出した。
「ちょ、どこへ!?」
「私の部屋だ。……誰にも邪魔されない場所で、ゆっくりと『慰め』させてもらおう」
「い、意味深すぎます!!」
王家との全面対決の予感を孕みつつ、私たちの休日は、甘く、そして少し危険な香りを漂わせて更けていった。
一方、その数日後。
王都の王城にて。
『ギャアアアアア!! 顔が! 僕の美しい顔が燃えるうぅぅぅ!!』
『痛いぃぃ! これ毒よ! アジュカ様が毒を送ってきたわぁぁぁ!!』
アジュカの送った「サンプル」を、疑いもせずに顔に塗りたくったクロード王子とミーナの絶叫が、夜通し響き渡ったという。
もちろん、その治療費として、また新たな借金が積み重なったことは言うまでもない。
そこに流れる空気は、極北のブリザードよりも冷たかった。
ソファの上座には、私とシリウス様が並んで座っている。
対面には、王都から早馬でやってきたという王家からの使者――名前は忘れたが、クロード王子の腰巾着として有名な男爵が、脂汗をダラダラと流しながら座っていた。
「……えー、ゴホン。と、いうわけでだな」
使者の男爵が、震える手で羊皮紙を広げ直した。
「クロード殿下からの命である! 『アジュカが開発したというクリームの製法を、直ちに王家へ献上せよ。これは国家の利益に関わる重要事項である』……とのことだ!」
男爵は精一杯の虚勢を張って叫んだ。
私はため息をつき、隣のシリウス様を見た。
「だ、そうですわ。シリウス様」
「……」
シリウス様は無言だ。
ただし、その背後には怒りのオーラが阿修羅像のように浮かび上がっている。
無理もない。久しぶりの休日、しかも良い雰囲気だったデートを中断させられたのだ。彼の中の「王子抹殺ゲージ」は今、限界突破しているだろう。
「あの、お答えを……」
男爵がシリウス様の殺気に怯えつつ催促してくる。
私はニッコリと微笑み、口を開いた。
「お断りします」
「は、はあ!?」
「聞こえませんでしたか? 『NO』です。嫌です。お断りです」
「な、なんということを! これは王太子殿下のご命令だぞ! 王家に逆らう気か!」
「逆らうも何も、筋が通りませんわ」
私は冷茶を一口飲み、淡々と論破を開始した。
「まず、この『スノー・ホワイト・クリーム』は、ヴァレンタイン公爵領の特産品として、私が個人的に開発し、公爵家の資金で製造・販売しているものです。王家の予算は一銭も入っておりません」
「そ、それはそうかもしれんが……」
「知的財産権は私と公爵家にあります。それを『献上せよ』? タダでよこせと? ……殿下は強盗の親玉にでも転職されたのですか?」
「ぶっ……! ふ、不敬な!」
「事実でしょう。正当な対価も支払わずに技術を奪おうとする行為、法治国家においては『窃盗』あるいは『強要未遂』と呼びます」
私は扇子で口元を隠し、冷ややかな視線を送った。
「それとも、殿下はお金がないから、私の商品を奪って転売し、小銭を稼ごうとなさっているのかしら? ……哀れですわね。一国の王子が、元婚約者の財布を当てにするなんて」
「ぐぬぬ……ッ!」
図星なのだろう。男爵の顔が赤くなったり青くなったりと忙しい。
王都での噂によれば、クロード王子の浪費癖は治らず、さらにミーナの散財も加わって、王家の私室予算は火の車だという。
私のクリームが大ヒットしているのを聞きつけ、「あれを奪えば金になる!」と短絡的に考えたに違いない。
「それに、書状の後半部分。『さもなくば強制連行する』でしたっけ?」
「そ、そうだ! かつての不敬罪を蒸し返して、牢屋にぶち込むぞと……」
「やってごらんなさい」
ここで、今まで沈黙していたシリウス様が口を開いた。
その声は低く、地を這うような重低音だった。
「ひっ……!」
「私の婚約者に指一本でも触れてみろ。……その瞬間、ヴァレンタイン公爵家は王家への忠誠を破棄し、全軍をもって王都へ進軍する」
「な、ななな……!?」
「冗談ではないぞ。私は本気だ。アジュカを奪う者は、たとえ国王陛下であろうと敵とみなす」
シリウス様の目が、青く怪しく光った。
冗談ではない。この人はやる。
「愛のためなら国の一つや二つ滅ぼしてもいい」と考えていそうな危うさが、この宰相にはある。
「こ、公爵閣下、ご乱心を……!」
「乱心? 正常な判断だ。私の最愛のパートナーを害そうとする『害虫』を駆除するだけのこと」
シリウス様は立ち上がり、使者の男爵を見下ろした。
「殿下に伝えろ。『欲しければ、正当な対価を払え。ただし、交渉のテーブルに着くには、まず過去の借金を全額耳を揃えて返済してからだ』とな」
「ひぃぃぃ! わ、分かりました! 伝えます! 伝えますから命だけは!」
男爵は腰を抜かし、這うようにして逃げ出そうとした。
「おっと、待ちたまえ」
私が声をかけると、男爵がビクッと止まった。
「手ぶらで帰すのも気の毒ですわね。……これをお持ちなさい」
私は懐から一枚の封筒を取り出し、男爵に投げ渡した。
「こ、これは?」
「殿下への返信です。それと……サンプルとして、クリームを一つ入れておきました」
「お、おお! 慈悲深い! やはり献上してくださるのですね!」
男爵はパッと顔を輝かせた。
私は聖母のような微笑みで頷いた。
「ええ。ただし、それは『失敗作』のサンプルですけど」
「え?」
「開発中にできた、ちょっと刺激が強すぎるバージョンです。肌に塗ると、三日三晩、唐辛子を擦り込まれたようにヒリヒリとして、顔が真っ赤に腫れ上がる……という効果があります」
「なッ……!?」
「『嘘をつく悪い子』や『浮気性の男性』には、特によく効くという言い伝えがありますの。殿下とミーナ様で仲良くお使いくださいとお伝えして」
「あ、悪魔だ……!」
男爵は悲鳴を上げ、封筒をひったくると、脱兎のごとく部屋から逃げ去っていった。
廊下を走る足音が遠ざかっていくのを聞きながら、私はふぅと息を吐いた。
「……やりすぎたかしら?」
「いや、生ぬるいくらいだ」
シリウス様がまた座り直し、不機嫌そうに腕を組む。
「本当なら、あの使者の首をはねて送りつけたかったところだが」
「掃除が大変なのでやめてください。……それにしても」
私は窓の外、王都の方角を見つめた。
「殿下も懲りない人ですね。これではっきりしたでしょう。向こうは完全に金欠で、なりふり構わなくなっている」
「ああ。父上(国王)も匙を投げたのだろう。王子の私的財産が底をつき、ついに犯罪まがいの強奪に走ったか」
「チャンスですわね」
私はニヤリと笑った。
「ん?」
「向こうから喧嘩を売ってきたのです。これを口実に、さらにこちらに有利な条件を引き出せます」
私は手元のメモ帳を開き、サラサラと書き込みを始めた。
「まず、今回の『脅迫』に対する精神的苦痛の慰謝料を請求します。それから、王家との取引条件の見直し。……そうだわ、関税の撤廃も要求しましょう」
「アジュカ」
「はい?」
「君は、本当に転んでもただでは起きないな」
シリウス様が呆れたように、しかし愛おしそうに私を見た。
「普通、王家から脅されたら震え上がるものだ。なのに君は、逆に王家から金をむしり取ろうとしている」
「当然です。ピンチはチャンス。脅迫状は『請求書の種』です」
私は胸を張った。
シリウス様はクックッと喉を鳴らして笑い、私の髪を撫でた。
「頼もしい。……だが、気をつけてくれ。追いつめられた鼠は猫を噛むという。あのバカ王子が、次はもっと強硬な手段に出る可能性もある」
「強硬な手段?」
「例えば……私兵を使っての襲撃や、君の誘拐とかな」
シリウス様の目が鋭くなる。
「私は君を守るためなら何でもするが、君自身も警戒を怠らないでくれ」
「分かっています。……それに、私には最強のボディガードがついていますから」
私はシリウス様の腕に手を添えた。
「でしょ? シリウス様」
「……ああ。誰にも指一本触れさせない」
シリウス様は私の手を握り締め、手の甲に口付けた。
その熱い唇の感触に、私はまた少し顔が熱くなる。
デートは中断されたけれど、この「共犯者」のような絆も、悪くない。
「さて、気を取り直して……仕事の続きをしましょうか!」
私はパンと手を叩いた。
「まだデートの時間内だぞ?」
「え? でも雰囲気が……」
「関係ない。屋敷の中でできるデートに変更だ」
シリウス様は私を抱き上げ(いわゆるお姫様抱っこだ!)、スタスタと歩き出した。
「ちょ、どこへ!?」
「私の部屋だ。……誰にも邪魔されない場所で、ゆっくりと『慰め』させてもらおう」
「い、意味深すぎます!!」
王家との全面対決の予感を孕みつつ、私たちの休日は、甘く、そして少し危険な香りを漂わせて更けていった。
一方、その数日後。
王都の王城にて。
『ギャアアアアア!! 顔が! 僕の美しい顔が燃えるうぅぅぅ!!』
『痛いぃぃ! これ毒よ! アジュカ様が毒を送ってきたわぁぁぁ!!』
アジュカの送った「サンプル」を、疑いもせずに顔に塗りたくったクロード王子とミーナの絶叫が、夜通し響き渡ったという。
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