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グラン・ノワール公爵邸での生活が始まって一週間。
私、カルル・フォン・アイゼンは、この屋敷の「ある重大な欠陥」に気づいていた。
それは、建物の構造上の問題でも、財務の赤字(これは解消済み)でもない。
コミュニケーション・エラーだ。
「……おい」
食堂に、地を這うような低い声が響いた。
朝食の席。
上座に座るアイザック様が、手に持った新聞から視線を上げずに呟く。
その眉間には深い皺が刻まれ、周囲の温度が2、3度下がったような錯覚を覚える。
「あ、あ、あの……なんでございましょうか、旦那様……ッ!」
給仕をしていた若いメイドが、ガタガタと震えながらお盆を抱きしめた。
彼女の目には涙が溜まっている。
殺される、とでも思っているのだろうか。
「……遅い」
アイザック様が短く告げる。
「ひぃっ! も、申し訳ございません! すぐに、すぐに片付けますぅぅ!」
メイドがパニックになり、皿をガチャガチャと鳴らしながら下げようとする。
その手は震え、今にもスープをぶちまけそうだ。
「違う。待て」
「お、お許しをぉぉ!!」
会話が成立していない。
私は優雅に紅茶のカップを置き、ため息を一つついた。
「そこまでです。二人ともストップ」
「え……カ、カルル様?」
「アイザック様。主語と目的語が抜けています。これでは部下への指示として0点です」
私はナプキンで口元を拭い、解説を始めた。
「まず、閣下が『遅い』と仰ったのは、メイドの作業速度のことではありませんね? 今、読んでいらっしゃる新聞記事――隣国の港湾工事の進捗状況について言及されたのでしょう?」
アイザック様が、きょとんとした顔で私を見る。
「……ああ、そうだ。工期が三ヶ月も遅れている。現場監督は何をしているんだと、呆れていたところだ」
「だそうです。貴女を叱責したわけではありませんよ」
私がメイドに向かって微笑むと、彼女はへなへなと座り込んだ。
「よ、よかったぁ……殺されるかと……」
「次に、閣下が『違う、待て』と仰ったのは、『片付けなくていい、まだコーヒーを飲むから待て』という意味ですね?」
「その通りだ。食後のコーヒーがまだだろう」
「とのことです。新しいコーヒーを持ってきてください」
「は、はいっ! ただちに!」
メイドは涙を拭い、安堵の表情で厨房へと走っていった。
静寂が戻った食堂で、アイザック様が不満げに眉を寄せた。
「……なぜ通じないんだ? 俺は普通に話しているだけだが」
「閣下の『普通』は、一般人にとって『暗号』または『威嚇』です」
私はきっぱりと指摘した。
「言葉数が少なすぎる上に、無表情で、元々の顔立ちが鋭利すぎます。黙っているだけで『処刑命令』を下しているように見えますよ」
「……鋭利、か。君は俺の顔が嫌いか?」
「いいえ。造形美としては最高ランクです。鑑賞価値は高いですが、コミュニケーションツールとしては威圧感が高すぎます」
「褒められているのか貶されているのか分からんな」
アイザック様は苦笑し、新しく運ばれてきたコーヒーを啜った。
「しかし、助かる。使用人たちが俺を怖がって、まともに報告も上がってこないのが悩みだったんだ」
「でしょうね。報連相(報告・連絡・相談)の欠如は、組織運営において致命的です」
私は眼鏡の位置を直した。
「仕方ありません。当面の間、私が閣下の『翻訳機』を務めましょう。特別手当の対象になりますか?」
「ああ、弾もう。君がいないと、俺は屋敷で孤立無援のようだ」
***
朝食後、私たちは揃って執務室へと向かった。
ここからが、私の本領発揮だ。
執務机は向かい合わせに配置してある。
私の机の上には、領地各地から上がってきた決裁書類が山と積まれていた。
「さて、始めようか。今日は溜まっている治水工事の予算案と、騎士団の再編計画を片付けたい」
「了解です、ボス。目標完了時刻は?」
「昼食まで。……と言いたいが、この量だと夕方までかかるか」
アイザック様が書類の山を見て肩をすくめる。
通常、三日はかかる量だ。
しかし、私は不敵に微笑んだ。
「賭けをしませんか? 昼までに終わらせたら、午後は私の好きにさせていただきます」
「ほう? 面白い。乗った」
「では、開始(スタート)」
その瞬間、執務室は戦場と化した。
バッ、バッ、バッ。
私が書類をめくる音が、機関銃のように響く。
「北地区の堤防補修予算、見積もりが甘いです。却下。業者を変えて再提出させてください」
「東地区の道路整備、承認。ただし工期を二週間短縮する条件付きで」
「騎士団の装備購入費、高すぎます。相見積もりを取ってください。却下」
私は書類を三つの山――「即承認」「条件付き承認」「即却下」――に瞬時に振り分けていく。
アイザック様も負けてはいない。
私が振り分けた「承認」書類に、目にも留まらぬ速さでサインと印鑑を押していく。
「判断が早いな。俺の思考を読む速度が上がっているぞ」
「閣下の判断基準(アルゴリズム)は『費用対効果』と『民の安全』の二点のみ。単純明快ですので予測は容易です」
「君の補足資料も見事だ。俺が欲しい数字が全て網羅されている」
「当然です。準備8割、実務2割ですから」
会話すらも高速で行われる。
私たちの間には、奇妙な高揚感が生まれていた。
まるで、長年連れ添った熟練のペアダンサーのように、呼吸が合う。
入室してきた執事が、その光景を見て呆然と立ち尽くしている。
「あ、あの……お茶をお持ちしましたが……」
「そこに置いて! 話しかけないで!」
「邪魔だ、下がれ!」
私とアイザック様の声が完全に重なった(ハモった)。
執事は「ひぃっ」と悲鳴を上げて逃げ出した。
***
そして。
時計の針が12時を指すと同時に、私は最後の一枚を「却下」ボックスに放り込んだ。
「……終了(フィニッシュ)」
ペンを置く音が、静寂を取り戻した部屋に響く。
机の上は綺麗に片付いていた。
アイザック様が、信じられないものを見る目で時計と机を交互に見ている。
「……本当に、終わったな」
「ええ。所要時間、三時間四十五分。新記録ですね」
私は凝り固まった首を回し、コキリと音を鳴らした。
脳が焼き切れそうなくらいフル回転したが、この達成感は悪くない。
アイザック様が、深い息を吐き出して背もたれに体を預けた。
「化け物だな、君は」
「最高の褒め言葉です、閣下」
「俺一人なら三日、優秀な文官をつけても二日はかかっていた。それを半日で……」
彼は立ち上がり、私の机の前まで歩いてくると、机に手をついて顔を近づけた。
「参った。俺の完敗だ」
「では、賭けの報酬をいただけますね?」
「ああ。午後は君の好きにしていい。……何が望みだ? 買い物か? それとも昼寝か?」
私は眼鏡を外し、少し意地悪な笑みを浮かべた。
「そうですね。午後は……」
私はアイザック様のネクタイを指先で少し引っ張った。
「街へ視察に行きましょう」
「視察? 仕事じゃないか」
「いいえ。現場(マーケット)を知らずして、正しい経営はできません。それに……」
私は声を潜めた。
「閣下が街の人々にどう思われているか、私の『翻訳』で誤解を解いて回る必要があります。このままでは『恐怖の魔王』として歴史に残ってしまいますよ?」
アイザック様は一瞬きょとんとして、それから腹を抱えて笑い出した。
「くくっ……魔王か。違いない」
彼は涙を拭い、私に手を差し出した。
「分かった。案内しよう、我が『翻訳機』殿。エスコートさせてもらえるか?」
「ええ、喜んで。ただし、道中の買い食い代は経費で落とします」
「許可する」
私たちは手を取り合い、晴れやかな気分で執務室を後にした。
使用人たちは、部屋から出てきた私たちが、なぜか戦友のような熱い絆で結ばれているのを見て、首を傾げていたけれど。
こうして、私たちのドライで、しかし最高に効率的な同居生活のリズムが出来上がっていったのだった。
私、カルル・フォン・アイゼンは、この屋敷の「ある重大な欠陥」に気づいていた。
それは、建物の構造上の問題でも、財務の赤字(これは解消済み)でもない。
コミュニケーション・エラーだ。
「……おい」
食堂に、地を這うような低い声が響いた。
朝食の席。
上座に座るアイザック様が、手に持った新聞から視線を上げずに呟く。
その眉間には深い皺が刻まれ、周囲の温度が2、3度下がったような錯覚を覚える。
「あ、あ、あの……なんでございましょうか、旦那様……ッ!」
給仕をしていた若いメイドが、ガタガタと震えながらお盆を抱きしめた。
彼女の目には涙が溜まっている。
殺される、とでも思っているのだろうか。
「……遅い」
アイザック様が短く告げる。
「ひぃっ! も、申し訳ございません! すぐに、すぐに片付けますぅぅ!」
メイドがパニックになり、皿をガチャガチャと鳴らしながら下げようとする。
その手は震え、今にもスープをぶちまけそうだ。
「違う。待て」
「お、お許しをぉぉ!!」
会話が成立していない。
私は優雅に紅茶のカップを置き、ため息を一つついた。
「そこまでです。二人ともストップ」
「え……カ、カルル様?」
「アイザック様。主語と目的語が抜けています。これでは部下への指示として0点です」
私はナプキンで口元を拭い、解説を始めた。
「まず、閣下が『遅い』と仰ったのは、メイドの作業速度のことではありませんね? 今、読んでいらっしゃる新聞記事――隣国の港湾工事の進捗状況について言及されたのでしょう?」
アイザック様が、きょとんとした顔で私を見る。
「……ああ、そうだ。工期が三ヶ月も遅れている。現場監督は何をしているんだと、呆れていたところだ」
「だそうです。貴女を叱責したわけではありませんよ」
私がメイドに向かって微笑むと、彼女はへなへなと座り込んだ。
「よ、よかったぁ……殺されるかと……」
「次に、閣下が『違う、待て』と仰ったのは、『片付けなくていい、まだコーヒーを飲むから待て』という意味ですね?」
「その通りだ。食後のコーヒーがまだだろう」
「とのことです。新しいコーヒーを持ってきてください」
「は、はいっ! ただちに!」
メイドは涙を拭い、安堵の表情で厨房へと走っていった。
静寂が戻った食堂で、アイザック様が不満げに眉を寄せた。
「……なぜ通じないんだ? 俺は普通に話しているだけだが」
「閣下の『普通』は、一般人にとって『暗号』または『威嚇』です」
私はきっぱりと指摘した。
「言葉数が少なすぎる上に、無表情で、元々の顔立ちが鋭利すぎます。黙っているだけで『処刑命令』を下しているように見えますよ」
「……鋭利、か。君は俺の顔が嫌いか?」
「いいえ。造形美としては最高ランクです。鑑賞価値は高いですが、コミュニケーションツールとしては威圧感が高すぎます」
「褒められているのか貶されているのか分からんな」
アイザック様は苦笑し、新しく運ばれてきたコーヒーを啜った。
「しかし、助かる。使用人たちが俺を怖がって、まともに報告も上がってこないのが悩みだったんだ」
「でしょうね。報連相(報告・連絡・相談)の欠如は、組織運営において致命的です」
私は眼鏡の位置を直した。
「仕方ありません。当面の間、私が閣下の『翻訳機』を務めましょう。特別手当の対象になりますか?」
「ああ、弾もう。君がいないと、俺は屋敷で孤立無援のようだ」
***
朝食後、私たちは揃って執務室へと向かった。
ここからが、私の本領発揮だ。
執務机は向かい合わせに配置してある。
私の机の上には、領地各地から上がってきた決裁書類が山と積まれていた。
「さて、始めようか。今日は溜まっている治水工事の予算案と、騎士団の再編計画を片付けたい」
「了解です、ボス。目標完了時刻は?」
「昼食まで。……と言いたいが、この量だと夕方までかかるか」
アイザック様が書類の山を見て肩をすくめる。
通常、三日はかかる量だ。
しかし、私は不敵に微笑んだ。
「賭けをしませんか? 昼までに終わらせたら、午後は私の好きにさせていただきます」
「ほう? 面白い。乗った」
「では、開始(スタート)」
その瞬間、執務室は戦場と化した。
バッ、バッ、バッ。
私が書類をめくる音が、機関銃のように響く。
「北地区の堤防補修予算、見積もりが甘いです。却下。業者を変えて再提出させてください」
「東地区の道路整備、承認。ただし工期を二週間短縮する条件付きで」
「騎士団の装備購入費、高すぎます。相見積もりを取ってください。却下」
私は書類を三つの山――「即承認」「条件付き承認」「即却下」――に瞬時に振り分けていく。
アイザック様も負けてはいない。
私が振り分けた「承認」書類に、目にも留まらぬ速さでサインと印鑑を押していく。
「判断が早いな。俺の思考を読む速度が上がっているぞ」
「閣下の判断基準(アルゴリズム)は『費用対効果』と『民の安全』の二点のみ。単純明快ですので予測は容易です」
「君の補足資料も見事だ。俺が欲しい数字が全て網羅されている」
「当然です。準備8割、実務2割ですから」
会話すらも高速で行われる。
私たちの間には、奇妙な高揚感が生まれていた。
まるで、長年連れ添った熟練のペアダンサーのように、呼吸が合う。
入室してきた執事が、その光景を見て呆然と立ち尽くしている。
「あ、あの……お茶をお持ちしましたが……」
「そこに置いて! 話しかけないで!」
「邪魔だ、下がれ!」
私とアイザック様の声が完全に重なった(ハモった)。
執事は「ひぃっ」と悲鳴を上げて逃げ出した。
***
そして。
時計の針が12時を指すと同時に、私は最後の一枚を「却下」ボックスに放り込んだ。
「……終了(フィニッシュ)」
ペンを置く音が、静寂を取り戻した部屋に響く。
机の上は綺麗に片付いていた。
アイザック様が、信じられないものを見る目で時計と机を交互に見ている。
「……本当に、終わったな」
「ええ。所要時間、三時間四十五分。新記録ですね」
私は凝り固まった首を回し、コキリと音を鳴らした。
脳が焼き切れそうなくらいフル回転したが、この達成感は悪くない。
アイザック様が、深い息を吐き出して背もたれに体を預けた。
「化け物だな、君は」
「最高の褒め言葉です、閣下」
「俺一人なら三日、優秀な文官をつけても二日はかかっていた。それを半日で……」
彼は立ち上がり、私の机の前まで歩いてくると、机に手をついて顔を近づけた。
「参った。俺の完敗だ」
「では、賭けの報酬をいただけますね?」
「ああ。午後は君の好きにしていい。……何が望みだ? 買い物か? それとも昼寝か?」
私は眼鏡を外し、少し意地悪な笑みを浮かべた。
「そうですね。午後は……」
私はアイザック様のネクタイを指先で少し引っ張った。
「街へ視察に行きましょう」
「視察? 仕事じゃないか」
「いいえ。現場(マーケット)を知らずして、正しい経営はできません。それに……」
私は声を潜めた。
「閣下が街の人々にどう思われているか、私の『翻訳』で誤解を解いて回る必要があります。このままでは『恐怖の魔王』として歴史に残ってしまいますよ?」
アイザック様は一瞬きょとんとして、それから腹を抱えて笑い出した。
「くくっ……魔王か。違いない」
彼は涙を拭い、私に手を差し出した。
「分かった。案内しよう、我が『翻訳機』殿。エスコートさせてもらえるか?」
「ええ、喜んで。ただし、道中の買い食い代は経費で落とします」
「許可する」
私たちは手を取り合い、晴れやかな気分で執務室を後にした。
使用人たちは、部屋から出てきた私たちが、なぜか戦友のような熱い絆で結ばれているのを見て、首を傾げていたけれど。
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