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「……コホン。いいこと、シュガー。昨日のことは忘れなさい」
私は鏡の中の自分に向かって言い聞かせました。
「あれは事故よ。ノーカウント。今日の私は、完璧な悪役令嬢として振る舞うの」
場所は王宮の庭園。
色とりどりのバラが咲き誇るこの場所は、王族の散歩コースとして有名です。
私の情報網(と、面白がって協力してくれるキース様)によれば、今日の午後、アレクセイ殿下とマリアさんはここでお茶会をする予定です。
「今日こそは、悪役としての威厳を取り戻す! そして二人の愛の炎に油を注ぐのよ!」
私は気合を入れ直し、作戦位置につきました。
今回の作戦は名付けて『視線による威圧(ストーキング)』です。
物陰からじっと見つめることで、二人に「見られている」という緊張感を与え、吊り橋効果を狙うのです。
さらに、私の不気味な視線に耐えかねた殿下が、マリアさんを庇うように抱き寄せる……という展開になれば100点満点です。
「来たわ……!」
バラのアーチの向こうから、仲睦まじく歩いてくる二人の姿が見えました。
殿下は白い騎士服風の装い、マリアさんは私が送りつけた(嫌がらせのつもりの)コーラルピンクのドレスを着ています。
(っはー……! 並ぶとさらに破壊力が増すわね……!)
私は生垣の陰に身を隠し、オペラグラス(観劇用)を構えました。
「あ、あの、殿下。昨日のシュガー様……大丈夫だったでしょうか」
マリアさんの心配そうな声が聞こえてきます。
「……マリア、君は優しすぎる。あんな奇行に付き合う必要はない」
殿下の声には、深い疲労と警戒色が滲んでいます。
「でも、あんな狭いところに挟まるなんて……きっと、何か理由があったはずです」
「理由だと? 『妖精ごっこ』だぞ? 正気を疑うよ」
「いえ! 私、考えたんです!」
マリアさんが力説し始めました。
「あそこは『古代魔術』の棚でした。きっとシュガー様は、貴重な古書を虫や湿気から守るために、自らの体で隙間を塞いでいたのではないでしょうか!?」
「……は?」
「つまり、本への愛ゆえの自己犠牲です! 『妖精』というのは、本を守る精霊という意味の比喩だったのです!」
(マリアさあああああんっ!!!)
私は生垣の中でハンカチを噛み締めました。
なんてピュアな解釈!
私の奇行を「自己犠牲」と「愛」に変換するその聖女フィルター、性能が高すぎます!
「……君は、本当にあいつを善意の塊だと思っているんだな」
殿下は呆れつつも、そんなマリアさんが愛おしくて仕方ないという目で見ています。
(いい! その目よ! 『こいつを守れるのは僕しかいない』って顔してる!)
私は興奮して、ガサッと生垣を揺らしてしまいました。
「ッ!? 誰だ!」
さすが騎士としての訓練も受けている殿下。鋭くこちらを向きました。
しまった、見つかった!
こうなれば、堂々と出て行って悪態をつくしかありません。
私は優雅に扇を開き、生垣から姿を現しました。
「……ごきげんよう、殿下。そしてマリアさん」
「シュガー!? また貴様か!」
殿下がサッとマリアさんの前に立ちふさがります。
(ナイス庇い! ご馳走様です!)
私は内心でガッツポーズをしつつ、冷ややかな笑みを浮かべました。
「奇遇ですわね。私もバラを愛でておりましたの。……もっとも、そこに咲いている『雑草』のせいで、景観が台無しですけれど」
マリアさんへの嫌味です。
これで殿下が激怒し、言い争いになれば成功です。
しかし、殿下の反応は予想外のものでした。
彼は青ざめた顔で、ジリジリと後ずさりしたのです。
「……偶然、だと?」
殿下の瞳が恐怖に揺れています。
「昨日の図書室、そして今日の庭園……。貴様、まさか僕たちの行動をすべて把握しているのか?」
「え? まあ、公爵家の情報網を使えばその程度は……」
「なんと……!」
殿下は戦慄しました。
「僕が行く先々に先回りし、物陰から監視する……。しかも、昨日は『妖精』、今日は『バラの鑑賞』と言い訳を用意して……」
殿下の声が震えます。
「シュガー……貴様、そこまで僕に執着しているのか!?」
「はい?」
「婚約破棄されたことがよほどショックだったのだろう。だが、これは異常だ! ストーカー行為だぞ!」
ストーカー。
その単語に、私はキョトンとしました。
えっ、そっち?
私が執着しているのは「二人のカップリング」であって、殿下個人(単体)ではないのですが。
「誤解ですわ殿下。私はただ、美しいものが見たいだけで……」
「ひっ! 『美しいもの(僕)』が見たい、だと!?」
「いえ、そうじゃなくて……あなたたちが……」
「『あなた(僕)』が……!?」
だめです、話が通じません!
殿下の中で私はすでに「未練たらたらで、元婚約者を付け回すヤバイ女」として処理されています。
「くっ……マリア、逃げるぞ! この女の目は普通じゃない。何をされるか分からん!」
「えっ、でも殿下、シュガー様はただお散歩を……」
「いいから! 僕のそばを離れるな!」
殿下はマリアさんの手をガシッと掴みました。
そして、私からマリアさんを守るように抱え込み、足早に去っていこうとします。
その、去り際。
私は見てしまいました。
殿下がマリアさんの腰に手を回し、密着して歩く後ろ姿を。
マリアさんは驚いていますが、満更でもなさそうに頬を染めています。
(……あ)
パララララ……。
私の脳内で、ファンファーレが鳴り響きました。
(接触イベント発生! しかも『守るための強引なエスコート』! ストーカー扱いされたのは不本意だけど……結果として二人の物理的距離がゼロになったわ!)
私は去っていく二人の背中に向かって、心の中で叫びました。
『ありがとうございます! 末長くお幸せに! あとでその腰の手の位置、詳しくスケッチさせていただきます!』
「……またイイ性格の悪い顔をしてるな」
頭上から声がしました。
見上げると、庭園の木の枝の上に、キース様が座っていました。
リンゴをかじりながら、呆れたように私を見下ろしています。
「キース様! 見てくださいました!? 今の殿下の必死な形相! 愛の逃避行みたいで素敵でしたわ!」
「お前なぁ……。殿下、本気で怯えてたぞ。『あいつは僕を監禁するつもりかもしれない』とか言い出しかねない」
キース様は木から飛び降り、私の隣に立ちました。
「いいのですか? 公爵令嬢が『王太子のストーカー』なんて不名誉な噂を立てられて」
「二人の愛のスパイスになれるなら、ストーカーだろうが妖怪だろうが甘んじて受け入れます」
私は胸を張りました。
「それに、殿下のあの勘違い……利用できますわ」
「利用?」
「ええ。殿下が『シュガーは僕を狙っている』と思えば思うほど、マリアさんを『守らなきゃ』という意識が強くなる。つまり、私の存在自体が、二人の絆を強める最強の舞台装置になるのです!」
私はキラキラした目でキース様を見つめました。
「私、決めました。これからは『殿下への未練に狂ったヤンデレ悪役令嬢』という役作りを強化します!」
キース様は一瞬、ポカンと口を開けました。
そして、大きなため息をついて額を押さえました。
「……はあ。お前のそのポジティブさ、どこから来るんだ?」
「推しへの愛からです」
「……そうかよ。ま、精々やりすぎないようにな。殿下が心労で倒れたら元も子もないぞ」
「善処します!」
私は上機嫌でドレスの裾を翻しました。
「さあ、屋敷に帰って今のシーンを絵に起こさなきゃ! キース様、今日の観察料(口止め料)として、後でクッキーを焼いて差し上げますわ」
「……毒入りじゃないだろうな」
「愛入りです」
「いらねぇよ」
キース様は苦笑しながらも、屋敷まで送ってくれるようです。
こうして、私の「悪役(ストーカー)ムーブ」は、本人の意図とは裏腹に、殿下の恐怖心を煽り、マリアさんの信仰心を高め、ついでにキース様の観察対象として定着していくのでした。
しかし。
キース様とのこの奇妙な協力関係が、新たな誤解を生む火種になるとは、この時の私はまだ知る由もありませんでした。
私は鏡の中の自分に向かって言い聞かせました。
「あれは事故よ。ノーカウント。今日の私は、完璧な悪役令嬢として振る舞うの」
場所は王宮の庭園。
色とりどりのバラが咲き誇るこの場所は、王族の散歩コースとして有名です。
私の情報網(と、面白がって協力してくれるキース様)によれば、今日の午後、アレクセイ殿下とマリアさんはここでお茶会をする予定です。
「今日こそは、悪役としての威厳を取り戻す! そして二人の愛の炎に油を注ぐのよ!」
私は気合を入れ直し、作戦位置につきました。
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さらに、私の不気味な視線に耐えかねた殿下が、マリアさんを庇うように抱き寄せる……という展開になれば100点満点です。
「来たわ……!」
バラのアーチの向こうから、仲睦まじく歩いてくる二人の姿が見えました。
殿下は白い騎士服風の装い、マリアさんは私が送りつけた(嫌がらせのつもりの)コーラルピンクのドレスを着ています。
(っはー……! 並ぶとさらに破壊力が増すわね……!)
私は生垣の陰に身を隠し、オペラグラス(観劇用)を構えました。
「あ、あの、殿下。昨日のシュガー様……大丈夫だったでしょうか」
マリアさんの心配そうな声が聞こえてきます。
「……マリア、君は優しすぎる。あんな奇行に付き合う必要はない」
殿下の声には、深い疲労と警戒色が滲んでいます。
「でも、あんな狭いところに挟まるなんて……きっと、何か理由があったはずです」
「理由だと? 『妖精ごっこ』だぞ? 正気を疑うよ」
「いえ! 私、考えたんです!」
マリアさんが力説し始めました。
「あそこは『古代魔術』の棚でした。きっとシュガー様は、貴重な古書を虫や湿気から守るために、自らの体で隙間を塞いでいたのではないでしょうか!?」
「……は?」
「つまり、本への愛ゆえの自己犠牲です! 『妖精』というのは、本を守る精霊という意味の比喩だったのです!」
(マリアさあああああんっ!!!)
私は生垣の中でハンカチを噛み締めました。
なんてピュアな解釈!
私の奇行を「自己犠牲」と「愛」に変換するその聖女フィルター、性能が高すぎます!
「……君は、本当にあいつを善意の塊だと思っているんだな」
殿下は呆れつつも、そんなマリアさんが愛おしくて仕方ないという目で見ています。
(いい! その目よ! 『こいつを守れるのは僕しかいない』って顔してる!)
私は興奮して、ガサッと生垣を揺らしてしまいました。
「ッ!? 誰だ!」
さすが騎士としての訓練も受けている殿下。鋭くこちらを向きました。
しまった、見つかった!
こうなれば、堂々と出て行って悪態をつくしかありません。
私は優雅に扇を開き、生垣から姿を現しました。
「……ごきげんよう、殿下。そしてマリアさん」
「シュガー!? また貴様か!」
殿下がサッとマリアさんの前に立ちふさがります。
(ナイス庇い! ご馳走様です!)
私は内心でガッツポーズをしつつ、冷ややかな笑みを浮かべました。
「奇遇ですわね。私もバラを愛でておりましたの。……もっとも、そこに咲いている『雑草』のせいで、景観が台無しですけれど」
マリアさんへの嫌味です。
これで殿下が激怒し、言い争いになれば成功です。
しかし、殿下の反応は予想外のものでした。
彼は青ざめた顔で、ジリジリと後ずさりしたのです。
「……偶然、だと?」
殿下の瞳が恐怖に揺れています。
「昨日の図書室、そして今日の庭園……。貴様、まさか僕たちの行動をすべて把握しているのか?」
「え? まあ、公爵家の情報網を使えばその程度は……」
「なんと……!」
殿下は戦慄しました。
「僕が行く先々に先回りし、物陰から監視する……。しかも、昨日は『妖精』、今日は『バラの鑑賞』と言い訳を用意して……」
殿下の声が震えます。
「シュガー……貴様、そこまで僕に執着しているのか!?」
「はい?」
「婚約破棄されたことがよほどショックだったのだろう。だが、これは異常だ! ストーカー行為だぞ!」
ストーカー。
その単語に、私はキョトンとしました。
えっ、そっち?
私が執着しているのは「二人のカップリング」であって、殿下個人(単体)ではないのですが。
「誤解ですわ殿下。私はただ、美しいものが見たいだけで……」
「ひっ! 『美しいもの(僕)』が見たい、だと!?」
「いえ、そうじゃなくて……あなたたちが……」
「『あなた(僕)』が……!?」
だめです、話が通じません!
殿下の中で私はすでに「未練たらたらで、元婚約者を付け回すヤバイ女」として処理されています。
「くっ……マリア、逃げるぞ! この女の目は普通じゃない。何をされるか分からん!」
「えっ、でも殿下、シュガー様はただお散歩を……」
「いいから! 僕のそばを離れるな!」
殿下はマリアさんの手をガシッと掴みました。
そして、私からマリアさんを守るように抱え込み、足早に去っていこうとします。
その、去り際。
私は見てしまいました。
殿下がマリアさんの腰に手を回し、密着して歩く後ろ姿を。
マリアさんは驚いていますが、満更でもなさそうに頬を染めています。
(……あ)
パララララ……。
私の脳内で、ファンファーレが鳴り響きました。
(接触イベント発生! しかも『守るための強引なエスコート』! ストーカー扱いされたのは不本意だけど……結果として二人の物理的距離がゼロになったわ!)
私は去っていく二人の背中に向かって、心の中で叫びました。
『ありがとうございます! 末長くお幸せに! あとでその腰の手の位置、詳しくスケッチさせていただきます!』
「……またイイ性格の悪い顔をしてるな」
頭上から声がしました。
見上げると、庭園の木の枝の上に、キース様が座っていました。
リンゴをかじりながら、呆れたように私を見下ろしています。
「キース様! 見てくださいました!? 今の殿下の必死な形相! 愛の逃避行みたいで素敵でしたわ!」
「お前なぁ……。殿下、本気で怯えてたぞ。『あいつは僕を監禁するつもりかもしれない』とか言い出しかねない」
キース様は木から飛び降り、私の隣に立ちました。
「いいのですか? 公爵令嬢が『王太子のストーカー』なんて不名誉な噂を立てられて」
「二人の愛のスパイスになれるなら、ストーカーだろうが妖怪だろうが甘んじて受け入れます」
私は胸を張りました。
「それに、殿下のあの勘違い……利用できますわ」
「利用?」
「ええ。殿下が『シュガーは僕を狙っている』と思えば思うほど、マリアさんを『守らなきゃ』という意識が強くなる。つまり、私の存在自体が、二人の絆を強める最強の舞台装置になるのです!」
私はキラキラした目でキース様を見つめました。
「私、決めました。これからは『殿下への未練に狂ったヤンデレ悪役令嬢』という役作りを強化します!」
キース様は一瞬、ポカンと口を開けました。
そして、大きなため息をついて額を押さえました。
「……はあ。お前のそのポジティブさ、どこから来るんだ?」
「推しへの愛からです」
「……そうかよ。ま、精々やりすぎないようにな。殿下が心労で倒れたら元も子もないぞ」
「善処します!」
私は上機嫌でドレスの裾を翻しました。
「さあ、屋敷に帰って今のシーンを絵に起こさなきゃ! キース様、今日の観察料(口止め料)として、後でクッキーを焼いて差し上げますわ」
「……毒入りじゃないだろうな」
「愛入りです」
「いらねぇよ」
キース様は苦笑しながらも、屋敷まで送ってくれるようです。
こうして、私の「悪役(ストーカー)ムーブ」は、本人の意図とは裏腹に、殿下の恐怖心を煽り、マリアさんの信仰心を高め、ついでにキース様の観察対象として定着していくのでした。
しかし。
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