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「違うわマリアさん! 背筋をもっと伸ばして! 殿下に見つめられた時、一番美しく見える角度は『斜め45度』よ!」
公爵家のダンスホール。
ピアノの生演奏が響く中、私は鬼コーチと化していました。
「はいっ! すみませんシュガー様!」
マリアさんは汗だくになりながら、必死にステップを踏んでいます。
建国記念舞踏会まであと2週間。
ここで失敗すれば、私は強制的に殿下と結婚させられ、王妃という激務&推しカプ消滅の地獄(バッドエンド)行きです。
「いい? あなたの武器はその『守りたくなる儚さ』だけど、王妃になるなら『凛とした強さ』も必要なの! ギャップ萌えよ! ギャップを狙うの!」
「ギャップ……萌え……?」
「そう! 普段は可愛らしいのに、公務の時はキリッとする……その落差に殿下はまた沼るのよ!」
私は扇子でリズムを取りながら熱血指導を続けました。
全ては、私の自由と平穏な推し活ライフのため。
しかし、休憩時間。
ベンチで水を飲んでいたマリアさんが、タオルで汗を拭きながら、じっと私を見つめていました。
「……シュガー様は、凄いです」
「え?」
「ダンスも完璧で、マナーも洗練されていて……そして何より、殿下のことを誰よりも理解していらっしゃる」
マリアさんの瞳が、どこか寂しげに揺れています。
「私への指導も……すべては殿下のため、なんですよね?」
「ええ、もちろんよ!(殿下が最高のパートナーと結ばれるためよ!)」
私は即答しました。
すると、マリアさんはふわりと微笑みました。
「やっぱり……。シュガー様の愛には、敵いませんね」
「愛? まあ、愛(推しへの執着)に関しては自信があるけれど」
「……そうですよね」
マリアさんは納得したように頷き、少しだけ視線を伏せました。
その時の私は、彼女の言葉の真意に気づきませんでした。
彼女の中で、『シュガー様はまだ殿下を深く愛していて、殿下のために身を引こうとして、私を教育しているんだ』という、とんでもない「悲劇のヒロイン・フィルター」が発動していることに。
◇
異変が起きたのは、その翌日でした。
王宮の廊下にて。
私は柱の陰から、いつものように殿下とマリアさんの遭遇イベントを監視していました。
今日は殿下が公務の合間に、マリアさんに声をかける予定(私の情報網調べ)です。
「あ、マリア! 奇遇だね」
殿下が笑顔で近づいていきます。
よしよし、いい笑顔です。
マリアさんも嬉しそうに駆け寄って……。
「……! 申し訳ありません、殿下」
マリアさんは立ち止まり、深くお辞儀をしました。
「急ぎの用事がありますので、失礼いたします」
「え?」
殿下の笑顔が凍りつきます。
マリアさんは顔を上げることなく、逃げるようにその場を去ってしまいました。
残された殿下は、伸ばしかけた手を空中に彷徨わせたまま、呆然としています。
(……はい?)
私は隠れていた柱からずり落ちそうになりました。
(な、何今の? 塩対応? まさかの塩対応!?)
あんなにラブラブだったのに。
「アレクさん」呼びまで攻略したのに。
なぜ急に、初期の「身分差を気にするモブ」みたいな態度に戻っているのですか!?
「……シュガー」
亡霊のような声がしました。
見ると、殿下がどんよりとしたオーラを纏って、私の隠れている柱に近づいてきました。
「……見ていたか?」
「は、はい。バッチリと(見てしまいたくなかったですが)」
「……避けられた」
殿下は膝から崩れ落ちました。
「また避けられた……。今度は目も合わせてくれなかった……。『アレク』とも呼んでくれなかった……」
「で、殿下! しっかりしてください!」
私は慌てて駆け寄りました。
これは由々しき事態です。
このままでは、舞踏会での成功どころか、カップル成立すら危うい!
「何か原因があるはずです! 昨日までは普通でしたわ! ……昨日の夜、何かしましたか? 変な手紙を送ったとか、ポエムを詠んだとか!」
「してない! 昨日は一日中執務室にいた!」
殿下は頭を抱えました。
「ただ……マリアから手紙が届いたんだ」
「手紙?」
殿下は懐から、涙で滲んだ一通の手紙を取り出しました。
私はひったくるようにそれを受け取り、中身を確認しました。
『拝啓 アレクセイ殿下
私のような平民の娘に、これまで優しくしていただきありがとうございました。
ですが、私は気づいてしまいました。
殿下の隣にふさわしいのは、私ではありません。
もっと気高く、強く、そして殿下を深く愛している方がいらっしゃいます。
私は身を引きます。
どうか、その方とお幸せになってください。
マリア・アズライトより』
読み終えた瞬間。
ビリッ。
私は無意識に手紙を握りつぶしていました。
「……はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
王宮の廊下に、私の絶叫がこだましました。
「な、なによこれ! 『身を引きます』!? 『その方とお幸せに』!? どの方よ!?」
「僕にもさっぱり分からん!」
殿下も涙目です。
「僕が愛しているのはマリアだけだ! 他に誰がいるって言うんだ!」
「……待って」
私はハッとしました。
『気高く、強く、殿下を深く愛している方』。
先日の山賊討伐での私の無双ぶり。
スパルタ教育での「殿下のため」という発言。
そして、マリアさんの「シュガー様の愛には敵いません」という言葉。
全てのピースが、最悪の形で噛み合いました。
「……私だ」
私は顔面蒼白になりました。
「え?」
「その『方』って……私(シュガー)のことですわ!!」
「はあああああ!?」
殿下が仰天しました。
「なんでそうなるんだ! お前は僕のことなんて、推しカプのパーツとしか見てないだろう!?」
「マリアさんはそれを知らないのです! 私の行動がすべて『未練』と『愛』に見えてしまっているのです!」
なんてことでしょう。
私の完璧すぎる悪役ムーブと、ここ一番での男前な行動が、マリアさんの中で「シュガー様こそ真のヒロイン」という解釈を生んでしまったのです。
「皮肉すぎる……! 私が二人を応援すればするほど、マリアさんは『二人の邪魔をしてはいけない』と身を引いてしまうなんて!」
これは、私の「推し活」が生んだ最大のバグです。
「ど、どうすればいいんだシュガー! このままじゃ、マリアは舞踏会に来てくれないぞ!」
「落ち着いてください殿下! 誤解です! 全力で誤解を解かなければ!」
私はドレスの裾をまくり上げました。
「私がマリアさんを説得してきます! 『私は殿下のことなんて1ミリも愛してないから安心して!』と伝えてきます!」
「それはそれで傷つくんだが!?」
殿下のツッコミを無視し、私は走り出そうとしました。
しかし。
ガシッ。
誰かに腕を掴まれました。
「……待て、シュガー」
キース様です。
いつの間にか背後に立っていた彼は、険しい表情をしていました。
「お前が今行っても、逆効果だ」
「な、なぜですか!?」
「マリア嬢は今、お前を『悲劇の聖女』だと思い込んでる。お前が『愛してない』と言えば言うほど、『私のために嘘をついてくれているんだわ!』と感動して、さらに頑なになるだけだ」
「……ッ!」
確かに。
マリアさんのあのポジティブ(聖女)フィルターなら、そう変換されかねません。
「じゃあどうすればいいのですか! このままでは推しカプが……私の生きる希望が!」
「……荒療治が必要だな」
キース様は殿下と私を見比べ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべました。
「誤解を解くには、言葉じゃ足りない。……行動で示すしかない」
「行動?」
「ああ。マリア嬢の前で、お前が『殿下以外の男』と決定的な関係にあることを見せつければいい」
「は?」
私と殿下の声が重なりました。
キース様は私の肩を引き寄せ、耳元で囁きました。
「俺を使えよ、シュガー」
「……へ?」
「俺とお前が『恋人同士』だという既成事実を作れば、マリア嬢の誤解も解けるだろ」
ドクン。
心臓が跳ねました。
「な、なに言ってるんですか! 嘘の恋人なんて、すぐにバレますわ!」
「バレないようにやるんだよ。……それに」
キース様の目が、怪しく光りました。
「お前も、王妃になるのは嫌なんだろ? 俺と婚約すれば、殿下との婚約話もチャラにできる。……一石二鳥じゃないか?」
「そ、それは……理屈は通ってますけれど……」
「決まりだな」
キース様は殿下に向き直りました。
「殿下。シュガーをお借りします。マリア嬢の誤解を解くための『お芝居』に協力させますので」
「お、おう。キース、お前まさか……」
殿下は何かに気づいたように目を見開きましたが、すぐにニヤリと笑いました。
「分かった。許可する。……上手くやれよ」
「ありがとうございます」
キース様は私の手を取り、強引に歩き出しました。
「ちょ、ちょっとキース様! どこへ行くのですか!?」
「マリア嬢がいる場所だ。……覚悟しろよ、シュガー。最高の『カップル演技』を見せてやるからな」
私は引きずられながら、混乱する頭で考えました。
推しカプを救うために、私が偽の恋人役を?
しかも相手は、あの食えない側近キース様?
(……あれ? これって、私の立ち位置が『壁』から『ヒロイン』にズレてきてない!?)
私の物語のジャンルが、音を立てて崩壊していくのを感じながら、私は新たな嵐の中へと連れ去られていくのでした。
公爵家のダンスホール。
ピアノの生演奏が響く中、私は鬼コーチと化していました。
「はいっ! すみませんシュガー様!」
マリアさんは汗だくになりながら、必死にステップを踏んでいます。
建国記念舞踏会まであと2週間。
ここで失敗すれば、私は強制的に殿下と結婚させられ、王妃という激務&推しカプ消滅の地獄(バッドエンド)行きです。
「いい? あなたの武器はその『守りたくなる儚さ』だけど、王妃になるなら『凛とした強さ』も必要なの! ギャップ萌えよ! ギャップを狙うの!」
「ギャップ……萌え……?」
「そう! 普段は可愛らしいのに、公務の時はキリッとする……その落差に殿下はまた沼るのよ!」
私は扇子でリズムを取りながら熱血指導を続けました。
全ては、私の自由と平穏な推し活ライフのため。
しかし、休憩時間。
ベンチで水を飲んでいたマリアさんが、タオルで汗を拭きながら、じっと私を見つめていました。
「……シュガー様は、凄いです」
「え?」
「ダンスも完璧で、マナーも洗練されていて……そして何より、殿下のことを誰よりも理解していらっしゃる」
マリアさんの瞳が、どこか寂しげに揺れています。
「私への指導も……すべては殿下のため、なんですよね?」
「ええ、もちろんよ!(殿下が最高のパートナーと結ばれるためよ!)」
私は即答しました。
すると、マリアさんはふわりと微笑みました。
「やっぱり……。シュガー様の愛には、敵いませんね」
「愛? まあ、愛(推しへの執着)に関しては自信があるけれど」
「……そうですよね」
マリアさんは納得したように頷き、少しだけ視線を伏せました。
その時の私は、彼女の言葉の真意に気づきませんでした。
彼女の中で、『シュガー様はまだ殿下を深く愛していて、殿下のために身を引こうとして、私を教育しているんだ』という、とんでもない「悲劇のヒロイン・フィルター」が発動していることに。
◇
異変が起きたのは、その翌日でした。
王宮の廊下にて。
私は柱の陰から、いつものように殿下とマリアさんの遭遇イベントを監視していました。
今日は殿下が公務の合間に、マリアさんに声をかける予定(私の情報網調べ)です。
「あ、マリア! 奇遇だね」
殿下が笑顔で近づいていきます。
よしよし、いい笑顔です。
マリアさんも嬉しそうに駆け寄って……。
「……! 申し訳ありません、殿下」
マリアさんは立ち止まり、深くお辞儀をしました。
「急ぎの用事がありますので、失礼いたします」
「え?」
殿下の笑顔が凍りつきます。
マリアさんは顔を上げることなく、逃げるようにその場を去ってしまいました。
残された殿下は、伸ばしかけた手を空中に彷徨わせたまま、呆然としています。
(……はい?)
私は隠れていた柱からずり落ちそうになりました。
(な、何今の? 塩対応? まさかの塩対応!?)
あんなにラブラブだったのに。
「アレクさん」呼びまで攻略したのに。
なぜ急に、初期の「身分差を気にするモブ」みたいな態度に戻っているのですか!?
「……シュガー」
亡霊のような声がしました。
見ると、殿下がどんよりとしたオーラを纏って、私の隠れている柱に近づいてきました。
「……見ていたか?」
「は、はい。バッチリと(見てしまいたくなかったですが)」
「……避けられた」
殿下は膝から崩れ落ちました。
「また避けられた……。今度は目も合わせてくれなかった……。『アレク』とも呼んでくれなかった……」
「で、殿下! しっかりしてください!」
私は慌てて駆け寄りました。
これは由々しき事態です。
このままでは、舞踏会での成功どころか、カップル成立すら危うい!
「何か原因があるはずです! 昨日までは普通でしたわ! ……昨日の夜、何かしましたか? 変な手紙を送ったとか、ポエムを詠んだとか!」
「してない! 昨日は一日中執務室にいた!」
殿下は頭を抱えました。
「ただ……マリアから手紙が届いたんだ」
「手紙?」
殿下は懐から、涙で滲んだ一通の手紙を取り出しました。
私はひったくるようにそれを受け取り、中身を確認しました。
『拝啓 アレクセイ殿下
私のような平民の娘に、これまで優しくしていただきありがとうございました。
ですが、私は気づいてしまいました。
殿下の隣にふさわしいのは、私ではありません。
もっと気高く、強く、そして殿下を深く愛している方がいらっしゃいます。
私は身を引きます。
どうか、その方とお幸せになってください。
マリア・アズライトより』
読み終えた瞬間。
ビリッ。
私は無意識に手紙を握りつぶしていました。
「……はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
王宮の廊下に、私の絶叫がこだましました。
「な、なによこれ! 『身を引きます』!? 『その方とお幸せに』!? どの方よ!?」
「僕にもさっぱり分からん!」
殿下も涙目です。
「僕が愛しているのはマリアだけだ! 他に誰がいるって言うんだ!」
「……待って」
私はハッとしました。
『気高く、強く、殿下を深く愛している方』。
先日の山賊討伐での私の無双ぶり。
スパルタ教育での「殿下のため」という発言。
そして、マリアさんの「シュガー様の愛には敵いません」という言葉。
全てのピースが、最悪の形で噛み合いました。
「……私だ」
私は顔面蒼白になりました。
「え?」
「その『方』って……私(シュガー)のことですわ!!」
「はあああああ!?」
殿下が仰天しました。
「なんでそうなるんだ! お前は僕のことなんて、推しカプのパーツとしか見てないだろう!?」
「マリアさんはそれを知らないのです! 私の行動がすべて『未練』と『愛』に見えてしまっているのです!」
なんてことでしょう。
私の完璧すぎる悪役ムーブと、ここ一番での男前な行動が、マリアさんの中で「シュガー様こそ真のヒロイン」という解釈を生んでしまったのです。
「皮肉すぎる……! 私が二人を応援すればするほど、マリアさんは『二人の邪魔をしてはいけない』と身を引いてしまうなんて!」
これは、私の「推し活」が生んだ最大のバグです。
「ど、どうすればいいんだシュガー! このままじゃ、マリアは舞踏会に来てくれないぞ!」
「落ち着いてください殿下! 誤解です! 全力で誤解を解かなければ!」
私はドレスの裾をまくり上げました。
「私がマリアさんを説得してきます! 『私は殿下のことなんて1ミリも愛してないから安心して!』と伝えてきます!」
「それはそれで傷つくんだが!?」
殿下のツッコミを無視し、私は走り出そうとしました。
しかし。
ガシッ。
誰かに腕を掴まれました。
「……待て、シュガー」
キース様です。
いつの間にか背後に立っていた彼は、険しい表情をしていました。
「お前が今行っても、逆効果だ」
「な、なぜですか!?」
「マリア嬢は今、お前を『悲劇の聖女』だと思い込んでる。お前が『愛してない』と言えば言うほど、『私のために嘘をついてくれているんだわ!』と感動して、さらに頑なになるだけだ」
「……ッ!」
確かに。
マリアさんのあのポジティブ(聖女)フィルターなら、そう変換されかねません。
「じゃあどうすればいいのですか! このままでは推しカプが……私の生きる希望が!」
「……荒療治が必要だな」
キース様は殿下と私を見比べ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべました。
「誤解を解くには、言葉じゃ足りない。……行動で示すしかない」
「行動?」
「ああ。マリア嬢の前で、お前が『殿下以外の男』と決定的な関係にあることを見せつければいい」
「は?」
私と殿下の声が重なりました。
キース様は私の肩を引き寄せ、耳元で囁きました。
「俺を使えよ、シュガー」
「……へ?」
「俺とお前が『恋人同士』だという既成事実を作れば、マリア嬢の誤解も解けるだろ」
ドクン。
心臓が跳ねました。
「な、なに言ってるんですか! 嘘の恋人なんて、すぐにバレますわ!」
「バレないようにやるんだよ。……それに」
キース様の目が、怪しく光りました。
「お前も、王妃になるのは嫌なんだろ? 俺と婚約すれば、殿下との婚約話もチャラにできる。……一石二鳥じゃないか?」
「そ、それは……理屈は通ってますけれど……」
「決まりだな」
キース様は殿下に向き直りました。
「殿下。シュガーをお借りします。マリア嬢の誤解を解くための『お芝居』に協力させますので」
「お、おう。キース、お前まさか……」
殿下は何かに気づいたように目を見開きましたが、すぐにニヤリと笑いました。
「分かった。許可する。……上手くやれよ」
「ありがとうございます」
キース様は私の手を取り、強引に歩き出しました。
「ちょ、ちょっとキース様! どこへ行くのですか!?」
「マリア嬢がいる場所だ。……覚悟しろよ、シュガー。最高の『カップル演技』を見せてやるからな」
私は引きずられながら、混乱する頭で考えました。
推しカプを救うために、私が偽の恋人役を?
しかも相手は、あの食えない側近キース様?
(……あれ? これって、私の立ち位置が『壁』から『ヒロイン』にズレてきてない!?)
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