堂々と浮気?それなら婚約破棄を希望します。

パリパリかぷちーの

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翌日、フィオナはシルヴァンを騎士科の訓練場の裏手へと呼び出した。そこはあまり人が来ない、密談にはうってつけの場所だった。

「フィオナ、急にどうしたんだ?そんな真剣な顔して」

呼び出しに応じたシルヴァンは、フィオナのただならぬ雰囲気を察して、いつもの快活な笑顔を少し曇らせた。

フィオナは、周囲に人がいないことを確認すると、意を決して口を開いた。

「シルヴァン。あなたに、調べてほしいことがあるの」

そして、昨日目撃した襲撃事件の一部始終を、声を潜めて語り始めた。殿下の浮気を疑っていたこと、しかしそれが大きな勘違いであった可能性が高いこと。そして、アリア・ロセッティ嬢が、何者かに命を狙われていること。

話が進むにつれて、シルヴァンの表情が険しくなっていく。

「……なんだって?王太子殿下が、襲撃者を……?」

「ええ。殿下は、アリア嬢を守っていた。あれは、間違いなく訓練された人間の動きだったわ」

フィオナの真剣な訴えに、シルヴァンはゴクリと喉を鳴らした。これは、自分が考えていたような、痴話喧嘩の範疇を遥かに超えた、深刻な話だ。

「それで、俺に何をしろと?」

「騎士団の情報網を使って、アリア・ロセッティ嬢の周囲で、何か不審な動きがないか調べてほしいの。彼女がなぜ狙われるのか、その理由に繋がる何かが見つかるかもしれない」

シルヴァンは、フィオナの紫色の瞳が、強い意志で揺れているのを見た。これは、もう自分の恋路を応援するためなどという、甘い考えで手伝えることではない。下手をすれば、自分も危険な渦中に飛び込むことになる。

しかし、目の前で真剣に助けを求めている幼馴染を、見捨てることなどできるはずもなかった。

「……わかった」

シルヴァンは、力強く頷いた。

「フィオナがそこまで言うなら、協力する。兄貴が王宮警備の騎士団にいるから、何か探りくらいは入れられるかもしれない」

その頼もしい言葉に、フィオナはほっと息をついた。

「ありがとう、シルヴァン。でも、決して無理はしないで。あなたを危険な目に遭わせたいわけではないの」

「平気だよ。俺だって騎士の卵だぜ? それに……」

シルヴァンは少し照れたように頭を掻くと、まっすぐにフィオナを見つめて言った。

「あんたが、あいつ……王太子殿下のことばかりじゃなくて、俺を頼ってくれたのが、正直、嬉しいからな」

その言葉に、フィオナは少しだけ胸が温かくなるのを感じた。

「ええ。頼りにしていますわ、シルヴァン」

こうして、フィオナの疑問は、シルヴァンという頼もしい協力者を得て、真相へと繋がる確かな一歩を踏み出したのだった。
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