魔装戦士

河鹿 虫圭

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2/18:世話

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守護まもりじゅん。10歳の男の子で両親がとある宗教にドハマりしてしまい捨てられた。のちに両親は息子を捨てた理由を「信仰心が揺らぐから」と語っていた。

剣岳つるぎだけ千剣ちはや守護まもりじゅんとは異母兄妹である。兄妹と言ってはいるが、クソ父親のせいで同じ時期に生まれたためとても奇妙なことながら異母兄妹で双子である。当然、盾と同じ理由で捨てられている。

今回のお話はそんな双子のはじめてのおつかいの話の前編である。

─────────────

朝、晴山優吾はむくりと身体を起こして異様な温かさを感じて辺りを見渡す。久しぶりの自宅のベッド、左を見れば女児、右を見れば男児、下に目を向けるとペットのカラスが黒くもかわいらしい腹を見せて寝ていた。

「お~い。お前ら~起きろ~」

起きろと言いつつ、ペットのカラス♀ことクロスケを起こさないように優しく抱っこして自分の寝ていたところへ置きながら二人と一匹の肩や腹を揺すって起こす。

「ん~あともうちょっと~」

「おきたくない……」

かぁ~ねむい……」

休みとはいえ今の時刻は縦の直線を回ろうとしている。夜型の人間に育ってはいけないと優吾は少し強めに揺すって二人と一匹を完全に覚醒させる。盾と千剣は渋々といった様子で体を起こして寝ぐせだけの頭を揺らす。クロスケも眠そうな目で体を起こす。

「よし、起きたなお前ら。早速だが、今日は土曜日でもうお昼になってしまっている……ということで、お前ら何が食べたい?」

仁王立ちをする優吾に双子とカラスは目を輝かせて大きな声で料理名を叫ぶ。

「ハンバーグ!」

「ミートソーススパゲッティ!」

カァ!お肉カァ!お肉!」

「お前ら、起き抜けにそんな重いもん食ったら夕飯入らんぞ?クロスケに関しては何言ってるかわからんし……」

優吾は小さきものたちを引き連れて階段を下りてリビングダイニングへとやってきて広がる香ばしい匂いにキッチンへ目を向ける。そこにはブランチを作っている彩虹寺が顔をのぞかせる。

「四人とも遅いぞ。もう昼だ。」

「いや~久しぶりのベッドでな~思わず昼まで寝ちまったってわけよ~……それよりも、お昼は何を作ってるんだ?」

「今日のお昼は私手製のソースでさっぱり仕上げる冷やし中華だ。今はトッピングのひき肉を炒めているところだ。」

「何か手伝えることはないか?」

「今のところないな……強いて言えば、秘伝のソースに必要なものがないといったところだな……」

「秘伝のソース?ってなんだ?」

「我が家限定なんだが、しょうゆ、みりん、酢、塩、こしょうなどを混ぜ合わせて作るソース、その中で肝になるしょうゆなんだが、この家になくてな。」

「醤油?どこの?」

「隣町にある大豆屋「はじめ」にある醤油だ。我が家では冷やし中華限定でその醤油を買っているほどだ。」

「お、おう……確かにうちにはそんなこだわりの醤油は確かにないな。他には?」

「そうだな、あとは、スダチかな。さっぱり感に必要欠かせない。」

優吾は双子を見つめて少し考えた後、何かを閃いたように口角を上げて彩虹寺に耳打ちして目を合わせる。

「……しかし、それは……」

「俺とクロスケでがちゃんとフォローするからよ…な?」

彩虹寺は少し考えた後に優吾と目を合わせてふと別のことを考える。その瞬間、顔が一気に熱くなるのを感じて思わず目を背けて答えを出す。

「い、いいだろう。ただし私も同行する。そして、私が危険だと感じた時はすぐに二人を助ける。いいな?」

優吾は小学生男児のように瞳を輝かせて無邪気な笑顔を見せる。そんな笑顔に彩虹寺は呆れたようにしかし少し嬉しそうに表情が緩んだ。優吾は嬉々として双子とカラスを招集して「はじめてのおつかい作戦」を伝える。

「というわけで、双子には隣町までとある醤油を買ってきてもらいたい。」

「「わかった!」」

元気な返事をした二人は早速おつかいの準備をし始める。その後姿を見て彩虹寺も二人分の水筒を準備する。双子が準備をする姿を見て優吾はふと彩虹寺へ視線を送りながら無意識につぶやいた。

「なんか、家族みたいだな。」

「は?」

「いや、子供が二人いて、お前もなんか母親みたいだし。」

「は、はぁ?!な、なな何を……言って……」

彩虹寺は赤面を見せると優吾も自分のつぶやいたことにだんだんと赤面していく。

「あ、あの、あれだ、ほら、あれだよ……あの……あれだ……」

「あれだよな?はははっ」

二人とも絶妙で微妙な空気になりながら双子が来るのを待った。クロスケはそんな二人を見てあきれた様子で頭をかく。

カァ……これでツガイじゃないってマジ?

数分後、準備が完了した双子が再びリビングへ入ってきた。彩虹寺は二人分の水筒を手渡して菓子パンを一個ずつ食べさせる。

「一応、寝起きだからな。二人とも腹八分目近くまでは食べなさい。」

双子は菓子パンを食べながらうなずき今度こそ準備を完了させた。そして、玄関まで双子と一緒に来て、地図を手渡す。

「いいか?道に迷ったら近くの大人に頼るんだぞ?」

「「うん!!分かった。」」

無邪気な返事と共に双子は元気よく玄関を飛び出した。二人が見えるか見えないかくらいの距離になると優吾と彩虹寺は双子の後をついていく。

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